徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】 あしたからの恋 #23

TBS 1970年9月22日

 

あらすじ

直也(大出俊)から海辺でプロポーズされた和枝(尾崎奈々)は、素直な心でうなずく。それを聞き、まとまってほしいと願う福松(進藤英太郎)と常子(山岡久乃)。しかし勉(あおい輝彦)ともめている桃子(岡崎友紀)がついた嘘がきっかけで……。

2023.12.18 BS松竹東急録画。

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谷口福松:進藤英太郎…和菓子屋「菊久月(きくづき)」主人。

*

谷口和枝:尾崎奈々…福松の長女。21歳。(字幕黄色)

野口勉:あおい輝彦…直也の弟。大学生。20歳。

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野口直也:大出俊…内科医。28歳。(字幕緑)

井沢正三:小坂一也…「菊久月」の職人。30歳。

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谷口桃子岡崎友紀…福松の次女。高校を卒業し浪人。

谷口修一:林隆三…福松の長男。25歳。(字幕水色)

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石井キク:市川寿美礼…野口家に25年、住み込みの家政婦。

恵美:竹脇恵美…勉の友人。

*

谷口常子:山岡久乃…福松の妻。46歳。

 

フェアレディZ越しの海。浜辺を歩く直也と和枝。大出俊さんはプロフィールを調べると170cm。尾崎奈々さんは当時の女性としては長身の163cmで浜辺を歩くから底の低い靴でもあまり身長差がないんだよね。あまりというかほとんどない。もしかしたら尾崎奈々さん逆サバかも!? 山岡久乃さんも162cmある。

 

そういや、「おやじ太鼓」「兄弟」と続けて兄弟役だったあおい輝彦さんと秋野太作さんもまたプロフィールだとどちらも170cmになってるけど、並ぶと秋野太作さんのほうが明らかに長身なんだよね。どの人が真の170cmなんだろな?

 

久月

店番をするのは常子。福松は度々店をのぞき、落ち着かない様子。

 

茶の間

常子「和枝が出かけてから、もう五度もお茶にしちゃって」

福松「ブーブー言うことはないでしょ。亭主の飲むお茶ぐらいケチケチしなさんな」

常子「お茶の問題じゃありませんよ」

福松「和枝はどうしてるかなあ」

常子「楽しく話してるのに決まってますよ。ケンカしたら電話かけてくるもの」

福松「うまくいくかな? あの2人」

常子「はたで気をもんだってしかたないもの」

福松「お前さんさっきまでオロオロしてたじゃないか。急に度胸が据わったこと言いだして」

常子「お父さんがうるさくて。イヤでもこっちは落ち着いてなきゃいられないわ」

福松「当たり前だよ。うちの子供ん中で結婚話が具体的になりそうなのは和枝が初めてだ。菓子を作っててももう心配で心配で」

常子「新婚旅行に行ったわけじゃなし。まだ先は長いのよ、お父さん」

福松「うん」

常子「これからが大変なんですよ」

 

2階から下りてきた桃子は元気がなさそうなのに常子からお茶を勧められると、兄さんとこでラーメンを食べてくると出かけて行った。元気がないことを気にする常子だが、福松はあのほうが女らしくていいと言う。10月から製菓学校なので将来のことをはっきり決めてやらないと、と常子が話していると、正三がお茶くださいと茶の間に来た。

 

福松「製菓学校でケーキの作り方を勉強する。フン、菊久月の娘が情けないよ」

正三「でもね、旦那、物は考えようですよ。学生運動に熱中して親を泣かせる娘も多いんだ。和菓子をケーキに乗り換えたぐらいのことで桃ちゃんを責めちゃかわいそうだよ」

常子「そうよ。これからの時代、ケーキもいいじゃないの」

福松「お前さん、年を取って急にケーキ、ケーキって和菓子の良さを忘れたんじゃありませんか? だ」

常子「和菓子は修一が継いでくれます、だ」

 

正三「旦那もいつまでも若くないんだ。修ちゃんを仕事場に入れたほうが、(常子に)ねっ?」

常子「うん」

福松「うるさいよ、お前は。あいつだっておとなしく働くだけなら、とうの昔にこの店を譲ってるんだ。それを二言目には経営が古いの、店の広さに比べて和菓子の数が少ない、クッキーやせんべいも並べたい、言うことが勝手ですよ」

