TBS 1968年10月1日
あらすじ
日曜日の朝早くに片桐から電話があり、亀次郎の機嫌はすこぶる悪い。その上、神尾の祖母が来ることになり、鶴家に暗雲が立ちこめる。いつのまにか客間にはイネ、正子、さらに堀の母親と神尾の祖母が集まって話し込んでいた。そこへ入っていく亀次郎だが…。
2023.9.1 BS松竹東急録画。12話からカラー。
鶴家
亀次郎:進藤英太郎…大亀建設株式会社を一代で立ち上げた。2月5日で61歳。
妻・愛子:風見章子…5月で56歳。
長男・武男:園井啓介…亀次郎の会社で働いている。3月3日で30歳。独身。
次男・洋二:西川宏…ピアノや歌が得意。空襲で足を悪くした。28歳。
長女・秋子:香山美子…出版社勤務。26歳。
次女・幸子:高梨木聖…女子大生。1月の成人式に出席。
四男・敬四郎:あおい輝彦…浪人中。
三女・かおる:沢田雅美…4月から高校生。
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正子:小夜福子…亀次郎の兄嫁。高円寺の伯母さん。58歳。
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お手伝いさん
お敏:菅井きん…愛子の4つ下。6月で52歳。
イネ:岸輝子…お敏の母。結婚3回目。
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神尾光の祖母:東山千栄子
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堀あや:村瀬幸子…堀部長の母。
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片桐黄枝子:堀井永子…武男の恋人。
ラスト前ということでちょっとドタバタ。
広間を掃除しているお敏。奥にマッサージ椅子が見えた。電話が鳴り、お敏が出た。
茶の間では亀次郎と愛子が朝食を食べている。
愛子「こんなに朝早くから誰でしょう?」
亀次郎「早いもんか。まともな人間なら誰だって起きてますよ」
愛子「そうでしょうかね。日曜日ぐらいゆっくり寝るほうがまともな人間じゃないんでしょうかね」
亀次郎「お前の言うことときたらまるで…ヘッ、よくもそれで7人の子供を育ててきたもんだ。あきれて感心しちゃうよ」
愛子「まあ、逆らうのはやめときますよ」
習慣だから日曜でも目が開いちゃうという亀次郎。ご飯を食べ終えた亀次郎のお茶碗にお茶を注ごうとした愛子にごはんのおかわりを要求する。まだ2杯目。お米だって安くない、もうぼつぼつお米のごはんは食べないほうがいいと愛子は言うけど、歳だからってこと?
よく噛んで食べているという愛子に「まるでばばあの言うことだ」と笑う亀次郎。
愛子「いいじゃありませんか。じじいとばばあで」
亀次郎「おあいにくさまだよ。秋は頭が薄くなるから気をつけなよ。フン、わしなんか黒々フサフサしてるよ。ああ、おいしいごはんだ」
愛子「まあ、憎らしいったらありゃしない」
今日は三隣亡だから逆らわないという愛子。
亀次郎「三隣亡も天秤棒もあるか。この亀次郎さんに」
「マー姉ちゃん」でも「三隣亡の仏滅」というセリフがあったり、割とメジャーな事柄だったのかな。
元々いい意味で使われていたのに、ある時から悪い意味に変わった。亀次郎が建築関係ということもあって余計気にするのかな。大体、月に2~4日くらいあって、今でも着工・上棟などを避ける。
そしてこれを書いている2023年9月2日もまた三隣亡であった。今月は17日と29日が仏滅の三隣亡。
1968年9月29日(日)は本当に三隣亡だった。というか「昭和43年 三隣亡」で検索するとちゃんと詳しいデータが出てきたことにびっくりした。
台所
鍋を手にした愛子にお敏が「私がいたします」と広間から来たが、お掃除で忙しいからいいわよと愛子が言う。お敏はイネがご隠居みたいな気分でまだ寝ているというが、私のほうも気を遣わなくていいと愛子は答えた。
愛子はお敏にさっきの電話はどこからだったか聞くと、気の強い片桐からだと言う。武男あての電話でお敏が武男はまだお休みだと言うと、そんなら起こしてくださいと言われ、もう2時間ぐらいしたらかけてくださいと切った。
