徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】たんとんとん #20

TBS 1971年10月19日

 

あらすじ

もと子(ミヤコ蝶々)の夫が亡くなって、初めて請け負った仕事先の奥さん(井口恭子)が出産を迎える。もと子は病院の廊下で、ソワソワしながら赤ちゃんの泣き声が聞こえてくるのを待っていた。

君のいる空

君のいる空

  • 森田 健作
  • 謡曲
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

2024.1.31 BS松竹東急録画。

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尾形もと子:ミヤコ蝶々…健一の母。字幕緑。

*

尾形健一:森田健作…大工見習い。字幕黄色。

*

江波竜作:近藤正臣…先輩大工。

中西雄一郎:中野誠也…施主。

*

堀田咲子:杉山とく子…堀田の妻。

中西敬子:井口恭子…中西の妻。

*

辰っあん:名川貞郎…造園屋。

看護婦:谷よしの

看護婦:小峰陽子

*

生島新次郎:杉浦直樹…健一の父の下で働いていた大工。

 

病院

受付で待合室の場所を聞いた咲子が寝ているもと子に声をかけた。夜の8時過ぎになってもまだ産まれない中西さんちの赤ちゃん。

 

もと子「それがね、陣痛が途中で止まっちゃったのよ」

咲子「それじゃ今日は産まれないんじゃないの?」

もと子「いや、それが夕方からまたグーッときてね。今、予備室に入ってんのよ」

咲子「そいでまだ?」

もと子「そんな非難するような言い方しないでちょうだいよ」

咲子「だって…あんまりかかるんだもの」

もと子「フフッ。あんたがイライラしたってしょうがないじゃない」

咲子「大体、母体だって疲れるでしょうが」

もと子「だって初産というものは長くかかるじゃない」

咲子「特別よ」

 

もと子は予備室なら入ってもいいだろうと見に行こうとする。咲子もついていこうとするが、持参した大阪寿司のお重は待合室に起きてきたらいいともと子に言われる。

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則子が大阪寿司を買ってきて、繁も江戸前寿司を取ってしまい、謙作は夕飯に何千円も使うなとキレる。杉浦直樹さんはこっちでは威張ってるお父さんなんだよね。

 

咲子が待合室にお重を置いていると、産声が聞こえてきた。

 

もと子「あっ、産まれたかな?」

 

しかし、看護婦が呼んだのは別の家族だった。

看護婦「お産まれになりました」

遠藤「そうですか」

看護婦「男の子さんですよ」

遠藤「そうですか。どうもありがとうございます」

看護婦「奥様、とってもお元気で」

遠藤「あっ、それはそれはどうも」

 

遠藤さん、顔も出てるし、セリフもあるのにノンクレジット。やけにスタイルのいい看護婦さんは小峰陽子さんかな。キャストクレジットは看護婦、字幕は看護師。

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「あしたからの恋」でも直也の働く病院の看護婦役でした。「二人の世界」にも出てたらしいけど何の役か分からなかった。「おれは男だ!」にも出てたみたい。

 

予備室

ベッドに起き上がり、編み物をしている敬子。もと子や咲子が顔を出すが、敬子は気を遣って帰るように言う。まだ陣痛の間隔が長い。赤ちゃんが産まれたら、敬子は病室へ、赤ちゃんは新生児室へ入れられるので、いても廊下でちょっと会えるだけ、夜中に産まれるかもしれないと言うが、赤ちゃんの顔が見たいもと子。

 

咲子「だけど、あれだってね、割と赤ちゃんって夜中に産まれるでしょ? あれ、潮の満ち引きと関係あるんだってさ」

もと子「そんなこと迷信よ。今だって現に1人、産まれたじゃない」

咲子「そりゃ例外はあるけどさ」

もと子「あんたね、まだかまだかとね、思ってる人の前で夜中なんて言わないでちょうだいよ」

咲子「そんなことないわよねえ。どうせ夜中だって思えばジリジリしないじゃないの。かえって」

 

敬子の表情が曇ったように見えたのは陣痛が来たからで、痛がる敬子を前にスッと立ち上がり、すぐ腰をさするもと子と咲子。陣痛が治まり、ベッドに横になる敬子。

 

もと子「もうじきご主人も来はる。赤ちゃんもお父さん待ってんのかもしれんね」

 

中西は青森出張中。今頃羽田と言ってるから飛行機なんだ。まだ新幹線ないか。

咲子「なんだって奥さん臨月だってのに青森なんか行かせんだろう?」

敬子「予定日、まだだったでしょう」

咲子「それだって近いじゃないの」

敬子「1泊だったから大丈夫だと思ったんです」

もと子「そうよ。別に旦那が産むわけじゃなし、いなかったって不都合なことないじゃない」

 

