TBS 1978年1月27日
あらすじ
恵子(山口百恵)は志津子(左幸子)を見舞いに行って、清川(高橋昌也)と出会った。娘と母と、そして父でもあるかもしれない三人が、その日初めて顔を合わす…。
2024.12.6 BS-TBS録画
脚本:長野洋
*
渋谷(小島)恵子:山口百恵
*
志摩信夫:国広富之
*
志摩邦夫:鈴木瑞穂
*
志摩登喜:真屋順子
*
吉川真砂子:岡まゆみ
*
高梨三郎:夏夕介
松崎:大石悟郎
*
吉川洋一:長谷川諭
不良:佐久間宏則
*
萩野克己:石立鉄男
*
磯村千花子
ひろ新子
松尾文人
*
半田晶子
大野富久代
謝秀容
*
清川健夫:高橋昌也
*
吉川志津子:左幸子
*
プロデューサー:春日千春
野添和子
山本典助(TBS)
*
音楽:菊池俊輔
*
主題歌:赤い絆(レッド・センセーション)
作詞:松本隆
作曲:平尾昌晃
*
協力:株式会社コスガ
銀座ふそう
ドヴィスマン紳士服
鈴乃屋
*
ナレーター:城達也
協力:ホリプロダクション
*
監督:降旗康男
*
製作:大映テレビ株式会社
TBS
病室
志津子、清川、恵子が初めて3人顔を合わせた。私のちょっとした不注意で…と言う志津子に、ほぉ~と恵子の顔を見る清川。志津子は恵子に輸血のお礼を言う。清川は志津子の過去をベラベラしゃべり、あんたの父親ってのは…とまで話しかけたところ、志津子が止めた。
清川は志津子に話があり、渋谷辺りをうろつくズベ公には聞かせたくない話だと恵子を病室から追い出した。
病院を出た恵子のあとをつける三郎は、いつかきっと俺のものにしてみせると言うが、恵子は無視して歩道橋を上がっていく。三郎が赤線生まれなんて…のところ、無音になったというよりシーンがカットされてる? あまりに不自然なシーンだった。恵子は、なんで三郎が知ってる?と不思議に思う。
病室
吉川海運をそっくり頂きたいと考えている清川。新日本海運は吸収合併されるばかりだと言うが、志津子は吉川海運と新日本海運は規模が違うと鼻で笑う。清川はアキレス腱は志津子で中から揺さぶりをかけると動じない。
志津子はサイドテーブルの上の手鏡を割り、欠片を拾おうとしたが清川に止められた。志津子が自殺しようものなら「隠された社長夫人の過去」という見出しが出るだろう、食うや食わずの生活は苦しいでしょうねえと言うと、志津子の脳裏に敗戦後のモノクロ映像が流れる。赤線の話を持ち出すと、やめてくださいと志津子は懇願。清川は協力するしか道はないと脅す。
割れた手鏡に志津子の顔が映る。病室に戻った恵子は志津子の手に持っていた鏡の欠片を取り上げた。誰が死ぬもんですかと恵子に抱きつき、名前を呼ぶ志津子。なぜ生きてたの? あのとき、死んでればよかった、なんで死ねなかったのと泣きだす。
街を走っている恵子を目撃した萩野先生。
競技場の観戦席に座った恵子は鏡の欠片を握りしめ、手から流血していた。萩野が駆けつけ、「死ぬなんて何てこと考えるんだ!」と怒鳴りつけた。恵子は「私なんて死んで当然だと思ってるんですか?」と走り去ろうとしたが、萩野に止められた。ちょっと唐突な会話に思える。
萩野は志摩家で何かあったと思っていて、恵子は自分を産んだ母親から死んでいたらよかったと言われたらどうしたらいいのかと泣いた。
病室
週末には退院できると医師に言われても表情がさえない志津子。
競技場
俺はなんて言ったらいいか分からないと正直に言い、死ぬなと繰り返す。萩野は過去、ベトナムで写真を撮っていた。ほぉ~、ベトナム戦争か。恵子はこのままで死にたくないと萩野の話が響いた様子。
志摩家
信夫が登喜とろくに口を利かないことに気付いた邦夫。登喜は吉川海運の話に逸らし、いっそ真砂子との話をなしにしたらと提案したが、邦夫は、ここでやめると信用問題に関わると進める気でいる。
恵子を想い、自室で苦悩する信夫。
みどり幼稚園
萩野から信夫のことを聞かれる恵子だが、平気そうに見せて折り紙のやり方を間違えて破く。折り紙なんだからさー、破かないで、またやり直せばいいのに。
外務省の信夫に会いに行った萩野に余計な口出しをしないでくださいと信夫は拒絶した。萩野は信夫を責め立てると、僕は卑怯な男です、もっと罵ってくださいと萩野に要求する。どうしても恵子の母の過去が許せない。
恵子は今、かつての赤線地帯を歩き回っている。
とるこ 花扇
トルコ ペントハウス
サービス料 二,〇〇〇円
入浴料 四,〇〇〇円
トルコ ハワイ
トルコ 吉原城
吉原なのか。トルコばっかり!
恵子は派手な格好をした女性たちに話を聞きに行き、20年前のことを知ってる人を聞き回る。人の過去をほじくって何になるんだい?とアケミを知った人にたどり着けない。萩野は志津子が載った週刊誌記事を見せ、お前のやってることは、この人のことをもっと苦しめることになるかもしれないと言う。
病院
退院の日、迎えに来たのは洋一と運転手だけ。真砂子は平気で旅行してると洋一は怒っている。
またまた吉原界隈を歩く恵子。
恵子は雨宿りした先の女性にアケミのことを聞いた。女性は友達がアケミちゃんによく似てると笑顔を見せた。体を売って生きてた女がひょんなことで子供を宿し、産んだ。別に珍しくもない話だと言う。アケミは軍人の家で育ったが、大空襲で家族とはぐれ、戦災孤児となり、それから十数年。おっかさんを恨むなと女性は言う。
なぜ自分を産んだのかと聞く恵子に好きな男ができると証が欲しくなるものだ、おかみさんや旦那さんにはずいぶん責められたが惚れた男の子供を産んだんだよと言う。
外に出ると雨から雪になっていた。東京の1月も寒そうだ。踏切の向こうに信夫がいたが、恵子は無視した。信夫が呼び止めると、恵子は私を産んだ人を恥ずかしいと思っていないが、あなたを愛する勇気がないと歩き出した。信夫と別れた直後、三郎に拉致された恵子はアジトに運ばれ、また三郎が襲いかかる。懲りないねぇ。
使いの者だという松崎が乗り込んできて、この人に手を出すなと三郎を殴り、そのすきに恵子は逃げた。雪が降った道路を走るのは危ないよ!
信夫は三郎のアジトを偶然見つけ乗り込んだ。アジトにブーツが残ってる。
清川は志津子に退院祝いの電話をしたが、志津子は清川の命令を聞かずに電話を切った。直後、真砂子が帰ってきた。
志摩家
登喜が信夫のケガした左手を手当てした。信夫は日本でやらなければならないことがあると外国研修には行かない、外務省を辞めるかもしれないと宣言した。
志津子が登喜を訪ね、信夫と真砂子の縁談をなしにしてほしいと言った。
清川と松崎の打ち合わせ。清川は志摩家に新しい花嫁を送るとニヤリ。
みどり幼稚園に帰った恵子。(つづく)
当時のトップアイドルが風俗街を歩くとかすごいことするなー。清川は恵子のことを自分の娘と認めてるのかただの道具と思ってるのか…不気味。