徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】たんとんとん #12

TBS 1971年8月17日

 

あらすじ

今度は松代(加藤治子)が、一郎(朝倉宏二)がラーメン屋を開くから笠松大泉滉)の土地を売ってほしいと、もと子に言ってきた。無事に契約を済ませたものの、実はその土地周辺の坪単価ははるかに高額で…。

君のいる空

君のいる空

  • 森田 健作
  • 謡曲
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

2024.1.19 BS松竹東急録画。

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尾形もと子:ミヤコ蝶々…健一の母。字幕緑。

*

尾形健一:森田健作…大工見習い。字幕黄色。

*

江波竜作:近藤正臣…先輩大工。

堀田咲子:杉山とく子…堀田の妻。

*

笠松大泉滉…近所の材木屋。

高木一郎:朝倉宏二…松代の息子。

*

高木松代:加藤治子…もと子の亡夫の妹。

*

堀田:花沢徳衛…棟梁。頭(かしら)。

*

生島新次郎:杉浦直樹…健一の父の下で働いていた大工。

 

前回の続きから

仏間

一郎はせき込み、なかなか話し出さない。もと子や松代が促すが、じれったくなった松代が一郎が土地を買いたがっていると話し始めた。一郎は前に不動産屋に勤めていて、その仲間と共同でラーメン屋をやりたい。元々、このことを話しに尾形家へ来たが、伯父が亡くなったと知り、肝心の話が出来ずにいた。

 

一郎が買いたいと思った土地がこの先の材木屋の笠松さんの土地であることが分かり、松代に話すと、尾形工務店と取り引きのある材木屋であると知った。小さな三角の土地で30坪ぐらい。線路沿いで駅から少し離れてて商いに向いてるとはいえないが、知った顔のもと子に電話で話を通してもらうか、一緒に行って話をしてほしいという頼みだった。

 

一郎は信用のない分、手金を多く打ってもいいと思っている。松代は100万ほど手金を払って売ってもらえばいいという。もと子もいい話だと言い、松代も口利いてもらうだけだし、売る話じゃなく買う話だから、こんな話なら文句はないんじゃありませんか?と頭(かしら)に話を向ける。

 

頭(かしら)もあねさんが電話一本して済むことならしてもらいなよと賛成。もと子は電話ってのもなんだから、ご一緒しましょうか?と言うと、一郎も松代も喜ぶ。渋い表情の健一と疑わし気な頭(かしら)。

 

現場

ボードを運ぶ竜作。釘打ちしていた新次郎が別の場所の釘打ちをしている健一に話しかけた。「健坊」

健一「うん?」←変わらんねえ~、この人は。

新次郎「浮かない顔してるじゃないか」小さなヤカンから麦茶を注いでいる。

健一「そんなことないよ。カンナ研いでるよりこっちのほうが楽しいもん」

新次郎「うん。しかし、おかみさん思い切ったもんだなあ」

健一「ああ、そのことか」

新次郎「そのこと考えてたんだろうが」

健一「そんな顔してた?」

新次郎「150万円っていやあ、一人前の男の1年分の働きだよ」

 

「あしたからの恋」で和菓子職人歴13年、30歳の正三が月給8万、新米内科医28歳の直也が月給5万と思うと、150万はそれ以上だもんね。

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健一「まあ、しゃあないさ」

新次郎「うん、まあ、おかみさんが棟梁の気持ちをくみたかったんじゃなあ」

健一「うん」

 

新次郎「健坊、どうだ?」

健一「うん?」

新次郎「便所、お前に任せるからやってみるか?」

健一「便所?」

新次郎「ああ、まだ柱が立ってるだけだよ。あとはみんな造作、お前一人でやるんだよ」

健一「いいの? そんなこと」

新次郎「早いことは早いがな、お前、やる気あるからやってみろよ」

健一「そりゃうれしいな」

新次郎「どうしようかと思ってたんだがな」

健一「そうか。それで手をつけてなかったのか」

 

新次郎「俺が親父さんに任されたのは1年目だったよ」

健一「そう」

新次郎「押し入れと便所ぐらい1人でできるだろうってな」

健一「それじゃ俺は大抜てきだね」

新次郎「そういうこったなあ。ハハハハッ。おかみさんがそんな金使うんじゃ早いとこ、お前、一人前にしなくっちゃな」

 

