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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(78)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

正道(鹿賀丈史)の父・泰光(森塚敏)危篤の知らせが飛び込んできた。宗俊(津川雅彦)やトシ江(宮本信子)たちが大至急で旅の段取りを済ませ、元子(原日出子)たちは一番早い列車で松江に。大原家の玄関に着くなり妹の陽子(田中美佐子)に迎えられ、何とか容態を持ち直したと聞き安堵する。元子は早速、看病し通しだった義母の邦世(磯村みどり)を休ませようと手伝いに。祖母の波津(原泉)は大介(橘慎之介)と仲良しに…。

あらすじもオープニングも田中美佐子になってたね。

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元子の祝言で松江に行った時は”田中美佐”でした。1982年の年明けのタイミングで改名したのかな。

 

松江から正道の父、危篤の知らせが飛び込んできました。

 

桂木家茶の間

トシ江、元子は荷物をまとめ、巳代子は大介の服を着替えさせている。宗俊は火鉢を引っかき回す。

 

正道「ただいま戻りました」

 

宗俊「おい…」

元子「あなた、これ…」

 

宗俊「とんだことだったな、おい」

正道「はい」

宗俊「けど、まだ追いかけ電報は入(へえ)っちゃいねえんだから、なるたけ早く駆けつけてあげるこった。汽車まで時間がねえぞ」

正道「はい」

元子「洋服、出してありますから、すぐ着替えてきてくださいな」

正道「ああ」

キン「後はね、私らが片づけますから脱ぎっぱなしで結構ですからね」

正道「はい、それじゃお願いします」

 

巳代子「いい? あっちへ行ったらね、あちらのおじいちゃまはお加減が悪いんだから、あんまりお母さんに心配かけたら駄目よ、大ちゃん」

大介「うん」着替え終わって宗俊のもとへ走る。

巳代子「うん。あっ…」

元子「もう、言ってるそばから大介!」

宗俊「おいおいおい、いけねえよ。母親が今から癇(かん)たててちゃ子供がかわいそうだ。よし、おじいちゃんがな、チョコレートをやろう。ねえ。よし、いいぞ…」

 

キン「え~っと、すると荷物は、これとそれと…」

巳代子「それから、お母さんが買ってくるものが1つ余計になるけど」

元子「いいわ、これと一緒にするから」

キン「じゃあ、もう一つぐらい持てますよね。あの、喪服用意してらした方がよろしいんじゃないですか?」

宗俊「このバカ野郎! 何てこと言いやがんだ」

キン「へっ?」

宗俊「『へっ』じゃねえよ。危篤って知らせなんだぞ。まだ目は落ちちゃいねえんだ。余計な早手回しをするんじゃねえ!」

キン「けどね、向こうで慌てるのは、お嬢なんですよ」

宗俊「人間、一度しか死なねえんだ。そん時は大いにまごついてやりゃいいじゃねえか」

キン「けどさ…」

宗俊「うるせえんだよ、このくそばばあ。縁起でもねえ。元子はな、葬式に行くんじゃねえ、看病に行くんだ。間違えんじゃねえぞ」

元子「はい」

宗俊「お前、その時はな、喪服なんぞ、お前、借りたって恥じゃねえんだ。知らせがあったら俺が持っていってやらぁな、俺が。な? いいか、元子。おめえは長男の嫁なんだから一日でも余計にお父っつぁんの看病をしてやるんだ。いいな?」

元子「はい」

 

口悪いけど、これは宗俊が正しい!

 

藤井「ごめんください。藤井です」

巳代子「あっ、お義兄(にい)さんなら家の方よ」

藤井「分かった!」

 

大原家

ちゃぶ台に白封筒を置く藤井。「玉置さんと相談してとにかく金を集めてきましたから」←玉置さんは名前だけで1回も出てきたことないね。

正道「すまん」

藤井「ご病人さんには何としてでも持ち直してもらわないと困りますが、そうなればなったで、また物入りでしょうし」

正道「ありがとう。助かるよ」

藤井「とにかく着いたら様子を知らせてください。会社の方は僕も頑張りますから」

正道「頼むね。ただ、丸山先生に頼んどいた原稿がちょっと心配でね」

藤井「大丈夫ですよ。僕もおやじになるんだから、たっぷりとボーナスをもらえるように留守はしっかり守りますから」

正道「うん」

 

善吉「あっ、大原さん、今、おかみさんが帰ってみえて、お土産も用意しましたし、よろしかったら」

正道「すぐ行きます」

善吉「ええ。東京駅まであっしがお供いたしやすから」

正道「どうもありがとう」

善吉「さあ、早く」

 

とるものもとりあえず元子たちは一番早い列車に乗り込むことになりました。

 

