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【ネタバレ】わが子は他人 #23「行方知れず」

TBS 1974年9月4日

 

あらすじ

夏休みが終わったある日、一郎(春田和秀)と晃(吉田友紀)が揃っていなくなる。あわてる紀子(音無美紀子)と和子(林美智子)のもとに、一郎を駅で見かけたとの連絡が入るが、一郎の貯金箱からはお金がなくなっており…。

2024.5.24 BS松竹東急録画。

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福山大吉:松山省二…太陽カッター社長。字幕黄色。

福山紀子:音無美紀子…大吉の妻。字幕緑。

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和泉和子:林美智子…元の妻。

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滝沢春生(はるみ):高沢順子…和子の姪。

福山隆:喜久川清…大吉の弟。浪人生。

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洋介:田尻丈人…太陽カッターの従業員。

久野泰子

ナレーター:矢島正明

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福山ゆき:小夜福子…大吉の母。

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和泉元(げん):杉浦直樹…中学校教師。

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監督:中村登

 

子供たちの名前がない!

 

子供のために親たちは心からの親密さを求め合うことにしたのです。その第一歩が富士登山でしたが、結果は親たちに小さな希望を抱かせました。そんなある日のことです。もう夏休みは終わっていました。

 

紀子は踏切を渡って公園へ。「ねえ、うちの一郎見なかった?」

子供「知らない」

紀子「ハァ…まったく。どこ行っちゃったのかしら」

 

福山家

大吉は仕事の電話。後ろのカレンダーは9月。電話を切り終えた大吉は「なんだかだるいな」と茶の間に座って、扇風機のスイッチを入れる。

 

紀子は一郎を呼びに、隆は予備校に行っているとゆきから聞く。ちょっと疲れ気味の大吉は、ゆきから夏休みの疲れが出たんだろうと言われる。

 

大吉はゆきに紀子が以前、私がお母さんよと口を滑らせた後、何も言ってないか一郎の様子を聞く。

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ゆきにも大吉たちにもなんにも言わないので忘れたんだよとゆきは言い、大吉は大丈夫なのかなとちょっと不安げ。

 

ゆき「それより、今後の計画のほうが母さんには心配だよ。そりゃあね、本当に親しくなってくれれば結構だよ。だけど、難しいねえ。変に気安くなるとケンカの種も増えそうだよ」

大吉「まあ、覚悟のうえさ」

 

紀子が帰ってきた。「一郎、帰ってません?」

ゆき「うん? まだよ」

紀子「おかしいわね」

 

紀子は表で友二たちを見かけたと言うが、大吉は前の現場が手間食って、今行かしたところだと答えた。しかし、紀子から表通りのお菓子屋さんで牛乳を飲んでたと聞き、しょうがねえヤツらだなあと席を立った。

 

紀子「ねえ、あしたの料理どうする?」

福山家と和泉家で行き来していて、今度は福山家の番。

大吉「そんなことは自分で決めろよ」

紀子「だってあなた、気に入らないと全然食べないでしょ? もったいないじゃないの」

大吉「なんでもいいよ」と出て行ってしまった。←嫌な人だね~!

 

ゆき「疲れてるらしいよ」

紀子「だんだんわがままになるみたい」

 

紀子は一郎が戻ってこないので和子に連絡しようとするが、ゆきはあれだけ1人で踏切を越えちゃいけないって言ってあるんだから向こうには行ってないだろうと言う。しかし、念のために電話した紀子。

 

和泉家

和子はミシンで作業中。今、電話しようと思っていた、すぐそばの公園へ行ってると言う。「どうしても1人で来ちゃうのねえ。そうよ。あんまり怒ると余計、内緒にするでしょ? 困っちゃうわねえ」

 

和子は近くの公園に様子を見に行ったが、2人はいなかった。自宅に戻ってもいない。電話をかけようとしたところ、紀子が訪れた。紀子は買い物をしようと買い物かご持参で和泉家を訪れ、和子が家に上げた。

 