健一「ありがとう。すごいの造るよ」

新次郎「バカ言え。そんなすごいの造られてたまるか」

2人の笑い声。2人の会話を別の場所で釘打ちしながら聞いている竜作。

 

夜、下小屋

健一「250の300か…うん」

もと子「そんな刻んじゃって大丈夫?」

健一「大丈夫だよ。俺はね、細かく図面を見てんだよ。中西さんの背の高さを考えてさ、小便するときもだね…あれ? ちょっと違ったかな」

もと子「ほれ、見なさい! なんだかおかしいと思ってたんだよ」

健一「そばに母ちゃんがいるからだよ。ベチャベチャうるさいから間違っちゃうんじゃないか」

もと子「ようそんなこと言うな、あんた。母ちゃんがいなかったら、あんた刻んでたでしょ」

健一「向こう行ってよ。俺は真剣なんだから」

もと子「人のせいにするとは随分男らしいねんな」

健一「人間だもん。間違うことはあるさ」

もと子「だからって母ちゃんに向かってうるさいとはなんだ」

 

健一「いいから向こうへ行けってば」

もと子「なんや? そのものの言い方は。父ちゃんはね、いっぺんだってそんな言い方したことはないぞ!」

健一「俺と父ちゃんは違うさ」

もと子「じゃあ、似るように努力しろ」

健一「何言ってんだい。生きてるうちは尻に敷いてたくせにさ」

もと子「あら、言わないでちょうだい。私はね、父ちゃんが生きてる間、父ちゃん父ちゃんと大事にしてましたよ。文句あんのか、この野郎!」

健一「分かったよ」

 

もと子「ああ…さっぱりした」

健一「はあ?」

もと子「このごろ、ほら、お前とやり合わんやろ。だから、胸にたまってムシャクシャしてたんだな。時たまやり合おうよ。そして発散さそう、なっ? 息子よ、頑張れ」

 

実家が工務店だとこうやって夜中まで作業できるんだから、普通の見習いよりアドバンテージあるよなあ。

 

昼間、尾形家を一郎が訪れ、もと子が玄関に出ると、昨日はどうもありがとうございましたと頭を下げた。笠松の所に行った帰りに寄り、売ってくれることになって手金を打ってきたと改めてお礼を言った。もと子は家に上がるように勧めるが、一郎は用事があると帰ろうとした。

 

もと子「せっかくイッちゃんと会えたのに、なんかお金のことでやり合うみたいなことになっちゃって、ゆっくり話が聞けなかったわね」

一郎「ええ。俺も親戚っていえば、近いの伯母さんとこだけだしね。ホントはこんなことイヤなんだけど」

もと子「えっ?」

一郎「いや、しょっちゅう行き来できるといいなって思ってたんですよ」

もと子「これからちょくちょくいらっしゃいよ」

一郎「ええ」

もと子「健坊だって喜ぶわ。うちも2人きりで寂しいのよ」

一郎「俺んとこもそうですよ」

もと子「そうだったわね」

一郎「でも、伯母さんとこのほうがいいや。さよなら」

もと子「お母さんによろしくね」

 

入れ違うように咲子が訪れた。「今のイッちゃん?」

尾形家から走って出てきてヒゲを生やしてたから分かったという。

 

咲子「だけどねえさん大丈夫?」

もと子「何がよ?」

 

笠松さんに紹介したということは、もと子が保証したことになると心配する。

もと子「別にあんた判を押したわけじゃなしなんちゅうことないわよ」

咲子「いや、におうよ。私はね、なんかイヤなにおいがしてくんのよ」

もと子「ハハッ。まるで銭形平次ね」

もと子は手付けを多めに出して買うんだから疑いようがないという。それより、新さんが健一に便所やらしてくれると喜んでいる。

 

咲子「あら、新築の?」

もと子「あの人、人使うのうまいわね。いや、あの子がカーッと張り切ってるの見てね、二月(ふたつき)で便所やらしてくれてんのよ」

咲子「大丈夫? そんなことして」

もと子「あんた、またなんでもうちのこと危ながんのね」

咲子「いや、そりゃおめでたいけどさ」

もと子「出来上がったら頼むわよ」

咲子「何を?」

もと子「入りに行って、健坊、褒めてやってよ」

咲子「その、はばかり入って?」

もと子「いいじゃない。あの子の励みになるんだから」

咲子「そりゃもちろん喜んで褒めるけどさ」

もと子「あの子、今頃やってるわよ。ゆうべも12時近くまでなんやかんや下小屋でやってたからね」

咲子「へえ。すごい張り切りようね」

 

