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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(107)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

元子(原日出子)の手記「私の八月十五日」は特選入賞となった。雑誌が発売されると続々と祝電が届けられ、別の雑誌からも執筆依頼が飛び込むなど大原家は大騒ぎに。元子は正道(鹿賀丈史)と相談し賞金を山分けすることにした。松江の祖母や子供たち、宗俊(津川雅彦)とトシ江(宮本信子)、吉宗の人たちに配ると、自分の手元には何も残らなかったが元子は満足だった。すると放送協会の同期が元子のためにパーティを開くという。

今日は出演者が多かったな~。

 

「週刊毎朝」の終戦記念特集号が発売された、その日のうちに続々と届けられたお祝いの電報はこのとおりです。

 

大原家 茶の間

テーブルには料理と祝電が乗っている。テーブルの脇には山と積まれた週刊毎朝。

正道「すごいな。これ一体、何通あるんだ?」

大介「今、僕が数えてるから」

藤井「とにかく電車の中にも、お義姉(ねえ)さんの名前がぶら下がってたんですから」

巳代子「やだわ、ぶら下がってるなんて、まるで首つりしてるみたいじゃないの」

元子「やあね」

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首つりと言えば「マー姉ちゃん」を思い出す。

 

藤井「揚げ足を取るんじゃありませんよ」

巳代子「だって、ねえ」

藤井「いやいやいや、とにかくね、『あの瞬間の放送員室』と出たんですから、桂木から大原に変わっても、お義姉さんがアナウンサーだったのを知っていた人は、みんな分かったろうしね」

元子「そうなのよ。女学校やね、専門学校の時のお友達もね、わざわざ旧姓を入れて打ってくれたり、松江でお世話になった方からも頂いたし、正道さんとこの作業員の方もね、電話だけでなく、こうしてわざわざ電報にしてくださったんですもの」

 

電話が鳴る。

大介「まただ」

正道「おい、そういう言い方はないだろ」

藤井「はい、大原でございます。あっ、おります。少々お待ちください。お義姉さん」

元子「はいはい」

 

茶の間にいる元子、正道、大介、巳代子、藤井。ダイニングテーブルでは弘美と道子が絵を描いていた。

 

元子「はい、大原でございます」

冬木「女性時代編集部の冬木と申しますが、大原元子さんでいらっしゃいますか?」

元子「はい、さようでございますが」

冬木「この度は『週刊毎朝』の特選、おめでとうございます。早速読ませていただきましたが、実はですね、え~、戦時下の放送員という大原さんの特異なご体験に私たちも大変感動いたしまして、私どもの雑誌にもお書きになられるまでのお気持ちや動機、そのほか、これまでのことを主婦向けに是非、ご執筆いただきたいのですが」

元子「あ…あの、ということは?」

冬木「はい、400字詰めの原稿用紙で20枚」

元子「20枚!?」

冬木「もしもし…あの、実話風に書いていただければよろしいんですが、早速、来月号には掲載したいもんですから、締め切りはですね…」

元子「あ…あの、ちょっ…ちょっとお待ちくださいませ。道子、紙! 紙、頂戴!」

道子「はい」

 

冬木…中平良夫さん。今日は声のみでしたが、たくさんドラマに出演されてる方なので、今後の重要キャラ?? 最近までいろんなドラマに出ている。

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あぐり」86、87話出演というのは警官かな~? 

 

藤井「お義姉さん」

元子「はい」

藤井「これ、使ってください」←ポケットからティッシュ

元子「違うわよ、メモ用紙よ。原稿の依頼があったんです」

正道「あ~…」

元子「もしもし、はい…はい…」

 

吉宗前の路地

向かいの建物が工事中。

元子「こんにちは!」←今日はお着物!

