徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】思い橋 #23

TBS 1973年9月4日

 

あらすじ

今は伸(荒谷公之)のことで頭がいっぱいな桂(松坂慶子)。伸は一日も早く式を挙げたいが、父(野々村潔)が結婚を認めてくれない。そこで伸は、「織庄」の店員を集め、大々的に桂との婚約発表をしてしまう。

夢は流れて

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2024.3.12 BS松竹東急録画。

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二上彩子(ふたがみ・さいこ):淡島千景…「二上」の女将。

*

北晴彦:藤岡弘…トラベルチェーン開発課の社員。

*

二上桂(かつら):松坂慶子二上家の次女。字幕緑。

*

中西良男:仲雅美…鶴吉の息子。

*

二上多美:上村香子…二上家の長女。字幕黄色。

大須賀伸(しん):荒谷公之…織庄の一人息子。

*

山下幸子:望月真理子…自殺未遂後、「二上」で働きだす。

静子:相生千恵子…仲居。

*

警官:曽我廼家一二三

社員:木村賢治…桂、伸の同僚。

*

大須賀:野々村潔…織庄の社長。

*

西鶴吉:花沢徳衛…「二上」の板前。

 

鶴吉は、帳場に彩子の手を引っ張って連れて行き、桂が泣いているのを見たという。彩子は多美のことだと思っていて驚く。「えっ? 桂ちゃんも泣いてんの?」

鶴吉「そうなんだよ。なんかシクシクやってるから、また、さっちゃんじゃねえかと思ったら、さっちゃん元気で働いてるだろ? それから、よく耳澄ましたら、これがなんと珍しや、桂ちゃんだ」

彩子「そう」

鶴吉「多美さんもかい?」

彩子「せせらぎでお茶のお稽古してたんだけど、2人だけにしといたら、なんか言い合いしたらしいのね」←あれ、茶室とかじゃなく、せせらぎの間だったのか。

 

多美に聞いても何も言ってくれないと彩子は言うが、たまにはきょうだいゲンカぐらいしなくちゃと鶴吉はあまり気にしてない。「それにしても大須賀のボンボンは大喜びで飛び出してくし、何がどうなってんだか、さっぱりわけ分かんねえな」

 

大須賀のボンボンはまだ太鼓を叩いてる!

 

せせらぎの間

お茶セットを片づけながら涙を拭く多美。

 

桂の部屋

机に向かって泣いている桂。彩子が部屋に行き、仲直りすること、顔を洗うように言う。

 

洗面所

水を出しながら、鏡に向かって笑顔を作る桂だったが、やっぱり泣きだしそうになり、顔を洗う。百面相する桂ちゃん、かわいい。

 

厨房

桂、多美は並んで食事をしている。

 

鶴吉「どうだい? 今日のなますはうめえだろう?」

桂「おいしいわ」

鶴吉「多美さんはどう?」

多美「おいしい」

 

「あしたからの恋」の和枝も常に誰からも”和枝さん”と呼ばれていた。お隣の長女のトシ子は”トシちゃん”なのに。総領娘だから?と思ったけど、和枝には修一という立派な長男がいるのにね。年上の正三すら”和枝さん””修ちゃん”呼びだったな。

 

なんとなく多美と桂を気にする彩子と鶴吉。彩子は席につかない良男に一緒に食べちゃいなさいと話しかけるが、従業員ですから、あとでいいと言う良男。

 

鶴吉「見え透いたこと言うんじゃないよ。お目当ては他にあるくせに」

良男「お見通しで」

鶴吉「まったくしょうがねえヤツだな。あんまりイチャイチャばっかりしてやがると、水ぶっかけるぞ」

良男「いいよ。涼しくていいじゃない」

鶴吉「ケッ!」

 

幸子が食器を運んでくると、彩子が先に食べちゃいなさいと促す。

鶴吉「ああ、ここ空いてるよ」

強く勧められて隣に座る幸子。

 

良男「さてと…俺も食べるかな」

鶴吉「おあいにくさま。椅子がござんせん」

良男「そう…」辺りをウロウロ。

 

多美「ごちそうさま」

鶴吉「ダメだよ、多美ちゃん! 飯を食ったあとは、お茶でも飲んでゆっくりしなくちゃ」

彩子「そうよ。もっとゆっくりあんたたくさん食べなきゃ」

 

