徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】不連続殺人事件

1977年 日本

 

あらすじ

29人の男女がくりひろげるミステリー。何人もが殺される連続殺人事件のようでありながら、すべての被害者に対し動機のある人物が浮かばないので「不連続」。真実はどこに?田村高廣、嵯川哲朗、夏純子出演。

N県有数の名家・歌川家。そこで当代一の流行作家・望月王仁が刺殺される。その時、この家には29人もの人間がいた。そして、王仁が解剖のため病院に送られた晩、歌川珠緒、内海明、南雲千草らが次々と殺される。

2025.3.17 BS松竹東急録画

 

日本アートシアターギルド

   タツミキカク株式会社

             提携作品

協力:財団法人 北方文化博物館

   新潟市商工観光課

   新潟メグロ

   ホテル小柳

   神港運送・共同運輸

   武蔵屋

   日本芸能マネージャー協会

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協力:パイントリー松浦商工

   ブルック

   ワコール

   ひよしや

   サントリー

   マルニ販売株式会社

 

空襲警報と爆発音

玉音放送「しかれども朕は時運のおもむくところ、堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び、もっと万世のため…」に英語音声が重なる。

 

戦後の風景…あら? 白黒映画?

 

昭和二十二年夏・東京

 

廃墟。私は焼けた土の中から生まれたのよと、あやかが言う。

一馬「あやか、お脱ぎ。お前の体が見たい。いやかね?」

あやか「いいわ」

 

えー!? いきなり脱ぐ映画! 一馬も着物をはだけ、あやかを抱きしめる。

 

しかも、あやかさんって志摩佐智子じゃないの!

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一馬は、あやかの夫にこの人を売ってほしいと頼む。夫・光一は画家? 一馬は札束(20万円)を渡してあやかを手に入れた。あやかは光一をビンタ。

 

ここでタイトルが出た。題字は赤。

 

企画:西村隆平

製作:木石巌

   麻生誠

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原作:坂口安吾

(角川文庫版)

脚本:田中陽造

   大和屋竺 

   曽根中生

   荒井晴彦

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音楽:コスモス・ファクトリー 

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矢代寸兵:田村高廣…字幕黄色

歌川一馬:瑳川哲朗

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歌川あやか:夏純子(松竹)

諸井琴路:宮下順子(日活)

巨勢博士:小坂一也

望月王仁内田良平

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平野警部(カングリ警部):桑山正一

歌川多門:金田龍之介

山東洋:神田隆

片倉清次郎:浜村純

南雲一松:殿山泰司

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南雲由良:初井言栄

宇津木秋子:楠侑子

南雲千草:伊佐山ひろ子

神山木曽乃:絵沢萠子

矢代京子:桜井浩子

明石胡蝶:根岸とし江

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人見小六:江角英明

丹後弓彦:木村元

荒部長刑事(八丁鼻):武藤章

内海明:内海賢二

坪田平吉:粟津號

井上博一

南川巡査:長弘(日活)

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下枝:泉じゅん(日活)

坪田テルヨ:岡本麗

歌川珠緒:水原明泉

八重:梓ようこ

歌川加代子:福原ひとみ

女中A:南美由紀

佐々木裕子

小川恵

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長畑刑事(読ミスギ):清川正廣

奥田利根五郎:谷本一

今井耐介

綾城明

草彅良一

森本浩

新聞記者:河原一邦

尾崎ひろを

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三宅木兵衛:石濱朗

海老塚医師:松橋登

土居光一:内田裕也

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監督:曽根中生

 

キャストクレジットが出る中、ナレーションが流れる。<「人が家(うち)の中に住んでいるのは地上の悲しい風景である。過去は私にとって苦しい思い出である。過去は焦燥と無為と悩める心肉(こころ)との不吉な悪夢である。私は私自身の陰鬱な影を月夜の地上に釘づけにしてしまいたい。影が永久に私のあとを追って来ないように」>

 

一馬が加代子と抱き合う?? 泣いている加代子が抱きついた一馬のシャツの右胸に赤い血がついている。加代子の吐いた血? モノクロ映像に胸の赤だけが鮮明に映り、次の場面からカラーに。

