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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(51)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

元子(原日出子)と正道(鹿賀丈史)の結婚式を無事に済ませ、宗俊(津川雅彦)と洋三(上條恒彦)は一足先に帰京する。トシ江(宮本信子)は元子が帰って来るのが待ち遠しい。波津(原泉)は、元子に嫁入り道具のひな人形を見せながら、正道は優しいのはいいが世渡り上手ではないと心配する。日本橋に戻った元子たちには、吉宗の仕事場裏の長屋に二人のためにと手作りの家があつらえてあった。元子と正道の新しい生活が始まった。

松江での結婚式を無事済ませ、一足先に宗俊と洋三が帰ってきました。

 

吉宗

宗俊「へい、帰(けえ)ったぞ」

この時代のおじ様ファッション好きだな~。コートにハットに四角いかばん。

 

茶の間

宗俊の笑い声

絹子「そう。へえ~、よかったねえ」

トシ江「それで、元子は?」

宗俊「おう、明日辺りの多分、汽車に乗るだろうよ。式が済んでからもな、親戚中に顔見して歩くとか何とか山ほどしきたりってのがあってよ、え、こちとら、お前、大みそか控(しか)えてるから、まあ、ひと先ず先に引(し)き取ってきたって、こういうわけだ」

トシ江「そうだったんですか…」宗俊が話している間に半纏を持ってきて着せる。「洋三さん、遠い所まで本当にありがとう存じました」

 

洋三「いやいや…あわやというような場面もありましたね、大したお役には立てなかったけれども」

宗俊「何言ってんだ。おめえさんがいたからこそ、こちとらも大ばくちのたんか切れたんだ。なあ」

トシ江「あら嫌だ。あれほど念を押しといたのに、またそんなことやったんですか」

洋三「いやいや、それが逆にうまいこといっちゃったんですから、ええ。義兄(にい)さんの芝居がかりもなかなかなもんですよ」

宗俊「いやぁ、しきたり、しきたりとこちとら肩ぁ凝ったぜ」

 

洋三「でも、ああいう堅い人たちに気に入られたんだからもっちゃんも大したもんですよ。きれいだったですよねえ、白い打ち掛け姿」

トシ江「ええ…」少し涙ぐんでる?

宗俊「今更な、泣いたってもう遅(おせ)えんだぞ」トシ江の肩をポンと叩く。

トシ江「はい」

 

絹子「でも、帰ってはくるんでしょ?」

洋三「ああ、大みそかまでには必ず」

キン「じゃあ、あの、あちらでお正月おやりにならないで?」

宗俊「ああ、さしずめな時代劇なら刀自と呼ばれそうな、すげえばあさんがいてな、これが『一年の計は元旦にあり』、新しい事業を東京でやるならば正月は東京で過ごすべきだと鶴の一声ってかな、しわがれ声で全て決まりだ」

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洋三「それで相談なんですがね、もっちゃんも帰ってきたら、もう大原の人間ですからね、いつまでもここに夫婦でもって居候ってわけにいかないでしょう」

トシ江「あっ、そのことでしたらね、もう話はついてますよ」

宗俊「何の話がだ?」

キン「へえ。今どき一人(しとり)で暮らしてるのはもったいないことですしね、善吉もまあ、いつ復員してくるか分からないことですし、私がこちらに移って、新所帯はあちらの長屋にということにすれば両方お互い便利だと思いましてね」

 

宗俊「いやいや、それじゃあ、おめえ」

キン「何をおっしゃいますよ。もともとあれはこちらの家作なんでございましょう」

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絹子「それでね、帰ってきたら、すぐに暮らせるように兄さんたちを待って、すぐ手を入れようって、今、彦さんに板なんか買いに行ってもらってんですよ」

洋三「おお、そりゃいい。義兄さん、そりゃ一番ですよ」

宗俊「いやぁ、しかしな…」

 

と、いうわけで手回しよく受け入れ準備は万事OK。

 

純ちゃんの応援歌」で向かいの長屋に住んだパターンに近いね。

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秀平は初回から登場していた割に結婚したのは結構遅かった。新婚早々、清原先生を引き取りたいなどと言い出したり…なかなかな夫だったよな。

 