常子「結構じゃありませんか、ねっ? 正三さん」

正三「修ちゃんのやり方しだいですよね」

常子「ねっ」

 

福松「菊久月の今までの方針はどうなる?」

常子「時代の変わり方は激しいんだもの。子供たちの将来のことを考えたら、とてもこのままで済むもんですか」

正三「旦那、修ちゃんならきっとうまくやるよ」

常子「信用しなきゃ、ねっ?」

福松「子供が小さいときは良かった。大きくなるのを楽しみに働いてればいいんだから。それがどうだ。一人前にしたと思ったら恋愛だ、失恋だ、ケーキだって、もう、うるさくて」

正三「失恋ね。思い出させるようなこと言わないでくださいよ。ごちそうさま」お茶を飲み干し、タバコを消して作業場へ。

 

常子「修一や正三さんは、この先、どんな人と結ばれるか分からないけど、和枝はすんなり直也さんにもらってもらいたいわね」

福松「なんとかな」

 

どさん子

客だと思って桃子に「いらっしゃいませ」を言う修一。

桃子「ラーメン、ごちそうして」

修一「おう、とにかく手伝え」

 

素直に帰った客のどんぶりを片付ける桃子。勉のことを修一に聞く。

修一「ああ。学校が始めるから忙しくなんだろ」

桃子「変な人ね。暇なときは来たくせに」

 

さすがに9月も終わりになり、店は客でいっぱい。

 

修一「和枝と直さん、ご機嫌で出かけたろ?」

桃子「うん。もうソワソワ」

修一「おふくろさん、どうしてる?」

桃子「お母さんがまた一生懸命なのよ。ゆうべなんてろくに眠ってないみたい。ケンカしないようにって祈っちゃってさ」

修一「ハハッ、直さんに一番先に惚れたのはおふくろだからな」

 

桃子「私ちょっとしゃくなんだ」

修一「どうして?」

桃子「勉さんとも今、絶交してんのよ」

修一「へえ」

桃子「兄さんは男だから話しても分からないかもしれないけど、直也さんってあれでうぬぼれ屋よ」

修一「うぬぼれ屋は男だけじゃないぞ」

 

桃子「でもさ、言うことがなんとなく引っかかるんだ。姉さんのこと焦ってるとか一声かければ飛びついてくるとか感じ悪いわよね」

修一「直さんがそんなこと言うもんか」

桃子「あら、勉さんから聞いたのよ」

修一「なんかの間違いだろ、きっと」

 

22話の会話

桃子「直也さんにとってはやっぱり姉さんにプロポーズして、なんとか結婚にこぎ着けるっていうことが一大事なのよ。一生に一度っていう表現したくなるのよ」

勉「しかし、申し込みさえすれば君んとこの姉さん飛びついてくるんだから」

桃子「まあ、失礼しちゃう」

勉「兄貴もそう思ってるんだよ。自信たっぷりでね、和枝さんも待ってるんだって言ってたよ」

桃子「さあ、どうかしら?」

勉「僕も絶対、待ってると思うな。そりゃ女はみんな強そうな顔してるけどね。内心、焦りに焦ってるよ。和枝さんにしたって」

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21話での野口家の会話

正弘「しかし、向こうさんで断るということもあるな」

直也「断りませんよ、絶対。彼女、待ってるんだから」

 

そんな変なこと言ってないんだけど、勉の言い方が大げさだったというか、桃子の受け取り方がちょっとひねくれてたというか。

 

桃子「姉さんに話してやろうと思ったんだけど、お母さんに止められちゃった」

修一「フフッ、そりゃそうだ。おい、これでも食って手伝え」

 

おお! いつの間にか桃子のラーメンを作っていた!

 

桃子「ハァ…あ~あ、勉さんって変な男よね。私、もうあんなのと一緒にケーキのお店持つなんて、そんな気持ちなんかないな」

修一「それじゃおとなしく菊久月を手伝うのか?」

桃子「イヤよ。1人でやるのよ。勉さんでなくても相手は山ほどいますからね」

修一「へえ~、いますかね」

桃子「何よ、あんなデブ」←え~、今まで見たドラマで一番痩せてるのに!

