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【ネタバレ】特集ドラマ「二十四の瞳」

2022.8.8 BSプレミアム

 

あらすじ

あの名作「二十四の瞳」が土村芳主演で現代によみがえる!昭和初期の物語だが、そこで描かれる戦争・貧困・差別・弾圧などは、決して遠い戦時中だけに限った問題ではない。「二十四の瞳」を次世代に伝えるべき<祈り>の物語としてドラマ化する。昭和初期の小豆島。大石久子(土村芳)は新任教師として岬の端にある分教場に赴任し、そこで12人の一年生たちと出会う。それから20年に渡る久子と子どもたちの交流が始まる。

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以前、高峰秀子さんが主演した映画を観、その後、原作も読んだので、今、映像化したものはいいかなとも思ったのですが、主演の土村芳さんの演技も見てみたいし、國村隼さんも出るというので録画することにしました。

 

冒頭は昭和20年8月15日の玉音放送から。映画はこんな始まりだったっけ?

 

昭和3年4月 洋服で自転車に乗っている新人教師の大石久子の姿は、和服ばかりの島の人たちの中ですごく目立っていた。久子は島の岬の分教場から少し離れた実家から通うため、やむなく自転車通勤を選び、着物から洋服を作ったのだが、周りから「モダンガール」と言われた。

 

高峰秀子さんの映画版の分教場の男先生は笠智衆さん。このドラマだと宇野祥平さんでおぉっ!と思った。前にいくつか作品を見たことがあるけど、こんな落ち着いた作風の作品に出るとはなあと「今度生まれたら」でも思ったんだけど、また思った。変な役でしか見たことなくて(^-^;

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大石久子は1年生の担任になり、”小石先生”と慕われた。子供たちと浜辺に行ったとき、男子児童たちがふざけて落とし穴を作り、先生をはめ、けがをした。前に映画を観た時の記憶で骨折だと思ってたけど、アキレス腱断裂だったのね。いずれにしても子供のいたずらにしては酷いな、先生って大変だなと思った記憶。

 

けがをした大石は自転車通勤ができなくなるため、本校へ赴任が決まった。小石先生が恋しくなった子供たちは自分たちの足で久子の実家を訪れ、きつねうどんをごちそうになり、記念写真を撮った。

 

数年後、久子は結婚した。夫の正吉は中島歩さん、今年は見るなあ。peachredrum.hateblo.jp

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最近のドラマは、あまり見ないと言っても、NHKのドラマは比較的見るから遭遇率高いんだろうな。土村芳さんといい、和装というかこの時代が似合うのか。

 

5年生になり、本校に通い始めた子供たちとも再会。映画だと5年かけて映画を撮ったんだろうか?と思うほど、1年生の時の子供たちと6年生になった子供たちが似ていて驚いたんだけど、当時1年生と6年生でそっくりのきょうだいをオーディションで選んだという事情を知りました。その子役たちは「瞳の会」として今でも交流があるそうです。

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同僚教師がアカとレッテル貼りされたり、自由な発言がしにくくなる世の中になった頃、妊娠した大石は、子供たちが卒業するタイミングで学校をやめることにした。修学旅行で金毘羅参りに出かけた際、母親が急に亡くなり、大阪に奉公に出されたという松江が派手な髪飾りときれいな着物でそば屋で働いていた。あれ、そば屋だけじゃないのでは?とちょっと勘ぐってしまう。男の子たちは軍人に憧れていた。

 

この本校の校長先生が國村隼さん。毎朝、カモカのおっちゃんで見てるけど、日和見な校長という感じがしたな。

 

昭和16年 初めて受け持った生徒達も戦争に駆り出されるようになった。

 

大吉、並木(変わった名前だな)、八津(やつ)という3人の子供に恵まれた大石家。久子の夫・正吉にも召集令状が来た。久子の子供たちも軍国少年になっていた。

 

終戦後、実母、夫の正吉、末娘の八津を相次いで亡くした久子は校長からの声かけもあり、教師に復帰することになった。白髪交じりの久子が再び1年生の担任として教壇に立つ。生徒の中には、かつての教え子であるコトエの妹やミサ子の娘がいた。

 

ミサ子と墓参りに行った久子。戦争で亡くなった教え子の仁太・正・竹一の墓前で泣いているところを今の生徒達に見られ、”泣きミソ先生”とあだ名を付けられた。

 

ミサ子、小ツル、マスノ、磯吉、松江、吉次、早苗と会合を持った久子。負傷して盲目になった磯吉が1年生の時に撮影した写真を細かく覚えていて話す。磯吉の特殊メイク?はちょっとやりすぎな気がしたなあ。磯吉の今井悠貴さんは結構いろんな作品で見かけた子役だった。「はだしのゲン」の実写版で原作から抜け出たように似てたような記憶があります。映画版の磯吉は田村高廣さんだったな。

 

磯吉の写真の説明を聞きながら涙を流す久子たちだった。(終)

 

映画みたいでよかった。戦争モノの物語だと現代パートみたいなのが出てくるのが興覚めなんだよね。土村芳さんも出演されてたTBSの「この世界の片隅に」でも現代パートがあって、若い人に歴史は地続きなんだと思ってもらえるような配慮?なのかもしれないけど、いらないんだよっ!と常々思ってるんです。

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昨年の終戦ドラマも終盤、主人公たちの年老いた姿があったけど、特殊メイクするくらいなら老齢の俳優さんで見たかった。

 

玉音放送から始めるこたぁないのにとも思ったけど、正直、ここ数年の戦争ドラマは作る価値なし、戦争を体験した世代が作った昔の作品で十分だと思ってたけど、これはよかった。

 

調べると、何度も映像化されてるのね。2013年、テレ朝の松下奈緒さんの「二十四の瞳」で小学6年生のコトエを演じた川島鈴遥(りりか)さんが今回、大人になったコトエを演じていたそうで…それもすごいなあ。熱演だったね。

 

私が、映画版の「二十四の瞳」を見たのは2013年の7月以前(ブログ記事は映画の感想ではなく原作本の感想だった)。松下奈緒さんの「二十四の瞳」は2013年8月放送だったのに全く記憶にないな~。2010年に「ゲゲゲの女房」にハマって以来、数年は松下奈緒さんのドラマはよく見てたはずなのになあ。

 

何度も映像化するのもいいんだけど、「ローマの休日」みたいに一度、白黒映画を地上波でやったらいいのになとも思う。古い作品がどんどん埋もれていくのはもったいない。好きな人は調べてDVDを買ったりするだろうけど、そうじゃない人にも届いてほしい。