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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (121)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

つや(白川由美)と北川(細川俊之)が浜風荘を訪れる。2人は本当に結婚したのか気になる純子(山口智子)とあき(伊藤榮子)が聞くと、本当に結婚して地球を1周旅行してきた、と言う。つやと北川が来ている、とうわさを聞きつけた正太夫笑福亭鶴瓶)がわらべ出版の節子(布勢真穂)を連れて、様子を見に来る。北川のことをどう呼んだらいいか悩む正太夫だが、北川は結婚しても自分は東京、つやは美山村で別れて暮らす、と…。

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昨日の振り返り

つや「純ちゃん、お久しぶり。あきさんもお元気そうで」

北川「ハロー。ハウ アー ユー?」

ここまで。

 

突然、浜風荘に現れた興園寺つやとジョージ北川。実は去年の秋、アメリカで詐欺事件に巻き込まれたジョージ北川の裁判のために、つやは取るものも取りあえずアメリカに渡りました。

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幸い、北川が無罪となったあと、なんと、かの地で結婚をしてしまったのであります。そして、新婚旅行を兼ねて世界をぐるりと一回り、今、ここにこうして座っているのではありますが…。

 

部屋でくつろぐつやと北川

つや「あきさんも純子ちゃんも何してはんのやろ」

北川「僕たちに気を利かせてるんじゃないのかね」

つや「えっ? いや…そやろか。まさか。アハハ」

 

板場

あき「つやさんと北川さん、どんな様子や?」

純子「それがな…」

なぜか石田とヨシ子を気にしながら、少し声をひそめる。

純子「別に変わった様子もないのやけど」

あき「結婚した言わはった?」

純子「ううん」

 

あき「ほんまやろか」

純子「そやけど手紙には結婚したて書いてあったやんか」

あき「そやな」

純子「とにかくほっとくわけにもいかへんし。正太夫さんにも知らせなあかんし」

 

宿泊部屋

つや「純ちゃんもだんだん女将さんが板についてきましたね」

北川「そうだね」

つや「あら、糸くず」

北川「うん?」

立っている北川につやも立ち上がり糸くずを取ろうとするが、後ろから見るとキスしてるみたい!?


純子「失礼します」

と、あきとともに入ってきたものの、その光景に2人で目を伏せる。

 

つや「あっ。あきさん、本当にご無沙汰ばかりで」

北川とともに座る。

あき「こちらこそ」

北川「旅館の方はどうですか?」

 

あき「はい、3日前までは高校野球の生徒さんが来てはって、それはもう戦争のような騒ぎでしたんや」

つや「そうらしいですねえ」

純子「綾ちゃんや小百合ちゃんたちにも手伝うてもろて」

つや「そうですか」

 

あきと純子はお互いつつき合う。

あき「あんた、聞きいな」

つや「どないしたん?」

あき「あの…ほんまに結婚しはって?」

北川「そうです」

つや「驚かれたでしょう」

 

あきと純子、顔を見合わせ笑顔になる。

あき「もう、手紙をもろた時はびっくりしてしもて」

つや「私もね、こんなことになるなんて夢にも思わなかったんよ」

北川「それを言うなら僕だってそうだよ」

つや「あら、アハハハハ」

 

あき「そうですか。それは、まあほんまにおめでとうさんでございます」

純子「おめでとうございます」

つや「おおきに」

北川「ありがとう」

 

純子「そや、シカゴで追い剥ぎに遭うて2人でドラム缶に隠れはったいうのはほんまですか?」

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つや「アハハハハ」北川を見て笑う。

純子「うそですやろ? 奥さんの作り話ですやろ?」

北川「分かった?」

純子「分かりますやん。ドラム缶の中に大人2人入られしませんもん」

つや「そうや」

 

純子「ほんまはどんなふうにプロポーズしはったんですか?」

北川「言わぬが花ってやつかな」

つや「いや、実はな、私たちナイアガラの滝を見に行ったんや。で、その船の中で…フフフフ」

北川「教会に行きませんか、そう言ったんです。それだけ」

純子「いやあ、すてきやわ。なあ」

 

浜風荘の玄関

節子「ごめんください。ごめんください。すんません!」

純子「はい! いや、節子さんどうも」

節子「こんにちは。あ…」

純子「あの、何か?」

 

