徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】青い真珠

1951年 日本

 

あらすじ

未だ因習が遺る島が舞台の、山田克郎直木賞受賞作『海の廃園』を映画化。東宝特撮映画のエースとして活躍する本多猪四郎監督の初劇映画で、非凡な水中撮影に早くも才能を発揮する注目作。志摩半島の孤島に灯台員兼教師として赴任してきた西田(池部良)は、海女の野枝(島崎雪子)と惹かれ合うが、都会から帰郷し二人の仲を引き裂こうとするリウ(浜田百合子)に挑発された野枝は、底に沈む真珠を見れば恋が成就するという伝説の井戸に潜ることに。

2023.11.8 日本映画専門チャンネル録画。白黒。

 

海女と真珠

黒潮洗う伊勢志摩

ここには今もなを

海女と真珠にまつわる

いくつかの悲しい物語が

秘められている

 

海に何か紙?を捨てる男。のどかな田舎町を歩いていた西田は店に行ってタバコくださいと声をかけたが猫しかいない。

 

西田…池部良。字幕黄色。

 

たまたま通りかかった海女の野枝と出会う。

 

野枝…島崎雪子。字幕水色。

 

今は浜に出ていて誰もおらず、野枝はピースが欲しいという西田にそんな贅沢なタバコはないとバットを売ってくれた。最初に海に捨てたのはタバコの箱だったのかな。お釣りがなく、3箱くださいというとそれじゃみんなの分がなくなると言い、後で渡すと言う。

 

海女仲間に島に来た新しい灯台守兼先生の西田の話をしていた野枝は一目惚れしたか?とからかわれる。

 

そこに派手な格好の女性が現れた。東京帰りのリウだった。

 

リウ…浜田百合子。字幕緑。

 

西田は藤木灯台長(志村喬)からここの女性たちは病人かかたわでない限り11~12歳で海に潜る。女の子が生まれたら喜ばれ、長男以外は公然と山へ捨てられたと教えられた。かたわとか普通に字幕出るね。BSだと音も消されるし、字幕も…だろうな。

 

志村喬さんと池部良さんは「男たちの旅路」に出てたな。

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野枝は働き者の稼ぎ頭。野枝の父は北海道で女を作り、母は信州に帰っていて、今は伯父の家にいる。

 

対比するように派手なリウは東京帰りで怠け者で~という描写。リウはこのまま結婚して子供産んでそれでいいの?と疑問に思う普通の女性と思うけど、田舎では許されない存在なんだろうね。

 

祭りの日、海女が好きな男に水をかけるという風習があり、野枝に水をかけられるんじゃないかと期待していた新太郎(柳谷寛)だったが、野枝が手桶の水を頭からかけたのは西田だった。

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柳谷寛さんは「おやじ太鼓」では武男が新婚旅行に行ったタイのお寿司屋さん。

 

海女とよそ者の結婚はよくないという迷信がある。藤木は西田に詳しく伝説を教えるが稼ぎ頭の海女がいなくならないように足止め策ではないかとも話す。そうだろうなあ。

 

野枝から好意を示され、西田も野枝を好きになった。

 

何年か前に東京の男を好きになり、戻ってきたリウは先輩海女たちに「派手な化粧しても海に男はいないぞ」と嫌みを言われたり、母親にも野枝と比べられる。それでも好きに生きてやるというリウはかっこいいと思うけどな。

 

野枝は近所のおばさんから海女だから威張っていられる、よそにいったら料理や裁縫ができるわけでもない気が強いだけの女だと言われた。

 

何人かの海女たちと海へ出た野枝は西田との仲をからかわれて、口説きたいならどうぞと気の強いところを見せる。へえ〜、今まで健気で働き者の野枝と派手で怠け者のリウという対比だったけど、野枝も気が強いのね。

 

野枝が西田を好きだと知ったリウは派手なドレスで灯台へ行き、遊ぼうと誘う。遊ぶ場所がないという西田の同僚にリウはラジオのスイッチを入れる。ジャズが流れ、リウは男たちに踊ろうと誘うがノって来ず、西田がリウと踊った。それを野枝に見られてしまった。

 

西田は野枝との結婚を断られた。野枝がというより、野枝の伯父、伯母が断ったのかな。

 

リウは野枝の恋人と聞き、西田に近づいたが今では本当に好きになったと西田にまとわりつくようになった。

 

新太郎は野枝のいる家にいつもいない? 野枝の伯父の息子なのかも? 新太郎の船で海に出た野枝。海女の腰に紐がついていてある一定の深さまでいくと新太郎が引き揚げる? 新太郎が無理したらいかんと言っても海に潜り続ける野枝。何回か潜ったあとぐったりとして、死んでもいいんやと新太郎の前で泣いた。

 

新太郎は軽子(かるこ)になると出て行った。誠実そうな人だったのでちょっとかわいそう。

 

リウは漁に出たが、気が乗らないとグダグダ。しかし、流産したら大変だと周りに聞こえるように言い腹にさらしを巻く。野枝にも西田の子を妊娠したと話す。

 

大日様の元に行った野枝は西田との仲を占ってもらう。卯年生まれの24歳は西田のことか? 1927/昭和2年生まれ。大日様にはこれ以上の深入りはやめたほうがいいと言われた。

 

嵐の夜、灯台にいる西田に会いに行った野枝。西田に確かめるとリウはおきゃんでおちゃっぴいで自由だが嫌いだと言い、妊娠も嘘だと言う。

 

相変わらず西田にまとわりつくリウに対し、野枝の「恥知らずのリウ。チキショウ」という心の声が怖い。なかなかいないヒロインだ。

 

伝説の真珠を見つけた野枝は夢中で手を伸ばす。一方、リウは野枝に助けを求めていた。野枝は引き揚げられたが気を失った。野枝は助かり、リウは命を失った。

 

近所の者たちはリウが東京に行っていたため、海女としての腕が鈍っていた、野枝だって助けられたかもしれないのにと陰口を叩く。野枝の耳には「野枝よ、助けてー!」というリウの声が耳に残り続けた。どっちも海に潜ってたんじゃないのか?

 

月夜の日。西田と藤木は灯台から海を見ていた。

 

野枝にはいつまでもリウの声が響き、西田の言葉を思い出しながらも、何度も何度もリウの声が聞こえ、ついに着物を脱ぎ、夜の海へ入って行った。(終)

 

西田…罪な男だ。野枝も可愛らしい顔して田舎のおぼこい娘像とは全然違っていたところが面白かった。