ロビーのテレビの中で女性がギターで「禁じられた遊び」を弾いている。

禁じられた遊び(字幕版)

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1952年公開のフランス映画で、「禁じられた遊び」でも出てくるけど、曲名は「愛のロマンス」というのね。

禁じられた遊び(ロマンス)(民謡)

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そういえば「思い橋」はテレビを見る場面がほかの木下恵介アワーと比べても段違いに多い気がする。

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「おやじ太鼓」はテレビはあったけど、テレビを見てるシーンは全然なかった気がする。思い出したのは「兄弟」で順二がテレビにイヤホンをさして見てるとこぐらい。

 

多美がテレビに近づくと、桂がソファから起き上がり「どうぞ」と言う。斜め前の椅子に座る多美。

 

桂「姉ちゃんがこんなバカだとは知らなかった」

多美「私はどうせバカよ」

桂「姉ちゃん。北さんが姉ちゃんに裏切られて、どんなに悩んでるか知らないの?」

多美「私、裏切ったりしないわよ」

桂「姉ちゃんはそのつもりでも北さんのほうでは裏切られたと思ってるんだからしかたないでしょ」

うつむく多美。

桂「北さんが失恋自殺でもしたら姉ちゃんの責任よ」

多美「バカなこと言わないでよ」

桂「北さんがトラベルチェーンの手から、この二上を守るためにそんな苦労してるっていうのに姉ちゃん、簡単に振っちゃうんだから」

多美「簡単じゃないわ。自殺したいのは私よ」

桂「思い橋からだけは身を投げないでね。あとの始末が大変だから」

 

たまたま通りかかった幸子。「すいません」

桂「あっ、さっちゃん。ごめん。さっちゃんのこと言ったんじゃないわよ」

 

何と間の悪い…幸子はうつむいて去っていく。

 

伸がタオルを肩にかけやってきた。桂が笑顔で出迎える。

伸「太鼓を少しばかりたたいたら汗かいちゃった」

桂「あら。じゃ、さっきの屋台囃子、伸ちゃんもたたいてたの?」

伸「うん」

桂「どうりでよく響くと思った。じゃ、汗になってるでしょ? 浴衣運んどくわね」

伸「悪いな」

桂「未来の旦那様が遠慮しちゃおかしいわ」

伸「えっ!?」

 

お土産売り場にいた多美も驚く。

 

桂「なあに? 鳩が豆鉄砲食ったような顔して。じゃ、お湯加減見てくるわね」

伸「ハハッ」多美に笑いかけ、桂の後を追って去っていく。

 

廊下

伸「おい、待てよ」桂の肩を組み、手を叩かれた。「イテッ」

桂「まだ早い! すぐ調子に乗る」

伸「まったく分からねえヤツだな」

 

帳場

多美「ねえ、お母さんいいの?」

彩子「桂ちゃん、本当に未来のお婿さんって言ったの?」

多美「うん。織庄の大旦那のほう、大丈夫なのかしら? 桂、ホントは北さんのこと好きだったんじゃないかと思うの」

彩子「まさかそんな…それほど浮気っぽくありませんよ」

多美「ううん。真剣によ」

彩子「とにかく桂ちゃんによく聞いてみるわ」

 

「道」や「ほんとうに」の京塚昌子さんはこういう若い者の恋愛事情にすぐピーンときてお世話を焼くタイプだけど、意外と鈍い彩子さんもまたいいね。

 

帳場に桂が顔を出すと、サッと出ていく多美。

桂「お母さん、浴衣の新しいのある?」

彩子「あら、みんな桂ちゃんの部屋のたんすじゃないの」

桂「ううん、違うの。お客様の。伸ちゃんに貸してあげてもいいでしょ?」

彩子「そりゃいいけれど」

桂「汗臭~いの。どこ?」

 

彩子「旅館の娘がそんなこと知らないじゃ困るわね」浴衣を取り出す。「それより桂ちゃん、ちょっとお話があるの。座って」

桂「私に?」

彩子「大須賀君のことなんだけれど、桂ちゃん、ホントに大須賀君のこと好きなの?」

桂「好きよ」

彩子「ん…つまり、その…桂ちゃんの言う愛してるっていうか…」

桂「とうとう愛しちゃった」

彩子「とうとう愛しちゃったって桂ちゃん…」

桂「だって愛しちゃったんだからしょうがないでしょ? サンキュー!」浴衣を持って出ていこうとする。

 

