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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (104)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

恭子が西川のあとを追って東京へ去ってから10日がすぎ、居場所がわからず困惑している純子(山口智子)とあき(伊藤榮子)。純子は昭(西川弘志)を問い詰めるが、あきは捜さなくていい、と言う。秀平(髙嶋政宏)は、恭子も大人なのだから放っておいたらいい、と言い、心配する純子と意見が合わない。和歌山から出てきたつや(白川由美)も、捜さないのはおかしい、とあきを説得しようとするが、あきは捜す気はないと言い…。

雨の夜。小野家

純子「正太夫さんも随分調べてくれはったんやけど、西川さん、向島いうとこのアパートを引き払うてしまいはって、今、どこにいてはんのか分からんのやて」

あき「…」

 

純子「昭! 昭!」2階にいる昭を呼ぶ。

 

恭子がスティーブ西川の後を追って東京へ去ってから10日が過ぎていました。

 

1階に昭が下りてきた。

純子「あんた、知ってんのやろ、恭子のいてるとこ」

昭「何回聞いたら気が済むんや。知らんて言うたら知らんて」

純子「知らんはずないやろ。恭子を駅まで送ってったんやから、恭子が何も言わずに東京へ行くわけないやないの」

昭「知らんがな」

あきは立ち上がり、ミシン台のイスに座る。

 

純子「お願いやから知ってるなら言うて」

昭「知らん。もし知ってても言わへん」

純子「何でや」

昭「連れ戻すに決まってるやないか」

純子「そんなことせえへん」

昭「どやろな」

 

あき「えやないか、純子。何も聞くことあらへん。知らせる気があったら恭子の方から知らせてくるやろ。昭かて知らんなら知らんで結構や」

純子「お母ちゃん!」

昭の寂しげな顔、めちゃくちゃツボなんだよね~。

 

あき「さあ、帰ったらどうや。お茶一杯飲んだらお帰り。秀平さん待ってはんのやろ」

昭「僕はええやろ。おやすみ」

 

2階の自室に戻った昭。雄太は机に向かって勉強中。

昭「お母ちゃんもお姉ちゃんも強情張っとったわ」

雄太「昭」

昭「ん?」

雄太「言うとくけど僕は中立やさかいな。昭のすることに反対はせんけど、僕にはお母ちゃんの気持ちも分かるんや」

昭「それでええよ」

雄太のちょっとさめた感じがいい。

 

純子が家に帰ると、秀平は写真のチェック?をしていた。

純子「お母ちゃん、相変わらずやわ。恭子のことは話題にもしようとせんのや。居所を捜す気もないらしいし」

秀平「だったら君が余計なことすることないんじゃないか?」

純子「余計なことて?」

秀平「恭子ちゃんの居所を捜すとかさ」

 

純子「何で恭子の居所を捜したらあかんの?」

秀平「いや、いけないってわけじゃないけどね、しばらくそっとしといてあげなさいよ」

純子「時間がたてばたつほど恭子かて帰りにくうなるやろし、もしこのまま一生行き来ができんようになったらどないすんの」

秀平「そこまで深刻に考えることないんじゃないか? 僕はそう思うけどね」

純子「そやろか。私はそんなふうには思わへんねやけど。やっぱりあの時、声をかけたらよかったんや。秀平さんが止めなかったら、私きっと恭子に声をかけてたと思うわ」

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秀平「声をかけたからどうこうということじゃないんじゃないの? 大体ね、人を好きになるのに、どうしていちいち親やきょうだいが口を挟まなきゃならないんだ。僕はそこが理解できないよ」

純子「アメリカではどうか知らんけどここは日本や。秀平さんの言うことを聞いてると、まるで妹を心配するのがあかんように聞こえるけど」

秀平「心配するのはいいよ。僕はただ恭子ちゃんはもう大人だと言っただけだ」

秀平をにらみつけた純子は襖を強く閉めて出て行った。まあ、私はこの件に関しては秀平派。しかし、意見のかみ合わない夫婦だな。

 

外は雷鳴が鳴り、雨が降っている。

 

わらべ出版

久助「旅館?」

つや「そうや。借金のカタていうたら言葉があれやけどな、抵当でな興園寺林業のものになったある旅館が西宮にあるんや」

久助「ふ~ん」

太夫「経営者の人が年取らはってな、手放さはったんやけども、まだ板前さんも仲居さんもいてはってな、営業はそのままやねん」

 

久助「そんな話をここへ持ってきてくれても僕はいい知恵も何も出んよ」

つや「あんた、そうでもないやろ。出版の方、苦しいて言うてやったし。どうやあんた、ここやめて西宮に行って旅館の経営者にでもなったら」

久助「アホなこと言いないな」

つや「あかんかな?」

久助「あかん…なのな、あくとかあかんとかいうこと…。客商売でしょ。僕にそんなことできるかどうか考えたら分かるやん」

つや「いや、どないしよ」

 

節子がお茶を出す。

太夫「そらな、売ってもええねんよ。そう簡単に買い手はつかんやろ」

つや「そやけどな、造りもまだしっかりしとるしな、もったいないような気がしてな。なあ、誰か引き受けてくれてやってくれる人おらんやろかな」

何だか正太夫がいっぱしの商売人になってる!?