愛子「まあ、あんたも気が強いわね」
お敏「気が強いのは向こうですよ」
また電話が鳴り、お敏はまたあの女だろうとすぐには出ない。しかし、亀次郎に怒鳴られ、慌てて出ると堀部長の母からでいろいろお礼を申し上げたいからちょっとお伺いしてもよろしいでしょうかという内容だった。
亀次郎「あのけったいなばあさんか」と露骨に顔をしかめるが、午前か午後かどちらがいいか聞かれ、愛子が代わって電話に出た。まだ保留音とかないのね。
お敏が広間に掃除機をかけると「お敏や」とたすき掛けをしながらイネが起きてきた。
お敏「なんですか? 死にそうな声出して」
イネ「死にそうだよ、おなかが減って」
お敏「笑わしちゃいけませんよ。自分だけ勝手に寝たいだけ寝ておいて」
イネ「今朝のおみおつけの実はなんだろうね」
お敏「まあ、あきれた。タスキなんか掛けてくるから掃除でも手伝ってくれるのかと思ったら贅沢言うにも程がありますよ」
イネ「おなすのおみおつけが食べたいんだよ」
お敏「秋なすはばばあに食わすなっていいますからね」
今日はじゃがいもと玉ねぎ。またじゃがいもかと言うイネは、わざわざタスキをかけることなかったよとゆったり台所へ歩く。「さてさて、起きて働く浮世のバカか」と大あくび。
愛子が食器を台所に運んできた。イネには亀次郎の床を取るように言う。
イネ「やっぱり頭のいい人はよく寝るんですね」
愛子「頭の善しあしじゃありませんよ。勝手に早く起きて勝手に寝ちゃうんですよ。おかげでこっちは大迷惑ですよ」
また電話が鳴ったので愛子が出た。
黄枝子「あなた失礼じゃありませんか。さっきはガチャッと電話を切っちゃったりして。武男さん、まだ寝てるんですか?」
愛子「ちょっとお待ちください」と受話器から口を離し「まあ、なんて口の利き方をするのかしら。あれじゃ舌が何枚あったって足りやしないわ」と受話器を外して置いたまま、どこかへ。
愛子を捜しに来た亀次郎は外しっぱなしの受話器を持つ。
黄枝子「もしもし」
亀次郎「ああ、もしもし」
黄枝子「あなた今頃起きたんですか? 私さっきも電話したんですよ。とにかくおたくの女中さんは失礼よ」
亀次郎「あんた一体誰ですか?」
黄枝子「あら、武男さんじゃないんですか」
亀次郎「武男であろうとなかろうと、もしもし」
愛子が武男を起こしてきた。
亀次郎「もしもし、もしもし!」
電話は切られたが「こら! 一体、お前はどこのどいつだ。こら! なんとか言いなさい」と怒鳴りつけた。
「お父さん、もう切れてるんですよ」という愛子の言葉に受話器を置き、「生意気な。うちのお敏にケチをつけやがって」とお敏をかばうようなことを言う。おお。
愛子「そうなんですよ。自分のほうがよっぽど失礼なんです」
武男「お父さんにもそんな失礼なこと言ったんですか」
亀次郎「言ったどころじゃありませんよ。わしがいちばん早く起きてんのに、あなた今頃起きたんですかと抜かしやがる」
愛子「間違えたんですよ、武男さんと」
武男「そうなんですよ」
亀次郎「そうなんですよじゃありませんよ」
武男「はい! 実にどうも…」
亀次郎に「誰です? あの女は」と聞かれ、口ごもる武男。愛子がいつか玄関に怒鳴り込んできた、お父さんとケンカした人だと答えた。
イネに床が取れたと言われても寝床どころじゃないと怒っている亀次郎。「こら、武男。寝言も休み休みに言いなさい」
武男「はい。寝ぼけたつもりじゃないんですけど」
亀次郎「ボケてボケてボケナスですよ」
愛子「とにかくお父さんはひと寝入りしたほうがいいですよ」
亀次郎「ウサギじゃありませんよ。亀ですよ。こら、武男、来なさい!」
武男「はい!」
暖簾を勢いよく手で弾いて歩いていく亀次郎。
武男「頼みますよ、お母さん」
愛子「カラス勘三郎ならそっぽを向いてますけどね」
愛子の肩を持って先に歩かせる。武男さんも結構甘えん坊だね。
そーっと廊下の陰から顔を出すお敏。
イネ「ボケナスでもいいから食べたいね」
お敏「どうしたの? 今の騒ぎは」
イネ「さあね、なんかあったんだろ」
イネは、じゃがいもと玉ねぎがケンカしたと言い、じゃがいも=亀次郎、玉ねぎは甘いけど芯がない=武男?