トシ江「おや、いらっしゃい」

元子「お向かい、始まったみたいねえ」

トシ江「ああ。四角いコンクリートの箱みたいなのが出来るんだって。あれが建てばね、この辺も変わるだろうね」

元子「何階になるの?」

トシ江「4階建てなんだって」

元子「え~」

トシ江「ねえ、あんた、あれから大変だったでしょ」

元子「うん、ちょっとね。お父さん、いる?」

トシ江「いるわよ。お上がりよ」

元子「うん。じゃ、ちょいと」

 

桂木家茶の間

元子が”お父さん 頒喜”と書かれた祝儀袋ともう一つ”頒喜”と書かれた祝儀袋を差し出す。

宗俊「え? そりゃ何のまねだ?」

元子「つまりこれは賞金の山分け」

宗俊「バカ野郎が。競馬の穴当てたあぶく銭じゃあるめえし妙なまねするんじゃねえやな」

キン「そうですよ。こりゃ何たって、お嬢がご褒美に頂いた大切な記念のもんなんですから」

善吉「黙ってろよ。大将がちゃんとそう言ってんだから」

キン「そんなこと言ったってさ」

トシ江「元子のね、そういう気持ちは、うれしいんだけど、お父さんもこういうふうに言ってるし、一応、それはそっちに収めちゃってちょうだいよ」

 

元子「でも、もう分けてしまったもの」

宗俊「てやんでぇ、調子に乗りやがって。俺ぁな、おとつい、おめえら夫婦がよ、そろって顔見してくれたろ。な。それで十分なんだよ」

元子「どうもすいません。けどね、賞金は金5万円なり。正道さんとも相談したんだけど、それを5つに分けて1万円は松江のおばあちゃまに、そして大介と道子に1万円ずつ定期預金にしてやって、これ残りの2万円なのよ。で、一つは、お父さんとお母さんに。もう一つは彦さんとおキンさんと善さん。ね。みんなでごはん食べに行くのもよし、温泉なんかに繰り出すのもよし」

トシ江「元子…」

 

元子「私ね、てれ隠しに特選はまぐれだなんて、みんなに挨拶してたけど、それ違うのよ。私、一生懸命書いたの」

彦造「そりゃ、そうでございましょうとも」

元子「けどね、書いてて、18年も前のことなのにまるで昨日のことのように思い出して、頭がカ~ッとなって何度立往生したか分かんないわ。でも、そんな時、しっかりしろって正大あんちゃんの声が聞こえたり、金太郎ねえさんが夢ん中へ出てきて頑張れって励ましてくれたり…。明治座で亡くなった先輩にも是非書いてもらいたいって、そう言われ続けたような気がするんです。そう思うとみんなが、あんちゃんや金太郎ねえさんのことしのんで有効に使ってくれるのが一番いいんじゃないかと思って」

 

元子のセリフ中、宗俊がトシ江に合図を送り、宗俊が話し中に薬を飲んでいる。聞き流していると見逃してしまうシーンだね。

 

宗俊「分かった。分かったけどよ、それじゃ、おめえの取り分がねえじゃねえか」

元子「ますますもって元気な体はあるし、正道さんはいい旦那様だし、子供たちはみんないい子だし、その子供に1万円ずつ貯金してやれたんですもの。もうそれで十分じゃありませんか」

キン「お嬢…」

元子「そのお嬢っていうのも、もうやめてもらわなくちゃ」

キン「だってさ…」

宗俊「あ~、おキンさんよ、なあ、元子が偉そうにあんなこと言ってやがんだから、まあ、ここはな、おとなしく元子の言うとおり、この金、ありがたく頂戴しようじゃねえか。なあ、彦さん」

彦造「へえ…」

トシ江「どうもありがとうね」

元子「嫌だわ、そんなご大層に」

宗俊「バカ野郎、俺はおめえ、おめえの顔立ててやってるんだぞ、この野郎」

善吉「『老いては子に従え』って、そう言いますからね」

宗俊「誰がよ、誰が一体(いってえ)老いたってんだい、え?」

善吉「いや、ちょっと弱っちゃったな…申し訳ございやせん…」

宗俊「この野郎、黙って聞いてたら、お前…」

もう一度、祝儀袋を宗俊に差し出す元子。

宗俊「そうかい…はい」

 

