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ドラマの感想など

【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (147)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

小百合(野崎佳積)が、浜風荘の手伝いにやってくる。もも(藤山直美)が小百合に見合いのことを聞くと、雄太(唐沢寿明)はおつきあいするなんてもったいぶってないで、早く結婚してしまったらいい、と突き放したように言う。純子(山口智子)とあき(伊藤榮子)は、様子を気にして目くばせ。恭子(松本友里)と西川(北京一)が、西川がパントマイムをしに西ドイツに行く、とあいさつに来る。それを聞いた秀平(髙嶋政宏)は…。

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振り返り

雄太「小百合ちゃんは何も言うてなかったけど7年たってもまだ昭のことを忘れられへんのと違うやろか。まあ、そやけど小百合ちゃんも、どこかで気持ち吹っ切らんといかんやろ。いつまでも昭のこと思とってもどないもならへんしな」

秀平「そうだよね」

雄太「はよ返事して決めた方がええんや」

振り返りここまで。なーにが、「そうだよね」だ、秀平!

 

部屋でハーモニカを見つめている雄太。寂しい時はいつもハーモニカ吹いてたね。寝転がって仏壇に目をやると、笑顔の陽一郎と昭。

陽子「おっちゃん、ごはんやで。はよ、おいで」

雄太「うん」

陽子「なあ、起きなあかん」

雄太「分かった、分かった。今行く」

陽子「はよう」

 

雄太「分かったて言うてるやんか」

陽子「行こ」

雄太「陽子、ランドセルの中に何が入ってんのや?」

陽子「何にも入ってえへん」かわいい。

 

陽子にはニコニコ対応してたけど、一人になると大きなため息をつく雄太。

 

板場

小百合「おはようございます」

純子「おはようさん」

あき「すまんな、小百合ちゃん」

小百合「いいえ。日本海高校の生徒さんたち何時ごろ来はりますのん?」

純子「夕方ごろやと思うんやけど、先発の人たちは4人来てはるのや」

 

もも「小百合ちゃん、昨日、お見合いしたんやてなあ」

小百合「えっ? もう分かってしもてるんですか?」

純子「ないしょにせなあかんことやあらへんやろ」

小百合「それはそうやけど…」

もも「どんな人な?」

小百合「銀行に勤めてはる人です」

ヨシ子「銀行ですか? いや~、ええわあ」

 

純子「ほんで? お返事したの?」

小百合「まだですけど、父と母が乗り気になってて」

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小百合ちゃんの両親は仲よくやってるんだろうか? 大阪に住んでいた父が女性と別れたから、小百合ちゃんも小野家が大阪に出たタイミングと同じころ、母とともに大阪に引っ越したんだよね。静尾ちゃんは東京の英語学校に行った。

 

もも「そいやったら、もう決まりやな」

小百合「でも私はまだ…。とりあえず、しばらくおつきあいしてみてということになってるんですけど」

 

雄太「おはよう」

一同「おはようございます」

 

雄太「何や小百合ちゃん来てたんか」

小百合「おはようさん。雄太さん、今日は練習行くのと違うの?」

雄太「うん、あるんやけどな、10時からや」

純子「はよう、お上がり」

雄太「いただきます」

 

もも「おつきあいか。ええ言葉やな。おつきあいしてる間が一番ええのかも分からんな」

雄太「何や。お見合いの人とつきあうことにしたんか」

小百合「うん。おつきあいもせんとお返事はできひんし」

雄太「何言うてるのや。早いとこ返事した方がええで。おつきあいしてみてからやなんてもったいぶらんと、もろてもろて言うて押しかけていかないかんのと違うか。言うたら何やけど、そろそろおばはんの仲間入りする年やんか」

小百合「ひどいわ。何でそんなこと言うの、雄太さんは」

昭和10年生まれの学年なので、28歳になる年ではあるけどさ。雄太、好きな人に意地悪言うタイプ?

 

あき「小百合ちゃんの結婚が決まったら、もう手伝いにも来てもらわれへんようになるな」

純子「そやなあ」

小百合「雄太君こそ人のこと言うてんと、はよお嫁さんもろたらえやないの」

雄太「僕はまだまだや。うちのチームが甲子園に出るまでは絶対結婚なんかせえへんで」

小百合「そんなこと言うてたら一生結婚なんかできひんよ」

雄太「何言うてるのや。そんなことあれへんて。あ、急がなあかん」

なんとなく気まずい雰囲気。言い返せる小百合ちゃん、いいぞ。

 

