徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】思い橋 #15

TBS 1973年7月10日

 

あらすじ

彩子(淡島千景)がいない「二上」では、桂(松坂慶子)や多美(上村香子)がてんてこ舞いの忙しさだった。そんな時、幸子(望月真理子)の顔色が悪いと気づいた桂は、つきあっている良男(仲雅美)との間にデキたのではと早合点し…。

夢は流れて

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2024.2.29 BS松竹東急録画。

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二上彩子(ふたがみ・さいこ):淡島千景…「二上」の女将。

*

北晴彦:藤岡弘…トラベルチェーン開発課の社員。

*

二上桂(かつら):松坂慶子二上家の次女。字幕緑。

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中西良男:仲雅美…鶴吉の息子。

*

二上多美:上村香子…二上家の長女。字幕黄色。

大須賀伸(しん):荒谷公之…織庄の一人息子。

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山下幸子:望月真理子…自殺未遂後、「二上」で働きだす。

静子:相生千恵子…仲居。

*

大庭:土紀養児…トラベルチェーンの専務。

竹子:大橋澄子…仲居。

*

吉野:玉川伊佐男…トラベルチェーン開発課の課長。

*

西鶴吉:花沢徳衛…「二上」の板前。

 

帳場で荷造りをする彩子…を見ている鶴吉。

彩子「これで忘れ物(もん)なかったかしら?」

鶴吉「俺にそんなこと言われたって知るかい」

 

機嫌の悪い鶴吉に一緒に行きたかったの?とからかう彩子。彩さんのお供するぐらいならうちで昼寝してたほうがましだと返す鶴吉。

 

幸子が紙袋を持って帳場に来た。

彩子「年寄りってどうして、こう素直じゃないのかしらね」

鶴吉「さっちゃん、年は取ってもここまでうぬぼれねえように気をつけなくちゃな。まあ、ゆっくりしてきなよ。彩さんがいなくたって結構やってけるってとこ見せてやるから」

 

良男が入ってきて、トランクと紙袋を持って運んだ。幸子も後を追う。

 

彩子は仏壇に手を合わせ、鶴吉に背を向けたまま「鶴さん、頼むわね」。

鶴吉「ああ、大ちゃんと2人旅を楽しんできな」

彩子「ありがとう」

 

多美と桂の心配をする彩子に若い者の厚意はありがたく受けとくもんだ、法事の費用は半減するし、大ちゃんには一番の供養になる、多美や桂に二上の実態を知ってもらういい機会で一石三鳥だと鶴吉が言う。

 

良男が彩子を呼びに来た。

鶴吉「名残惜しくて離れねえんだ。早く連れてってくれ」

彩子「よっちゃんが本気にするじゃない、ねえ?」

良男「いくら女将さんが物好きでもねえ」

鶴吉「なんだと、この野郎!」

 

竹子と静子も玄関に見送りに来た。多美はお茶のお稽古で一緒に出る。

 

玄関を出ようとした彩子を呼び止め、「水が変わるから、体に気をつけてな。夏風邪は治らねえっていうから気をつけるんだよ」と気遣う鶴吉。

 

思い橋を良男の運転するバスが走っていく。

 

送り出した竹子と静子は、これで当分楽ができると本音を漏らしていた。

鶴吉「なんだって? この鶴吉の目の黒いうちはズルしようったって、そうはさせねえぞ」

静子「あら、聞こえてたんですか」

 

意外と静子と竹子が揃っている回は珍しい。

 

織庄

鶴吉から桂へ電話があった。「駅までそっから駆け出しゃすぐじぇねえか。見送ってやんなよ。喜ぶよ。そう度々、旅に出るわけじゃなしさ」

桂は鶴吉こそ見送ってやらないのかと返す。

 

織庄本店は秩父駅のすぐ近くにあって、良男は朝、桂を乗せて、伸を実家から拾って駅前まで送って、そこから2人は織庄に行くわけね。

 

