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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (146)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

昭和38年の春、陽子(尾後あすか)はいよいよ1年生。学校が始まる前から、うれしくてランドセルを背負っている。九州にいる雄太(唐沢寿明)の実の母・昌代(日色ともゑ)と伸吉(ホープ・ユタカ)がやってくる。昌代は浜風荘に泊まることになり、雄太と枕を並べて寝る。気になるあき(伊藤榮子)は、純子(山口智子)がお父さんと昭のお墓参りに行こうと誘っても、浮かない顔。家に帰ると雄太は、なぜかハイテンションで…。

最終週の月曜日。だけどオープニングはロングバージョンじゃない。

 

昭和38年春。またセンバツの季節が巡ってきました。そして陽子はいよいよ1年生になるのであります。

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昭和33年4月 2歳の陽子。その前に予定日が3月の初めと言ってたので、昭和31年3月生まれと思ったけど、昭和38年4月に入学だと昭和31年4月生まれだとつじつまが合う。半年違いの正太夫の娘と同級生になるのかな。

 

ランドセルを背負った陽子が走り回る。「学校!」

純子「陽子。またランドセル背負うて。学校に行くまでちゃんとなおしとかなあかんて言うてるやろ。せっかくおばあちゃんに買うてもろたんやから、そないにしてたら学校に行く前に傷んでしまうがな」

陽子「嫌や!」

純子「こら、陽子! こら待て、陽子!」

陽子「おばあちゃん、助けて!」

 

純子「ほんまにしょうのない子やな。朝から晩までランドセル背負うて。昨日はあのまんまの格好で公園の砂場で遊んでますねん」

清原「1年生になるのがうれしくてたまらないんだね」

純子「私にも覚えはありますけど」

清原「ハハハ」

 

純子「いらっしゃいませ」

「ごめんください」

純子「あっ、お母さん」

昌代「お久しぶりでございます」

「初めまして」

 

昌代「伸吉さん、この方が純子さん」

伸吉「息子の古賀伸吉ちいいます」

純子「どうも初めまして、純子です」

清原「いらっしゃいませ」

純子「雄太のお母さんです」

清原「ほう、それはそれは」

 

昌代「突然お邪魔いたしまして」

純子「いいえ。さ、どうぞ。どうぞお上がりください。今、母を呼んでまいりますさかい。さ、どうぞ」

 

客室

純子「どうぞ。今、雄太は工業高校で数学教えながら野球部の監督してますねん」

昌代「そうだそうですね。いつも雄太の様子を知らせてくだすって」

伸吉「甲子園が目の前でよかとこですなあ」

純子「はい。甲子園は目と鼻の先ですけど、あそこに出場するのはえらい難しいみたいです」

 

昌代「お母さん。お久しゅうございます。皆さん、お変わりなくて」

あき「はい、そちら様も」

伸吉「どうも初めまして」

昌代「あの、長男でございます」

あき「どうも」

 

純子「雄太、何時ごろ帰ってくるのやろな」

あき「今、学校へ電話したらな事務の方が野球部の練習は3時ごろ終わった言うてはったさかい」

純子「ほんま。それやったらもうそろそろ帰ってくる頃やな」

あき「あの、雄太帰ってきたらな、ここへ来るように、おじいちゃんに言うといたさかい」

 

昌代「あの、今、昭君はお勤めですか?」

あきも純子も言葉を失う。

あき「あの…昭は…」

純子「あの、実はお知らせしてなかったんですけど7年前に亡くなりましてん」

昌代「亡くなられた?」

 

純子「大学の野球部の合宿に行ってて溺れてた中学生の子を助けようとして…」

昌代「存じませんで…。申し訳ございません。私、とんでもないことを」

あき「運命やと思うて、もう諦めてますさかい」

昌代「そうですか…。それは…。あんなにいいお子さんでしたのに。いつか夏にお邪魔した時には雄太と一緒に駅まで送ってくだすって。そうですか…」

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浜風荘玄関

秀平「おじいちゃん、ただいま」

清原「お帰り」

春男「こんにちは」

秀平「今日は姫路まで行ってきたんですよ。姫路城の撮影でね」

 