吉宗前

正道「それじゃ、行ってまいります」

宗俊「ああ、気を付けてな」

正道「はい」

トシ江「風邪ひかさないようにね」

元子「はい」

キン「善吉、あの、ほら網棚に荷物載せたらね、しっかり結わいつけておくんだよ。置き引きがいるからな」

善吉「んなことは分かってるよ」

 

藤井「会社の方は心配いりませんから」

正道「頼むね」

藤井「はい」

正道「それじゃ。さあ…」

藤井「行ってらっしゃい」

宗俊「…忘れんじゃねえぞ、いいか」

巳代子「行ってらっしゃい」

トシ江「気ぃ付けてよ。大介」

 

青みがかった画面での蒸気機関車

 

東京から松江まで急行で乗り継いで約19時間の旅です。まだ肉親の死にあったことのない元子は正道の胸の内を思いやると夫婦でありながら何と励ましていいか言葉も見つかりませんでした。

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いやいや、元子には正大あんちゃんがいるだろ! 代々人形町に住んでいるなら宗俊の両親やトシ江の両親など祖父母だってねえ…。

 

列車内

正道「昔から少し心臓が悪かったんだよ」

元子「ええ…」

 

8年ぶりの松江です。

 

今回は松江ロケあり。大荷物を抱えた正道と元子と大介が道を急ぐ。前は大原家の前と家の中しか出てきてないもんね。

 

松江・大原家

正道「ただいま! 正道です。今、戻りました」

元子「元子です。ただいま戻りました」

陽子「お兄さん!」

正道「ああ、おやじは!?」

陽子「はい、追いかけて電報を打ったですけども」

元子「まさか!」

陽子「いいえ、今朝方から持ち直して」

元子「はあ、よかった…」

正道「さあ、とにかく上がろう」

陽子「お母さん! お母さん! お兄さんが」

 

布団に寝ている父・泰光と見守る祖母・波津、正道、大介。

波津「目が覚めたみたいだね、正道」

正道「はい…。ご気分いかがですか、お父さん。正道です。どうも遅くなって申し訳ありませんでした」

波津「泰光、大介だで」

大介「誰? この人」

正道「大介のおじい様だぞ」

大介「うそだい」

正道「大介」

大介「俺のおじいちゃんは、うちにいるもの」

正道「いや、だからな、この人は松江のおじい様だ」

波津「あ~、いいわや、いいわや。子供だけん分からんだわや」

正道「いや、しかし…。こら、ちゃんと挨拶せんか、大介」

大介「こんにちは」

布団に寝たまま笑顔でうなずく泰光。

 

台所

邦世「あっ、いいですわね、本当に。お疲れでしょうに」

元子「いえ、私はお見舞いに来たんではなくてご看病にあがったんですから、どうぞ何でもおっしゃってください。分からないことはお聞きしますから教えてください」

邦世「そうだども、ゆうべは汽車ん中でよう眠れんだったでしょう」

元子「お義母(かあ)様こそ、ご看病で少しもお休みになってらっしゃらないんでしょう?」

邦世「そうでも、今朝まで本家の衆が交代で泊まってごされたけん、心丈夫だったわね」

元子「はい」

邦世「そうにしても本当に、よう来てごしなったねえ、元子さん」

元子「はい。さあ、あの何でも言いつけてください。そして少しお休みになってください」

邦世「ほんなら一緒にやあましょうか。私がそばを打ちますけん、元子さん、湯を沸かしてごしないね」

元子「はい」

邦世「あっ、そうから、あの、そのネギも洗ってごしないね」

元子「はい」

 

陽子「行ってまいりました」

邦世「ああ、ご苦労さんだったね」

陽子「ウナ電で打っちょきましたけんね、2時間ほどで着くそうです」

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ウナ電=至急電報

 

元子「お手数かけました。電報を見たらきっと父も安心すると思います」

邦世「本当にすっかり心配かけてしまって」

元子「いいえ、とんでもありませんわ」

 

吉宗

宗俊「どうもご苦労さん。おい」

トシ江「はい」

宗俊「松江のお父っつぁん、どうやら持ち直したらしいな」

キン「そりゃあよかった。まあ、本当にようござんしたねえ」

宗俊「『イサイ フミ』ってあるからな、詳しいことは後で手紙で知らしてくるだろうけど、まあ、これで一安心(しとあんしん)だ。なあ」

 

イサイ フミ=委細、文

 

トシ江「何てたって遠いんですもんねえ。私ら田舎がないから分かんないけど、正道さん、さぞハラハラしたことでしょうよ」

宗俊「見ろ。誰だ、喪服なんぞ持ってけっつったのは」

キン「どうも相すいませんでした」

宗俊「気が利くのも結構だがな、時と場合によりけりだ。お前、喪服なんぞ持ってってみろ。えれえ恥かくとこだ」

キン「本当に」

トシ江「でもまあよかった。何てたって正道さんは跡取りなんだし、元子はその嫁なんだもん。ねえ、あんた手紙書くならね、こっちのことは何にも心配いらないから、しっかり親孝行してくるようにって、そういって書いてやってくださいよ」

 

トシ江の鍋の味見をする宗俊だが、お玉ですくってそのまま味見て残りを鍋に戻してやがる!