茶の間
亀次郎は武男が黄枝子との結婚を考えていることを初めて知ったのかな。武男は二の足を踏んでいて、愛子は逃げ腰だという。
亀次郎「バカバカしい。あんな女は初めから正体は分かってるんだ」とおばちゃんに武男の嫁さん探しをさせるよう愛子に言った。
亀次郎「お前みたいなへなちょこに向こうから来ますか」
愛子「へなちょこってことはないでしょ」
亀次郎「へなちょこですよ。あんな女に引っかかって」
愛子「まあ、今日は逆らえませんけどね」
亀次郎「当たり前ですよ。とんだ三隣亡だ」
武男「すいません。以後、気をつけます」
亀次郎「気をつけるくらいじゃ足りませんよ」と寝るぞと宣言。
寝る前にまた再度武男の嫁探しの件を念押ししてふすまを勢いよく閉めた亀次郎。愛子は黄枝子が乗り込んでくるかもしれないと言い、秋子もどこかへ行ってるほうがいいと言いだす。
秋子の部屋
今日の午後、神尾のおばあさんが来ることを愛子は知ってたから、秋子はどこかへ行ってた方がいいと言ったのね。武男も普通に秋子の部屋に入ってくる。
この家の子供部屋はどれも広い。ベッドがあってテーブルと椅子もあって、洋二の部屋は大きい作業用の机とソファセットもあったような。秋子の部屋は黄色い壁紙に本棚が作り付けで。
秋子「だって神尾さんのおばあちゃんは、もともと話が丸く収まるとは思ってないんだもん」
武男「つまりケンカ越しか?」
愛子「ケンカ越しでもないでしょうけど、つまり話をはっきりしておきたいんでしょうね」
ここの字幕「ケンカ越し」となってて普通に変換したら「ケンカ腰」じゃないの?
神尾のおばあちゃんにとっては亀次郎の機嫌がよかろうと悪かろうと関係ないと秋子が言う。
愛子「片桐さんの気の強いのと違いますよ。神尾さんのおばあちゃんのは一本、筋が通ってますよ」
愛子は黄枝子はNGで、神尾がOKなのはおばあちゃんの存在が大きいんじゃないのかな。神尾が頼りなくてもおばあちゃんがいるから見たいなとこがありそう。
高円寺のおばちゃんも秋子の部屋へ。正子は腹が立って眠れない、筋が通らないったらないんですよと愛子に言う。
武男「今、筋が通ってる人の話をしてたんです」
正子「そんな気の利いた人が今の世の中にいるもんですか。私ぐらいのもんですよ」
正子が事の起こりは三郎さんだと話し始めると、お敏が神尾さんのおばあ様から電話があり、午後ではなく午前中に出かけると言付かった。堀の母親がどうして訪ねてくるのか聞く正子に月給を上げてもらったお礼だと教える愛子。神尾さんのおばあちゃんが揉めに来ると武男に聞いて、おばちゃんびっくり。テレビの画角の関係か正子と武男の距離が近いのにびっくりよ。
堀の母・あやが到着。別宅には愛子、正子、きょうだい7人が集まっていたが、愛子は堀の母に会うために本宅へ。別宅のいつもみんなが集まるこの部屋は三郎の部屋だっけ? 愛子は三郎の友達の話、武男のお嫁さんの話もみんなでうまく相談するように言って部屋を出た。
三郎の友達のことについて。敬四郎はあの2人がいてくれたほうが便利なんじゃないの?と聞くが、「嫌いなんですよ、私は、あの2人が」と正子。
洋二「感じがよくなかったよね。最初にこの部屋に来たときだって」
幸子「何がよくてあの2人は結婚したのかしら」
武男「それは蓼食う虫も好き好きだよ。だけどおばちゃん僕のお嫁さんにはあんなの真っ平ですからね」
正子「当たり前ですよ。私の目は節穴じゃありませんよ」
秋子「それにしては大した人を入れちゃったのね」かおるも幸子もうなずく。
武男はもうすっかりおばちゃんにお嫁さんを見つけてもらう気になってるんだね。
そういや、初登場のおばちゃんは秋子に縁談を持ってきて亀次郎に怒鳴られていたんだった。で、最初のころはもっとピリピリした嫌みなおばさんだったな~。
