TBS 1973年5月1日
あらすじ
北（藤岡弘）から旅館の経営方針を聞かれた桂（松坂慶子）は、多美（上村香子）の身辺を聞き出すための口実だと思っていた。しかし、北の考えがやがて姉妹に不幸をもたらすとは、誰も予想もしていなかった。
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2024.2.15 BS松竹東急録画。
ナレーション「一時は死を考えた幸子も日増しに元気を取り戻した。彩子のあまりのお人よしぶりを苦々しく思っている板前の鶴吉も心の底では彩子と二上のことを心配してのことであった。一方、東京で北と会った次女の桂は姉・多美とのことを更に推し進めるのであった。そして、その多美の心の中にも北晴彦の面影がいつの間にかそっと影を落としていた」
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中西良男：仲雅美…鶴吉の息子。
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二上多美：上村香子…彩子の長女。字幕黄色。
大須賀伸(しん)：荒谷公之…織庄の一人息子。
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山下幸子：望月真理子…自殺未遂後、「二上」で働きだす。
静子：相生千恵子…「二上」の仲居。
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竹子：大橋澄子…「二上」の仲居。
社員：小峰陽子…北の同僚。
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課長：玉川伊佐男…北の上司。
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二上に元気に帰ってきた桂を彩子や幸子が出迎える。
桂「お母さん、きれいね」
彩子「何浮かれてるの？」
多美「東京で浮かれ茸(だけ)でも食べてきたんじゃないの？」
桂「そう。今日は快適な一日だったわ」
帳場のこたつの上のお菓子に手を伸ばした桂に多美と彩子が「手を洗ってらっしゃい」
桂「腹背に敵ありか」
厨房で手を洗う桂に「手は洗面所で洗ってもらいてえな」と言う鶴吉。衛生上と言うけど、以前、料理の前でくしゃみしまくってたな(-_-;)
良男から「飯もうないよ」と言われてガッカリの桂は帳場に戻る。
彩子「四谷の中原さん、なんておっしゃってた？」
桂「あっ、忘れてた。ごめんなさい」
桂は北にばったり会った、近いうちにまた来ると言っていたと話した。今も100万を持ち歩いているのか気になる彩子。帳場に入ってきた鶴吉もあいつは何者だと気にする。
ロビーの掃除をする幸子に適当でいいと言う多美。テレビをつけるとテレビの登場人物が一瞬、北に見えてびっくり。わざわざこのドラマ用の撮影もしたんだね。同じドラマを見ていた北はベッドに寝転がりながら飲酒。ウイスキー？
多美の部屋に入ってきた桂は北への気持ちを聞く。「私、今日、北さんに会ったでしょ。で、一緒にホテルに行ったの」←紛らわしい言い方すな！
東京プリンスホテルのスカイラウンジへ案内してもらったと説明し、なんだかんだ言って結局、多美には恋人はいないのか、どうしても旅館は継がなきゃいけないのか、食べ物は何が好きなんだなどと聞かれた。姉ちゃんの好きなのは洋菓子ならシュークリーム、果物ならメロンかスイカと答えたという桂。
田代の息子のことも全部話しちゃったと言う。「北さんもそんなだらしのない男はそうめんで首でもくくって死んじまえばいいんだって言ってたわ。私もそう思うって言ったの」
素麵で首括る…ありえないこと、できるはずがないことのたとえ。
田村の息子に断られたことは、多美だけの問題ではなく、二上がバカにされた。ちょっと持ってるからと天秤にかけられた。彩子も二上をもり立てて見返してやると言っていたと桂は言う。
サファリルックで通勤する北。割と狭いオフィスに人がいっぱい。他の人は当然スーツ。課長に挨拶し、自分の席につく。
北「まったくよく混むね」
女性「その上着じゃラッシュでも平気でしょ？」
北「うん。どんなに混んでても、まず降りられないってことはないね」←なぜ
「あしたからの恋」でも「たんとんとん」でも看護婦役だった小峰陽子さんは今回は北の隣の席の女性社員。女性だけは制服みたいなのを着てるのかな。
課長「秩父のあれ、どうなってるんだ？ 昨日、専務に聞かれて困ったよ」
北「はあ、着々と進んでいます」秩父にまた行くつもりでいるという。
