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ドラマの感想など

【ネタバレ】スペシャルドラマ「海の見える理髪店」

2022.5.9 BSプレミアム

 

あらすじ

海辺の小さな理髪店に若者(藤原季節)が訪れた。老店主(柄本明)は嬉しそうに調髪に取り掛かり、問わず語りに自らの人生を話し始める。家業の床屋を10才から手伝い、初めての仕事は兵隊に行く常連客の丸刈り、順調だった店が傾き酒におぼれ、妻に暴力をふるって離婚されたこと……。そして店主は突然、「人を殺めたことがある」と告白をする。なぜ、若者はこの理髪店を訪れたのか? なぜ、老店主は自らの人生を語るのか?

理髪店に原田という青年がやってきた。店主は、にこやかに原田を迎えた。

 

昭和を代表する大俳優が通っていた店として有名で、原田もネットで見かけて予約した。

 

店主から職業を聞かれた原田青年は本や雑誌のデザインをしていると答えた。髪型のヒントにするのだとしても、あんまり好きじゃないんだよなあ〜。美容師の方にいろいろ説明されるの。

 

店主が自分の人生を語り始める。

 

1942年、昭和17年

戦時中から祖父、父のやっていた理髪店で店の掃除などを始めた。当時10歳。初めての客は履物屋の若旦那。昭和20年、空襲で店が焼けた。昭和7年生まれなら、現在は令和の世界じゃないね。

 

戦争が終わって、ヤミ屋に入り浸るようになった。父親はバラックで店を再開させたが、寄り付かなかった。絵描きになりたくて、美術展にも応募したが、箸にも棒にも引っかからず、絵描きは諦め、18歳で父親に頭を下げて店に戻った。その後、父が急死。

 

昭和30年代は慎太郎刈りが流行って儲かった。店主は2回の結婚歴がある。1回目は遠い親戚筋の女性で店の雑用をしていた。店主の母親の方が気に入っていて、結婚が決まった。しかし、グループサウンズが流行り始め、男も長髪になり、店も儲からなくなり、酒を飲んで妻に暴力を振るい、妻は出て行った。

 

そんなある日、長髪の青年が七三にして欲しいと来た。彼女が妊娠したので、音楽活動を辞めて、働くという。泣くのはなんかな〜。

 

1973年、昭和48年

店主は借金して店を移転し、店内をホテルのロビーみたいに改装。腕の立つ男を1人、有名店から引き抜いた。それが眞島秀和さん。そんな店にやってきたのが、あの俳優さん。ヤクザ映画とか言ってたから、モデルは高倉健さんだろうかねえ? その俳優さんを演じたのは中島歩さん。「花子とアン」の蓮子様の駆け落ち相手。

 

1979年、昭和54年

名のある人に通ってもらい、店主は小料理屋の女将(水野美紀さん)に客の悪口を言う。銀座にニ号店を出すことに決め、店主が二号店に行き、最初に一緒に店を始めた男に本店を任せることにした。

 

1980年、昭和55年

小料理の女将にプロポーズ。

 

その後、息子も生まれる。50過ぎてできた子供は可愛く、自宅にブランコを作った。人生の頂だった。

 

剃刀を持った店主が「人を殺めたことがある」と告白。

 

店主が一緒に店をやっていた男をコテで殴った!? 銀座の店は完全に失敗。男は独立したいと言い出し、酒の勢いもあり、ヘアアイロンで殴った。

 

1987年、昭和62年

服役中、二番目の妻に「別れてくれ」と懇願。夢中になっていた女性と一緒になりたかったせいだった。

 

青年は、男に何を言われてカッとなったのか聞き出そうとした。この青年は店主の息子!?

 

一緒に店をやってきた男から新宿で店を始めると言われ、あなたはこの仕事が好きじゃないでしょう? 床屋という仕事を馬鹿にしていると言われて、手を出した。今でも夢に見る。

 

出所後、店や家を売り、遺族や妻に慰謝料を払い、海辺の町で理髪店を始めた。

 

再び刑務所のシーン。「別れてくれ」と懇願したのは、人殺しの妻や子供と言われないためと見抜く妻。

 

散髪終了。青年は「僕はこんな顔してたんだ」と言う。来週、結婚式があると言い、「お…」と呼びかけたが、この仕事をやっていてよかった、結婚祝いでお代はいらないと店主は言う。前髪を整えたいから顔を見せて欲しいと店主に言われ、向き合う青年。鏡越しに見る顔と実際に見る顔は少し違う、と言う店主。

 

お互い分かっているけど、名乗ることもなく、青年は店を後にした。(終)

 

CMで流れた「人を殺めたことがあるんです」は何かの暗喩表現とかかと思ったら、そのものズバリだったかあ。いい話〜という感じもないしなあ。