 

電話が鳴り、勉からだった。奥で座ってラーメンを食べていた桃子は「謝ったって知らないわよ~だ」。

 

修一は店もそろそろ活気が出てきたところだから都合のいいときに手伝ってくれよと頼んだ。

勉「それじゃ、2~3日のうちに伺います」

 

話題は和枝と直也のことになる。

桃子「私のこと言ってないの?」

修一「言ってないよ、だ」

桃子「まあ、失礼しちゃうわね。エチケットに反するわよ」

 

カップル客が来たので電話を切った修一。カウンターに戻るとき、桃子の頭をチョンって触ってるのがステキぃ。若いカップル客がなぜか出されたコップの水で乾杯するのをうらやましそうに見ている桃子。

 

野口家

キクは拭き掃除、勉は腹ばいで勉強してる?

 

キク「アルバイト、クビじゃなかったの?」

勉「2~3日うちに行くよ」

キク「大学は始まるし、夏休みのつもりでグダグダしてちゃダメですよ」

勉「分かってるって。大学なんて小学校と違って休みが終わりました。はい、お勉強、そういうわけにはいかないんだよ」

キク「休みばっかり多くって学費を出すほうはハラハラしちゃうわ。みっちり詰めて勉強させたら4年も行かなくて済みますよ。ほんとに親の苦労も知らないで」

勉「うるさいなあ。兄貴じゃないけど格好良く女の子でも誘ってデートでも行きたいよ」

キク「相手は桃子さんでしょ?」

勉「フン、あんなデブ」←全く太ってないから無理やりな罵り言葉だな。

キク「ヘヘヘッ、器量良しですよ、あのきょうだいは。勉さんの知ってる女の子の中じゃ抜群よ」←その通り!

 

勉「冗談じゃないよ。あっ、そうだ、試しにやってみるか」

キク「まあ、イヤですよ。また変なことしないでくださいよ。旦那様が頭ばっかり下げて歩くんじゃ、私が切なくって」

勉「おかげで兄貴と和枝さん、ぐんと接近したじゃないか」

キク「秋口の海を見ながら甘いこと言ってるのね。恋人っていいわねえ。ああ、私も一度、そういう思いがしてみたかったわ」

勉「フッ、何言って…」

キク「何よ」と勉を思い切り小突いた。

 

勉は同じ歳の和枝は兄が好きな人という認識で全く興味がわかないのかな。和枝と勉じゃ、やっぱり勉が弟みたい。

 

今度は展望台にやって来た直也と和枝。「きれいだわ」

直也「ああ、きれいだ。昔ね、僕がいつか恋愛をしたら、その人と並んで海を見ようと思ったよ。ハハハッ、子供っぽくておかしなことだけど」

和枝「おかしくなんかないわ。海ってこんなにすてきですもの」

直也「ねえ、この間言いそびれたこと、今、言うよ」

和枝「えっ?」

直也「ダメだよ。黙ってまっすぐ海のほうを向いててくれなきゃ」

和枝は海を見つめる。

直也「君を愛してるんだ。初めて君の店へ飛び込んだ日からずっと」

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一度、菊久月に行ったものの入れず、パチンコ屋で修一と偶然出会い、和枝の兄と知らずに会話してから菊久月に乗り込んだ直也。初めからケンカしてたけど。

 

和枝「そんな…」

直也「鈴木のことを君が断ってくれたとき、ホッとしてうれしかった。彼には悪いが、この気持ちは真実なんだ。結婚してくれないか? 一緒に一度、命懸けで君に惚れた」

和枝「直也さん」

直也「幸せにするよ。これだけは誓う」

笑顔でうなずく和枝に「ありがとう」と言う直也。手すりに置いた和枝の右手にそっと自分の左手を乗せる。海もいいけど、緑も美しい季節だね。

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懐かしいね、鈴木も鈴木の母も。

 