現場

便所づくりをしている健一は実際しゃがんでみる。通りかかった竜作は「フッ…」と笑い、通り過ぎる。

健一「おい」

竜作「なんだい」←ハァ~、今日もカッコいい。

健一「なんかおかしいか? 出来上がって驚くなよ、この野郎」

 

夜、尾形家

もと子と健一が夕食を食べていると笠松が「尾形さん!」ヒステリックに叫び、家に来た。もと子が玄関に出ると「とんだことをしてくれましたね」と怒っている。もと子には何の事か分からない。

 

笠松「自分が紹介したんでしょうが、あの詐欺師を」左手に持った杖?をもと子に向けてるの危ないなあ。

 

立派な詐欺師だと涙を拭く笠松に家に上がるように言うもと子。杖をもと子に投げつけズカズカ上がり込む。「どうしたらいいんですか、わたくしは」

もと子「一体あの人たちが何をしたというんですか?」

笠松「あの土地、いくらで売ったか知ってますね?」

もと子「いいえ。聞いておりまへんのですが」

 

坪25万。手付けを100万置いていった。しかし、もと子は元々あの土地は坪20万で手付けを50万ではなく100万なら、不都合はないと思った。

 

健一「100万の手付けが偽札だったんでしょ?」

笠松「冗談言うな、ガキ!」

もと子「アホ! 誰が偽札で土地買うか。バレたら逃げようがないやないか」

健一「だって何が起こってんのか分かんないじゃないか、この人」

 

笠松「いいかい? 私はね、あの土地を親父から継いだんだよ。私は甚六とかなんとかいわれてるけどね、はばかりながら親の財産を減らすようなことはこれっぽっちもやってきてないんだ!」

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甚六は長男の武男が言われてましたね。

 

もと子「そうかてね、あの土地は売ると言われたうえでの手付けやおまへんのか?」

笠松「そりゃそうですよ。ええ、だから法律には引っ掛からないよ、あいつらは。うまいんだよ。えげつないんだよ、まったく」

 

あの土地は不動産会社がマンションを建てると買い占めにかかっていた。あの土地から奥へずーっと買い占めにかかってて今は35万の売値。それでも売らない人はいて40万にもつり上がりそう。不動産会社は団結して値がつり上がると困るから秘密に1軒ずつ交渉していた。私が知らなかったのは悪かったとは言うものの、笠松は「おばあちゃんみたいにワイワイ俺のせいだなんてされちゃたまんないよ、まったく」ともと子に怒りをぶつける。

 

土地は売りたくない。40万になろうって土地を25万で売ったら、30坪で450万損する。しかし、一郎たちは解約するならどうぞと澄ましている。100万の手付けを200万にして返さなきゃならない。

 

もと子「売り手が解約したいときは手付けを2倍にして返(かや)す。それはどなたでもなさる当たり前のことです」

笠松「50万でいいという手付けを100万置いて、あいつら、私が解約するのを待っていたんだ」

 

話を聞いていた健一は「ちきしょう」と立ち上がり、ぶん殴ってやると息巻く。「だって母ちゃんの信用をいいことに、そんなえげつないことよくもできたもんじゃないかよ」

もと子「健一。あの人はお前のお父ちゃんの妹と息子やで」

健一「そんなことは知ってるさ」

もと子「その人たちが詐欺なんかするはずないやないか」

笠松「それじゃあんた何か? あいつらはマンションの話などこれっぽっちも知らないで本当にあの土地でラーメン屋をやるつもりだったとでもいうのかい?」

もと子「そう思います」

笠松「フン…それじゃ、あんたもグルだ!」

健一「グルとはなんだよ」

笠松「グルじゃないか! あんないいかげんなヤツを紹介しやがって。解約料を狙う手付金詐欺だよ。お前たちは」

健一「この野郎!」笠松とにらみ合う。

もと子「これ、待ちなさい」

 

笠松「長いつきあいの尾形さんがこらまた随分とひどいことをなさるもんだといって、うちじゅうじゃ恨んでますよ、あんた方を。いいですか? おかみさん、紹介したのは、あんたですよ。信用できる甥御さんだからと言って頼んできたのはあんたですよ。長いつきあいの私らに100万損させて平気でいるんですか? あんたは」

健一「ちょっと待て、あんた」

もと子「あんたは黙ってなさい」

健一「だって言いたい放題じゃないか、こいつ」

笠松「こいつとはなんだい。人をひどい目に遭わしといて、こいつってことはないでしょ!」

もと子「健一、黙ってなさい」

笠松「まったくあきれたもんですよ。堅い一方の棟梁が草葉の陰で泣いてるでしょうよ。ヘッ、知らんぷりとはね」

 

しかし、棟梁が生きていて、もと子と同じ行動をしても、笠松はどなり込んできたかな?