中西にはもと子から連絡済み。

 

またしても陣痛が始まり、間隔が短くなったのでもと子がナースコールを押した。ドアが開き、入ってきたのは中西。ベッドサイドに行き、敬子の手を握る。中西はもと子たちにお世話になりましたと頭を下げた。あとは僕が見てますからと言う中西だが、もと子は「ここまで来て赤ちゃん見ないで帰りたくないもの」と隣のベッドに掛ける。

 

しかし、もと子はあとはあっちで見てますからと立ち上がる。咲子は身振り手振りで「あのね、陣痛きたらね、この辺り(腰)、こういうふうにさすってあげるとね」と伝えるが、もと子が急かして予備室を出た。

 

廊下

もと子「気の利かないこと言わないでよ、あんた、もう」

咲子「ああ、そうなのか」

もと子「そうよ。奥さんだってね、旦那が来たらさ、キスの一つもしてもらいたいのよ」

咲子「いやらしいわね」

もと子「いやらしいことないじゃない、別に」

咲子「新婚でもないのに」

もと子「時が時だもの」

咲子「だって何よ? お昼から今までついててくれた人を追っ払ってまでキスすることないじゃないの」

もと子「キスは例えばの話よ。してるかどうか分かんないわよ。でも、2人っきりになりたがってたでしょうが」

咲子「いや、そりゃキスしてるよ。ちょっと見てきてみようか?」←やめてー!

もと子「ちょっとよしなさいよ。老兵は消えていくのよ。こういうときは」

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ダグラス・マッカーサー老兵は死なず、ただ消えゆくのみ」

 

杉山とく子さんはおばあさん役の印象しかなかったから洋服の普通のお母さんスタイルだとスラッとしてる。ミヤコ蝶々さんがよほど小柄なのかな。

 

尾形家

電話している健一。「それは分かってるけどさ、ほら、この間、ボヤのあとで下塗りしてもらった、ああ。あれ、いつ仕上げやってくれんの? 急ぐって…実はね、赤ん坊が産まれそうなんだよ。俺んじゃないよ、すぐからかうんだから京さんは。うん、まあ、退院するときは、まっすぐ新築のほうに入ってもらいたいからさ。じゃあ、お願いします。はい、どうもどうも」

 

縁側から新次郎登場。「ペンキ屋かい?」

 

キャストクレジットでも字幕でも”ペンキ屋”としか出てなかったけど、京さんというのね。

 

新次郎は中西家の赤ちゃんが気になり、尾形家を訪れた。健一が上がるように言うが、遠慮する。ビールを抜くと言う健一に「よせったら。おかみさん気にすっから」と止め、水くれよと言う。かたくなに家に上がらない新次郎に「早く帰んないと、奥さん怒んだろ」とツッコむ健一。

 

新次郎「つまんないこと言うんじゃないよ」

健一「やっぱり怖いかね? 奥さんは」

新次郎「上がるよ。チッ…うるせえなあ」

健一「だけど、子供っていうのはなかなか産まれないんだねえ」

新次郎「こんなのは例外だよ。長すぎるよ」

 

夕方、健一が電話をすると事によったら病院に泊まるかもしれないと言われた。家に上がった新次郎は茶の間の新聞を読み始める。

 

健一「母ちゃんもしょうがねえよ。あんまり世話焼きゃうるさがるよ。向こうだって」

新次郎「いや、そりゃまあ、向こうは助かってんだろうけどな」

健一「さあ、どうかねえ。母ちゃんもしつこいからね、割と」

 

新次郎「水くれよ、水」

健一「お茶入れてるよ」

新次郎「水がいいって言ってんだろうが」

健一「新さん、キャバレー行ってきたんだろ?」

新次郎「バカ言うなよ。そんなキャバレーばっかり行くかよ。うちで飲んだんだよ。ちょっと」

健一「もう酔い覚めかい?」

新次郎「酔ってやしねえじゃねえかよ。初めっから」

 

このシーンの健一、随分髪が伸びたなあ。マッシュルームカットみたいな感じ。

 

健一「だけどね、新さん。ホントに赤ん坊が気になって来たのかい?」

新次郎「うん? いや、そりゃ産まれたとなりゃ、仕上げ急がなきゃなんねえからな」

健一「だって、病院に1週間いるんだろ?」

新次郎「いや、それがね、混んでると4~5日で出されるらしいよ」

 

1971年と言えば、団塊ジュニア世代(1971年~1974年生まれ)。

 