谷口家

電話が鳴る。常子が電話に出ると、和枝からで、これから横浜へ出て夕ご飯を2人で食べて帰ると言った。ガソリンスタンドの公衆電話? 直也は店員と話し、渡された紙?に何か書いている。

 

電話を切った常子から話を聞いた福松は「そうか。まあ、よかった」とニコニコ。

常子「でも和枝ったらニコニコしちゃって、さようなら、だって。憎らしいわ」

福松「それ見なさい。ヘヘッ。そのうち娘に捨てられて哀れなもんだ。やっぱり亭主を大事にしとかなくっちゃ」

常子「そうね。だけど、ご亭主は先に死んじゃうから」

福松「えっ?」

 

夜の横浜港? 船が並び汽笛が聞こえる。本物のろうそくが照明になってるレストランで注文している直也と和枝。

 

どさん子

店を手伝っている桃子。そこに勉が来店。「桃子さん、手伝ってんの?」

桃子「うちのきょうだいは働き者(もん)ですからね」

 

勉は大学の友達の恵美を連れていて、修一に紹介した。竹脇恵美さんがそのまま”恵美”って役名なのね。勉は恵美がアルバイト先を気にするから連れてきたと修一に話す。一度見せとこうと思ってさ、と言いつつ、視線の先は桃子?

 

恵美「野口君、ボヤっとしてるけどデリケートでしょ? だからご機嫌で働いてるお店ってどんなとこか興味があるのよ」

桃子「へえ~、この人がデリケートね」

勉「お子様にはピンとこないだろうけどね」

桃子「フン、お子様に泳ぎなんか教えてもらっちゃって」

 

客が一組帰った。

修一「さて、これで一区切りだ。ゆっくりしてくといいよ。なんにする?」

勉「あっ、恵美さん、なんでもおごるよ」

恵美「そうね…じゃあ、まずビール」

勉「ビール?」

 

桃子「はいはい、ビール1本」

修一「はい、ビール1本」

桃子「近頃の女性はね、ビールの1本や2本は軽く飲むのよ。ご承知?」

勉「知ってますよ。いいもんだよ、女とビールなんて」

 

店主自らビールを注いでくれるのか、この店は! 修一は勉にもビールを勧めるが遠慮する。恵美はコップに注がれたビールを一気飲み。「ハァ~、駆けつけ一杯っておいしいわ」と笑顔を見せる。

桃子「ご趣味のいいこと」

 

竹脇恵美さんは竹脇無我さんの妹?と噂されてるらしい。出演作はこの作品とほぼ同時期の竹脇無我さん主演の「姿三四郎」連ドラ版にゲスト出演したくらい。笑顔がかわいらしくて似てるような気もする。竹脇無我さんのwikiだと兄がいることは明記されてるけど、妹のことは書いてない。でも妹と言われれば信じちゃうような顔。

 

レストラン

直也「君、洋服も似合うんだね」←細身で長身なので、むしろ、洋服のほうが似合うスタイルだと思います。

和枝、はにかみ。

直也「とてもいいよ。すてきだ」

和枝「ありがとう」

直也「5カ月前に君とこうして食事をする夜があるなんて想像もしなかったな」

和枝「ええ。母ならすぐご縁があったって言うでしょうね」

直也「ほんとにすばらしいお母さんがいて幸せだ」

和枝「母のことばっかり褒めて」

直也「そりゃ一目惚れだもん」

和枝「まあ、イヤだ」

直也「やくなよ」

和枝「まあ」

 

直也「君のお母さんだから好きになったんだよ」

和枝「そりゃそうでしょうけど」

直也「僕に構わず何か飲んだら? スコッチでもブランディーでも」

和枝「じゃあ、ほんの少しだけ」

直也「僕の分も飲みなさいよ。今日の2人のために」

 

店じまいをしている常子。どさん子を出た桃子は裏口のある路地へ歩き、勉も後を歩いてきた。「じゃ、今夜は僕は寄らないよ」

桃子「まだフラフラするつもりね」

勉「だって、彼女送ってかないと悪(わり)いからさ」

桃子「そう。あんたのほうが送ってもらったら? 彼女のほうがどう見ても豪傑じゃない?」

勉「大きなお世話だよ」

桃子「あっ、そう。将来のことを考えたら、もっと慎重に行動すべきだと思うけど」

勉「やましいとこはありませんよ」

 