鶴吉「ああ、じゃ、ごっつぉ作っとくからね。仕事終わったら寄り道しねえでまっすぐ帰ってくんだよ。分かったね?」

桂「うん、じゃあ」受話器を置き、伸から話しかけられ「フフッ。お母さんが旅に出たら鶴おじさん、とたんに親父さんみたいなんだもん」

伸「いいじゃないか。責任感じてんだろ」

桂「そうなの。寄り道せずに早く帰ってくるんだよ、だって」

伸「ありがたいと思わなくっちゃ」

桂「大事な娘なんだから伸ちゃんみたいな虫にはくれぐれも気をつけろって」

伸「あのおじさんがそんなこと言うはずないよ」

桂「あら、信じないのね。じゃ、今夜来てごらんなさいよ。水ひっかけられるから」

 

お茶のお稽古から帰ってきた多美。ロビーで新聞を読んでいた北に「おかえり」と声をかけられた。

多美「ただいま」

北「女将さん、四国の巡礼に出かけたんだって?」

多美「ええ。今、送ってきましたの」

北「じゃ、今頃は正丸トンネルの中あたりかな」

 

お茶が出ていないことに気付いた多美が厨房へ行くと、幸子がいたが、すぐ出ていった。幸子を気にする良男。「女ってのは、人間の表っ面しか見ないからな」。表っ面とは顔のことだという。

多美「あら、さっちゃんはそんなことないでしょう?」

良男「いや、そうなんだよ。キザに本屋なんかのぞいてると、すぐに偉いヤツだと思っちゃう、軽薄なところがあるしな」

多美「本屋さんをのぞくとキザで軽薄なの?」

良男「いや、そういうやつもいるってこと」

多美「伸ちゃんのことね」

 

良男も伸も同じくらいイケメンと思うので、伸だけイケメン設定?なのは解せない。

 

鶴吉は茶の間でうたたねしてると聞いた良男は茶の間へ行き、彩子の声音をマネして「鶴さん、起きなさいよ。何時だと思ってんの!」と驚かせて起こした。

 

多美「おじさん、とうとう起こされたのね」

鶴吉「ちくしょう。軍隊時代の夢、見てるとこ起こされたから。見ろ、まだ心臓がドキドキしてやがらあ」厨房へ

良男「親父起こすには、あの手に限るんだ。権威に弱いから、すぐ飛び起きる。(大声で)悲しい習性だな!」

鶴吉「なんだと、この野郎。親の寿命縮めて喜んでやがる、この親不孝者」

 

玄関ロビーにお茶を運んだ多美だったが北はいなくなっていた。風呂掃除?から出てきた幸子は不調そうで、多美が声をかけたが、元気そうに振舞う。しかし、多美がいなくなると、バケツを前に手で口を覆う。

 

モンモランシー

桂「まさか、さっちゃんに限って…」

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店で流れたのはこれ? チャラリーンで検索すると出た。

 

伸「もちろん、これは俺の推測だよ。しかし、若い娘が急に気分が悪くなれば、やっぱりそれを想像するんじゃないか?」

桂「あら、そう? 私だって急に気分が悪くなることだってないとは言えないわよ」

伸「いや、お前さんのは食いすぎだよ」

桂「色気ない言い方するわね。せめて、お食べすぎぐらいに言いなさいよ」

伸「同じじゃないか」

 

桂「しかし、もし伸ちゃんの推測が当たってるとしたら相手は誰?」

伸「決まってるじゃないか」

桂「あっ、まさか、よっちゃん?」

真剣な顔で大きくうなずく伸。「他に考えられるかい?」

桂「他にも考えられないけど、よっちゃんでも考えられないわ」←うんうん

伸「だから甘いっていうんだよ。とにかく本屋で気分が悪くなって、わけを聞いても言えなかったことだけは事実なんだから」

桂はうなずき、「お母さんは旅行に出かけたし、これは大変なことになったわ。伸ちゃん、約束して」

伸「ああ、俺は紳士だ。絶対にそんなマネはしない」

桂「違うわよ。今の話、誰にも言わないと約束して」

伸「ああ…いいよ」と右手を顔の高さくらいまで挙げて宣誓ポーズ?

