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【ネタバレ】太陽の涙 #12

TBS 1972年2月22日

 

あらすじ

寿美子(山本陽子)は、正司(加藤剛)との見合いの話を写真も見ずに断っていたので、病院で会った青年が正司だとは知る由もなかった。今正司が店に来ているというのに、会おうともせず……。

2024.4.3 BS松竹東急録画。

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子供のころ

上を向いて泣いたら

マツ毛の虹が

きれいだった

でも大人になると

上を向いて泣かない

だから

虹も消えてしまった

 

でも

もっと年をとると

瞼の中に虹があった

いつも太陽に向って

お祈りするから

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今回は6話冒頭のポエムと同じ。

 

及川正司:加藤剛…添乗員。33歳。字幕黄色。

*

前田寿美子:山本陽子鉄板焼屋「新作」の娘。25歳。字幕緑。

*

池本良子(よしこ):沢田雅美…病院の売店の売り子。20歳。

及川勉:小倉一郎…正司の義弟。20歳。

*

井上はつ:菅井きん…そば屋「信濃路」の女将。

前田昭三郎:山本豊三…新作の三男。

*

板前:浅若芳太郎

菊ちゃん:間島純…仲居。

仲居:小峰陽子

*

伊沢理恵

板前:大西千尋

大槻俊子

ナレーター:矢島正明

*

前田新作:浜村純…寿美子の父。「新作」マスター。

 

鉄板焼屋「新作」

忙しい厨房で一人で賄いを食べている新作。

 

板前「じゃ、太一、イカから作って」←太一って人がいるのね。

 

はつ「前田さん、こんばんは」通用口から顔を出した。

新作「やあやあ、いらっしゃい」

はつ「すいません。こんなとこから」

寿美子「あら、おばちゃん、いらっしゃい」

 

新作は、あんたが店に来るなんて珍しい。狭いけど掛けなさいよと言うが、はつは遠慮し、それよりもあれなんですと寿美子をチラ見。ちょっと…と「新作通用口」から廊下へ。

 

はつ「実はね、今日、鉄板焼きを食べに来たんですよ、私」

新作「そりゃまたありがたいね」

はつ「それより、あれなんですよ。あの人が来たんですよ、及川正司さん」

新作「誰だっけ? 及川正司って」

はつ「ヤですねえ、もう忘れちゃったんですか?」

 

ようやく思い出した新作に、はつはそんなことだから寿美子さんだって気乗りしないのだと言う。新作は済んだ話だと思っている。はつは正司に連れてきてもらって、ごちそうになると言うと、新作も私も何かごちそうすると言う。

はつ「ええ、そりゃしていただきますよ」

新作「じゃ、どんどん遠慮なく食べてよね」

 

はつはそんなことより見てもらいたい、もう一人、女の子と3人で掛けてますから、ちょうどいい機会だからのぞいてくださいと話した。お手洗いどこでしたっけ?と聞くはつに笑顔になった新作は厨房に戻った。

 

板前さんセリフは多いんだけど、全然映らないんだよな。

 

新作は早速のれんの陰からのぞき見。使い捨ての紙エプロンをあてている正司の後ろ姿と向かい合って座る良子の姿が見える。

 

寿美子に声をかけられると、「いや、なかなか繁盛で結構だよ」とごまかし、席に戻って賄いを食べ始める。

 

はつが席に戻った。「あっ、すいません、すいません。何か頼んでくれました?」

正司「さしあたり鉄板焼きをね」

はつ「そうですか。そりゃどうも」

 

良子「随分長かったのね」

はつ「いえ、それがね…」と良子に耳打ち。

良子「おなか壊してんのに鉄板焼きなんかいいのかしら」←すぐ言う~。

はつ「いいんですよ、いいんですよ」

 

正司「だけど、そりゃあいにくだったな」

はつ「とんでもない。私のおなかなんて気まぐれですからね。おいしい物(もん)食べりゃ治っちゃうんですよ、フフッ」はたと何かに気付く。

 