松江・大原家

おひなさまを見ている元子。

波津「どげながや」

元子「はい、想像していたとおり…いいえ、想像以上に優しくて品のあるお顔だちです」

波津「こうはね、私のおしゅうとさんが初節句に買ってもらったのを嫁入り道具ん中入れて持ってござっしゃった内裏さんだどもね、ここんうちではね、弥生の節句になると、必ずこのおひなさんを出して、お祭りしちょうますだけんねえ。うん、ハハハ…正道がねえ、このおひなさんのことを元子さんに?」

元子「はい。いくらお顔を見ていても見飽きないし、心が和むとおっしゃって」

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波津「私にはね、あの子のそこんとこがちょんぼし心配(すんぱい)でねえ」

元子「はい?」

波津「男の優しのも悪いことではないんだども大原の人間は、どうも世渡りがあんまり上手な方じゃないけんねえ。そこんとこはあんたもどうぞしっかり見てやってごしなせえね」

元子「いえ、桂木のうちもおんなじです。ただ一生懸命ぶつかっていくうちに何となく道が開けてくるというようなあんばいで、みんな今までやってこられたんだと思います」

波津「そうそう、それが一番大事なことだけんね。しっかりと見守ってやってごしなせえね」

元子「いえ、私はただ正道さんを信じて一生懸命ついていくだけですから」

波津「とはいってもね、今まで士官学校で習ってきたことは何の役にも立たん世の中になってしまっただけんね、よろしく頼みますよ」

元子「はい」

 

邦世「入っていいですかいね」

波津「はいはい、どうぞ」

元子「今、おばあ様におねだりして、おひなさまを見せていただいてたの」

正道「どう? 自分が言ったとおりだったでしょ」

元子「はい」

 

波津「そうで、どげな具合だったかいね」

邦世「はい、何ぞ珍しいもんをと思いましたが、皆さん、そばが好物だと言うちょられましたもんで、そば粉なんかちょんぼし用意しちょきました」

波津「それはご苦労さんだったねえ」

 

汽笛

鉄橋を走る汽車。正面からの映像。白黒じゃなく何かの記録映像なのかな。

 

おひなさまの顔も見たし、土産の用意もできて正道元子のホヤホヤ夫婦は宗俊の2日遅れで松江を後にし…。東京に着いたのは、あと2日で新年という年の瀬もギリギリに押し詰まってのことでした。

 

昭和20年12月25日 松江到着。2時間待たされる

26日 話し合い

27日 祝言

28日 宗俊たち帰京

30日 元子たち帰京…という感じ?

昭和元年は12月25日以降なので、元子はどこかのタイミングで誕生日だったかも。

 

桂木家台所

宗俊「さあさあ…え、挨拶はいいからこっちへ来てみな。え、ほら」

元子「もう、訳も言わずにせっかちなんだから」

宗俊「こっちだ、こっち、ハハ」勝手口を出て、裏庭へ。

 

おキンさんが住んでいた長屋に”大原正道”の表札がある。

宗俊「ほら、何をしてるんだい、え。『大原正道』表札までかかってて、お前さんたちのうちじゃねえか。ほら、中、入んな入んな、ほら…」

トシ江「さあさあ、ほらほら」

正道「えっ、あの…それじゃあ」

 

玄関を開けると、ちゃぶ台に座布団が見える。

元子「いつの間にこんな…」

トシ江「ねえ、大原さん、台所の棚はね、おとうさんと彦さんがつったもんだから物を載せる前に気ぃ付けてくださいよ」

宗俊「あっ、ちょっと気ぃ付けて…何言ってんだ、この野郎」←ノリツッコミ!

