1990年1月16日 NTV
あらすじ
ルポライターの浅見光彦(水谷豊)は兄嫁から美也子(丸山秀美)を紹介される。美也子は10年前に広島へ旅行し、民宿が崖崩れになり、友人を亡くした。ショックで事故当時の記憶を失い、神経過敏になっている。光彦にも「もう一度現場へ行ったら」と励まされて、広島を訪れた。だが、その日の夕方に殺されてしまう。光彦は美也子が民宿を訪ね、1時間の余裕があったのに、なぜか美也子と友人が逃げ出さなかったことを聴きこんだ。
今回は冒頭からお見合いおば様の中西(今井和子さん)登場。毎回お見合い話を持ってくるものの乗り気でないことから雪江(乙羽信子さん)と言い争いになってしまう。おしんと道子母の闘い!
兄嫁の和子から買い物して大きな荷物があるから車で迎えにきて欲しいと言われ、光彦はこれ幸いと家を出た。
しかし、和子は和子で大学の後輩の独身女性・美也子を紹介してきた。美也子は後鳥羽上皇伝説の研究をしていたが、トラウマ持ちっぽい。ホントに昔は何がなんでも結婚させる時代なんだね。
光彦と二人で話すと、神経科のカウンセリングを受けていると美也子自ら告白し、10年前に友人と後鳥羽上皇伝説を調べに広島の民宿に泊まったが、崖崩れで友人が亡くなり、自分だけが生き残ったこと、その当時の記憶がないことを不安に思っていた。
思いがけないものが見つかった、何か思い出せそうと光彦に電話をかけてきたが、美也子は広島の三次(みよし)で殺されて見つかった。え、この方が今回のヒロインだと思ってた。
三好駅のホームで手を合わせていた光彦を見ていた野上刑事(河原崎長一郎さん)。光彦は観光協会で話を聞く。観光協会の職員は「はね駒」のセクハラ社長の綾田俊樹さん。若々しい。
光彦は美也子の足跡をたどる。10年前崖崩れがあった民宿はすでになく、元民宿の女将に話を聞いた。その日はすごい台風だったが1時間ほど時間があって逃げられたはずなのに避難してなかったと聞かされた。
そのあと野上刑事と出くわし、いつもの正体がバレるやつ。
図書館から古本屋へ。美也子は何を探していたのだろうか。電車で分厚い本を読んでいたという目撃情報があったが、遺留品の中にその本はなかった。
刑事局長の兄・陽一郎からすぐ帰って来いと言われた光彦だが、電車で美也子の目撃者だった富永が殺されたことを知った。
目撃者の富永が野上と光彦の会話から本がなくなったことを知り、古本屋に美也子が購入した「芸備地方風土記の研究」のことを聞いていた。美也子は元々の本の持ち主を尋ねていて、中学教師の池田に電話をしていた。その池田も自殺!?
捜査を外されたベテランの野上刑事は独自に動いていたが、それが気に入らない若い広島県警の桐山警部(田中隆三さん)から警察手帳は署長預かり、自宅謹慎を言い渡された。
美也子の母は「はね駒」でお世話になったお寺のおかみさん(八木昌子さん)だ〜。美也子の母と友人の母が駆けつけたとき、目の前で友人の遺体が掘り起こされたが、下着をつけていなかった。
当時、民宿には3人の男子学生達も泊まっていて後鳥羽上皇のことで盛り上がっていた。しかし、台風の時には逃げていなくなっていた。その男子大学生の一人が中学教師の池田だった。恐らく、男子大学生達は美也子たちに睡眠薬を飲ませて犯した。だから台風でも思うように体が動かなく避難できなかった。光彦は、美也子は暴行と友人を亡くしたショックで記憶を無くしたのだろうという推測を立てた。
光彦は池田の家に行き、父親に池田の後鳥羽上皇伝説の研究を本にしたいと話をして自室に入れてもらえた。部屋には封の切られていない封筒があり、中には美也子が持っていた「芸備地方風土記の研究」だった。
池田と一緒に旅行していた木藤は、光彦の挑発に乗って怒り出し、夜になって木藤が誰かに呼び出されたところを野上刑事と光彦で見張っていたが、目の前で車に跳ね飛ばされて死んだ。目の前で木藤が殺されたことを怒鳴り散らす桐山。
大学の名簿を見ると、池田、木藤の他に米原玄次…県警の桐山玄次だった。あの偉そうな奴か! 桐山は弁護士の女性と結婚、婿養子になり名字が変わっていた。
美也子や池田を殺したのは柔道三段の木藤。3人の罪を知って桐山を強請ろうとした富永を殺したのは桐山だった。(終)
今回はヒロインと思われた女性が早々に亡くなり、警部が犯人という異例の作品だった。同居家族ながら今まであまり出てこなかった兄嫁の和子が話のきっかけになるのも珍しい。いつもヒロインといい感じになるのもないし、全体にシリアスだったかも。水谷豊さんの浅見光彦もあと一作です。ちょっと寂しい。
調べると、これが浅見光彦シリーズの1作目だったんですね。ドラマ化されてる回数も多い。原作だと、美也子と一緒にいた亡くなった友人の祐子が光彦の妹! このドラマでは津村祐子という別人でした。この事件をきっかけに光彦が探偵として目覚めたのか、いつもと空気が違ったのはそのせいか。
このドラマは長門裕之さん演じる野上刑事が主人公だそうです。これは原作準拠の浅見祐子がでてくるのね。
これも浅見の妹という設定
2009年 沢村一樹さんが連ドラでやってたときもあったんだね。このときは浅見家の悲劇として前後編でやっていた模様。舞台が広島じゃなく木曽になってる。