桂「誓うわね」同じように右手を挙げる。

伸「誓います」

 

なぜか結婚式の妄想をする伸。不意打ちのウェディングドレス姿の桂! 拍手を受け、キスをする2人。

 

伸「まるで結婚式みたいだな」

桂「冗談じゃないわよ」マヌケな効果音。

 

せせらぎの間

タバコを吸いだした北に「退屈じゃございません?」と聞いた多美。この二上をいかに合理化していくかを考えていると答えた北。

多美「まだ買収のお話、諦めてらっしゃいませんの?」

北「買収なんて話はもともとありゃしないじゃないですか。確かに僕は買収で有名な会社の社員ではあるけど、この二上を買収しようなんて考えちゃいませんよ」

多美「じゃ、どうして?」

 

二上の合理化を考える理由は自分でもよく分からないという北。「目の前でモゾモゾしてると放っておけない性分なんでね」

多美「それでうちにずっと泊まってらっしゃるの?」

北「僕の買収したいのは人間のほうだけです。多美さん、僕の気持ちでもう分かってくれてもいいと思うんだけどな。多美さん、いつかの返事はまだ聞いてませんよ」

多美「今の会社お辞めになったら、私、北さんのこと信じます」

北「いや、そいつはできない」

多美「なぜですの?」

北「それだけはできないんです」

 

回想

課長「君は社員として確かに有能な男だ。君が我が社に残るという条件でここの買収は諦める。それでどうだ? そのかわり、今後は社員として会社の命令に忠実でなくては困るよ」

北「ホントにこのうちに手を伸ばさないんですね?」

専務「うん、男同士の約束だ。このことは誰にも漏らさぬこと。分かったな? 約束を破ったら僕のほうも容赦しないぞ、いいね?」

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回想シーンのようでいて、この前とアングルが違うように思うし、セリフも微妙に違ったりして、新撮シーンかな?

 

長い沈黙。

多美「いつも何もおっしゃらないで、それで信じろとだけおっしゃるのね」

北「しかたないんだ」

多美「ただ信じろと言われても…なぜおっしゃれないか、それだけでも…」

北「それは多美さん、あんたを愛してるからだよ」

 

多美「私、はっきり申し上げます。ただブラブラ遊んでる人って嫌いです」

北「だから二上のために考えてるじゃありませんか」

立ち上がろうとした多美を止める北。「多美さん、待ってください」

 

せせらぎの間の内線電話が鳴る。

多美「電話、鳴ってましてよ」

北「ほっとけばいい」

 

北の手を振り払って内線に出た多美。会社の吉野課長がおみえだと伝えられた北はロビーへ行き、吉野に外へ出ましょうと誘うが、少し休もうと言われてしまう。

 

ボイラー室前?

良男「さっちゃん! 俺が短気だったよ。このとおり謝る。だから機嫌直しておくれよ。自分自身驚いてるんだ。こんなにやきもち焼きだと思わなかった。それもこれもさっちゃん、君のことを愛してるからなんだよ」

背を向けていた幸子が振り返る。

良男「そんなニャンコちゃんみたいな悲しい目で見ないでくれよ。それでなくたって俺は…」

幸子「堪忍してください」

 

良男「さっちゃん、なにも君が謝ることないじゃないか。謝んなきゃならないのは俺のほうなんだ」

首を振る幸子の正面に回り込む良男。「そんなに織庄の息子のこと好きなのかい?」

良男の顔を見て首を振る幸子。

良男「じゃあ、まだあの人のことを?」

下を向いて首を振る幸子。

良男「他にまだいるの?」

 

鶴吉「良男! いくら呼んでも返事しねえと思ったら、こんな所に隠れてやがったのか、この野郎。さっちゃんもいつまでもそんなことしてるとしめえにはおじさん怒るぜ」竹?を肩に担いでる。←さっちゃんが何をした!?

 

良男「なんだと? そんなもの持ちやがって。殴れるもんだったら殴ってみやがれ!」その場に座り込む。

鶴吉「バカ野郎! こんな所で格好つけやがって。ボイラーいいのか? ボイラー。風呂が水しか出ねえって、お客さん怒ってるぞ」

良男「えっ? あっ、いけねえ」立ち上がり走り出す。

鶴吉「ったく、しょうがねえ野郎だ」

 

厨房

鶴吉「ハァ…まったくしょうがねえヤツだ」

静子「またボイラーの前で眠ってたんでしょ?」

鶴吉「眠ってなんぞいるかい。一生懸命働いてたよ」←なんだかんだ親バカ。

 