トシ江「それからね、道具もこのとおり新しいものはそろえられなかったんだけど、まあ、手鍋下げても始める所帯はいくらでもあるんだもの。2人でしっかりと働いてさ、気に入ったものをそろえてくださいね」

正道「はい、そのつもりで頑張ります」

トシ江「それからね、そっちの押し入れの方はね…」

宗俊「バカ。てめえたちで開けりゃ分かるんだよ、なあ。手の内見せたら、お前、2人が楽しむ間がねえじゃねえか。気ぃ利かせて早くおいとま、おいとま…」

トシ江「はいはい」

 

元子「あっ、嫌だわ、お父さんたち」

 

トシ江「そんじゃあ、お邪魔さま」

宗俊「いいから早く来い」

トシ江「分かってますよ」玄関の戸を閉めて出て行く。

 

正道「とにかく座りましょうか」

元子「はい。あっ、私、お茶いれます」

正道「ああ、すいません」

 

祝言から松江の旅まで何やら周りに振り回されていた2人でしたが、今こそ2人は本当の2人でした。

 

元子がお茶を入れる。

正道「ああ、どうも。あ…疲れたでしょう」

元子「いいえ…」

正道「熱っ」

元子「あの…。これからもず~っとどうぞよろしくお願いいたします」

正道「いや、あの、こちらこそよろしくお願いします」

2人で頭を下げる。

 

戸が開く音

巳代子「お帰りなさ~い!」

順平「何やってんの?」

 

元子「何にもやってないわよ」

巳代子「だって大原さんと謝りっこしてるみたいで」

 

巳代子の無邪気さがかわいい。

 

元子「今日からね、大原さんじゃなくてお義兄(にい)さん」

正道「いや、あの、大原でもいいですよ」

元子「いいえ、初めが肝心ですから」

正道「あ…はい」

 

さよう。何事も初めが肝心。だから大原さん、かかあ天下…いえ、くれぐれも女性上位にならないよう頑張ってください。

 

正道「はい」←ナレーションに返事した!

 

一日たてば、はや、大みそか

 

桂木家台所

フリルの前掛けをあててそば打ちをする正道。

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ふいに渡辺謙さんの料理姿を思い出した。相馬では男炊事といって正月は女に炊事をさせないという風習…当時、検索しても出てこなかったけど、手慣れた感じだったな。これ、まだ、りんが女学校入る前でたまたま彌七が源造を連れてきたんだよね。このドラマもまた初回からヒロインの夫が登場してた(+なかなか結婚しない)パターン。

 

キン「やっぱり大したもんですねえ」

彦造「そりゃあ、何つったって出雲のお人だもの」

元子「それに粉が違うわよ、粉が」

 

元子の背に順平が寄りかかり、その上に巳代子がいて団子状態になってるのがかわいい。

 

巳代子「そうよね。大原さんとお姉ちゃんがぎゅう詰め列車の中を背負ってきてくれたんだもの」

順平「大原さんじゃなくてお義兄さん」

巳代子「あ~」

みんな笑う。

 

宗俊「おい、騒ぎはいいけどよ、お前、湯は沸いてんだろうな、湯は」

トシ江「はい、たっぷりとね」

 

キン「けどねえ、お嬢の旦那様が打ったおそばで年を越せるとは思いませんでしたわ」

元子「来年は正道さんに習って私が打ちますからね」

彦造「見ろ、だから長生きはするもんだ」

キン「ハハハ、本当にねえ」

 

茶の間

正大の写真の前にもそば。

 

そばをすする音。

彦造「あ~あ、何年ぶりだい、こんなシコシコしたそばは」

キン「だから長生きはするもんだ」

 

鐘の音

宗俊「おっ、除夜の鐘だ」

トシ江「本当にいろんなことがあった一年だったわねえ…。去年の暮れは警戒警報で電気も覆いをつけたまんま。金太郎さんが一緒におそば祝ったっていうのに…」

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宗俊「それを言うんじゃねえ」

正道「いや、いいんですよ。そもそも年越しそばってのは、一年の来し方を振り返って、それで新しい気持ちで新しい年を迎えようってもんですからね」

元子「そうよ。お母さん、去年も8人、ほら、今年も8人。これであんちゃんが帰ってくれば来年は必ず1人増えるんだもの」

宗俊「そうだよ。そうだな、え。おい、年越しそばってのはな、しめっぽくなっちゃいけねえ。あのにぎやかな金太郎がよ、『私のせいにして』って、怒るわよ、きっと」

笑い声

トシ江「本当にそうだ。おそばたっぷりありますからね、お代わり欲しい人、言ってくださいよ」

順平「そんじゃ!」こたつに身を乗り出す。

正道「あっ…」

宗俊「そいじゃ、俺も」

キン「まあ。まあ…」

 