和子はミシンで2人のためにお揃いの洋服を作っていた。「生地さえ買ってくれば簡単に出来るわよ」

紀子「今度ぜひ教えていただくわ」

和子「あんなに汚すんですもの。いちいち買ってたらたまらないわ」

紀子「そうですよね」

和子「それにほら、何かっていうとすぐ買うの、あれはよくないわね。物のありがたみってものが分からなくなるんじゃないかしら。だから私、作るとこ、いつも晃に見せるの。これはあなたのシャツよ、とか、これはあなたのズボンよ、とか言ってやるの。そうするとね、結構大事に着てるみたいよ」

紀子「なるほどね」

 

台所で麦茶を入れて持ってきた和子。「少しは母親の苦労も知らせたほうがいいのよ」麦茶をテーブルに置く。「そうでないとそのうちに1人で大きくなったような顔されるわ。フフッ」

紀子「フフッ」

和子「特に私たちの場合は特別だから、よっぽどちゃんと育てないと」

紀子「ええ」

和子「不注意に放り出しとくのが一番いけないわ」

紀子「そうですね」

和子「私の経験からいくと小さいとき甘やかすのが一番いけないわね。子供をダメにしてしまうわ」

紀子「そうですね」

 

和子の発言は旧ツイッターを見てると面白おかしくツッコまれがちだけど、割と私は和子の言ってること分かるよ。母親の苦労を見せないとっていうのも大事だと思う。そうでないと、「兄弟」の順二みたいにちょっと母親を軽く扱うようなこと言いそう。

 

着信音が鳴り、和子が電話に出た。電話はゆきから。ご近所情報によると、一郎を駅のプラットホームで見かけたという話がある。しかし、和子はさっきまでここで遊んでいたと信じていない。15分くらい前に見かけた、一郎一人だったかはよく分からない。和子は大体の見当はついてると捜しに出ることにした。

 

和子や紀子は本屋やおもちゃ屋を捜す。

 

おもちゃ屋

西ドイツのアクセサリー

チャーミー

が、ちょっと気になる。

 

和泉家に戻ると春生が帰ってきていて、晃はいない。紀子は自宅に帰った。

 

福山家

大吉「不注意なんだよ、お前が」

紀子「そんなこと言ったって、首に縄をつけとくわけにはいかないでしょ」

大吉「まったく何十人、子供がいるわけじゃなし、一人息子なんだぞ」

 

でも子供たちの姿を最後に見たのは和子だけどね!

 

従業員1「社長、あの…今度は土手のほう捜してみましょうか」←友二でも洋介でもない人がしゃべった!

大吉「ああ、国電のホームにいたっていうからな。そっちのほういないかもしれないな」

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従業員1「でも念のため行ってみますよ」

大吉「そうか。それじゃ、俺は国電に乗ってな、近くの駅、捜そうと思うんだけど、誰か行ってくんねえか?」

従業員2「じゃあ、僕が行きますよ」

大吉「そうか? よし」

従業員2「じゃ、表で待ってますね」

 

ゆきが家に帰ってきた。「やっぱり一郎は晃と一緒だったらしいよ。ホームで見たとき、一郎の他にもう一人いたってさ」

大吉「分かった。それじゃ、母さん、もう、うちにいてよ。警察から連絡入るかもしれないからさ」

ゆき「ああ、多分その辺にいると思うけどさ」

大吉「紀子、お前ね、電話じゃ分かんないからさ、詳しいこと、向こうのうちへ行って聞いてこい」

紀子「はい」

 

大吉「あっ、そうだ。おい、あいつ小遣い持ってんのか?」

紀子「ええ。多分200~300円は持ってると思うけど。あっ!」

大吉「どうした?」

紀子「貯金箱」戸棚の中のパンダの貯金箱は空だった。「ないわ」

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晃の貯金箱と同じかな?

内藤ルネさんのパンダの貯金箱らしい。

 

大吉「どのぐらい入ってたんだよ?」

紀子「5000円以上はあったはずよ」

大吉「5000円? あいつ、そのつもりで出かけたんだな」

紀子「晃と相談のうえかもしれないわね。私の言ったことが原因なんじゃないでしょうね」

ゆき「まさか」

 

和泉家

元と一緒になってタバコを吸ってる春生にギョッとしたよ。隆と同じ歳なら高校卒業したての19歳じゃないのかな?