春男「おじいちゃん」

清原「ん?」いきなりカメラで撮る。「おっ、春男君もカメラを持ってるのかね」

春男「買うてもろたんで」

秀平「中古ですけどね。大事にしろよ」

春男「はい」

秀平「今日は晩飯食って風呂入って、それから仕事場へ帰るといい。それまでにカメラの手入れしておけよ」

春男「はい」

 

雄太「ただいま。やあ、春男、来てたんか」

春男「こんにちは」

清原「雄太君。松の間に九州のお母さんが見えてるよ。息子さんと一緒に」

雄太「ほんまに。いつ?」

清原「1時間ぐらい前かな」

雄太「ほな、ちょっと顔出してくるわ」

 

春男「秀平さん、九州のお母さんて誰のことなん?」

秀平「雄太君、産んだ人だよ」

春男「えっ、雄太さんは…」

秀平「ああ、満州でお母さんとはぐれてね、亡くなった純子のお父さんと一緒に引き揚げてきたんだ。それで小野家の養子になったんだよ」

 

春男「ほうじゃったん…。わしは全然知らなんだわ」

秀平「いいから、やることちゃんとやっとけよ。三脚の泥も落としてな」

春男「はい」

秀平「僕もちょっと挨拶だけしてきます」

清原「そうだね」

 

雄太「失礼します」

純子「どうぞ」

昌代「こんにちは」

雄太「こんにちは」

昌代「伸吉さん、この子が雄太なの」

 

伸吉「初めまして。長男の伸吉ちいいます」

雄太「雄太です」

伸吉「ほかに弟が2人と妹がおるとですが、今日は私が代表で母のお供ばしてきたとです」

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この時は再婚相手は5人の子持ちだと言ってたんだけどね。

 

あき「雄太。お母さんな、去年、ご主人亡くさはったんやて」

雄太「へえ~、そう」

伸吉「それを機会に親父が経営しとった炭鉱ば畳んで、飯塚で小さな百貨店ば経営しとるとです」

昌代「今日はね、伸吉さんが東京に行く用があるって言うから、それだったらちょっと西宮まで行って雄太君に会ってこようかなって出てきたの」

 

伸吉「一杯どげですか」

雄太「いや、僕は…」

 

伸吉「私もいつかは雄太君に会わねばならんと思うとりましたばってん、今日はちょうどよか機会じゃと思うて。言いたかことがあったとです」

雄太「何でしょうか」

伸吉「私らきょうだい4人は、おっ母しゃんとは血のつながりはなかとです。でも今は実の親以上に思うちょります。おっ母しゃんが初めて家に来なはった時は私が17の悪か盛りですたい。一番下んとは9つですもんな。おっ母しゃんばさんざん泣かしたとですよ。ばってん、今はそげなことはなかです。雄太君は前に、おっ母しゃんが幸せでなかったら僕はつらいって言いなはったそうですな」

雄太「言いました」

 

伸吉「それを言いに来たとです。私らみんなでおっ母しゃんば大切にしとりますけん、安心ばしてもらおうち思うてですな」

雄太「どうもありがとうございます」

 

春男、松の間の様子をうかがう。

 

雄太「お母ちゃん、今夜は泊まっていけるのやろ」

昌代「そうねえ」

雄太「よかったら僕と同じ部屋で寝ていったらええねん」

伸吉「おっ母しゃん、そげんさしてもろたらどうね。せっかく言うてもろとるとやもん。おるは夕方の汽車で東京に行かないかんばってん、おっ母しゃんはゆっくりしてくるとよか」

あき「どうぞ」

純子「そうしてください。雄太も喜びます」

昌代「では」

あきの様子をうかがう雄太。顔ちっちゃい←そればっかり。

 

雄太「息子さん、ええ人やな」

昌代「そう、今はとってもね。ことにお父さんが亡くなってから優しくしてくれるの。雄太君、お母さん知らなかったんだけど、昭君、亡くなったんだってね」

雄太「そうなんや」

昌代「お母さん、おかわいそうにねえ」

 

雄太「ほんまに親不孝や。人を助けて死んだんやけどな、僕はつらかったわ。僕が身代わりになったらよかったて何べん思うたか分からん。昭には好きな子がおったんや。その子に桜貝の入った手紙を残したまんま死んでしもたんや」