正子「そりゃ三郎さんを信用したからですよ」
三郎「僕だってまさか…」
かおる「私は初めから怪しいと思ったわ」
洋二「僕もそう思ったね」
敬四郎「どうも少し強引すぎたよね」
正子「強引なんてものじゃありませんよ。あれじゃまるで居直り強盗ですよ」
かおる「だったら警察へ言ってったほうが早いんじゃないの」
敬四郎「そうそう」
そう簡単にはいかないというのは三郎だけで、他の兄弟たちはそうするしかないと言う。
武男「そうなるしかないんだよ。だからおばちゃん、早いとこ頼みますよ。僕のほうの話を」
正子「それはいいのよ。そっちはいいけどこっちはこっちでしょ。お嫁さんの話と居直り強盗の話を一緒に解決できないわよ」
秋子も自分の結婚話が気になる。
広間にいるあやにお敏がお茶を出した。「その後、赤ちゃんお元気ですか?」と聞いたお敏に対して、赤ん坊は元気だけど、大人のほうがしょんぼりだとあやは答えた。ほとほと手を焼いてるという。
たすき掛け、姉さんかぶりのイネが広間に顔を出した。神尾のおばあちゃん到着。
茶の間
昼寝から目覚めた亀次郎は堀のおふくろの泣き言でも聞くかと着物を着替えた。その前に話があると愛子が止める。
お敏が広間に通したと報告に来たが、亀次郎は誰が来たか知らない。愛子は高円寺のおばちゃんに顔を出してもらうようにお敏に言う。亀次郎は広間に誰が来たか乗り込もうとして、愛子に神尾のおばあちゃんだと知らされた。
亀次郎「あのばばあがよくもよくも性懲りもなく」
お敏は別宅に正子を呼びに行く。
茶の間
亀次郎「お茶を持ってきなさい」
愛子「なんですか。そんなおっかない顔をして」
亀次郎「おっかない顔は地顔ですよ」
愛子「うそおっしゃい。気は優しくて力持ちですよ、あなたは」
亀次郎「桃太郎じゃありませんよ。なんですか、羽衣の天女みたいな顔して、やたらわしの言うことに逆らって」←褒めるのを忘れないおやじ
愛子「逆らうんじゃありませんよ。子供たちの身にもなってやってくださいよ」
亀次郎は子供たちのところへ行くと隣の別宅へ。裏玄関でちょうど入ってきた正子とぶつかる。
正子「おや、こんにちは」
亀次郎「うるさい!」
正子「うわっ、大変な剣幕ね」
愛子「すいませんけど、お願いします」
亀次郎は別宅に入って2階に行きかけるが、追いかけてきた愛子に2階じゃないと言われて、玄関に入ってすぐのドアを開ける。1階が三郎、敬四郎がいて、2階が秋子、幸子の部屋かな。部屋に入るなり「こら!」と怒鳴り、子供たちは立ち上がって直立不動。
愛子「なにもそんな自分の子供にこら!って言うことないじゃありませんか」
亀次郎「昔が昔ですよ。つい口から出るんですよ」
愛子「ついつい言うなって言うのはお父さんじゃありませんか」
亀次郎「それでもついつい出るんですよ。こら! 秋子」
広間
正子「とにかくまあ口は悪いし、声は大きいし、それこそ年中、お祭りの太鼓をたたいてるみたいな人なんです。それもしょっちゅう調子が外れるんですからね」
あや「それがまた会社においでになると一段と激しいんでしょうか。とにかくせがれの話ですと会社だけではないんですって。あのあたりのビル全体が震え上がってるそうでございますよ」
祖母「それこそ地震と雷とおやじを一緒にしたような方なんでございますね」
正子「いいえ。火事だって抜かしちゃダメなんです。風向きが悪いとどこへ飛び火するか分からないんですからね。私なんかしょっちゅう火の粉をかぶってるんですよ」
イネがお茶を持ってきた。正子はなかなか亀次郎がこないことを気にする。あやはちょっとお目にかかってお礼さえ申し上げればいいと言うし、神尾の祖母もただちょっと一言だけ申し上げればというが、正子は「その一言が大変なんじゃないんですか?」とちょっと嬉しそう?