彩子「ああ、ちょっと、ちょっと桂ちゃん。お待ちなさいよ。あなたたちのこと、織庄の大旦那はご存じなの?」

桂「さあ?」

彩子「だったら大旦那、なんておっしゃるか分かんないわね」

桂「それは伸ちゃんに任しとけばいいのよ」

 

ボイラー室前

良男がギターの弾き語りをしている。そばで聴いている幸子。

♪サヨナラ言ってお帰り

家へお帰り

家へお帰り

「家へお帰り」は1972年5月1日発売の井上陽水「断絶」というアルバムのB面5曲目で6曲目の「傘がない」はのちにシングルカットされた。結構マニアックな選曲だね。

 

良男「ヘヘッ、ちょっとしたプロ級だろ? 赤ん坊産まれたら、いつも子守歌に歌ってやるからな」

幸子「歌もお上手ね」

良男「ヘッ、大学行って、こればっかりやってたんだ」

 

脱衣所

桂「伸ちゃん! 浴衣、ここに置くわよ」

 

⚟伸「サンキュー!」

 

桂「湯加減、どう?」

 

お風呂場

伸「いいお湯だよ。ギターの流し付きでさ。温泉気分、満喫さ」

 

厨房に入ってきた鶴吉は「見つけた見つけた」と嬉しそう。良男がまたひっついていたから、約束だから、こいつで水ぶっかけてやるんだとブリキのバケツに水を入れる。

彩子「およしなさいよ、つまんない冗談」

鶴吉「こいつは冷たすぎて、さっちゃんがかわいそうだな」とヤカンに入っていたお湯をつぎ足す。←さっちゃんにもかける前提なの!?

 

ボイラー室前

ギターを聴かせる良男。「ハッ…今度の川瀬祭には太鼓のすばらしいの聴かせてやるからな」

幸子「あなたもたたけるの?」

良男「たたけるよ。今、なんて言った? あなたって言わなかったかい?」

はにかんでうなずく幸子。

良男「あなた…ハッ、俺があなたか。フフッ、あなた…」

 

突然ビンタする幸子。

良男「イテッ!」

幸子「ほら、こんなに血吸ってるわ」

良男「あっ…アハハ…」

 

笑顔で歩いてくる桂。

良男「よう、散歩か? 蚊に食われるぞ」

桂「あら、蚊取り線香まであるの? ねえ、ちょっとギター貸してくれない?」

良男「いいよ、何? 弾くの?」

桂「ギターで他に何すんのよ。ねえ?」

 

良男「さっちゃん、行こうか」

桂「逃げるの?」

良男「いや、赤ん坊の胎教に悪いよ」

桂「言ったわね」

幸子「私、桂さんのギターお聴きしたいわ」

桂「フッ、いいのいいの。一人になりたいんだから」

良男「それじゃ、蚊取り線香の始末、頼むぜ」

桂「OK」

良男は幸子の手を引いて去っていく。

 

ギターを弾き始めた桂。お風呂場の伸は「おい! 真面目にやれ!」とどなる。

 

誰がいるかよく確かめもせず、窓からバケツの水をかける鶴吉。「ハハハッ、ざまあみやがれってんだ。ハハハハ…」

 

びしょ濡れの桂。「あっ…ひどいわ!」

 

厨房

幸子「胎教に悪いなんて桂さんに悪いわ」

良男「事実だもん。しかたがないさ。子供が音痴になる」

幸子「フフフッ」

 

鼻歌を歌って入ってきた鶴吉。曲名不明。「今、雨、降らなかったか?」

良男「雨? 何言ってんだよ。外はいい星空だよ」

首をひねる鶴吉。「おかしいな…確かに手応えあったんだがな」

 

階段を下りてきた彩子はずぶ濡れの桂を見かけて驚き、ちょうど風呂上がりの浴衣姿の伸が出てきたので、「大須賀君、何したの?」と聞く。

伸「えっ? なんですか?」

彩子「なんですか、じゃありませんよ!」と近づく。

伸「し…知りませんよ。僕は!」と両手を上げる。

 