浜風荘玄関

恭子「こんにちは」

清原「やあ、いらっしゃい」

西川「ご無沙汰しております」

清原「2人とも元気かな?」

恭子「元気です。おじいちゃん、今度この人な、西ドイツに行くことになりましてん」

清原「西ドイツへ?」

西川「そうですねん」

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ベルリンの壁崩壊が1989年11月9日だから、このドラマをやってる頃も西ドイツだったんだよねえ。

 

西川「間に立ってくれてはる人がおりましてね、向こうの小さな劇場に参加することできるようになったもんで、よしそれやったら日本人のパントマイムが世界にどこまで通用するか一発勝負したろやないかと思て。そういうわけで頑張ってますねや」

恭子「それで今日はちょっとお別れにと思て」

清原「それはそれは」

 

部屋

あき「いや、そやけど西川さん、ほんまによう思い切らはりましたなあ」

西川「そやけど、こんなチャンスは一生に一度かもしれまへんしな」

秀平「そらそうですよ。絶対チャンスですよ。少し無理してでも行った方がいいですよ」

 

純子「恭子も行くの?」

恭子「ううん。私はこっちに仕事もあるし」

西川「一緒に来てもろても食べていくのに苦労するだけやしね」

純子「どのくらい行ってはるんですか?」

西川「一応3年間と決めてますねや」

あき「3年間?」

純子「そないに離れてたら寂しいやないの」

 

西川「いや、そんなことおまへん。3年ぐらいあっちゅう間ですわ」

恭子「いや、私はな、何やかんやと大変やろから一緒に行ってもええよて言うたんやけど」

西川「僕が断りましてん」ビールを飲んでいる。

純子「そやけど、ええなあ。西ドイツか」

 

恭子「ただなあ、この人、ドイツ語どころか英語の方もあかんやろ。それが気がかりやねんな」

秀平「大丈夫、大丈夫。西川さんだったらそれこそパントマイムだけで全部通じるさ」

恭子「そやろか」

西川「ざっとこんな感じ?」

立ち上がって、女性の体を表すようなパントマイムをし、みんな笑うが、恭子はムッ。

あき「まあ」笑い

恭子「ちょっと。西ドイツに何しに行くのん?」

西川「冗談や。冗談やがな」

 

純子「ほな、それやったらレストランはどこにありますかいうのは、どないしはりますの?」

西川「う~ん、おなかがすいて…」ナイフとフォークで食べるまねをする。「…という感じ」

一同拍手。

 

恭子「ほな、これやって。赤い色鉛筆を1ダース、フランクフルトのゲーテさんに書留で送ってください」

いろいろやろうとするが西川「これはちょっと難しいで、ちょっと」

恭子「ほ~ら、できへん」

 

秀平「でもいいなあ。ほんとにいいですよ。西ドイツか…」

ビールを飲む秀平を見つめる純子。

 

あき「恭子。そやけどやっぱり寂しいな」

恭子「大丈夫。寂しなったら浜風荘の手伝いに来るさかい」

西川「僕の方は大丈夫や。独身生活が長かったさかい、炊事洗濯はお手のもんや」

やっぱり寂しそうな恭子。この時代だったら、そんなことより子供は?とか散々責められそう。あきも純子も何とも言ってないけどね。雄太が28歳になるなら、恭子は31歳になるのかな。

 

太夫倶楽部

太夫「西川さんも思い切ったと思うわ」

秀平「僕もねえ、アメリカ行きたいと思ってんだけど、なかなかできないんですよねえ」

太夫「お里帰りか?」

秀平「いや、そうじゃなくて。前に出版した混血児の写真集あるでしょう。あれのアメリカ編、ずっと考えてるんですよ。そこまでやらなきゃ結局、中途半端なんだよなあ」

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混血児の写真集、結構前だった。アメリカ行きの費用は出せないと交渉決裂して、その後、どうなった?と思ってたけど、写真集は出たんだね。

 

太夫アメリカか。懐かしいなあ」

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純子が食堂を開くとき、北川に誘われてアメリカに行くと言っていたのに、次に登場したのは、劇団をやってて美山村で公演をするというから、ほんとにアメリカ行ってたのかな?と疑わしく思ってました。

 

太夫が合図を送ると、昨日、ピアノ演奏したサングラス髭男がピアノに向かう。

 

春男が店に入ってくる。「秀平さん。はい、買うてきたで」

秀平「おう、ご苦労さん」

春男「これ、領収書」

秀平「おう」

 

太夫「僕もニューヨークからロサンゼルスに芝居の勉強に行ったことあるねんけど。あのころは不安やったけど、今、思うとやっぱりええ時期やったと思うわ」

 

ピアノ演奏するサングラス髭男。曲名は分からず。

 