正司「えっ? どうかしたの?」

はつ「いえね、そうじゃないんですけどね」立ち上がる。「正司さん、あんた、こっちへ掛けたほうがいいですよ」

正司「どうして?」

はつ「やっぱり若い人同士、並んだほうがいいんじゃないんですか?」

正司「いいですよ、そんなこと」

はつ「まあ、そう言わないで。良子さんと並んでくださいよ」

良子「変なこと言うおばちゃん」

 

はつ「だって、やっぱり若い人は若い人同士並んだほうがいいんですよ」

菊ちゃん「そうですわね、仲がよろしくって」←1話以来の仲居さん。

はつ「ほらね、フフフフッ」

 

はつと良子はほぼ初対面なんだけど、良子はもう「おばちゃん」呼びしてるし、ずーっと前から知り合いみたい。「おやじ太鼓」や「兄弟」でさんざん見てるからな~。「3人家族」でも共演してるけど、関係性は薄い。

 

従業員控室

新作は寿美子を呼び出し、はつから話のあった人が店に来ていると伝えた。

寿美子「まさか、私に紹介しようっていうんじゃないでしょうね?」

新作「いや、そうは言ってやしないさ。ただせっかく来てるから、ちょっとのぞいてみてくれって言うんだ」

寿美子「まあ、やらしい。のぞくだなんて。私はそんな人には、なんの関心もないんですからね」プイッと厨房へ。

 

板前「そのお客の胡麻タレはな、もっとしつこくよ」

板前「はい!」

 

寿美子を追いかけてきた新作は、のぞかなくても店へ行って見ればいいと言うが、見たくないと注文を板前に伝える。「え~と、ハマチのお刺身、2人前。え~、餅鮑(もちあわび)1人前、お願いします」←もちあわび!?

 

ホール

正司「さあ、おばちゃん、よっちゃん、食べてよ。肉を焼きすぎないほうがいいから」

はつ「ええ、頂きますよ」

良子「んっ、とってもおいしいわ」

正司「そう、そりゃよかったな」

後ろを向いて様子をうかがうはつ。

 

良子「どうぞ」正司のコップにビールを注ぐ。

正司「あっ、ありがとう」

 

おお? このシーンは!?

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木下恵介アワーのドラマを集めて作ったCMにあったシーンだ!

はつ「ちょっと失礼しますね」立ち上がる。

良子「あら、またなの?」

はつ「いえ、ちょっとおかしいんですよ、様子が。あの…すぐ戻ってきますからね」

 

正司「いけないな、あれじゃ」

良子「無理してんのかしら」

正司「せっかく、うんと食べてもらおうと思ったのに」

良子「でも、面白い人ね。おなかを押さえて、様子がおかしいなんて言うんですもの」

正司「まさかくだりそうだとも言えないもんね」

良子「フフフッ。なんだか私ばっかりごちそうになって悪いみたい」

正司「悪かないよ。さあ、これも焼けたよ」←鍋奉行

 

またしても通用口から顔をのぞかせるはつ。

寿美子「私に何か用があるらしいけど、今日はあいにくと忙しいのよ」

 

寿美子は、この間出会った人のことで頭ん中がいっぱいで他の人のことなんて、とても考える気もしないし見る気もしない、だから私のことはほっといてちょうだいとお願いした。

 

山本陽子さんも沢田雅美さんも割と小柄なんだなと菅井きんさんと立って並んでるのを見て思う。

 

はつ「でもね、ほんのちょっとだけでも見といたほうがあとで後悔しないんじゃないんですか?」

寿美子「あら。どうして私が後悔するのかしら」

はつ「するんですよ、それが。だって、あんなハンサムないい男がこの世の中に二人といるもんですか」←そうそう、その通り!