課長の玉川伊佐男さん、いい声だな～と思ったら、「仁義」というフランス/イタリア映画のイヴ・モンタンの吹き替えをしていた。アラン・ドロンは「たんとんとん」の中西さんこと中野誠也さん。1973年7月放送のTBS「月曜ロードショー」限定かな？
昔の映画の吹き替えを当時の俳優が吹き替えてるのを見てみたい。
二上に電話。多美が出ると、北からで20日からしばらく泊まるという連絡だった。
のどかな道をマイクロバスが走る。大きな門から伸が走ってバスに乗り込んだ。ここが伸の実家？ 運転手の良男は「おはようございます」と愛想よく挨拶する。
伸「なんだ？ 近頃よっちゃん随分機嫌がいいじゃない」
桂「彼女が出来て気分が和んでんのよ」
伸「ああ、あの飛び込んだ人？」
桂「うん」
伸「かわいいもんな、彼女」
伸の腕をつねる桂。おっ、嫉妬してるのね。
しかし、次の瞬間「♪ランララン ララララ ランララン」と歌いだす。
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↑この歌みたい。
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へえ～、こんなのあるんだ～。
伸「なんだ？ お前さんも随分機嫌がいいじゃないか」
桂「そう。いいことあんの。♪ラララリ」
帳場
彩子「どう？ さっちゃんもぼつぼつ里心つくころね。東京へ帰りたくなってきてるんじゃないの？」
幸子「いいえ」
鶴吉も帳場へ来てこたつにあたる。「東京みてえなとこどこがいいんだろうね」
彩子「若い人は鶴さんみたいなわけにはいかないわよ」
鶴吉「そう言うと、いかにもあっしが年寄りみてえじゃないの」
彩子「若いと思ってんの？」
鶴吉「これでも昔はウグイス鳴かしたこともあるんだ」
彩子「聞かない話ね。そのウグイス、チュンチュンって鳴いたんじゃないの？」
鶴吉「ヘッ、彩さんはチュンチュンって鳴いたっけな」
彩子は幸子に売店の水羊羹を持ってくるように言う。
鶴吉「へえ～、今朝はバカにサービスがいいんだね」
彩子「お年寄りは軟らかいもんでないと」
鶴吉「言わしておけば」
2人のやり取りに思わず笑ってしまう幸子。「さっちゃん、笑ったよ」と驚く鶴吉。
織庄事務室
桂は北に私用電話。
電話を受けた北はシュークリームとスイカという組み合わせに困惑し、笑う。
今回は車を走らせた北。
日産ローレルかな？
会社にはサファリルックで行くのに、旅館にはスーツ姿の北。
帳場にいた多美が出迎える。北は多美に小さなスイカ2個を渡し、シュークリームの箱を帳場に置く。静子、竹子も出迎えたが、この間の部屋と分かると分かってるからいいですと一人で部屋に向かった。
帳場に来た彩子にスイカとシュークリームを見せる多美。
彩子「あら、多美さんの好物ばっかりじゃないの。どうしたの？」
多美「うん。多分、くれたんだと思うだけど」
北から予約を受けてたことも知らなかった彩子。多美は厨房でコップの水を一杯飲む。
せせらぎの間
北「だいぶ新芽も吹いてきたね」
静子「もう春ですもの」
北は二上が忙しいかどうか、幸子はどうしてるか聞く。幸子は今日は使いで東京に行っていると答える静子。
静子「今度はお長いんですか？ ご逗留」
北「うん。お長いことになりそうだね」
鶴吉は多美が一人で山に登っていくのを目撃。彩子の脇に置いてあるスイカを見て「促成だな？ まだうまくあんめえ。俺はごめんだ」
彩子「誰も鶴さんに食べてくれって頼んでないわよ」
良男はまだ駅に行くには早い時間だがどこにいるか分からない。
彩子は帳簿をつけていたが「春先これじゃ先が思いやられるわね」と鶴吉にこぼす。
鶴吉「世の中、そう甘くねえか」
彩子「これじゃなんのためにしてるか分かりゃしない」
鶴吉「まあ、お客さんに喜んでかえってもらやいいとしなくちゃ」
彩子「のんきなこと言って」
北に相談してみようかという彩子。スイカを持ってきたのも北で、多美がスイカ好きなことをいつ調べたんだろうと鶴吉に言う。「彩さん、こりゃ油断ならねえぜ」
多美は和服のまま山へ。
桂と伸が良男のマイクロバスに乗せてもらおうとするが、良男は何時か分からないけど、普通で来る客がいるから、まだ帰れないと断る。伸はタクシーおごるよと桂に言い、帰って行った。西武秩父駅まで行って、電車に乗って織庄まで行くのかな？ それとも織庄は駅前なのか？
良男と伸はそれほど身長変わらないね。165～170cmほどであろう。
桂が帰宅。彩子も多美も玄関で幸子を待っていた。桂は「あら、そう、どうしたんでしょ」と意外とそっけない。彩子に良男が駅前で普通の客を待っていると伝えた。