健一「そんなら入ってもらえばいいじゃない。今だって住めるよ」

新次郎「いや、しかし、やっぱりな、ちゃんとして引っ越しやりてえよ、どうも」

健一「4~5日あれば間に合うさ。今、ペンキ屋にしたろ? あと、ガラス屋に経師屋だろ? あっ、電気屋もあったか」

新次郎「いや、ブロックだって職人が1人だろ? 半分しかいってねえもんな」

健一「しょうがねえな、ホントに」

 

新次郎「いや、まあ、いいよいいよ。あした、おかみさんと手分けしていろんなとこ急いでもらうから」

健一「ブロックなら手伝うかな? 俺も」

新次郎「冗談じゃないよ。刻みがいっぱいあんだよ。こっちはまだ」

健一「お茶も飲むだろ? 新さん」

新次郎「そりゃ、お前が飲むならな」

 

ポットのお湯がぬるいことを気にする健一。

 

新次郎「なあ、健坊」

健一「うん?」

新次郎「このごろ、お前と竜作うまくいってんだろうな?」

健一「なんだい? 昼間もそんなこと言ってたじゃない」

新次郎「いや別にどうってことはないんだけどな。どうなんだ? 竜作と恋人は」

健一「そんなこと、俺、知らないよ」

新次郎「だけどお前、彼女はお前ともよく会うんだろ。会って、愚痴を言ったりするんだろ。いろいろ、お前に」

健一「いいじゃないか、そんなこと。新さんが気にすることじゃないよ」

新次郎「そりゃ、そうだな。いやいや、いいんだ。うまくいってりゃいいんだがな」

 

健一「新さん」

新次郎「うん?」

健一「何言ってんのかと思ったよ」

新次郎「うん?」

健一「俺と竜作の間がどうだとか、竜作と彼女の仲がどうだとか、新さん、妙なこと気にしてんじゃないだろうね」

新次郎「えっ?」

健一「見損なわないでくれよ。竜作の恋人なんか、俺、取りゃしないよ」

新次郎「いや、そんな、お前…」

健一「そうなんだろ? そのこと言いたかったんだろ?」

新次郎「いや、そういうわけじゃねえけども…」

健一「じゃあ、なんだい?」

新次郎「いや…ハハハハッ。そんな別に深い意味はねえんだよ。まあ、どっちにしても俺の知ったこっちゃねえな」

 

健一「そうだよ。それより新さん。まだノミの使い方、教えてくんないじゃないか。木取りのコツだってまだじゃないか」

新次郎「そうだな」

健一「しっかりしてくれよ。俺は早く一人前になりたくてしょうがねえんだから」

新次郎「よっしゃ。あしたっからノミ使うかな。お前も」

健一「そうだよ」

 

病院の待合室

タバコを吸ってる人あり。もと子と咲子は瓶のファンタオレンジを片手に大阪寿司を口にする。赤ちゃんが見たいもと子は待ちの姿勢だが、咲子は嫌気が差していた。「他人の子見てどうすんのさ?」

もと子「誰の子だって、ここまで来て、あんた、見ないで帰る手はないでしょ」

咲子「ねえさんがそんなふうに思ってたって、あの夫婦、感謝しやしないわよ」

もと子「そんなことどっちだっていいじゃない。他人の子を待って産院でお寿司を食べる。ちょっとおつなもんじゃない」

 

咲子は、ねえさんは寂しいのだと言う。「そのねえさんを邪魔にして、あいつら後生悪いわよ、きっと」

もと子「別に邪魔してないけど、若い2人ならしょうがないでしょ」

咲子「ん~、そんな分かりのいいこと言って。帰ろうよ、もう。あいつら勝手に産めばいいんだからさ」←勝手に来たのにひどい言い方。

もと子「いたっていいじゃない、別に」

咲子「そりゃいいけどね。まだいたかなんて顔されるだけよ。感謝なんかされないわよ」

もと子「いいわよ、それだって」

咲子「いいわけないわよ。イヤな思いするわよ」

 

なぜ、咲子はこんなにイライラする? 帰ればいいのに。

 

待合室には入らず、廊下をウロウロしている中西に看護婦は「待合室はあそこですよ」と声をかけた。

 

竜作も健一も髪があの時代にしてはきれいすぎて今っぽい青年に見えるけど、今日の中西さんの髪はツヤツヤだな。「たんとんとん」のヘアメイクさんがすごいのか?