 

元は福山さんちに行くと出て行こうとして、戻ってきた和子と鉢合わせ。「ダメだわ。そこら中、捜したけど。ねえ、あなた。何か間違いが起こってるんじゃないでしょうね」

元「そんなことないよ」

和子「大体あの奥さんが子供に変なこと言うからこういうことになるんですよ。そうじゃなかったら2人そろって出ていくはずないわ」

元「まだなんにも分かってやしないじゃないか。その辺行ってすぐ帰ってくるかもしれないよ」

和子「のんきなこと言ってるわね」

元「今から福山さんとこ行こうと思ってたんだ。電話じゃ分からないからね」

和子「私が電話したわ。そしたら一郎は5000円持って、うちを出てるんですよ。覚悟のうえの家出ですよ」

 

そこまで思いつめたものとは思えないけど…。

 

元と一緒に福山家に行こうとする和子を止めるが、和子は家には春生がいるから一緒に行くという。

 

和泉家に電話。駅で一郎によく似た子が五千円札を崩したところが確認された。5000円以上持ってるというのは1000円札や100円玉をたくさん持ってるんだと思ってた。

 

和子「電車に乗って、どっか行っちゃったのよ」

元「落ち着きなさい。慌てたってどうにもなりゃしないんだから」

和子「あなただけよ。そんなひと事みたいな顔してるのは。向こうのご主人なんか必死よ!」

 

ちょっと和子と大吉は似たタイプかもね!?

 

大吉は作業着、長靴のまま国電蒲田駅のホームへ。国電蒲田駅というと「砂の器」を思い出すね。

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和泉夫婦と駅から出てきた大吉が蒲田駅前で鉢合わせ。近くの駅を捜した大吉だったが、どこにも見当たらない。駅で五千円札を崩したことが確認されたが、どこまで切符を買ったかは分からない。大吉は二人を連れて福山家へ。

 

福山家

大吉が電話をしていた。警察のほうにはまだなんの連絡も入っていない。大吉は一緒に捜した従業員にお礼を言い、今夜は一応解散しようと言う。

洋介「いいですよ、俺たちは」

 

ただ待っていてもしょうがない、あしたの朝には見つかる、誘拐されたわけじゃないんだから心配ないと従業員たちを帰した。今日は友二がいないね。

 

大吉「どうもご苦労さん。ありがとな」

紀子「どうもすいませんでした。ご苦労さま」

 

警察のほうから国鉄のほうに連絡がいっている。どんなに遅くても終電の時間には分かるという警察からの電話だった。

 

元「問題はどこへ何しに行ったかですよ」

大吉「そんなこと分かるわけないじゃないですか。子供たちがいないんですから」

和子「もしかしたら私たちのやり方が間違っていたのかもしれないわね」

元「そんなことないよ」

和子「そうでしょうか。子供たちの身になってみれば分からないわ。他人に呼びつけにされたり、親たちが親戚でもないのに急に仲良くなったりしてるんですもの。子供だって変に思いますよ」

 

大吉「それが2人がいなくなった原因だって言うんですか?」

和子「そうは言いませんけど、何か関係あるような気がして…」

大吉「今日、お宅でそんなそぶりがあったんですか? あの2人に」

和子「いえ、そういう意味じゃないんですけど」

 

大吉「じゃ、まだはっきりしたことは分かってないわけなんですよね?」

和子「ええ、もちろん、そうですけど…」

紀子「あなた。奥さんがおっしゃってるのは、そういう意味じゃなくて、ほら、あの…」

大吉「お前に何が分かんだよ」

 

元「福山さん。私たちの計画は成功してるんですよ。現に子供たちは一緒にいなくなるぐらい仲良くなってるじゃありませんか」

和子「そんなこと自慢にはならないわ」

元「自慢なんかしてないよ。でも、仲良くなってることは確かだろ? 僕たちの最初の目的は子供たちが仲良くすることにあったんだ。そうだろう? だからそれは成功したじゃないか」