 

矢代に会いに来た一馬は夫婦そろって屋敷に来ないかと誘い、あやかが待っていると帰っていった。矢代の妻・京子は屋敷に住んでいたこともあり、行くことを嫌がる。一馬は父親が女中に産ませた妹の加代子と兄妹以上の仲になっていた。その加代子の体調が悪く、京子にしきりに会いたがっている。京子は加代子の唯一の友達。

 

一馬から8月15日の終電車で来るよう切符が同封された手紙が届いた。切符は3枚。夫婦と巨勢(こぜ)博士のもので口説き落として連れてくるよう書いてあった。

 

駅で会った矢代夫婦と神山、木曽乃。神山夫婦も一馬に呼ばれていた。矢代はチューリップハットに袴で金田一耕助みたいだな。山道を走るボンネットバスだが、途中で止まってしまい、乗客が降りてバスを押した。乗客の中に光一もいた。神山は弁護士で7年前まで歌川先生の秘書をしていたと光一に自己紹介した。

 

歌川家に着いた矢代たち。女流作家の宇津木秋子とあやかがいて、光一は、あやかに抱きつき、思いきり拒絶された。

 

神山は招待客に名刺を配りまくり、光一は上半身裸でサスペンダーでセクハラ三昧。ピカ一(ぴかいち)というあだ名で呼ばれている。いろんな人が出てきてわけ分からん。望月王仁(わに)は作家。こっちもセクハラか…人前で珠緒とキスをする。

 

王仁は珠緒の服を脱がせるが、一馬が止め、王仁は珠緒をお姫様抱っこして部屋に連れて行った。ピカ一はここは娼婦宿だと相手を探し、秋子を誘うが、先約があると別れた夫と消えた。

 

矢代、京子、一馬が部屋に集まり、矢代が巨勢博士が1日遅れてくると話すと、一馬は巨勢博士を招待したつもりはないと言う。手紙は巧妙に書き換えられており、一馬は神山もピカ一も招待したつもりはない。

 

一馬が加代子と一緒になりたいと思っているのは本当。矢代には最後の一線は越えてないと話し、あやかがいる…って何言ってんじゃ。

 

みんなが一堂に集まり朝食。珠緒がぼんやりとやって来て、王仁さんが殺されていると報告に来た。う~ん、珠緒、棒読み過ぎる。出演作はこの映画だけ!?

 

一馬と矢代、医師の海老塚が遺体を見に行った。心臓に短刀が突き刺さっている。珠緒は秋子を疑う。王仁の枕元には秋子のダンヒルのライターと口紅のついたタバコがあった。否定する秋子。

 

南川巡査が調べていると、巨勢博士が来た。小坂一也さん、かわいい童顔だ。博士というけど、探偵? 巨勢も王仁の部屋で刑事たちと調べている。

 

歌川家に来ていた人たちの指紋を取る。おー、粟津號さん、発見。1977年、赤いシリーズもそうだし、いっぱい出てたんだね。

 

総勢20人くらいが席に着けるテーブルで夕食をとる。珠緒も一馬の妹か。カングリ刑事が秋子の話を聞く。王仁の部屋に鍵がかかっていたので引き返したが、鍵を持っていたので、鍵を開け、ライターを置いて、鍵をかけて戻った。しかし、珠緒が遺体を発見した時には鍵がかかっていなかった。

 

鍵は3組ずつあると一馬が話した。しかし、鍵の保管場所に鍵はなかった。

 

あやかの履いているパントゥフルについていた鈴が片方なくなっていた。王仁の部屋に鈴が落ちていたよな!?

