徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】 あしたからの恋 #22

TBS 1970年9月15日

 

あらすじ

直也(大出俊)は、必ず来てほしいと和枝(尾崎奈々)をデートに誘う。和枝は胸の高鳴りを抑えられず、常子(山岡久乃)も落ち着かない。しかし福松(進藤英太郎)は、筋道を立てない結婚の申し込みには反対だといきまく。

2023.12.15 BS松竹東急録画。

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谷口福松:進藤英太郎…和菓子屋「菊久月(きくづき)」主人。

*

谷口和枝:尾崎奈々…福松の長女。21歳。(字幕黄色)

野口勉:あおい輝彦…直也の弟。大学生。20歳。

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野口直也:大出俊…内科医。28歳。(字幕緑)

井沢正三:小坂一也…「菊久月」の職人。30歳。

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谷口桃子岡崎友紀…福松の次女。高校を卒業し浪人。

谷口修一:林隆三…福松の長男。25歳。(字幕水色)

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中川トシ子:磯村みどり…修一の幼なじみ。26歳。

野口正弘:野々村潔…直也と勉の父。

*

石井キク:市川寿美礼…野口家に25年、住み込みの家政婦。

医師:花井緑太郎…直也の同僚。

*

谷口常子:山岡久乃…福松の妻。46歳。

 

久月

女性客が訪れたが、和枝は美容院に行って不在。客がなおも呼びかけるが、常子もおらず、正三が店に出た。

 

常子は2階から降りてきて、店番は桃子に頼んだと言う。桃子は勉から電話が来て出かけてしまった。常子は和枝から直也の話を聞いていてワクワク。

 

店から戻ってきた正三。「ワクワクね。まったくいいよ、和枝さんは」

常子「和枝だってソワソワしますよ。待ってたんだもの」

福松「冗談言っちゃいけませんよ。なんだ、すぐ娘と一緒になってニヤニヤして」

常子「あら。お父さんはうれしくないの?」

福松「反対です。ああ、大反対だ」

常子「まあ…」

正三「旦那は昔風だからね。この前のいざこざが片づかないうちに結婚の申し込みなんてイヤなんでしょ? ねっ?」

 

福松「当たり前だ。勉さんと桃子が共謀して、この店を担保に銀行から金を借りるの、どさん子を乗っ取ってケーキ屋にするのって、あの始末もつかないうちに、なんだ、結婚の申し込みをするなんて、ずうずうしくて話にならん」

常子「まだそんなこと言ってるの? 子供の言ったこといつまでも根に持ってほんとに大人げないわ」

福松「何事にも筋道を通してもらいたいね。そのくらいのことは当たり前ですよ」

常子「桃子は桃子。和枝は和枝ですよ」

福松「とにかく結婚はさせませんよ。お断りです」

常子「まあ!」

 

どさん子

修一に相談に行く和枝。結婚の申し込みなら、きっぱりOKしちゃえと言う修一。修一は今回はここのシーンだけか。

 

公園

ジョギングしてる人たちとすれ違いながら歩いている勉と桃子。「お宅のお兄さんも殺風景な男ね。プロポーズするのになにも病院を選ばなくてもよさそうなもんだわ」

勉「そういう男なんだよ、兄貴は。不器用だからね、彼は」

桃子「それにしても一生に一度のことって言うところが泣かせるじゃない」

勉「ヘヘッ、そんなこと言ったの?」

桃子「うん。それで姉さん、ポーッとしちゃって。もう宙に浮いたみたいよ。女ってそういうのに弱いんだ」

勉「なるほどね」

桃子「覚えときなさいよ、ねっ?」

勉「いや、しかしだね、これはひょっとすると結婚の申し込みではないかも」

桃子「えっ?」

 

遊歩道を抜けて、ベンチに座る。

勉「君、どう思う? 結婚なんて一生に一度かね?」

桃子「やあね。あんたったら」

勉「いや、冷静に考えてさ、自信ある?」

桃子「そう言われると自信ないわね」

勉「昔と違うからね、結婚なんて」

桃子「あんたって割かし浮気者ね」

勉「とんでもない。正直なんだよ。まあ、恋愛してないせいかもしれないけど」

桃子「そうよ。直也さんにとってはやっぱり姉さんにプロポーズして、なんとか結婚にこぎ着けるっていうことが一大事なのよ。一生に一度っていう表現したくなるのよ」

 