 

もと子「つまりこういうことですか? 損なさった100万を私に弁償せえということですか?」

笠松「当たり前でしょうが。身内の人がしたことでしょうが。あんたが紹介した人がしたことでしょうが」

もと子「そうです」

笠松「ハッ…そりゃね、まあ、法律的には罪はなくても道義的にはあるでしょうが。尾形という名前を信用して私は取り引きしたんですからね」

もと子「はい。よう分かりました」

健一「母ちゃん」

もと子「黙ってなさい。こちらさんの言わはるとおりや。こんなことで尾形の信用にケチがついては父ちゃんに申し訳ない」

 

健一「だって100万なんて金、ありゃしないじゃないか」

もと子「そりゃ月賦や」

笠松「月賦?」

もと子「笠松さん、無利子で月賦でお返しさしていただくというわけにはいきまへんやろか?」

笠松「いや、そりゃなんでも返していただければね」

もと子「そやけど、その返すお金は詐欺した身内の弁償やおまへんで。うちの身内に詐欺師などおりまへん。取り引きはまっとうなもんやったんです。そうでんな? 笠松さん」

笠松「ええ」

もと子「ただ、これは誰の罪でもないが、結果的には、ご貴丈に損をかけるような紹介をしてしもうた、その私のおわび心、そう思うてくれはりますな?」

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笠松「ええ、もう、私のほうは金が返ればね」

もと子「うちのお父ちゃんの身内に詐欺師なんかおりまへん。よろしいな?」

笠松「ええ、そりゃもう」

 

健一「ちきしょう。なんてひでえことしやがんだ!」再び立ち上がる。

 

笠松役の大泉滉さんは80年代以降はバラエティのイメージがあった。

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そういや、ドラマでも見てたよ。

「おやじ太鼓」の元になった「破れ太鼓」では三男役。いつか見よう。

 

神社

一郎を殴りつける健一。「自分のしたことは分かってんだろ。よくもお前ら逃げもしねえでいられたもんだな。お前、あの土地が値上がりしてること知ってたな?」

一郎「えっ? いや…」

健一「知らないであの土地を買おうと思ったっていうのかい。誰の知恵だ? 100万を200万にしようと考えたのは誰の知恵だよ?」一郎の胸ぐらをつかむ。「お前かい? おふくろかよ? とにかく知ってたんだな? 買う金がなくて手付けを打ったんだな? お前ら。俺の母ちゃんはな、お前らが儲ける100万を返す気でいるんだぞ」

一郎「えっ」

健一「親父の身内には詐欺師はいないってことを見せたくてな。俺に言わせりゃ余計なことだよ。欲得で売り買いしかかったんだ。だまされるヤツだって悪いさ。だけどな、それでも父ちゃんの悪口は言われたくねえっていう、俺のおふくろの気持ちがお前には分かるか?」

一郎「お…お前の母ちゃんはいいよ」泣きだす。

 

健一「泣くな、バカ」

一郎「俺のほうは気ばっか強くて悪(わり)いことばっかりしてんだから」

健一「それがイヤならなぜ止めないんだ?」

一郎「止めて止まるような女じゃないよ、うちのは」

健一「だからって、悪事の片棒担ぐことはねえだろう」

 

泣いている一郎に「泣いてごまかすなんて男のすることじゃねえ」と言い、「お前が男なら今度のことで金儲けすんな。元の金だけ受け取って黙って引き下がるんだ」とくぎを刺す。おふくろが強いからそうはいかないと泣き続ける一郎に「そこをなんとかすんのが男だろ」となおも責める健一。

一郎「そんなこと言ったって…あんた、男、男って言うけど男を買いかぶってるよ。男はそんなに強くないじゃないか」

健一「グズグズ言うな! もし儲けやがったら二度と会わねえからな、お前なんかと」立ち去っていく。

 