厨房に戻って来た竹子が「せせらぎ1人前追加」だという。

鶴吉「今頃そんなこと言ってきたって間に合うかい」

 

竹子が出ていき、帳場で電話が鳴ると多美が出ていった。

 

鶴吉「まったく、さっちゃんもさっちゃんだよ」

静子「えっ? さっちゃんとよっちゃんがなんですって?」←ワクワクしてる。

鶴吉「うるせえな。誰もそんなこと言ってねえだろ」

 

帳場

多美が電話に出ると彩子からだった。厨房へ行き、鶴吉に伝えると、この忙しいのに、いなくなってからまで邪魔しようっていうのかいと憎まれ口をたたくが、しょうがねえなあと電話口へ急ぐ。

 

静子「なんとかかんとか言いながら女将さんには弱いんだから」

 

帳場の電話に出た鶴吉。今朝出ていったのにしばらくだったねとニコニコ。東京駅でこれから新幹線ってまだ全然進んでないじゃないの。もっとゆっくり話したかった鶴吉だがあっさり電話は切られた。

 

桂帰宅。竹子から幸子は早番でもう上がったと聞く。

 

厨房

鶴吉、良男、多美が食事中。良男にも幸子のことを聞くが、良男は答えない。桂は厨房の流しで手を洗おうとするが、鶴吉に「手洗うなら洗面所で願いたいね」と注意された。

桂「はいはい。今日はいささかショックを受けておりますもんで」

鶴吉「ああ、ショック」←何、このセリフ。面白かった。

 

多美が食事の用意をしてくれて食べ始めようとした桂だが、彩子不在で私たちでお母さんの代わりしなきゃねと言う。伸との会話を思い出した桂は、良男を部屋に呼び出す。

 

桂の部屋

部屋の前に立っている良男を部屋に入れる桂。いいかげんな気持ちじゃ困る、ちゃんと責任を取るつもりかと聞き、良男を困惑させる。「ちゃんと胸に手を当てて考えてみれば分かるでしょ?」

 

あのことか…と合点がいったふうの良男。

桂「あのことか、じゃないわよ。これは人一人の一生に関わる重大な問題なのよ」

良男「そ…そりゃないよ」

桂「どうして? よっちゃんってそんな無責任な人だったの?」立ち上がる。

良男「おいおい、待てよ。暴力は困るぜ」

桂「暴力だって振るいたくなるわよ。あんたのそんな無責任さを見てると」殴りかかる?

 

桂を避ける良男。「おい! お前さん、そりゃないだろ。俺がさんざんモーションかけてるときはおよそ無視しといて、今更責任取れってことはないだろ。俺だって人間だよ。気持ちが変わるってことだってあるんだ」

桂「よっちゃん、待ってよ。なんの話してんの?」

 

桂がさっちゃんの話だと言うと、良男は「そっちのほうだったらもちろん…もちろん責任取りますよ」と真面目な顔になる。

 

桂「あっ、そう。責任を取るのね」

良男「ほらほら、ほらほら、また雲行きが怪しくなってきた。この際、嫉妬の感情は抜きにして話を進めてもらいてえな」

桂「何言ってんのよ。私が2人の仲をやいてるとでも思ってんの? 事はもっと人道上の問題よ」

良男「俺だって真剣に考えてるよ」

 

桂「さっちゃんのこと、ホントに愛してんのね?」

良男「もちろん」

桂に子供のことを問われると、4~5人は欲しいと思ってると答えた。

 

桂「冗談じゃないわよ」

良男「そう怒るなよ。俺だってまだそんなことまでは考えてないよ」

桂「考えてないで、よくそんな無責任なことができたわね」

良男「無責任なことって…いや、ちょっと待ってよ。俺が何したっていうんだよ?」やっぱりかみ合わない桂と良男。顔、近いな!

 

桂「よっちゃん、ホントにさっちゃんとなんでもないのね?」

良男「だから好きだっつってるだろう」

桂「赤ちゃんのことよ」

良男「誰の?」

桂「うん、つまり…あんたのよ」

良男「俺の? 俺の赤ん坊?」

 

厨房

皿を落として割ってしまった幸子。また気分が悪くなり口を押える。(つづく)

 

ええ~、ドラマが始まったのが4月で今7月で…ええ~、そんなことあるぅ?