勉「しかし、申し込みさえすれば君んとこの姉さん飛びついてくるんだから」

桃子「まあ、失礼しちゃう」

勉「兄貴もそう思ってるんだよ。自信たっぷりでね、和枝さんも待ってるんだって言ってたよ」

桃子「さあ、どうかしら?」

勉「僕も絶対、待ってると思うな。そりゃ女はみんな強そうな顔してるけどね。内心、焦りに焦ってるよ。和枝さんにしたって」

桃子「フン!」怒って立ち上がり、勉を振り切って行ってしまった。

 

女ってプロポーズを待ってるもんなんでしょ?みたいなバカにした感じにカチンときたのね。

 

和枝の部屋

和枝は着物に着替え、常子は帯を締めるのを手伝った。常子はプロポーズされるかもと知ってしまったがためにオロオロ。親に相談しますとかそんなこと言わなくていいとアドバイス。そして「ただね、これだけは守ってちょうだい。今後一切、手を上げないこと」と約束させた。

 

2階に上がってきた福松は反対だと意思表明。「なにも男に言われて出ていくことはないんだ。話がしたければ、こっちへ迎えに来るべきですよ」

和枝「直也さん忙しいから」

常子「そうよ。病院で会えば間違いないわ」

福松「フン。面白みのない男だ。消毒臭い所で結婚してくれなんて」

常子「病院にずっといるってわけじゃないでしょ。会ってからどこへでも行けるんだから。とにかくあなたはおとなしく仕事場にいてくださいまし」

福松「ああ、そうですか。なんだ、のぼせちゃって」階段を下りていく。

 

和枝「お父さん、怒ってんのね」

常子「昨日は直也さんがお前をもらってくれるといいなって言ってたのよ」

和枝「そう?」

常子「こういう話はきっかけが大事よ。だから私は、お父さんみたいに筋が通るの通らないのなんて、今、そんなことはどうでもいいと思ってるの」

 

和枝「向こうのお父様、どう考えてんのかしら」

常子「そこんところがちょっと気になるわね」

 

まあ、そんなことより店番がいないのが問題だと思う。常子さん昔からあんまり店に出てなかったのかもしれない。橋田ドラマですら大学に通わせながら店の手伝いさせてたのに。ま、娘限定でね。息子には一切手伝いをさせず学業に専念させるのが橋田流。

 

医局

直也「君の車、快適だからね、頼むよ」

医師「女房と食事の約束があるんだがな」

直也「いいだろ。奥さんのほうは電車かバスで」←なんでよ?

医師「まあ、いいだろ。そのかわり高いぞ」

直也「ああ、改めておごるよ」

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同僚医師は10話では女房と新宿で会う約束をしていると言ってた。

 

アナウンス「内科の野口先生、お宅へお電話おかけください」

 

医師「邪魔が入ったんじゃないのか?」

直也「冗談じゃないよ。ここまで来て」

 

野口家に電話した直也。キクが出て、正弘が会社から電話をかけてきて、仕事が定時で終わりそうなので、帰りに菊久月に寄って勉のことをおわびしてくると言っていて、直也にも同行してほしいという伝言だった。

 

直也は和枝さんと約束があるから今日は困ると言うものの、6時にどさん子で待ち合わせということになっていた。直也が正弘の会社にかけようとしたが、キクによると正弘は工場へ出かけるので会社にはいない。しょうがないなとため息をつく直也だった。

 

作業場

正三「旦那、そろそろ栗羊羹、作りましょうや」

福松「作りたくても栗がないことにはできませんよ」

正三「いや、金さえ出せば持ってきますよ」

福松「バカ。やたら高いものを買い込んでみたって店売りになりますか」

正三「いつまでも夏の菓子じゃ気が変わらねえや」

福松「分かってますよ。注文はきちんとしてあるんだ。お前に言われなくたって。秋口になりゃ夏菓子は引っ込めますよ」

正三「へえ、さようでございますか」

福松「なんだ、その口の利き方」

 