節子「興園寺の奥さんと北川さんいわはる人、来てはります?」

純子「はい、見えてはりますけど」

節子「あの…お二人、結婚しはったって、ほんまですやろか?」

純子「は?」

節子「いや、あの…。正太夫さんにほんまかどうか聞いてきてて頼まれましてん」

 

純子「正太夫さんが?」

節子「はい」

純子「ほんまです。あのそやけど…正太夫さんは?」

節子「いやちょっと…ちょっとすんません」

 

玄関を出た節子は隠れている正太夫に「ほんまに結婚してはるて言うてはりますよ」と報告した。

太夫「やっぱり?」

節子「はい」

太夫「どういうこっちゃ」

節子「入らはった方がええんと違います?」

太夫「待ってらよう。そんなん、どがいな顔して会うてええか分からんよ」

 

純子「正太夫さん。来てはんのやったら中へ入らはったらええのに」

太夫「お母ちゃんと北川さん、どがいな様子や」

純子「仲ようしてはるし。なっ、さあ、とにかく中へ入って」

太夫「待ってや…」

節子「正太夫さん、ここまで来たんや」

 

太夫「純ちゃん」

純子「何?」

太夫「北川さんのこと、どない呼んだらええやろ」

純子「知らんしい、そんなこと」

 

太夫「やっぱり、お父ちゃんと言わなあかんやろか」

純子「さあなあ…」

太夫「ほんまにこの年になってこんなことで悩まなあかんと思わんかったわ」

純子「それやったら北川さんでええのんとちゃう?」

太夫「今まで北川さんと呼んでるのに北川さんに北川さん言うの、あの…」

 

あきと玄関に来ていたつやと北川。「やあ、正太夫君」

太夫「あ…あの…」

つや「こういうことになったんや」

太夫「やっぱり…。びっくりした」

あき「今な、旅館の中を案内しよ思てな」

 

つや「あら、節子さん、何で正太夫と一緒に?」

節子「いえ、私はただ…」

北川「どなた?」

つや「久助のな、わらべ出版の事務員なんやけど。正太夫。あんた、結婚するつもりでこの人連れてきたんか?」

太夫「いや、違う」

節子「違います。ほな、正太夫さん、私、これで」

太夫「いや、節ちゃん…。節ちゃん、ちょっと待ってえな。節ちゃん!」

 

節子は行ってしまい、照れ笑いを浮かべた正太夫がつやたちの方に向き直る。

太夫「おめでとうさん」

つや「おおきに」

北川「お母さんを大切にするからね」

太夫「こんな母ですけど、よろしゅう頼みます。あの…お父ちゃん」

 

北川「お父ちゃん…いや、やめてくれよ。正太夫君にお父ちゃんて言われたらじんましんが出るよ。頼むからやめてくれないかな。確かに僕はつやさんと結婚したけども、正太夫君や清彦君のお父さんになるつもりはないからね。今までどおり北川さんということにしといてくれないかな」

太夫「ほんなら北川さん、美山村に住まはるんでっか?」

 

北川「いや、僕は仕事の本拠地を東京に置いてるからね、一年のうち、ほとんどを東京で暮らすことになると思うよ」

太夫「ほな、お母ちゃん、東京へ行くんか?」

つや「お母ちゃんは興園寺林業の仕事があるさかな、動くわけにはいかんけど、ま、北川さんとは離れて暮らすことになるやろと思う」

 

純子「あの、それやったら別居ですか?」

つや「うん」

北川「まあ、都合のいい方が東京へ出たり、美山村へ行ったり、たまには名古屋辺りで会う。それも楽しいと思うよ」

純子「いや~」

つや「ちょっと部屋行ってな。まだお部屋見せてもらうさかいな」

あき「どうぞ」

 

純子「いや~」

太夫「夢や…。こいは夢や。幻や。純ちゃん頼むわ」

純子「ちょっ…正太夫さん、帰らはるの?」

太夫「僕は孤独や」

 

裏庭でタオルを取り込む純子。振り向くと裏玄関から北川が出てきた。

純子「北川さん、奥さんをほっといてもええんですか?」

北川「いいんだ。あの人は君のお母さんの部屋で女同士の話をしてるから」

純子「そやけど、東京と美山村にわかれて住まはったら、お寂しいのと違います?」

北川「いや、その方が新鮮でいいんじゃないのかな。夫婦というよりは恋人という気分でね」

純子「いや、あてられてしもたわ」

 