⚟恵美「何してるのよ? 勉さん」

 

勉「ああ、今行くよ」

桃子「お呼びよ。優しい彼女が」

勉「はい、桃子さん。さよなら、さよなら。おやすみなさ~い」←文字だけだと普通の言葉だけど言い方が面白かった。

 

桃子「今に見てらっしゃい」プンプン怒って、裏口から黙って家に入る。

 

作業場

福松「桃子。ただいまぐらい言いなさい」

正三「ダメだよ、旦那。カーッとしてるとき何言ったって」

 

福松「常子」

 

⚟常子「はーい!」

 

正三「奥さんは返事がいいね」

福松「教育が違いますよ」

 

常子が作業場に来ると、福松は挨拶もしない桃子にたまには小言を言わなきゃダメですよと言う。桃ちゃんと優しく呼びかける常子に子供たちに優しすぎるという福松。

 

正三「奥さんのほうがうわてだね、旦那」

ガチャンと音を立てて鍋を置く福松。

 

谷口家までフェアレディZで送ってきた直也。

和枝「今夜はこのままお帰りになって」

直也「君がそう言うんなら」

和枝「今度はいつ?」

直也「あしたもあさっても会いたいね」

和枝「欲張りね、直也さん」

直也「あした電話するよ」

和枝「ええ、待ってるわ」

直也「おやすみ」

和枝「おやすみなさい」

 

裏口から入ってきた和枝はうっとりした表情で福松と正三は顔を見合わせる。福松が和枝、と呼びかけるとようやく「ただいま」とあいさつ。常子も福松も今日のことを聞きたがるが、ちょっと着替えてきますと2階へ。

 

福松「どうなってんだ? ええ?」

常子「やるせない気持ちね、お父さん」

福松「何が?」

常子「娘を持つと、いつかこんな気持ちを味わうんだわ」

福松「だからどうなったんだ?」

常子「やあね。直也さんがおっしゃったでしょ。一生に一度のことって」←字幕は”直さん”だったけど、”直也さん”に聞こえた。

 

常子は和枝が承知したと確信。

福松「いや、親に相談もしないでか?」

常子「申し込まれたら自分の気持ちで返事をしていいって言っといたのよ」

福松「しかし、こういうことは一生の問題だ。親に話したうえで返事するのが当たり前ですよ」

常子「そんなこと言ってたら、いつまたひっくり返るか分かりませんよ。何しろケンカっ早いんだから」

福松「ここまで来てそうそうケンカしますか」

 

2階

浴衣に着替える和枝。

和枝「桃ちゃん、どうしたの? ゴロゴロしちゃって」

桃子「くさってるのよ」

和枝「私は幸せ」

桃子「飲んだの? 直也さんと」

和枝「直也さんは運転してるからダメ。その分、私、飲んじゃった。スコッチダブルで」

桃子「へえ、強いのね」

 

道路交通法が整備されたのが1960年。だけど、飲酒運転が処罰対象になったのは1970年から。

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デパートの配達のアルバイトをしていた順二はバイクで配達してたのに、ヘルメットもかぶらず、仕事中にビールも飲んでいたけど、このドラマは1969年なのでセーフ。

 

和枝「今日の日を忘れないためにって言われたから。女に生まれてよかった」

桃子「いやに素直になっちゃって」

和枝「直也さんに会えたってこと、やっぱり縁っていうものかしら」

桃子「プロポーズされたのね?」

うなずく和枝。「私、あの人と結婚するわ」

桃子「もう返事しちゃったの?」

和枝「うれしかったわ。一生忘れないわ、今日のこと。ねえ、桃ちゃん、直也さんね、鈴木さんのことで初めて店に飛び込んできた日から私を愛してたんだって」

桃子「そうかしら」

和枝「何よ、その言い方」

 