寿美子「まあ、大げさ」

新作「大げさじゃないんですよ」

寿美子「だったら、私も言いますけどね。私が一目会った人は、それこそもうこの広い東京中にはいませんよ。あんなにスマートであんなに気に入った感じの人。ホントにおばちゃんにも一度見てもらいたいようなもんよ」

新作「これだもの」

寿美子「ええ、これですよ、私は」

 

従業員控室

新作「お前は少しいけませんよ」

寿美子「何がいけないんですか? 私が」

新作「少し惚れるのが早すぎますよ」

寿美子「早く結婚させようと思ったのはお父さんじゃないの。私は一旦好きになった人はどこまでも好きになりますからね」

新作「いや、好きになるのはいいさ。だけどだよ…」

寿美子「だけど、もうダメなの、私は。お先へ」帰ってしまう。

新作「こら、待ちなさい」

 

物語のためとはいえ、かなりもどかしい展開。何も言わずに店へ出るように仕向けたらよかったのに~。

 

ホール

はつ「まあ、おいしそうだこと」

良子「心配だから見に行ったんだけど」

はつ「あら、わざわざ」

良子「でも、いないんですもん」

はつ「ああ、そうなのよ。ちょうど塞がってたから隣へ入っちゃったのよ」

 

肉を焼く手が止まる正司。

はつ「あらあら、焼けすぎちゃいますよ」

正司「隣って、男のほうへ入っちゃったんですか?」

はつ「ええ、ええ、もう。危なくなりゃ、そんなこと言っていられませんよ。ハハハハッ。あっ、そうだ。私も一杯、頂こうかしら」

正司「いいんですか? ビールなんか飲んでも」

はつ「いいんですよ。私はいつだって逆療法」

正司「じゃあ、おつぎしますよ」

はつ「世の中には緑色を青だって言い張る強情っ張りもいるんですからね。私なんて素直なほうですよ。頭へきますよ」

 

またまたのれんから顔をのぞかせる新作。正司の表情がばっちり見える。

 

ホントにキレイな顔だな~。歯並びも美しい。ビールの飲み方も美しい。

 

人生には妙なことが時々あります。今日、正司がここへ来たのは、やはりあのときの不思議な出合いに心を惹かれたからに違いありません。そして、その心を惹かれた寿美子のほうも実に一日千秋の思いで正司を待っていたのですから。でも、無理にも2人を会わせようとする、いわば幸運の女神のようなこの人の厚意を寿美子はむげにはねつけてしまったのです。いたずらな運命です。しかし、それで一番切ない思いに苦しんでいるのが寿美子なのですから、運命はまさに皮肉です。

 

この人のところで、のナレーションでアップになったのは、もちろん、はつ。

 

バー?

寿美子は昭三郎と並んで座っていた。

昭三郎「いいのかい? 水割りなんか飲んで」

寿美子「飲んでみたいの、今日は」

昭三郎「男が飲む酒だよ、こんなのは」

寿美子「男の気持ちが分かりたいの」

昭三郎「どうしたんだ? お前らしくもない」

寿美子「それどういうこと? 私らしくないって」

昭三郎「とにかく無理したって始まらないよ。お前はお前らしいほうがいいよ」

 

寿美子はなんでもないと言うものの、昭三郎は寿美子がうちを出てから初めて寿美子のほうから電話がかかってきたことを不思議がる。「どうして議員会館だなんてデタラメを言ったんだ?」

寿美子「そう言えば一も二もないでしょ? お母さん、お役人とか代議士とか大好きだから」

昭三郎「まあ、その程度だけどさ。それにしても意外だったよ」

寿美子「他に電話をかけるとこがなかったんですもん」

昭三郎「そうさ。まあ、安心してグッと飲みなよ。クサクサするときには飲むしかないよ。酔っ払ったら送ってってやるよ」

寿美子「そう。ホントに酔いたい気持ちよ。自分でもどうしてだか分からないの」

昭三郎「いいんだよ。分からなくったって。いちいち良心的に分かってたら人間なんて進歩も発展もないんだよ。日本なんて、それでGNP第2位に伸びてきたんだぜ。薄いなあ、この水割りは」

寿美子「おいしいわ」

 

昭三郎「おいおい、やっぱり飲み屋の娘になると腕が上がったじゃないか」

寿美子「失礼ね。飲み屋じゃありませんよ」

昭三郎「あっ、そうか。鉄板焼き屋か」

寿美子「立派な商売ですよ」

昭三郎「まあ、いいさ。見渡すかぎり、日本の商売は社用族でもってるんだからな」

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ふむふむ。社用族で真っ先に思いついたのが植木等さんが演じた無責任シリーズのサラリーマンだな。私用もバンバン経費にしていた。