再び洗濯物を取り込む純子をじっと見ている北川。

純子「嫌やわ。何を見てはるんですか?」

北川「純ちゃん、すっかり女将さんが板についたね」

純子「いいえ、そんな。ほんまのとこは旅館は手に負えん、今のうちに諦めようかて母とも言うてたんですけど選手の人たちが帰らはる時に夏にまた来ますからお願いしますて言われて、私、つい『待ってます』て言うてしもたんです」

 

北川「ハハ、じゃあ夏までは、やめられないわけだ」

純子「そうですねん。何や知らん選手の人たちの顔が、みんな昭に見えてしもて」

北川「じゃあ多分、一生やめられないんじゃないかな」

純子「そうかもしれません」

 

あきの部屋

あき「やっぱりご縁があったということやろか」お茶をいれる。

つや「そうやな。いただきます。フフフ。なあ、何もかも昭和22年のあの村の大運動会が始まりやったんやわ」

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あき「何で?」

つや「ほら北川さんと秀平さんが偽の進駐軍として、あの村に来はって。あれ、始まりやわ」

あき「それはそやなあ」

つや「アハハハハ。私が北川さんに会うたのもそう。それから純ちゃんかてな秀平さんに会わなんだら。そう思わへん?」

 

あき「うん。そやけどな、たった50年とちょっとしか生きてへんのに、ほんまにこんないろんなことがあるやなんて」

つや「ほんまやねえ。そやけど面白いなあ」

あき「ほんまや。アハハハハ」

 

わらべ出版

酔っ払ってソファに寝ている正太夫

節子「正太夫さん。正太夫さん。はい、起きて。もう帰らはった方がええんと違います?」

太夫「何で?」

節子「私かてもう帰らんと。10時過ぎたら父に叱られます」

太夫「お父さんには僕が謝ったるさかい、飲め」

節子「あきません」

 

太夫「僕の酒が飲めんのか!」

節子「はいはい」

給湯室に行き、湯飲みを持ってくる。

節子「はい」

太夫「よ~し。よし飲め」

 

もう一つ持ってきた空の湯飲みとすり替えた節子。「あ~、おいしい。あ~、ごちそうさま」

太夫「一息か。いけるやないか。もう一杯いこう」

節子「正太夫さん…」

太夫「僕のお母ちゃん、再婚してしもた」

 

節子「えやないですか」

太夫「君には分からん。50過ぎた母親に再婚された息子の気持ち」

節子「そら、分からんことはあらしませんけど」

太夫「北川さんは元詐欺師。お母ちゃん、だまされてんのやないか思てな。よし、飲め」

 

宿泊部屋

秀平、雄太もいる。清原先生は不在。

純子「さ、北川さんどうぞ」

北川「サンキュー。そう、混血児の取材をねえ」

秀平「ええ、施設を回ったり、田舎に行ったり。田舎の村でおばあちゃんにひっそりと育てられている子供たちもいるんですよ」

 

北川「いいねえ。そういう写真集はアメリカでも売れるんじゃないのかな。アメリカでもたくさん見たからね。アメリカ人のうちに養子に来ている子供たち。あ…雄太君、ごめん」

雄太「いやいや、かめしません」

あき「雄太もな、昼間は機械関係の会社に勤めて、夜は大学に通うてますのや」

北川「そう」

 

雄太「僕、大学出たらな、高校の先生になって、いつか野球部率いて甲子園に出て、この旅館に泊まってみたいわ」

北川「夢が実現することを祈ってるよ」

雄太「おおきに」

純子「ほな、ここらでみんなで乾杯せえへん?」

あき「そやな」

純子「秀平さん、音頭とって」

 

秀平「よし、では…。奥さんと北川さんの結婚を祝うとともに雄太君の夢の実現と浜風荘の発展を願って、乾杯!」

一同「乾杯!」

 

年末年始進行で1話ずれて土曜日回だから、最終回っぽいまとめ方なんだね。世津子さんはしっかり者で正太夫とお似合いかも? くっついてほしいような、ほしくないような。