桃子「男なんていい気なもんよ。大体、姉さんも甘いわよ」

和枝「変なこと言わないでちょうだい。やあね、せっかくあんたに一番先、話したのに」

桃子「一生に一度なんて言葉に引っかかっちゃダメよ。向こうじゃ申し込めば飛びついてくるって計算してるんだから」

和枝「飛びつく?」

桃子「そうよ。姉さんなんてもう年だから焦りに焦ってるって」

和枝「お黙り!」

桃子「私が言ったんじゃないの。相手は直也さん」

和枝「ウソおっしゃい」

 

茶の間

福松「直也さんは給料は安いんだろ?」

常子「将来性はありますよ」

福松「いや、時間構わずだから女房は大変だな」

常子「お医者様だもの。お父さんが病気でもしたときには頼りになりますよ」

福松「親父さんが来年は退職だし、勉さんもまだ大学だし、それにおキクさんもいるから、あのうちで一緒に暮らすとなると和枝も苦労だな」

常子「お父さんったら今更ブツブツ言って」

福松「このうちが寂しくなりますよ」

常子「修一にいずれお嫁さんが来るでしょ」

福松「いつのことか分かるもんか」

常子「とにかく喜んでやるのが親の心遣いですからね。和枝が下りてきたら、よかった、よかった、おめでとうって分かってますね?」

福松「分かってますよ」

 

2階から下りてきた和枝。福松は「よかった、よかった、おめでとう」と声をかけるが、和枝は「おめでたいもんですか。何がよかった、よかったよ。私、もう悔しくて」と野口家に電話をかけていた。電話を受けたキクに「すごく興奮してるわよ」と言われても何の事か分からない直也。「あっ、僕だよ。どうかしたの?」

 

和枝「まあ、空々しい。バカにするのもいいかげんにしてください。あなたなんか大嫌い!」

直也「君、何言ってるんだい」

和枝「あなたになんか飛びつきもしがみつきもしませんよ」

直也「和枝さん、君…落ち着きたまえ。何言ってるか自分で分かってるの? ええ?」

和枝「勉さんからお聞きくださいな。とにかく結婚の話はお断りです。ええ、絶対ダメ」

 

思わず常子が声をかけるが「もう知らない」と受話器を置いた和枝。わけの分からない福松と常子。和枝は「桃子から聞いてちょうだい」と言って2階へ。

 

2階から下りてきた桃子に事情を聞く常子。

 

イライラした様子で帰ってきた勉。「僕が帰ってくるの知ってんでしょ。どうして鍵なんかしめんの?」

キク「この辺は物騒なんですよ」

勉「まったく、もう…参った参った」

 

勉が帰ってくると直也は怖い顔をして「部屋へ来い」。

 

勉「どうしたの? お兄さん」

キク「いいえ。私は知りませんよ」

 

和枝の部屋

和枝「うぬぼれるんじゃありませんよ。何さ、ヘボ医者のくせに。あしたもあさっても会いたい? ああ、そう。会いたければ会ってあげるわよ。会って蹴っ飛ばしてやるから。フン! 一生に一度、命懸けで惚れました。よくもまあ白々しい」イライラしていたのに鏡を見て「直也のバカ」と鏡台に突っ伏して泣き出す。(つづく)

 

桃子も余計なこと言ってやるなよと思うし、和枝も簡単に信じるなと思うし、この辺はさっさと片づいて修一とトシちゃんを見せろというのが本音です。

 

「おやじ太鼓」の続編の「おやじ山脈」が改めて気になってきた。「おやじ太鼓」から亀次郎、愛子、かおる、お敏、高円寺のおばちゃん、黒田が続投で、鶴家と関わる愛甲家は秋山ゆりさん、林隆三さん、小倉一郎さん、郷ひろみさんがきょうだい。ただし、かおるのお相手はこの兄弟の中にはいません。「あしたからの恋」を経てからの亀次郎、黒田がまた見たいな。

 

続編とはいえ、鶴家のかおる以外の子供たちが出てこないということで魅力を感じなかったけど、秋山ゆりさんは「兄弟」の紀子以外の役を見たことがないし、あの時代の林隆三さんもまた見たい。

 

wikiだと高円寺のおばちゃんが亀次郎の妹という設定になってるのがちょっと気にかかる。「おやじ太鼓」では亀次郎の兄嫁だもんね。ということは設定も変わって、かおるが一人っ子という可能性もあるのかな?