 

寿美子「兄さん、ホントに人が好きになったことがある?」

昭三郎は「そりゃあるさ」と、寿美子の友達の佐々木さんの姉さんが良かったと言いだす。人妻だったが好きだった。もうちょっと早く知り合えばよかった。人を好きになるということは人の奥さんだって、なんだってしょうがないじゃないかともっともらしく語る。昭三郎はそのころ、大蔵省のなんとかさんのお嬢さんとお見合いをしたが、お母さんのほうが夢中だった。「恋愛とはまた別。そういうもんだろ? 結婚って」

 

薄いわね、この水割りと寿美子まで言い出す。

 

ん~、寿美子は友達がいないのか? 前も新作のマンションに来たのは昭三郎。年が近くて仲がいいのか、長男次男はもう結婚してる?からなのか、それにしたって、飲みたい気分で兄を呼ぶってなんだかな~。「あしたからの恋」の和枝も兄の修一に相談してたけど、修一は頼もしく描かれてたし、和枝にはアヤ子という友達もいた。

 

狸穴マンションのエレベーターを降りてきた寿美子と昭三郎。

寿美子「ありがとう。もういいから帰ってちょうだい」

昭三郎「そうはいかないよ。僕だってね、ひと言、親父に言ってやるよ」

寿美子「いいのよ、兄さんは言わなくたって」

 

酔っ払って気が大きくなったのか、無理やり結婚させようなんて、とんでもない親父だと乗り込もうとする昭三郎を止める寿美子。エレベーター前でもめていると新作が顔を出した。「どうしたんだ? お前たちは」

 

昭三郎「やあ、お父さん。どうも」

新作「何がどうもだ」

昭三郎を帰らそうとする寿美子。

 

新作「帰って、あのババアに言いなさい。息子たちが食べた勘定をちゃんと支払えってな」

昭三郎「はい、言います」

新作「もう、ちょこちょこ来るな。お前なんか」

寿美子「お父さん!」

昭三郎「はい、おやすみ。さようなら」エレベーターに乗る。

 

新作「どうしてあんなヤツと一緒だったんだ」と部屋の中へ。

 

寿美子は新作のあとにつづいて部屋に入ってきて、流しで手を洗う。

 

新作はついどなってしまって、そのあとにイヤな気分が残りました。それはそうでしょう。自分の息子にどならなければならないのですから。そして、寿美子も他人より憎み合う父と母の間にあって、だからこそどこの誰とも知らない行きずりの人を恋する自分にふと幼いころからの愛への憧れがあったことに気がつくのです。父も寂しく、娘も寂しいのです。

 

新作「どこで昭三郎と会ったの?」

寿美子「私が電話したんだわ」

新作「あんな者と会ったって、しょうがないだろうに」

寿美子「だって話し相手がなかったんですもの」

新作「そりゃまあ、たまにはきょうだいだからいいけどさ。なんの話をしたの?」

寿美子「なんとなくよ。それに井上のおばちゃんの話なんてイライラするだけよ」

 

寿美子は水割りを4杯飲んだ。もっと飲みたかったが、昭三郎のほうが酔っ払ってしまった。

新作「冗談じゃありませんよ。4杯も飲んでおいて、まだ飲みたいなんて」

寿美子「大したことなかったわ」

 

新作「いけないというより自分が大損ですよ」と今日来たあの人のことをチラッとでも見れば、ポーっとするんだからと話す。

寿美子「ポーっとする相手が違いますよ」

新作「そう言うけどだよ…」

寿美子「いいえ。もう結構」

新作「結構なことがありますか。親孝行で弟思いで。お父さんはチラッと見ただけでポーっとしちゃったんだから」←お父さんがポーっとしちゃった!