電話が鳴る。

正三「旦那、電話が鳴ってますよ」

福松「分かってますよ」

 

⚟女性「ごめんください」

 

福松「正三、お客様ですよ」

正三「分かってますよ。ったく職人に店と奥と両方やらせんだから」

 

⚟女性「ごめんください」

 

正三「はい」

 

正三さん、接客も完璧だけど、作業中に店に出なきゃいけなくなるのは見ててかわいそうに思ってしまう。だって橋田ドラマなら~…ついつい食べ物屋なので比べてしまうよ。特に「ほんとうに」はせんべい屋だったし。「心」の糸ちゃんなら店番がいないなんてことになったら烈火のごとく怒るだろう。

 

直也は谷口家に電話をかけ、父親と谷口家に行くことを報告。「6時ごろ、ご在宅ですか?」

福松「いや、それは私も家内もずっとうちにいます」

直也「食事は済ませてから伺います。それから、和枝さんにちょっと…」

福松「いや、和枝はあなた、今、支度をしてるから」

直也「それではお伝えください。今日はあの約束を延ばして父とお宅のほうへ伺いますって」

福松「はいはい、いや、分かりました。いや、私もね、なにも病院で会うことはないって言ってたんですよ。ええ…ええ、ええ、ハハハッ。あっ、あの…それじゃお待ちしてます。さよなら」

 

この間は無言電話したくせに今日は随分常識的な電話だったな。

 

2階から下りてきた常子に今日、正弘と直也が6時ごろうちに来ると伝え、同じく1階に来た和枝に約束を延期することも伝えた。

 

常子「お父さん。間違いなくきちんと聞いてくださったんでしょうね?」

福松「まだ耳は悪くありませんよ」

和枝「ほんとにあの人ったらいつもこうなのよ。もう知らない」

常子「待ちなさいよ。プンプンすることはないわ。お父様と2人でうちへいらっしゃるんだから」

福松「いや、そうだよ。向こうのお父さんが先にみえて桃子と勉さんの話の片がついてから、お前のことを決めたほうが筋が通るってもんだ」

 

和枝「着替えてくるわ」

常子「そのまんまでいなさいよ。せっかく着たんだもの。きれいよ、和枝」

福松「きれいだよ、立派なもんだ。これじゃ、なまじっかな男の所には嫁にはやれん」

和枝「直也さんじゃダメ?」

福松「そりゃまあ、話の持っていき方によってはな」

常子「上等ですよ。あの先生なら私のほうが頭を下げてもらっていただくわ」

福松「フン。母親のほうがこれだから」

 

お客様が来たので和枝が店へ。

 

裏口から桃子が帰宅。福松が正弘と直也が6時に来ることを伝えた。

桃子「もしプロポーズなんかしたら、私、絶対に反対してやるわ」

 

正三「あの様子じゃ、また勉さんとやったんだな」

福松「ああ…一方が丸く収まりかけると、すぐまた一方が始めるんだから」

正三「女性上位ってのも悪いんだよね。俺はやっぱりトシちゃんが忘れられないな」

福松「嫁に行くと決まった女のことをいつまでも言ってるんじゃありませんよ」

正三「トシちゃんは栗蒸し羊羹が大好きだもんね」

福松「正三」

正三「うん?」

 

谷口家の裏口の前をトシ子が通りかかり、「こんにちは」と挨拶した。

福松「ああ、お出かけかね?」

トシ子「はい。お花のお稽古です」今日も和服姿が美しい。

福松「そう。いってらっしゃい」

トシ子「いってきます」

 

正三、下を向いてションボリ。

 

福松は路地に出てトシ子を呼び止めた。「あんたにちょっと話したいことがあるんだ。改まってあんたのうちへ行くのも変だし」

トシ子「なんですか?」

福松「いや、それが…まあ、こんな所でなんだが、ひと言聞いておきたいと思って。結婚が決まったそうだね?」

トシ子「はい」

福松「いや、実は気になってるんだよ。この前、正三やトメ子の前で私があんたを修一の嫁には絶対にもらわんと言ったことで、それであんたが今度の縁談を承知したとかなんとか」