帳場で笑っている彩子。

鶴吉「どうりで良男のヤツ、ぬれてねえと思ったよ。桂ちゃん怒ってるだろうなあ」

彩子「そりゃもう。だからおよしなさいって言ったでしょう」

鶴吉「なんて言って勘弁してもらうかな」

伸「僕にも謝ってくださいよ。女将さん…いや、おかあさんにもうちょっとで突き飛ばされるとこだったんですから」

鶴吉「相すいません」

 

良男にもギターを水浸しにしたことを責められ、「相すいません」と頭を下げる鶴吉。

良男「相すいませんじゃ済まねえよ!」

鶴吉「まあ、そう言うなよ。反省してんだから」

 

彩子「あっ、いよいよご本尊が来たわよ」

鶴吉「えっ!?」

浴衣姿の桂が笑顔でせきばらいする。黙って頭を下げる鶴吉。

 

桂「ああ、さっぱりした。あら、おじさんもう酔い潰れちゃったの? 今までのモヤモヤがいっぺんに晴れちゃったわ」

伸「ホントだ。すっきりした顔してる」

 

鶴吉はおわびのしるしに冷たいもんでもごちそうしようと提案。

桂「あら、いいわね。おじさんのおごりよ。お母さん、ちゃんと伝票切んなきゃダメよ」

鶴吉「やれやれ。てめえで作って、てめえで金払ってりゃ世話ねえや」

隣で笑っている良男におめえのせいだから手伝えという鶴吉。良男と厨房へ。

 

伸「よく似合うよ」

桂「そう? 伸ちゃんだって似合わなくないこともないわよ」

伸「要するに似合わないってことじゃないか」

 

彩子「ねえ、大須賀君。誰かしかるべき人を立てて、お父様にお願いに上がりましょうか? そのほうがよければいつでもそうするわよ」

伸「いいんです。僕に妙案がありますから」

彩子「妙案って?」

伸「親父にも弱いところがありますからね。そこを押してやれば、どうってことはないんです」

桂「社長に弱いとこなんてあるかしら?」

伸「民主主義だよ、民主主義。人様に分からず屋の封建的な親父だと思われるのが一番イヤなんです。だから、そこをちょっと押してやれば、なんてことはないんです」

桂「伸ちゃん。そんなに急ぐことないわよ」

伸「おい。今になって空気の抜けるようなこと言うなよ」

 

彩子「じゃあ、しばらく人を立てるのは待っていいのね?」

伸「ええ。大丈夫です。僕に任しといてください」

彩子「いいのね? 桂ちゃん」

桂「伸ちゃんがそう言うんだったら任せたら?」

伸「細工は流々仕上げを御覧(ごろう)じろってね」

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納得できないような桂の表情。

 

伸は桂に「おやすみ」と言って出ていった。玄関を閉め、カーテンを閉めた桂は帳場に戻り、良男の歌を聴く。

 

♪君を見つけたこの渚に

一人たたずみ思い出す

小麦色した可愛いほほ

想い出の渚

想い出の渚

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ザ・ワイルドワンズ「思い出の渚」1966年11月5日発売

 

良男「聴こえるかい?」

 

風呂場の幸子「ええ、とってもすばらしいわ」

 

♪忘れはしない

いつまでも

水面走る白い船

長い黒髪 風になびかせ

波に向かって叫んで見ても

もう帰らないあの夏の日

 

よっちゃん、いい声だな~。歌手に存分に歌わせる木下恵介アワーが好き。

 

織庄

組合の寄り合いに行っている父の帰りを落ち着かない様子で待つ伸は社長が帰ったと社員から聞くと、「皆さん、聞いてください」と社員たちを集める。

 

社長が入ってくる。

伸「重大発表というのはほかでもありません。僕と二上桂君の婚約についてであります」

桂「伸ちゃん…」

伸「寛大にして民主的なる我が社長は常に若い者の味方でありまして、今回ももろ手を挙げて…」

大須賀「伸、待ちなさい。お前、弁論大会にでも出るのか?」

伸「お父さん、人の発言を妨げるのは民主的ではありませんよ」

大須賀「いや、わしはただ弁論大会ならこんなに腰がぶるってちゃ様にならんとアドバイスしただけだよ」

伸「どうか皆さん、我々2人を祝福してください!」自ら拍手をすると他の社員たちも拍手をする。

桂「伸ちゃん!」

 