 

寿美子「そんなに気に入ったんなら、養子にでもなんにでもしたらいいじゃありませんか」

新作「したらいいって、お前…」

寿美子「私はご遠慮しますからね。私はもうちゃんと決めてるんですから」

新作「ハハーだ。決めてるとくるんだから。お前もそそっかしいよ」

 

ちょっといっぺん会っただけ、六本木の交差点のそばでチラッとタクシーの中で見かけて二度目。きれいな人と一緒にいたと新作にからかわれると、いいのと耳をふさぐ。

 

病院の廊下を豪華な盛りかごを持った寿美子が歩いていた。メロン、バナナ、ミカン…

 

売店

片づけしている良子のもとに寿美子が顔を出した。小川のことを聞いた寿美子に、事の顛末を聞く。

 

良子「その人、ダメだったです」

寿美子「まあ…」

良子「だから小川さん、がっかりしちゃって」

寿美子「ああ…そりゃそうでしょうね。あんなに言ってらしたんですもの。その方だけが優しくしてくれるって」

 

良子「今日はどなたのお見舞いなんですか?」

寿美子「その小川さんです。だってあのときお会いしたのも何かのご縁ですもの」

良子「あっ、そりゃ喜ぶでしょうね」

 

病室を聞いた寿美子に、病室は2階で廊下の端に階段があるから、それを上がって看護婦さんの詰め所で聞いて下さいと答えた良子。寿美子は盛りかごを持って行こうとしたが、引き返して、あの方はおみえになるんですか?と聞いた。

 

良子「あの方って誰でしょう?」

寿美子「息子さん。小川さんの」

良子「ああ、おいなりさんの好きな人ですね」

寿美子「そう。また食べに来ました?」

良子「さあ、どうだったかしら?」

寿美子「だって、お父さんが入院してらっしゃるんですもの。ちょいちょいいらっしゃるんでしょ?」

良子「ええ、そりゃまあ」

 

「とにかくお見舞いに行ってきますわ」と歩き始めた寿美子だったが、また引き返して、帰りにおいなりさんを頂きますからねと出て行った。

 

良子「一体どういうつもりかしら、あの人」

 

寿美子と入れ違いに顔を出したのは勉。

良子「あら、どうしたの? 今頃来て」

勉「それよりもあの女は何しに来たんだよ?」

良子「お見舞いですって。おっきな果物かご持ってたでしょ」

勉「誰のお見舞いに?」

 

良子「ちょっとややっこしいことになっちゃったわね。あっ…つまり、あんたのお兄さんのお父さんね。いや、ここへちょいちょい来る、あの小川さん」

勉「へえ。どうしてあの人がお見舞いに来るんだろう?」席に掛ける。

良子「だから、ややっこしいことになっちゃったのよ。お兄さんが好きらしいわよ」

勉「変だな。だって、はっきり断ったんだぜ」

 

良子「いや、だから、あなたのお兄さんとは別の人だと思ってんの。だって、小川さんの息子さんだと思ってんですもの」

勉「そりゃ面白いや。どういうことになるか見ていてやろうよ」

良子「でもね、相当なもんね」

勉「何が?」

良子「大したお熱よ。わざわざ帰りにおいなりさん食べてくんですって。売り切れないようにね、残しといてくださいって」

勉「へえ。狐が憑いてんのかな、あの女は」ニヤニヤ

 

階段を上っていく寿美子。(つづく)

 

正直、寿美子がメインになるより、小川さんの話のほうが面白い。回を追うごとに正司には寿美子みたいな女性ではなく、素朴な女性のほうがお似合いだと思えてしまう。よっちゃんはちょっと年の差がなあ。小川へのお見舞いも正司目当てなのがはっきりしすぎてて、小川の心配なんてしてなさそうで。元婚約者の泰子も自分勝手な感じがして、あんまり…なんだよね。

 

伊沢理恵さん、大槻俊子さんは仲居さんかなあ?

 

この日の「おやじ太鼓」は高円寺のおばちゃん初登場。最初は、おばちゃんとの関係性がよく分からなくて混乱した。愛子は”義姉さん”と言ってたけどね。

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4話はこれから見ます。

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若い男女の恋愛がメインじゃなくても十分楽しい物語は作れる。