刑事にスリッパと言われて否定してたけど、スリッパじゃないか。

 

神山はピカ一の態度が気に入らず、みんなで鉄拳制裁しようと持ちかける。内海という背むしの詩人、妙にいい声…内海賢二さん、声優さんだもんね! 則巻千兵衛さん。

 

珠緒が自室で吐いていて、看護婦の諸井が世話をした。

 

関係相関図

 

歌川多門-妾たち―木曽乃―神山東

        ―テルヨ―ツボ平

        ―京子―矢代寸兵

    -後妻・梶子の娘-珠緒-王仁・丹後・明

                珠緒をめぐる三人の男

    -正嫡-一馬-妻・あやか―土居光一

    -女中の娘-加代子

 

南雲一族

  一松

  由良―多門の妹

  千草―一馬のいとこ

 

夫婦 宇津木秋子―もと一馬の妻

   三宅木兵衛

 

人見小六

 

妾達は飽きてしまって使用人に渡した。え、京子も多門の妾だったんだ。矢代と京子は駆け落ちした。巨勢は関係図というより相姦図だという。

 

一馬の部屋に手紙が投げ込まれた。

 

お梶様は誰に殺されたか

すべては一周忌に終る

憎しみも呪いも悲しみも

       怒りも

 

お梶様=梶子は去年の9月、心臓ぜんそくで亡くなった珠緒の母であり、一馬の義理の母。梶子が亡くなった時には一馬が毒を盛ったと疑われた。

 

翌朝、一馬と巨勢が犯人について話し合う。

 

カングリから王仁から睡眠薬が検出されたと話した。しかし、王仁睡眠薬を持っていない。いつも王仁が飲んでいるゲンノショウコに入れられたのではないか?

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そんな話をしていると、女中の八重から珠緒が死んでいると報告があった。珠緒は絞殺されていた。

 

奥の部屋にいた多門が矢代と京子を呼び、掛け軸を見せた。多門は珠緒が堕胎したことがあり、珠緒が殺されるまでは王仁を殺したのは珠緒だと思っていたと話す。珠緒を一番憎んでいたのは一馬。

 

王仁の棺桶を乗せた大八車が家を出ていき、男たちは歩いてついていった。帰り道、疲れの見える内海に大八車に乗れと言うピカ一。

 

由良が千草を捜していた。

 

海老塚とピカ一がケンカになったり、海老塚を三宅が追及したり、ギスギスした集団だなあ。由良はまだ千草を捜していて、諸井が千草はあいびきの札を持っていたと話した。

 

もめ事を起こすピカ一に帰れと言うあやか。ピカ一は、あやかを殴り、追いかける。もっとしっかり止めろよ、男ども!

 

矢代と神山が朝の森を歩いていると千草が倒れているのを発見した。暴行されていなかったのを随分紳士的な犯人だって…なんだそりゃ。

 

あやかが内海の部屋に起こしに行くと、内海が血まみれで殺されていた。脇腹に3か所、胸に2か所刺されており、王仁の凶器と一緒。

 

歌川家に来ている面々は戦争中、ほとんど山奥の歌川家に疎開していた。しかし、ピカ一だけは初めて来た。

 

海老塚医師は足が不自由だが、それにしても帰ってくるのに時間がかかりすぎではないかと疑われる。

 

千草は夕方、内海に呼び出されて出かけて行った。

 

由良は、おじいさんが千草の死んだ場所が知りたいと言っていたと矢代、神山を捜していた。

 

由良と一松が森を歩いているところを矢代と会った。一松は調子がいいと出かけたが、気分が悪くなってしまい、階段に座り込んでいた。

 

3連続殺人のあと、1週間何事も起こらず過ぎた。

 

8月26日 若旦那の誕生日

 

海老塚は奥田利根五郎を紹介したが、一馬から屋敷を出るよう言われた。

 

夕食中、京子が矢代を呼び、矢代が巨勢を呼び、一馬も出ていった。

 

食後のコーヒー。ピカ一は自分のカップを欠けが少ないからと加代子に渡した。加代子はコーヒーを飲んで倒れた。

 

カングリがみんなを集め、2つの殺人が行われたと話した。加代子は青酸カリ、多門はモルヒネで殺された。多門は特別の砂糖壺の砂糖を摂取している。調理場は昼過ぎから昼寝するので3時まで無人だった。

 

多門の遺産は一馬と加代子で二分、由良と片倉清次郎に20万ずつ。片倉清次郎は歌川家に仕えた番頭でこの春から休養している。浜村純さん!