桂はスイカを見つけて、北が来ていることに気付き、せせらぎの間へ。「先日はいろいろとごちそうしていただきましてありがとうございました」丁寧に手をついて頭を下げる。
北「ハハッ、まったくだ。おかげで月給日前は大ピンチさ」
桂「何言ってんのよ、北財閥が。ねえ、今日は車でいらしたのね」
北「うん。正丸峠の若葉がとってもよかったよ」
多美の様子を聞く桂。北はスイカとシュークリームを買った領収書を桂に渡す。
桂「ねえ、これ、北さんからのプレゼントってことにしといていいでしょ？」
北「なんだかそんなことじゃないかと思ったよ。今頃のスイカ高いんだぞ」
桂「そう。高くてまずいの。あんなものどこがいいんだか分かんないわ」
北「ちきしょう。一杯引っ掛かったな」
桂「お客様。この度はお忙しいんでございますか？」
北「知らないね」
桂「ねえ、お茶もらいましょうか」
北「いや、コーヒーが欲しいな」
桂はお茶のほうがいいのと内線電話で「せせらぎの間。お客様がお薄欲しいんですって。お姉ちゃんに一服たててもらって」と竹子に伝えた。慌てる北。
帳場でお茶をたてた多美は竹子にせせらぎの間へ持っていくように言うが、せせらぎの間は静子の係だと断られ、桂には「私、飲んでいいの？」と言われたため、多美がお茶を運ぶ。
多美が来ると、かしこまって正座する北。好物は桂に聞いたと話す。お茶を飲み「秩父の桜はきれいでしょうね」
多美「ええ。長瀞はもう満開だとか新聞に出てましたけど」
北「長瀞か。あした行ってみようかな。そうだ？ 多美さん、一緒にどうですか？」
多美「あっ、私は…桂がお供できるんじゃないかしら」
北「はあ」
薄暗くなってきた西武秩父駅
荷物を抱えた幸子を笑顔で出迎える良男。幸子の荷物をもってバスに乗り込む。買い物してたらと急に乗り遅れたと言う幸子。
帳場
鶴吉「銭は持ってるのかい？」
彩子「うん。この間っからの半月分、昨日渡したばかりなのよ。それと旅行社に納める5万8000円と…」
鶴吉「う～ん、そのぐれえのはした金でトンズラもあるめえしなあ」
彩子「お金のことなんかいいんだけれど。好きだった男っていうのが中野に所帯を持ってるって言ってたから、ひょっとしてそっちに回ってるんじゃないかって、私、それが心配なのよ」
鶴吉「ハァ…未練の糸は切れなかったか」
そこに幸子帰宅。買い物してたもんですからと話す幸子に遅くなるなら電話してくれなくちゃと心配していた彩子。幸子は彩子に細長い箱(中身は不明)、鶴吉に模型、桂にもコーヒーとお茶を手渡す(多美は不在)。
彩子「あんた、こんなことして…お給料なくなっちゃうじゃないの、バカね。なんでこんな無駄遣いするの。もうダメよ、こんなことしちゃ。あなたにはお金持たせられないわねえ」と涙を拭く。
帳場に入ってきた良男は紙袋を提げていて、普通のお客は来なかったと言う。
北運転で多美、桂と長瀞へ。河原でお茶をたてる多美。
北と多美が舟に乗り込んだところで桂は舟を押して見送り。「私はいいの。いってらっしゃい！ 岸から写真撮ってあげるからね」
結構な崖を移動しながらシャッターを押す桂。
北「きれいですね。ハハッ」
うつむく多美。
桂は「いってらっしゃい！」と大きく手を振る。(つづく)
桂と北が一緒にいるほうが楽しそうに見えるな～。
4月からBSの連続テレビ小説アンコールは2000年後期「オードリー」、総合の再放送は2001年前期「ちゅらさん」に決まったそうです。どちらもリアルタイムで見ていた朝ドラでもあったのでスルーだな。もう昭和のはBSでもやってくれないのか(涙)。ホントに見たい朝ドラは全話残ってない昭和40年代の作品ばかりだし。
「オードリー」は堺雅人さん、佐々木蔵之介さんを知った作品…くらいの印象しかない。佐々木蔵之介さんは年齢幅の大きい役で当時は年齢不詳だったな。「ちゅらさん」は再放送の頻度が高い気がする。ゴーヤーマンのキーホルダーを買うなど当時は結構ハマってたけど続編連発で完璧にさめてしまった。
総合の再放送枠は午後の大型生放送番組が始まるというのでなくなるのかと思ったら、現行朝ドラの昼の再放送前の12：30に移動。ここなら休止はほぼなさそう。平成の作品といっても2～30年前なんだもんねえ。ただ月～土の話を月～金でやるからずれるね。
「思い橋」の高橋玄洋さんも1971年の朝ドラ「繭子ひとり」を書かれてたんだね。「思い橋」は朝ドラ後の作品のせいかほんのり朝ドラ風味な感じもしないでもない。
BS松竹東急さんはこれからも木下恵介アワーまたは木下恵介劇場の再放送を続けてほしい。BS11さんは別の京塚ドラマを、BS12さんは2015年に再放送したという「泣いてたまるか」を字幕付きでぜひ！