108つの煩悩を払って迎えた昭和21年1月1日。天皇は念頭詔書を出され、「朕は神にあらず」と自ら人間宣言をなされたことが新年早々のニュースでした。

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一月一日

一月一日

  • 絹の会
  • ワールド
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

この曲のアレンジバージョンが流れる。「一月一日」ってタイトルなんだね。

 

大原家

元子「それじゃあ、行ってらっしゃいまし」

正道「はい、行ってきます」

 

三が日が明けると、正道は新しい出版事業に向かって活動を開始。

 

裏庭を通って表の路地へ。

 

元子は勝手口から桂木家へ。「おはよう!」

 

茶の間

宗俊はキセルを鼻にかけたり退屈そう。

元子「もうお正月は終わったのよ。正道さんだって仕事行ったっていうのに、もうしっかりしてよ」

宗俊「うるせえなあ」

元子「すぐに休み癖がついちゃうんだから」

宗俊「昔っから職人ってのはな、11日まで休むって決まってんだよ」

元子「いくら戦争が終わったからって、そんなのんきなご時世とは違うでしょ」

宗俊「しかたねえだろ。俺だってお前、仕事がありゃ、お前、休んでなんぞいるもんか」

トシ江「そのくせ、正月早々うっとうしいから店先に古着べらべら並べるなって、こうなんだから」

 

元子「うん、私もね、そのことで少し相談があるんだけど」

トシ江「何のこと?」

元子「ゆうべもね、正道さんといろいろ話し合ったんだけど、おんなじ古着でも、これからはもう少し実用品を扱ったらどうかって」

トシ江「あ~、それ、私も考えていたんだけどね」

宗俊「考えたところで今どき、そんな実用品を卸すところがどこにあるんだい」

 

元子「それは座ってたって品物は飛び込んじゃまいりませんよ」

宗俊「カ~ッ、好きだな、お前も」

元子「好き嫌いの問題じゃないでしょう。正道さんの仕事だって軌道に乗るまでは大変だろうし、私だって若いんだものぶらぶらしてるご身分じゃなし、頭と体を働かして少しでもあの人の仕事を手伝いたいのよ」

宗俊「ああ、結構な話だ。畳と女房はな、新しいのに限るってよく言ったもんだ」

トシ江「いいえ、古くたってぶっ座(つわ)ってる亭主抱えてたら、私だって頭と体を働かすことにかけちゃ娘には負けちゃいられませんよ」

 

宗俊「たかが正月ぐらいいいじゃねえか」

元子「お正月はもう終わったんですよ」

宗俊「しかたねえだろ。バラック建築だって、お前、俺たちだけじゃままならねえんだしよ」

トシ江「それにしたって、うちには巳代子と順平。まだまだこれからって子供が2人はいるんですよ」

宗俊「ああ、分かってる。だからよろしく頼むわ」

元子「どういうんだろ、一体」

 

宗俊「お前な、昔っからな、職人名人ってのは気が向かなきゃ仕事はしねえって決まってんだ、え。おめえのお父っつぁんは名人だってこと忘れんな」

元子「あら、そういうのを飽きっぽいっていうんじゃないんですか」

宗俊「気の強(つえ)え女房を持って正道っつぁんも気の毒だ」

トシ江「他人の心配することありませんよ」

宗俊「他人じゃあるめえ、娘の連れ合いだ」

元子「もういいから、お母さん、ちょっと私の話、聞いて」

トシ江「あいよ」

 

宗俊、大あくび。

 

この分では、昭和21年の桂木家、どうやら女性リードのうちにスタートを切るもようです。

 

つづく

 

明日も

 このつづきを

  どうぞ……

 

宗俊は働くこと自体は嫌いではないが、自分の好きなことだけやりたいタイプなのかな。元子というより毎日宗俊劇場を楽しんでる感じもある。結婚式も新居も年末年始も水曜日までに片づいた。後は何があるんだか楽しみ♪

 

大原さんは堅い家だけど分家の長男ということで家を継ぐとかはいいのかな? 中学から東京だしねえ。何となく昨日おとといの話によると正道さんのお父さんも役所勤めでいろんなところに行ってるみたいな感じだったし。