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昨日も見たばっかり。清次郎はフラフラで歌川家を訪れ、棺に入った多門の顔を見た。

 

土蔵で倒れていた若い女性は梶子のはきものを片っぽ履いていて、梶子が疑われると恐れた清次郎が片づけていると神山に見られた。

 

多門は二十歳の頃に宿の女中に子供を産ませていて、2人の子供のうち、兄は3年前に死んだが、弟は海老塚だった。その秘密も神山が知っていて、脅迫されていた。

 

矢代は巨勢に犯人は別なんじゃないかと話していた。犯人が狙って不連続殺人事件を起こしているのではないかと巨勢は推理した。小坂一也さんも歌手だから声がいい。

 

ピカ一、巨勢、神山がビリヤードをしていた。

 

京子や秋子は出かけていた。

 

出かけようとした矢代にあやかが声をかけてきて、今日こそ鉱泉へ行こうと誘った。三宅も歩いていて、あやかが鉱泉宿へ行きましょうと誘った。

 

海老塚の家を下枝(かえ)が訪ねた。こいつもセクハラ野郎か。

 

秋子が川で亡くなっているのが発見された。

 

9月10日 宿命の日まで近いが、巨勢は物的証拠を探すために旅行に出た。

 

諸井が海老塚にメスで白衣を切られていた。下着もつけず胸があらわになるって、なんだよそれ。宮下順子さんの時点で脱ぎ要員かとは思ったが。海老塚は諸井に烙印を押した。

 

歌川家に来た海老塚は三宅が諸井と密会していたとみんなの前でバラしたが、刑事たちに傷害の容疑で捕まり、連れ出された。

 

あやかの悲鳴が聞こえ、刑事が駆けつけると一馬が覆いかぶさって死んでいた。は! あやかは口から血を流していたが、目を覚まし、一馬を見て息をのむ。

 

一馬から「僕は死ぬ。一緒に死んでおくれ」と言われたあやか。首をつかれたので夢中で手向かい、あとは覚えていない。「僕はもうダメなんだから」と言っていた一馬は海老塚を犯人と思っていた。

 

刑事は今までの犯行は一馬のしわざであやかが死んだと思い、自殺したのだという。あやかは貼り紙を見てショックを受けたのだと話すと、「9月10日 宿命の日」という貼り紙をしたのはカングリだとバラした。

 

巨勢が戻った。犯人の面の皮をはいでやると言う巨勢に一馬はもう自殺したと伝えたカングリ。しかし、巨勢は王仁が殺された時点で一馬が自殺する手はずが出来ていたと話す。

 

巨勢は食堂に集め、事件について話し始めた。千草、内海は予想外。犯人は、あやかと協力者・ピカ一。歌川家が資産家であることが分かり、2人は歌川家を調べ上げ、情報を共有し合った。

 

秋子が王仁の部屋に行った時、ベッドの下にピカ一が潜んでいた。秋子が部屋を出ていくと、睡眠薬で寝ていた王仁を一突きした。珠緒はピカ一が絞殺、千草は珠緒が王仁を殺したと疑っていて、珠緒が殺されたと知り、犯人がバレるかもと思って、手紙を渡して呼び出した。想定外に千草が手紙をひけらかしたので、内海か諸井を殺さなくてはいけないと思い、あやかとピカ一が大乱闘を起こし、内海を殺した。秋子を突き落としたのは、あやか。最後の殺人、一馬に毒薬を飲ませたのもあやか。襲われたふりをして、刑事を呼んだ。

 

証拠捜しで東京に行っていた巨勢は、あやかとピカ一が密かに待合で会っていたことを突き止めていた。話を聞いていたあやかが突然苦しみだし倒れた。ピカ一は、あやかをあの人の所へ行かせてやってくれとあやかの手を取り、手の甲にキス。ピカ一も倒れた。

 

外を見ていた矢代に帰りましょうと京子が声をかけた。(終)

 

最後まで見たものの…こんなこと言っちゃなんだけど、内田裕也さんの演技が苦手…芝居がかってるから?かなあ…

 

ていうか、何でこれ、矢代が主役扱いなんだ???