昌代「お母さんを大事にしてあげてね」

雄太「よう分かってる」

昌代「私はぜいたくな女だね。罰が当たる」

雄太「何でや?」

 

昌代「九州では義理の息子や娘たちに囲まれて、今はこうして自分の産んだ子供と同じ部屋で枕を並べてる。こっちのお母さんに申し訳ない…」

雄太「そんなことあらへん。僕な、一度は野球を諦めかけたんや。けど、昭の夢を継いだいうんかな、結局また野球に舞い戻ってしもた。いつかきっと子供たちを連れて甲子園に出るさかい、その時はお母ちゃん見に来てや」

昌代「うん、きっと行く。うちじゅうで応援に行くからね。上の息子の子供がもう10になるの。連れていくね」

雄太「何や、お母ちゃんもおばあちゃんになってたんか」

昌代「そうよ。おばあちゃんになっちゃったの」

 

あきの部屋?

あき「なあ、今頃、雄太、何を話、してるのやろな、お母さんと」

純子「そやな」

あき「男らしいしっかりした息子さんや」

純子「けど、よかった。雄太のお母さん、明るい顔になってはった」

あき「そやな。やっぱり時間がたつというのは大変なことやと思たわ。そんなもんかもしれん。歳を取るにつれて悲しかったこととか、つらかったことをみんな忘れていくんや。楽しいことだけが残っていくのかもしれん」

 

純子「なあ、お母ちゃん。明日、雄太を連れてお父ちゃんのお墓参りせえへん?」

あき「明日?」

純子「そうや。雄太のお母さんのこともきちんとお父ちゃんに知らせておきたいし。お父ちゃん、雄太のこと、一番心配してはったさかい」

あき「そやな」

純子「それに…昭にも会いたいし」

 

しかし、あきの顔は曇る。

純子「お母ちゃん」

あき「ごめん。お母ちゃん、明日はやっぱりつらいわ」

 

帳場でぼんやりしているあき。

秀平「あっ、おかあさん、僕、仕事行ってきます。純子が来たらそう言っといてください」

あき「はい」

秀平「しかし、九州のお母さんよかったですね」

あき「そやな」

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当時、秀平は純子の恋人でもないのに雄太と昌代の再会に付き添い、昌代につれない態度だった子供の雄太を殴ったんだよな。今さらながら怒りが湧く。

 

純子「ただいま」

あき「お帰り」

純子と雄太で帰ってきた。

あき「どやった? 九州のお母さんとちゃんと話できたか?」

雄太「うん」

 

純子「それがな、うちとこのお墓に小百合ちゃんがお参りしてたんや」

あき「小百合ちゃんが?」

雄太「見合いの帰りや言うてた」

秀平「へえ~、小百合ちゃん見合いしたのか」

純子「そうなんや。まだ決めたわけやないねんけど、ひょっとしたらこの秋にお式になるかもしれんて言うてはった」

 

あき「そやけど何で小百合ちゃんがまたお墓参りに…」

雄太「昭に報告に来たんやと思うわ。小百合ちゃんは何も言うてなかったけど7年たってもまだ昭のことを忘れられへんのと違うやろか。まあ、そやけど小百合ちゃんも、どこかで気持ち吹っ切らんといかんやろ。いつまでも昭のこと思とってもどないもならへんしな」

秀平「そうだよね」

雄太「はよ返事して決めた方がええんや」

 

陽子「お母ちゃんお帰り」

純子「ただいま」

雄太「こら陽子、またランドセル背負ってんな。こら、来い。おっちゃんと遊ぼ。なっ?」お姫様抱っこをして階段を駆け上がったと思ったら、「お~っ。おっとっと」と階段を下りてきた。

 

秀平「雄太君、どうしたの?」

純子「そうなんや。帰り道、ダジャレばっかり飛ばしてな」

雄太がダジャレ!?

 

昭が小百合を好きだったのはそうだろうけど、小百合は小さい頃から雄太派だと思うんだけどなあ~。終盤に来てやっぱり「純ちゃんの応援歌」いいわあ~。