大吉「そうですよね」

和子「成功かどうかは最後になってみなくちゃ分からないわ。私が心配してるのは子供たちの心ですよ。一度変に傷ついてしまったら元には戻りませんからね」

元「いや、だから…だからそうならないようにみんなで努力してるんだろう?」

 

ゆき「ねえ、大ちゃん。もし何かあるといけないから、今のうちにご飯食べたらどう?」

紀子「あっ、そうね。奥さんいかがですか?」

和子「いえ、私は…」

大吉「飯どころじゃないよ」

 

何も知らない隆が帰宅。公園や空き地は捜したの?と言う。「ほら、この間、あそこで捨てた冷蔵庫に閉じ込められた子がいただろ?」

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1974年からしても最近でもないけど、1968年に空き地に放置されていた営業用の冷蔵庫に子供3人が入って、窒息死した事件が実際あったのね。怖~。

 

隆「一応調べといたほうがいいよ」

大吉「まったくイヤなこと言いやがんな、あいつは」

 

電話が鳴り、大吉が出た。警察から子供が車にひかれたという連絡が入り、4人で病院へ。受付のところに立っていた警官の指さす方へ走る。

 

包帯でぐるぐる巻きの子供の顔を見た4人は、一郎でも晃でもなく、ちょっとホッとしたような複雑な表情を浮かべる。病室?を出た和子は泣きだす。「もうイヤだわ。今までこんなことなかったのに。晃だって1人でいればよかったのよ。あの子は自分から飛び出すような子じゃないんです」

元「落ち着きなさい。ねっ?」肩を抱いて椅子に座らせる。

 

大吉「まるで一郎が連れ出したみたいだな」

紀子「あなた」

 

和子「晃は1人のほうがいいんです」

元「いいかげんにしなさい」

和子「あの子に万一のことがあったらどうするんです?」

大吉「奥さん、それはね、あなただけの問題じゃないんですよ。晃は僕たちの子なんですからね」

元「福山さん。その話はあとにしてください」

大吉「そりゃあね、僕だって、こんな所で大人げない話なんかしたくありませんよ。だけどね、今更、変なことは言われたくありませんからね」

元「分かってます」

 

和子「もうこんなことはやめましょう」と立ち上がる。

元「和子!」

和子「こんなことをしてたら両方の子供が不幸になってしまうわ」

大吉「どうして不幸になるんですか?」

紀子「あなた、やめなさいよ」

大吉「バカ。偉そうな口利くな!」

紀子「だって、今、そんな話をしたってしかたがないでしょ?」

 

元「そうですよ。さあ、帰りましょう。ねっ?」

紀子「ええ。あなた、さあ」

大吉「まったく何がなんだか分からないよ。和泉さん、奥さんぐらいちゃんと納得させといてくださいよ。僕たちは真剣なんですからね」

元「ええ」

 

和子「失礼ですよ!」

大吉「なんですか!」

紀子「申し訳ありません」

大吉「何を謝るんだ。謝る必要なんかない。めちゃくちゃばかり言ってるんだから」

元「福山さん、そんな口、利いちゃいけませんよ。私たちだって真剣なんです」

 

女性が警察官と一緒に病院に駆け込んできた。「勤めから帰ったらいなかったんですよ」

 

子供の姿を見た女性の悲痛な泣き声が聞こえた。

 

紀子「あなた、帰りましょう」

 

午前0時17分。福山家では紀子も大吉も隆もゆきも起きて待っている。和泉家でも和子と春生が茶の間、元は書斎でタバコを吸う。

 

福山家、和泉家、双方の電話が鳴り、黒電話のアップでつづく。

 

緊迫感のある30分だった。子供たちが全然出なかったのも珍しいけど、これもまた春田さんのスケジュールの関係だったりして!?

 

今、並行して見ている「赤い疑惑」にも松山省二さん登場!

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再生不良性貧血の身重の妻を持つ夫役。髪は短かった。こちらでは女の子が誕生した。

 

「おやじ太鼓」38話。ばばあが勢揃い。

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「おやじ太鼓」は一部と二部で半年開いて新キャラも出てきたり、状況が変わったりしたのにテイストが変わらなかったのがすごいと思う。その点、数年たった「おやじ山脈」はどうだったんだろ?とちょっと気になる。