大須賀「とにかく2人ともわしの部屋へ来なさい」

 

伸「どんなもんだい。これでもうこっちのもんだ」

得意げな伸にビンタして、織庄を飛び出す桂。

 

店の外で桂の腕をつかんで止めた伸。「結婚するって言ったのは、あれはウソだったっていうのか?」

桂「違う。違うわよ。でもどうしてあんなこと…」

伸「切開手術。切開手術が必要だったんだよ」

桂「そのためにどんな恥ずかしい思いしても?」

伸「だって一緒になれないよりはいいじゃないか」

桂「バカにしないでよ」

 

走っていく桂を追いかける伸。「待てよ。待てったら。悪かったら謝るよ」

桂「離して。私にはこの手があるのよ」空手チョップの右手。

伸「いいさ。やりたかったらやれよ」

 

後ろはスーパー?

ことしは丑年

     うなぎをどうぞ

という貼り紙が見える。

 

伸の胸をポカポカたたき、抱きつく桂。「伸ちゃんのバカ」

 

抱き合う2人に「おい、君、君」と声をかけた警官は「おやじ太鼓」の初代運転手・田村または「たんとんとん」の健一の担任だった福田先生。

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序盤、終盤に出てくるんだね。

 

警官「いや、こういう所でね、これ(抱き合う仕草)をされちゃ、わしは困るんだな。あっ、君たちどこの方? お嬢ちゃん、あんたお名前なんてえの?」

2人は逃げ出し、警官が追いかける。手をつないで走る伸と桂。

 

帳場で電話を受ける彩子。「はあ、うちの桂ちゃんが道の真ん中で…申し訳ありません。あっ…すぐに参ります」

後ろで扇風機の羽を外して掃除している良男と雑誌を見ている多美。良男は空手チョップで倒したものと思っていたが、彩子は大須賀君と道の真ん中で抱き合っていたと話す。「なんてこと、もう…フーテンみたいなマネして、もう」

 

帰ってきた桂は多美と彩子の前で正座している。多美は桂を責め、彩子は一番悪いのは大須賀君、あしたになったら秩父中、知らない者はいないという。私まで恥ずかしくて町を歩けないという多美。

 

彩子「とにかく当分会社は休むのね」

多美「すぐに辞めたほうがいいわ」

桂「もう辞めさせられてるかもね」

 

部屋で手紙を書く桂。「そんなことで私にはもう伸ちゃんと一緒になる以外、考えられません。私も伸ちゃんが好きだし、伸ちゃんも私を愛してくれています。しかし、私たちには誰も間に入ってくれるような人がいないんです。どうか、私たちを助けると思って、伸ちゃんのお父さんを説得していただけませんでしょうか? あなた様の説得力に期待するところ大です。この20日秩父神社の川瀬祭です。この前後はお店もお休みです。ぜひぜひいらしてください。」

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アパートのベッドで寝転んで手紙を読んでいた北は起き上がって桂の手紙を読み進める。「その折、姉がなぜあなた様を追い返すようなことをしたか真相をお話し申し上げます」

 

秩父の町には屋台囃子が響き、浴衣姿の老若男女が歩いている。

 

川瀬祭は毎年7月19日、20日。ドラマが放送されてるのは9月に入ってるけど、劇中時間はまだ7月? さっちゃんが11月が予定日の割におなかが大きくならないのはそのせいかも。

 

庭にいる多美は縁側に座る桂に伸と連絡を取るか聞くが、「あんな親父さん一人に負けちゃうような伸ちゃんなら、私いらないわ」と答えた。

多美「いらないなんて偉そうに…」

 

幸子が桂に電話があったと言いに来た。名前は言わず公衆電話だと聞き、走り出す桂。多美は伸ではないと幸子から聞き、「かわいそうに」。

 

帳場の電話に出た桂。「もしもし、北さん? よかった、今どこ?」思い橋で待ち合わせする。

 

赤い公衆電話で電話する北。手前には「武甲山」と書かれたペナントがぶら下がっている。

 

北からの電話を切った桂は、すぐに伸に連絡を入れる。

 

車を走らせる北。思い橋の上で待つ桂。(ぐづく)

 

北さんの出番が少ないとちょっと物足りなくなる今日この頃。