太夫「毎日毎日が驚きの連続ちゅうんか。安もんのホテルでベッドに座りながらバーボンウイスキーをラッパ飲みして、ああ、俺はこのままどないなるのやろてコンプレックスの中に生きてたような…。あれがよかったなあ」

春男「正太夫さん、アメリカに行ったことがあるんな?」

太夫「あるがな」

春男「どのような国なん?」

太夫「一口では言われへんわ」

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以前の純子のセリフでもあったけど、”一口では言われへん”ってセリフ、何か好き。

 

秀平「行ってみたいか?」

春男「よう分からん。親父の国じゃけえ行きたぁ気もするけど」

太夫「ほな行ったらええがな」

春男「行ってみてがっかりしたらやれんけえの。ほんまのアメリカを見てしまうよりは、わしだけのアメリカを想像する方がええかも分からん。そう思うんよ」

 

秀平「僕はアメリカで生まれて育ったけど、日本のことを春男と同じように考えてたなあ。日本ってどんな国だろう。パパに聞かされてるとおりの国なのか、それとも違うのか。見てがっかりしないだろうか。そう、春男と同じだ。僕の想像の中での日本、それだけでいいのかもしれない。そんなことを考えてた」

太夫「来てどやった?」

秀平「最初は来なければよかったと思った。アメリカにいた方がよかったと思った。ところが住んでみたらいいことがいっぱいあった。これが僕の国なんだと思った」

 

春男「わしはいつか親父やおふくろも捜そう思いよったんじゃが、アメリカと同じで会わん方がええような気がしての」

秀平「どうして?」

春男「わしのおふくろが雄太さんの九州のお母さんみたいな人だったらいいんじゃけど、そうとは限らんけえの。おかしげな人じゃったら、わしはどうしてこがな人を捜しよったんか思て、がっかりするかも分からん。今、わしが思いよるおふくろさんいうのは秀平さんの奥さんみたいな人なんじゃ」

下を向いた春男の肩を抱く秀平。春男よ、そこはももさんじゃないの!? 秀平も一見頼もしい感じ出すんだよな~。

 

板場

それぞれ忙しく働く面々。

純子「雄太、どないしたんや?」

雄太「ちょっと具合が悪いねん」

あき「具合悪いのやったら病院行った方がええで」

雄太「いや、大したことないと思うのやけどな立ってるとフラフラするのや。部屋で寝てるわ」

小百合「大丈夫?」

雄太「大丈夫や」板場から出ていく。

 

あき「どないしたんやろ」

純子「私、ちょっと見てくるわ」

 

雄太の部屋

畳の上にそのまま寝ころび、毛布だけかけていた。

純子「熱があるのんと違うか?」

雄太「いや、熱はないねん」

純子「おなかは?」

雄太「大丈夫やて言うてるやんか。疲れただけや」

純子「そやかて…」

雄太「ええさかい、あっち行っといて。ちょっとま、こうしてたら大丈夫やから」

純子「そうか?」

 

板場

あき「もう少しで日本海高校の生徒さん見えるで」

一同「は~い」

 

純子が戻ってきた。

小百合「雄太さん、大丈夫ですか?」

純子「それがな、よう分からんのやけど、疲れた言うてるねん」

あき「おかしいなあ。雄太が疲れた言うやなんて」

 

松沢「こんにちは」

純子「あ、松沢君」

松沢「監督、帰ってきはりました?」

純子「今な、具合が悪い言うて帰ってきたんやけど。練習の時はどないやった?」

松沢「それが今日はずっとおかしかったんですよ。ノックの時も何やいつもと違うて全然気合入ってないし、バッティングで練習の時も僕らに任せっきりで監督はベンチでボ~ッとしているんです。それでランニングになったら、ちょっと帰る言わはって」

純子「おかしいなあ。ま、どうぞ上がって。2階で寝てるさかい」

 

純子と松沢が雄太の部屋へ。

純子「あら? どないしたんやろ」

部屋はもぬけの殻。

 

浜風荘玄関

清原「雄太君なら、たった今、散歩に行くと言って出かけていったけどね」

純子「散歩ですか」

清原「うん」

純子「何でやろ。具合が悪い言うてたのに。なあ」

 

そこに野球部一行が来た。

純子「いや~、いらっしゃい。夏春連続出場おめでとうございます」

生徒は帽子を脱ぎ、監督たちもニヤニヤ。

純子「どないしはったんですか?」

キャプテン「いいか? せ~の」

一同「お母ちゃん、よろしくお願いします!」

純子「はい!」とびっきりの笑顔。

オープニングの超ショートバージョンが流れる。

 

雄太、こじらせてるなあ。それにしても日々かっこよくなってる。最終週に雄太の結婚問題を持ってくるとは思わなかった。