神尾の祖母「いいえ、簡単なことなんでございます。要するに本人同士の意思で決まることなんでございますからね」
正子「それはそうですとも。結婚なんてそれに限るんですよね」
あや「そうなんですよ。それをうちのせがれが間違えちゃったもんですから、いまだにてんやわんやで揉めてるんでございますよ」
イネ「私なんかもそれでひどい目に遭いました。好いて好かれた人と一緒になれなかったばっかりに」
正子「このおばあちゃんは3度結婚して3度ともうまくいかないんですよ」
イネのことを光から聞いていたと言う神尾の祖母。神尾、そんなことまでしゃべるのか。大層ご苦労なすったのはイネじゃなくお敏のほうだと思うよ! イネや自分のこと、あやは嫁のことを話す。
堀の妻は、背は高い、気位は高い、亭主を見下してるような女房だとあやは言う。いつも嫁の悪口になるけど、悪いのは嫁じゃないよね! しかもその嫁、今は愛人の子を育ててるんだよね?
このドラマは堀の妻の立場の話。オチは気に入らなかったけどね。
イネはついに椅子に座って話に加わる…というか自分語り。新情報としては六さんの子供は2人。息子のほうは年上の飲み屋の女とどっか行き、娘も年下の男とどっか行っちゃった。六さんとイネは同じ歳。六さんの女房は5年前にお祭りの焼き豆腐にあたってコロッと逝っちゃった。イネは女房じゃなく六さんが運が悪い人だと言う。
正子「ほんとにうまくいくことのほうが少ないのよね」
祖母「それをうまくいかせたいと思って、お会いしに伺ったんでございますけどね」
亀次郎の咳払いの音が聞こえ、正子がスッと立ち上がり、イネ、あやも続く。亀次郎が広間に入り、「やあ、お待たせしました」と話したところでやっと神尾の祖母も立ち上がる。
再び咳払いをしてソファに座った亀次郎。あとをついてきた愛子がどうぞとみんなを座らせる。亀次郎は大きな声で笑いだし、「なんだ。こうやって見渡したところいいばあさんが4人もそろっとるじゃないか」
愛子「お父さん」
また大きな声で笑う。
祖母「そういうあなたはいいじいさんの紅一点ですか」
亀次郎は咳払いをし、神尾の祖母に右手を差し出した。「とにかく何人あっても子供はかわいいからね」
祖母「では、あなたは…」手を差し出し、握手。
愛子「お父さん、だから今日は逆らわなかったんですよ」
亀次郎「ヘヘヘッ、勝負なしのあいこできましょうや」
祖母「そうですとも」
どういう話し合いだったのか丸く収まり、あやのぽかんとした顔を除いてはみんな笑顔だった。(つづく)
堀部長のお母さんなんて名前を呼ばれるシーンなんて1つもないのに「あや」って名前があるのに、神尾のおばあちゃんには名前がないんだよー!
俳優座立ち上げメンバー+宝塚の豪華共演!
実年齢順に並べてみました。
神尾の祖母…東山千栄子/1890年9月30日 - 1980年5月8日
亀次郎…進藤英太郎/1899年11月10日 - 1977年12月18日
堀部長の母…村瀬幸子/1905年3月21日 - 1993年10月9日
イネ…岸輝子/1905年5月1日 - 1990年5月10日
正子…小夜福子/1909年3月5日 - 1989年12月29日
愛子…風見章子/1921年7月23日 - 2016年9月28日
お敏…菅井 きん/1926年2月28日 - 2018年8月10日
役年齢は亀次郎が61歳、愛子が56歳、正子が58歳、お敏が52歳、イネが68歳くらいだけど、実年齢は全然違う。意外と亀次郎と愛子は歳の差があり、愛子とお敏は当時40代!
1978年の「道」の主演してる頃の京塚昌子さんと1968年の「おやじ太鼓」の風見章子さんがちょうど同じくらいの年齢だったってことかな。どっちも40代後半。
あと1回でラスト。次が別のドラマの再放送だったら寂しさも募るけど、続きをやってくれるのでどういう最終回か興味あります。