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福松「トシちゃんがどこに嫁に行くか知らんが、今更、修一の嫁にもらえますか。これ以上、ゴタゴタはまっぴらだ」←トメ子や正三の伝え方が”絶対”だっただけで、福松が言ったのは”今更”なのになあ。

 

トシ子「まあ、そんな…」

福松「いや、もしそうだとしたら年がいもなくバカなことを言ってしまって申し訳なくて」

トシ子「おじさん、そんなことないんです。そんなこと気にしないでください。私、修一さんのこと、とても好きですけど、でも、自分の一生のことですから」

福松「いや、そんなら別にあの…私の言ったことで意地になったんじゃないんだね?」

トシ子「はい」

福松「いや、それを聞いてホッとしたよ」

トシ子「ご心配かけてすいません」

福松「いや、子供んときから、うちの子供みたいに思ってるあんただからね。幸せになってもらいたいんだ」

トシ子「ありがとうございます」

 

正三が裏口から顔を出す。「旦那、練り切り作るんですか? 作らないんですか?」

福松「うるさい」

トシ子「それじゃ」

福松「じゃ、気をつけて行ってきなさい」

トシ子「はい」表通りへ。

 

正三「ねえ、何話してたんです? 気になるなあ」

福松「とにかくお前は忘れることだ。さあ、仕事、仕事」と作業場へ押しやる。

 

茶の間

桃子「直也さんったら自信たっぷりらしいわよ。結婚の申し込みさえすれば、すぐに飛びつくに決まってるって」

 

和枝が茶の間に近づいたので一旦、会話は止まる。

 

桃子「しゃくじゃないの。勝手に決めてかかってさ」

常子「そりゃ待ってることは待ってるんだけど」

 

桃子「姉さんが聞いたら、それこそカーッと頭にきちゃうわよ」

常子「この話は和枝には内緒よ。さっきもカチンとして頭にきかかったんだから」

桃子「今夜、直也さんが来たって、私、会わないわよ」

常子「そりゃ、そのほうがいいわね。お前、またそばで何を言いだすか分からないし」

 

桃子「ハァ…勉さんをバックアップして一緒にケーキ屋を始めるつもりだったけど、あんなヤツ、もう蹴っ飛ばしよ」

常子「桃ちゃん、なんです、その言い方」

せんべいを食べながらプイッとする桃子。

 

野口家

キク「なにも桃子さんに振られたからって、この世の終わりみたいに情けない顔してることないでしょ」

勉「バカ、腹が減ってんの」

キク「ああ、そう。今夜は2人だけだから残り物(もん)ですよ」

勉「いつも残り物じゃないか。たまにはね、うなぎとかビフテキとか景気のいいもん食わしなよ。骨がギシギシいっちゃうよ」

 

「おやじ太鼓」の鶴家はおやつ代わりにうなぎを注文して食べるような家だったからな。「おやじ太鼓」65話中17話ぐらいうなぎの話題が出ていた。1クール以上うなぎの話で埋められるよ。

 

キク「勉さんなんか何食べさしたって栄養になるからいいけど、一番心配なのは旦那様ですよ。旦那様だけは長生きしてもらいたいわ」

勉「なんだい。こっちはどうでもいいようなこと言って」

キク「今頃、菊久月で頭下げてんじゃないかしら。息子が変なことしでかすと親は苦労ですよね」

勉「冗談じゃないよ。こっちは真面目すぎて損ばっかりしてるんだ。桃子さんのことだってね、頼りにしてるって泣きつくから、しかたなく一応、ケーキ屋もいいだろって考えただけなんだぞ」

キク「勉さんはお兄さんと違って、とことん女に惚れられるってタイプじゃないから、そこんとこをよ~く承知してなきゃダメですよ」

勉「キクさんと一緒にされてたまるかい」

 

キク「直也さんと和枝さんが婚約すると、あの近所はおめでたムードね。トシちゃんも決まったそうだし」

勉「あんまりおめでたくもなさそうだぞ」

キク「あら、どうして?」

勉「菊久月の娘は2人とも生意気だよ。向こうっ気ばっかり強くてさ。こっちの言葉尻をつかんでブンブン振り回すんだから男はたまったもんじゃないよ」

キク「勉さん、また桃子さんとなんかあったのね? どうも帰ってきたときからイヤな予感はしてたのよ」

勉「うるさい。残り物、さっさと出してくれ」

キク「まあ、悪くなっちゃって」

 