 

待合室の前まで行くが、やっぱり入れない中西。たまたま咲子が待合室から出てきて「何してんの? あんた」と声をかけた。中西から分娩室に入ったことを伝えられると、なぜ私たちに言いに来ないのよ?と問い詰める。

 

咲子「ばあさん2人でベチャベチャとしゃべるとうるさいから廊下にいたんでしょ?」

中西「そんな…そんなんじゃありませんよ」

 

もと子が待合室から出てきた。「何言うてんの? お咲さんは」

中西はいよいよ産まれるかと思うと落ち着かなかったと言う。

 

分娩室に入ったと聞かされ喜ぶもと子にまだ何か言いたそうな咲子。「いや、だけど、ねえさん…」

もと子「ゴチャゴチャ言いなさんな、ええ年して。ちょっとあんた、やかましいのと違う?」

咲子「やかましいってことはないわよ」

中西「いえ…僕がちょっと1人で産まれる子を待ってみたい気がしたもんですから」

咲子「ほら、もう私ら邪魔扱いや」←急に関西弁っぽい。

もと子「何を言うてんの。そうよねえ。1人で産まれてくる子をじっと待ちたい気持ち、分かる。私には」

中西「すいません」

もと子「すまんことありますかいな」

 

産声が聞こえる。1人で待ってみたいと言ってたのに、結局ばあさん2人と一緒だったよー。

 

看護婦「中西さん、男の子さんです。おめでとうございます」

中西「そりゃどうも」

もと子「ありがとうございました」

咲子「お世話さまでした」

 

分娩室からストレッチャーで運ばれてきた敬子。もと子や咲子がおめでとうと声をかける。

敬子「はい。おかげさまで」

 

看護婦「さあ、ご対面ですよ、中西さん。ほら、かわいい赤ちゃん」

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赤ちゃんを抱いたベテラン看護婦は松竹映画ではおなじみの谷よしのさん。

 

赤ちゃんの顔のアップ。

もと子「奥さん、よう産まはったわね」

敬子「はい」

もと子「ほんまに、よう産まはったね」

咲子「長かったもんねえ」

 

敬子のストレッチャーと赤ちゃんを見送る中西、もと子、咲子。

 

タクシーの中

もと子「どう? ねえ」

咲子「うん?」

もと子「途中で帰らなくてよかったでしょ?」

咲子「フフッ、まあね。ああ、ちっちゃい赤ん坊見ちゃうとね」

もと子「あの2人は素直に言ってたでしょ。おかげさまでって」

咲子「ホント。後味は悪くなかったわ」

 

もと子「私ね、健坊に嫁さんもらったら、この手でいくつもりよ」

咲子「この手って?」

もと子「諦めたり、ひがんだりして身を引かないつもりよ」

咲子「だけど、ねえさん…」

もと子「いや、そりゃね、嫁としゅうとの間だから今日みたいに簡単にはいかないだろうと思うのよ。でも、おおまかに言えば一緒なんだから。2人は愛し合ってる。こっちは邪魔者(もん)にされてる。でも、そういうことを大げさに考えて養老院なんか行かない、私」

咲子「健ちゃんがそんなことするわけないじゃないのよ」

もと子「もうね、どうしても首突っ込んでね、家族の一員から降りないつもりよ。そしたらさ、いつかは今夜のようにおかげさまでしたって心から言ってくれるときがあるかも分かんないもん」

 

咲子「ねえさん」

もと子「うん?」

咲子「まだ健坊18になったばっかりじゃないのよ」

もと子「いやそりゃそうだけど」

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今の介護施設と養老院じゃ感覚違うんだろうな。

 

尾形家

茶の間で寝ている健一。

もと子「あ~あ、10月だっていうのにこんな格好で。健一、健一。こら、健一!」

健一「う~ん…」

もと子「風邪ひくじゃない。2階行きなさい、2階へ」

健一「うるせえなあ」

もと子「うるさい、じゃないよ、あんたは。お勝手の鍵開けっ放しで、泥棒に寝首かかれたらどうすんのよ?」

健一「チッ…なんだよ、帰ってきたのか」

 

もと子「産まれたのよ、男の子が」

健一「そう。わあ、産まれたの」

もと子「しっかりした男の子や。粘っただけあってね、頑固そうな顔して泣いてた」

健一「へえ、それはよかったな。母ちゃん徹夜かと思ったよ」

もと子「いや、徹夜してもいいと思ったんだけどね。9時13分、産まれた産まれた。ギャーギャー言いながら産まれたよ」

健一「なんだよ。いっぱい産まれたみてえだな」

 

前回、今度の日曜日に地祭りするとか言ってたんだから誕生日は10/4(月)~9(土)あたりかなあ。2日あれば整地できるという話も出てたから4日(月)~7日(木)かもしれない。