 

出版社に秀平が帰ってきた。そうか、出版社の一室を借りてるんだっけ。

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久助「あっ、秀平君、こっちこっち」

秀平「あっ、いらっしゃい」

つや「こんにちは。なあ、恭子ちゃんまだどこにいるか分からんのやって?」

秀平「ええ」

 

つや「お母さん心配してるやろな。どないしてる?」

秀平「いえ、お母さんはしかたがないと割り切っているようです」

太夫「そいが僕には分からんのや。恭子ちゃん家出すんの純子ちゃんのお母さん、知ってはったんやろ。何で止めんかったんやろな」

つや「ほんま?」

久助「いや、僕には、よう分かるよ。事がここまで来たら止めてもしかたがないと、あきさん思わはったんやろ」

つや「そんな…」

秀平「いえ、本当にそうだと思うんです。恭子ちゃんの居所も捜そうとはしていませんし」

つや「そらちょっとおかしいわ、あんた。そんなん間違ってるわ」

 

小野家

つや「あきさん。ほんまに恭子ちゃんの居所を知りとうないんですか?」

あき「へえ。好きにさせるつもりですさかいに知りたいとも思いません」

つや「いや、そらちょっとおかしいんとちゃいますか? うちら昔なじみやさかい言わしてもらいますけれど、恭子ちゃんが出ていくん知ってたってほんまですか?」

あき「ほんまです。あの子が起き出して着替えて出ていくのを私は知っていました」

 

つや「いや…それがうちには分からんわ。なあ、ちょっと聞いたところでは、純ちゃんも2階から出ていくのを見やった。秀平さんも見やった。雄太君も知ってた。何でだ~れも止めなんだん?」

あき「もう子供やないのやさかいに鎖でつないどくわけにはいきませんやろ」

つや「そいやったら何で気持ちよう送り出いてあげなんだん。同じ出ていくにしても親の許しがあるんとないんとでは大違いやで。手を尽くして捜せば分かると思うけどな。新聞広告を出すとかいろんな方法はあると思うよ」

そうか~、そうだよね。つやさんの言うことも分かる!

 

あき「つやさん。せっかく言うてくれてはるのに悪いのやけど、私は捜すつもりはおませんのや」

つや「何で?」

あき「私は恭子を許してないんです。あの子の方からわびを入れてくるまではほっとくつもりでいるんです」

つや「そやけど居所ぐらい知っててもええのとちゃいます? このままやったら、なあ、恭子ちゃんを追い詰めるようなことにもなりかねんでしょう」

あき「私は恭子にもそれなりの覚悟があってのことやと思てるんです。そやから家を出ていく時も何も言わんかったんです。もううちへ入れるつもりはおません」

 

速水家の1階。清原先生、正太夫久助がいる。

太夫「まあ、早い話が旅館引き取ったものの、ほんまのとこ持て余しやんのや。どうな純ちゃんやってくれる気ないか?」

純子「私が?」

太夫「うん」

純子「そんなん無理やて。素人に旅館の経営なんて務まるわけないやないの」

太夫「ほやろなあ…」

久助が帰ってこないつやを心配するが、ほどなく帰ってきた。

 

つや「あかんかった」

純子「すんません、いろいろと」

つや「まあ、結局ないろんなこと言うてやったけど結論は恭子ちゃんのやったこと許せんということやったわ。まあ、そやけどあ~んなに頑固な人だとは思ってもみいひんかったわ」

久助「いや、姉ちゃん、それはね頑固というのとは違うんや」

つや「頑固やて」

 

久助「違うの。あのね、あきさんという人は姉ちゃんも知っての通り、ああいうおとなしい人や。なっ? そのお人があそこまで言わはる。そこまで言わはるということを思わないかんちゅうねん」

つや「あんた、あきさんの気持ちよう分かるな」

久助「いやいや、そんなやないけども」

清原「まあまあ。時間が解決するまで待つしかないでしょう。ねえ、純子さん」

 

翌日、小野家を訪ねる純子。あきはミシンを踏んでいた。純子は明るくあきに挨拶し、陽一郎の仏壇に手を合わせた。

純子「恭子のことやけど」

あき「恭子のことやったら、お母ちゃんもう何にも言うことないで」

純子「興園寺の奥さんも心配してはるし」

あき「ありがたいけどな、よそさんではどうにもならんことや。純子もいらん心配せんと秀平さんを大切にせんとあかん」

純子「何でいらん心配やなんて言うの? 結婚したかて私は恭子の姉やんか」

 

笑顔で純子の顔を見るあき。純子は洗濯物があったらついでにやっとくと言うと昭と雄太のシャツとズボンを渡された。洗濯しているとシャツのポケットから紙が出てきた。

 

書留郵便 受領書

小野恭子

 

大阪市阿倍野区旭町157 小野昭

 

消印は29.6.1

 

昭が郵便為替を送った控えを新聞紙に挟んで水分を飛ばす純子。恭子へ5000円送っていた。「知らんやなんてうそついて」と怒っている純子を見る清原先生。

 

ついに旅館の話出た! 正太夫ルートからだったか。恭子ちゃん問題さっさと片付いてほしいなあ。もちろんスティーブ西川と幸せになってほしいという意味でね。