 

宗俊「そんなこたぁ、とっくに言ってやらぁな」

キン「それにしてもねえ、大介坊や、慣れない土地で泣いたりなんかしてはいないでしょうかねえ」

トシ江「何言ってんのよ。あちらさんにしたって初孫(ういまご)だもの。そりゃ、まあご病人さんには騒がしくて申し訳ないかもしれないけど、けどまあ、皆さんにね、かわいがっていただいてるに決まってますよ」

キン「そうですね」

トシ江「それにね、何たって子供はすぐ何でも慣れてしまうもんだからね」

 

宗俊「おい、お前、そんなこと言ってよ、あの坊主、こっちのおじいちゃんおばあちゃんのこと忘れやしねえだろうな」

トシ江「まあ、何バカなこと言ってんですよ」

キン「そうですよ。人様(しとさま)にじいさんばあさん呼ばれると目ぇ三角にして怒るくせにして、まあ」

宗俊「てやんでぇ! 当たりめえでぇ! 人様にお前、どうやってお前、おじいさんなんて呼ばれる筋合いがあんだい」

トシ江「まあ、よかったよかった。まあ、本当にようござんした。ハハ…」

宗俊「おう、おう、そうだ…」

 

泰光が小康を得たという知らせは宗俊たちに大きな安心を与えたものの決して楽観を許されたわけではありませんでした。

 

神棚に電報を置いて手を合わせる宗俊。

 

松江・大原家

泰光の枕元でウトウトする邦世。元子は自分の着ていたカーディガンを着せ、編み物を始める。

正道「さあ、交代しよう。少し横になったらどうだ」

元子「いいえ、私よりもお義母様の方がお疲れよ」

 

正道「お母さん。お母さん…」

邦世「あっ、ごめんねえ、つい」

元子「いいえ、少しお休みになってください。ここはしばらく私たちで見ていますから」

邦世「元子もそのつもりで来てますから、本当に体、休めてください」

元子「そうですよ。お義母様にまで寝込まれたら、私ではまだこのうちのことは全然分からないんですもの。困ってしまいます」

邦世「そうだねえ。ほんならちょっとの間、お願いしようかね」

元子「はい」

正道「はい。はい、さあ…」

邦世が出て行く。

 

正道「大丈夫か?」

元子「若いんですもの、大丈夫よ」

正道「すまんな」

元子「何をおっしゃるの。あなたにとってお父様なら、私にだってお父様なんですもの。こんな時ぐらいちゃんとお世話できないようじゃ帰ったら河内山に何しに行ったんだってどなられちゃうわ」

正道「うん」

元子「大介は?」

正道「うん、さっきまで陽子が見てたんだけどな」

 

幸い大介は、この夜以来ひいばあちゃんにあたる波津をひいばあ、ひいばあと呼んで大の仲よしになりました。

 

波津と一緒に寝ている大介。

 

翌朝

いつもの裏庭で手を合わせるトシ江を見ている宗俊。

 

松江・大原家

石灯籠を棒で叩く大介。「やあ! やあ!」

 

庭を掃いている波津。

正道「あ~、おばあさん、そういったのは私がやりますけん」

波津「何言っちょうだや。看病人が病人の脇でいびきをかいて眠ってたくせして」

正道「あ~、まことにもってついウトウトしてしまいました」

波津「まあ、いいわや。もうこいでおしまいだけんね」

 

陽子「おばあさん、お兄さん、ごはんですけんね。それから大介ちゃんも」

大介「あ~、腹へったぁ」

波津「あ~あ、元気がいいのはいいが、大原家の跡取りが言葉から直さんといけんねえ」

大介「はい、まことにもって」

笑い声

陽子「ごはん、ごはん。はい。さあさあ、さあ…」

 

波津と陽子に手を引かれてグダグダ歩きの大介。アドリブ?

正道「ほら大介、ちゃんと歩きなさい、自分で」

 

元子が泰光の食事介助。

 

つづく

 

ただいまの出演としてブルーバックで出演者をもう一度紹介。この画面、結構久々。

 

明日も

 このつづきを

  どうぞ……

 

松江ロケがあるということはしばらく松江編!? 地方ロケやんなきゃだめかねえ。東京だけで十分面白いんだけどな。そこんとこ「澪つくし」は最初から最後まで銚子で乗り切ったのはすごいと思う。