 

もと子「あっ、ペンキ屋電話してくれた?」

健一「ああ、ガラス屋も電気屋もしといたよ」

もと子「なんて言ってた?」

健一「間に合わすってさ」

もと子「あっ、そうか。そうこなくちゃね。ええか? 引っ越しは10日の日曜よ」

健一「そう」

もと子「で、うちの刻みは休んで車を持って全員で手伝いに行くんだ」

健一「そりゃいいな」

もと子「何しろ、お前が大工になって初めての新築完成だからね」

健一「そばぐらい俺がおごるぜ」

もと子「引っ越しそばはね、越した当人じゃないと締まらないよ」

健一「あっ、そうか。ハハハ…」

 

新築の中西家

中西、健一、新次郎、竜作が引っ越し作業をしている。

 

いいね~、ワクワクする。

 

日新運送と書かれたトラックから次々家具を運び出す。

 

健一と竜作が冷蔵庫を運んだり、新次郎が脚付きテレビを設置したり…木下恵介アワーの家電は日立らしいです。画像検索するとハの字に広がった足が多いけど違うんだよな。

 

新品の1人掛けソファを運んできた竜作と健一は向かい合って座る。

竜作「ハハッ」

健一「楽しいな」

しかし、テーブルを運んできた新次郎に「何やってんだ」とどやされる。

 

平屋の小さな家だけど、いいね~。子供が何人もできたら手狭だとは思うけど、53年後の今なら使いやすそう。玄関開けて中を見ると、結構部屋数もあって広々してる。この建てた家って、その後どうしたんだろう?

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みんなのいえ」の映画の中でも同じように1軒家を作ったけど、結局は解体したみたい。この家もそうなのかなあ。もったいない。

 

健一は庭の掃き掃除、竜作は段ボールなどの片づけ、新次郎はタンス?の調整、中西がお茶の用意をしてきた。

 

吉川造園の辰つぁん登場。

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辰つぁん役の名川貞郎さんも木下恵介アワーの常連。

 

中西「おかしいな。植木はまだうちは…」

新築と赤ちゃんのお祝いにもと子がモクセイ、堀田がカイドウ、新次郎がライラックをプレゼント。

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モクセイというのはキンモクセイだろうか?

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キンモクセイは黄色、ハナカイドウはピンク、ライラックは紫色の花が咲く。花の咲く木ばかり選んだのかな。

 

苗木を運んできた健一も竜作も口々におめでとうございますと言う。

中西「お礼の言いようもありませんよ」

 

そば屋がそばを運んできた。この人もノンクレジット。

 

敬子のいる大部屋は8人部屋。みんなでそばをすすっている。

もと子「旦那のほうも今頃おそば食べてますよ、きっと」

敬子「はい」

もと子「フフッ、皆さんすいませんね。時ならんときにこんな物(もん)食べていただいて」

女性「おいしいわ、とても」←この人もノンクレジット。

 

もと子「そう。そんなら結構でしたけど。いや、ホントのこと言いますとね、無理からでも渡して皆さんに食べてほしかったんですよ。といいますのはね、こちらの奥さんの引っ越しと赤ちゃんができたことがすごくうれしかったんですよ。まあ、何度も言うようですけども、今朝になってパーッと思いついたんですよ。まあ、旦那はあっちでおそばを食べる。そのころに奥さんは産院でおそばを食べる。うん、これはイカしたアイデアだなあ、なんてね」

病室から笑いが起こる。

 

敬子「ホントに何から何まで」

もと子「いいえ。私らにとっても本当に思い出深い新築でしたからね」

敬子「そうですね。ホントに奥さんも健ちゃんも偉いわ」

 

しんみりと下を向いたもと子だったが「あっ、こりゃいかん。おめでたづくめにしんみりしちゃいけません」と笑う。「あっ、奥さん。旦那に負けないようにどんどん食べてちょうだいよ」

敬子「はい」

もと子「まあ、どんどんっちゅうたって1枚しかないけどね。フフフ…」

 

中西家

中西、新次郎、竜作、健一、辰つぁんがそばをすする。

 

病室

もと子と敬子もそばをすする。もと子が豪快にそばを口に入れてつづく。

 

「たんとんとん」は1971年6月1日~11月30日までの全26話なのですが、何か事情があったのか、19話が10月5日、今回の20話が10月19日と1週飛んだみたいです。これから産まれる~って時に2週間お預けはきついですね。

 

最後に産院の病室でみんなにそばをふるまうって昭和的で今は無理だろうな。実際には私はああいう付き合いとか苦手だけど見てるだけなら昭和最高と思う。