一郎「ああ、いいですよ。別にね、お前なんかと二度と会わなくたって。人間に不自由はしねえ、なっ?」お稲荷さんの頭に触る。

 

尾形家

松代が鬼の形相で乗り込んできた。まっすぐ向かうのは仏壇。「もと子さん。おためごかしに大変なことしてくれてるようだわね」

もと子「気に入りまへんか?」

松代「入るわけないじゃないの」

もと子「松代さん」

松代「私らはね、別に悪いことしてるわけじゃないんですからね。向こうが勝手に手付けを返したいっていうんじゃないの。それなら2倍にして返すのは当たり前のことでしょうが。それをさもさも私たちが悪事を働いたように息子を脅かすとはどういうつもりよ、一体!」

もと子「そのことは余計なことすなと健一に怒りました」

松代「余計なことはそれだけじゃないわよ。なんであんたが向こうへ100万円返すのよ? それじゃまるで私らの尻拭い気取りじゃないか。そんなお金があるなら私らがもらいたいもんよ。こっちはね、法に触れるようなことは、これっぽっちもしてないんですからね。余計な尻拭いは迷惑このうえないわよ」

 

もと子「あんた、ほんまに計画したことやないと言えますか」

松代「当たり前じゃないの」

もと子「ほんまにマンション出来ることも知らなかったんですか?」

松代「その言い方は何よ。偉そうに人を問い詰めて、あんた、一体何様のつもりよ」

もと子「ゆうべ、健一がイッちゃんから聞いたんですよ」

松代「何を?」

もと子「何もかも計画どおりやったと」

松代「殴って、ありもしないこと言わせたんじゃないか」

 

もと子「イッちゃんまで巻き込んではいけまへんな」

松代「何よ、それ。なんてこと言うのよ、あんた」

もと子「イッちゃんはあんたを好きなんですよ。たった一人のお母さんやから当たり前なんですよ。そのお母さんが悪事を勧めては、イッちゃんの一生台なしじゃないですか」

松代「いい子になんのも大抵にしとくれよ! 自分の息子はなんだい」

もと子「健一はいい子です」

松代「一郎だっていい子だよ!」

 

もと子「そのいい子になんで悪事の片棒担がせるんですか?」

松代「聞いたふうなこと言わないでよ。昔っからそうだよ、あんたは。何さ、偉そうに。だから私はこんなうちにいたくなかったんだ。(仏壇に向かって)兄(あに)さん、兄さん死んで、このうちは嫁の天下だよ。私を悪者にして寄せつけないつもりなんだ!」

もと子「松代さん」

松代「ああ、私だってあんたの顔なんか見たいもんか! 二度と来るもんか。二度と来てやるもんかい! 小じゅうとはこれくらいで消えてやるんだ。喜ぶんだね、せいぜい」出ていった。

 

もと子は仏壇に向かう。「あんた、すんまへん。今度こそ仲良うやるつもりやってんけど、あきまへんでしたなあ。気に入らんやろなあ。あんたがおらんと。うち、どないしてええのか分からへん」ろうそくに火をつけ、線香をあげ、手を合わせた。(つづく)

 

結局、高木親子に250万取られたようなもん!? はあ…竜作の出番も少ないし。

 

今回からオープニングの絵が変わった! 旧ツイッターでドラマが始まったころに絵は小坂一也さんのものと書いてる方がいました。前回までのイラストは本格的な建築パースで協力に東急建設も入っているのでホントかなあ?と正直思ってました。

 

今回からの絵は、素朴な風景画になっていて、検索して小坂一也さんのアルバムジャケットの作風と酷似しているので、こちらが小坂さんの手によるものと思います。いろんな表現ができる人がいるけど、あまりにも前回までの絵と作風が違うかな~。ただ、文字は白になってとても見やすくなりました。

 

それと、今までミヤコ蝶々さんと森田健作さんが並んで表記されていたのがそれぞれ単独表記になった。

 

そういえば、加藤治子さんがゲスト出演ということで「阿修羅のごとく」を検索していたら是枝監督が「阿修羅のごとく」を撮影していたと知った。あれはドラマ版だから面白いのにな~って思う。是枝監督は嫌いじゃないし、「海街diary」は原作が好きだったし映画版の評価も高かったけど、少しイメージと違ったから、ちょっと複雑。

でも、NHK BSとかで放送するようなことがあれば見るかも。その前に日本映画専門チャンネルでやるかな? 結局興味はある。

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平成版の映画も見たからね。