谷口家茶の間

夕飯と食べている桃子と正三。「桃ちゃんは2階へ行かなくていいの?」

桃子「関係ないわよ」

正三「だって桃ちゃんが原因だろ」

桃子「今や焦点は姉さんのほうに移動したんだから」

正三「そう。まあ、和枝さんのほうが女らしいし、何かとな」

桃子「正三さん(怒)」

 

これまで何度も何度も書いてるけど、ロリコンに嫌悪感がありすぎて、正三みたいに年の近いトシ子だけが好きで、近くにいる若い和枝や桃子、アヤ子に全く興味のない正三がめちゃくちゃまともでいい男に見えてしまう。今後もそうでありますように。

 

和枝が鼻歌を歌いながら登場。

♪ラララ リリリ リリ~

 

♪あなたならどうする

あなたならどうする

泣くの歩くの 死んじゃうの

あなたなら あなたなら

あなたならどうする

あなたならどうする

  • provided courtesy of iTunes

いしだあゆみ「あなたならどうする」1970年3月25日発売。

 

ご機嫌な和枝に正三と桃子は顔を見合わせて肩をすくめる。

 

2階…以前、修一がお見合いをやった客間かな。

福松「分かっていただければ、それでもう、私のほうにはなんにもこだわりはありません」

常子「初めからうちの桃子が勉さんを巻き添えにしたんですわ」

正弘「いや、やはり勉が軽率なんです。どうもあいつは人はいいが、どっか世間知らずの甘いところがありまして」

福松「そういえばそうだな。あの息子さん、甘くてダメだ」←こらっ!

常子「そ…そんなことありませんよ。よく働いて、そりゃ素直で」

正弘「ええ、それだけは私も保証します」

福松「なんだかんだ言っても人間は行きつくとこは、そこだ。まあ、今後とも桃子と仲良くしてやってください」

常子「お願いいたします」

正弘「こちらこそお願いいたします」

 

常子「和枝、呼んできますわ」

直也「いえ、いいんです」

福松「今夜、あんたが和枝を誘ってくれたのがふいになって、あいつプリプリしてましたよ」

常子「プリプリだなんて、ちょっとガッカリしただけですよ」

直也「僕もなんだか気が抜けちゃって」

常子「あら、それじゃ困りますわ。近いうちに改めて誘ってやってくださいましね」

直也「はあ」

 

正弘「そうか。そりゃ悪かったな。私はこちらの両親にまずご挨拶をと思ったもんだから」

福松「それが順序ですよ。いや、私だってそれを済ましてもらわなくちゃ、もうとても和枝を嫁にだなんて言われたって、あなた、とんでもない…」

常子「お父さん」

正弘「いや、まったく後手後手で」

 

福松「直也さんも気持ちが決まったら早いとこ申し込んでくださいよ。何しろ、あのとおりの娘だ。横っ面を殴られておとなしくしてたららちが明きやしない」

直也「はい」

正弘「勇ましい娘さんで結構ですな」

常子「あら、皮肉ですか?」

正弘「いや、とんでもない」

福松「お前さんの若いときそっくりじゃないか」

常子「イヤね、お父さんったら、もう」

一同笑い

 

直也は失礼しますと部屋を出ていき、福松と常子は正弘に和菓子を勧める。テーブルの上には立派なマスカットもある。

 

部屋を出た直也と魔法瓶を持って階段を上がろうとする和枝が会った。

直也「ちょっと外へ出てみない?」

和枝「あっ、でも…」

直也「まだ話はしばらく続きそうだから、2人になりたいんだ」

和枝「ええ」

 

和枝はふすまを開けて魔法瓶だけを置いて出ていった。笑う親たち。

 

物干し場

直也「町なかの物干し場っておかしな雰囲気があるもんだね」

和枝「ごめんなさい。お父様を放っといて外へ出るのも変だから」

直也「いや、いいんだ。こういう場所も好きなんだ。そうだ」とポケットから口紅を取り出し、和枝に差し出した。

 

和枝「やっぱりあなただったのね」

直也「君が怒って、うちに入ったあと拾ったんだよ」

和枝「ずっと持っててくださったの?」

直也「うん」

和枝「とても気になってたんです」

直也「返すときがなかった」

和枝「ありがとう」

 

直也「今夜もまたダメだったね」

和枝「しかたがありませんわ。でも、結局これでよかったのね」

直也「お宅のお父さんがおっしゃってた。うちの父がこうしてご挨拶に伺わなかったら僕が和枝さんに結婚の申し込みをしたとしてもお断りだって」

和枝「まあ、そんなことを?」

 

直也「もうケンカはよそう」

和枝「ええ」

直也「改めてデートの申し込みをしてもいいだろ?」

嬉しそうにうなずく和枝。

直也「今度の日曜日の朝10時、車で迎えに来ます」

和枝「車で?」

直也「うん、友達のスポーツカー。今日もそれを借りるつもりだったんだ。その車で海を見に行こうと思ってね」

和枝「夏の終わりの海ね」

直也「秋の初めの海さ」

 

今回はもう黄色いスポーツカーでデート!

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ありゃ、写真が違うな。リンク先のフェアレディZをもっと明るくした黄色って感じ。

 

今日の和枝はこのドラマ初の洋装!

 

今日は桃子が店番。桃子は和服じゃなくて、いつも白の作業着?なんだよね。

トシ子「おはよう」

桃子「あっ、いらっしゃい」

トシ子「あら、もう栗蒸し羊羹出たのね」

桃子「トシちゃん、これ大好きなんでしょ」

トシ子「そうよ。和菓子ん中で一番好きなの」

桃子「正三さんがそう言いながら作ったのよ」←余計なこと言うなよ

トシ子「まあ」

 

桃子「だから、この羊羹には秋のわびしさがしみじみ入ってると思うわ。ねえ、トシちゃん」

トシ子「なあに」

桃子「うちの姉さんも結婚が決まりそうなの」

トシ子「まあ」

桃子「私、なんだかわびしいんだ」

トシ子「桃ちゃんもその人を好きだったの?」

桃子「そんなことないけど、あれやこれやでね。この夏を通り抜けて、ちょっと大人になったみたい」

トシ子「私もよ。もうすぐ27なのにね」

 

車は海岸線を走る。和枝は髪をおろしてる。

 

作業場

常子「和枝、やっぱり着物のほうがよかったかしら」

福松「あの子は何を着たって似合うんだ。ミニもなかなか良かったよ。なあ? 正三」

正三「そうね。直也さんギョッとしてね」

常子「えっ…ほんと?」

福松「お前は言い方がいけませんよ。あれはギョッとしてたんじゃない。ポーッとしてたんだ」

常子「そうよ。2人ともご機嫌でしたよ」

 

正三「どうでもいいけど車が格好良かったな。あの車だったら着物でも洋服でもいいよ」

福松「なんだ、車ばっかり褒めちゃって」

常子「親の苦労も知らないで。私なんてせめて今日だけはケンカはしないようにって昨日から祈ってるのよ」

福松「苦労しなさんな。今日みたいな日にいくらあの2人だってケンカをするもんですか」

正三「月に叢雲、花に風だよ、旦那」

kotobank.jp

常子「イヤね、正三さんったら」

正三「だってね、奥さん。こっちはもう立派に失恋しちゃったんですよ。嫌みの一つも言いたくなるさ」

福松「バカ。黙って栗蒸しでも作んなさい」

正三「思い出しては切なくて、ああ、切なくて切なくて、か」

福松「うるさい!」

常子「ああ…直也さんがうまく切り出してくれるといいんだけど」と手を合わせて祈る。

 

車を降りた和枝はミニスカート。いや~、めちゃくちゃ脚が細いな!

和枝「今年初めて海らしい海を見たわ」

直也「うん」

 

海の波でつづく。

 

和枝と直也はお互い結婚したいと思ってるほどなのにいつケンカしだすか分からないという爆弾を抱えているのはなんだかな~。見ていて楽しくないよ。