宗俊「おっと」立ち上がろうとしてよろける。

トシ江「あっ、おとうさん、大丈夫ですか」

宗俊「おい…てめえまで年寄り扱いするんじゃねえや」

仏壇に祝儀袋を供え、手を合わせる。

宗俊「あ~、もしもし、ご先祖さん、それから正大、元子がよ、小遣いくれやがったぜ。出どころはな毎朝新聞だとよ、え、へへ…だから安心してよ、みんなで…」

 

夜、モンパリ

扉には「本日貸切り」の紙。

 

友達とは本当にありがたいものです。忙しい仕事を抱えながら、のぼるがささやかなお祝い会を企画してくれたのです。

 

絹子叔母さんは着物、洋三叔父さんはTシャツってのが珍しい。

 

元子「こんばんは」

一同「いらっしゃい」

 

トモ子「お待ちしてました」

元子「ふれちゃん!?」

光子「ガンコ!」

元子「まあ、薩摩焼酎! あなたも!」

トモ子「驚いた?」

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青山光子さんは熊本出身なのですが…

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鹿児島支局に赴任され、あだ名が薩摩焼酎になりました。

 

元子「驚いたわよ! もう六根ったら相変わらずのいつものメンバーだなんて言うんだもの」

ハヤカワ「マジシャンは種明かし嫌いますよ」

元子「まあ、ハヤカワさんも!」

ハヤカワ「はい」

絹子「そのハヤカワさんがね、今日は私たちもお客さんだっていうんで、ご覧のとおり、モンパリは第16期生に乗っ取られましたの」

のぼる「だって、あの苦しい時、おじ様やおば様に私たちどれだけ助けられたか分かんないんですもの」

 

洋三「だからといってだよ、今やプレスクラブの大物にパーティーのセッティングまでしていただいちゃって恐縮してますよ」

ハヤカワ「ノー、ノー。今日はみんなのパーティーです。私ものぼると一緒に楽しませてもらいますから。さあ、皆さん、座って。座ってください」

カウンターに立つハヤカワと隣にいるのは恭子。

 

トモ子「では、ガンコの隣は、やっぱり遠くから来た者が独占させていただきます」

光子「そりゃもちろんたい」

元子「それじゃ、薩摩焼酎わざわざ鹿児島から?」

のぼる「そうよ。だからね、もっと早く集まろうと思ったんだけど、わざわざ今日までお祝い延ばしたんじゃない」

元子「ありがとう、六根」

恭子「涙はまだ早いわよ、ガンコ」

元子「そんなこと言ったって…」

 

それにしても、トモ子や光子の昭和30年代のご婦人の再現がうまいな~。みんな当時20代なんだろうけど、ちゃんと18年後の同窓会感がある。トモ子は黒縁の太い眼鏡で髪はアップ、光子はショートカットのパーマスタイルでハンカチが手放せない。

 

恭子「ガンコ、今日の特別なお客様よ」

元子「えっ?」

 

立花「いやぁ、ハハハハハ…。おめでとう」握手を求める。

元子「室長! ありがとうございます」

良男「おめでとう。頑張ったね、ガンコさん」

元子「もう三井さんには松江時代からいろいろとお世話になってしまって、本当にどうもありがとうございました」

 

恭子「さあさあ、お掛けになって」

良男「室長、どうぞ」

洋三「どうもようこそ」

 

元子「でも私、まさか室長にまでお目にかかれるなんて思ってもいませんでした。どうもありがとうございました」

立花「いや、私の方こそ庭いじりの毎日だが、いやぁ、みんな本当によく成長して活躍してくれて、おめでとう」

元子「活躍だなんて、私はそんな」

洋三「ほらほら、ガンコちゃん、また自分のことしか考えない。え? 今、ふれちゃん何なさってるか分かってる?」

 

元子「何って…何?」

トモ子「一応、有限会社だけれど、亭主が経営する店のこれでも専務さん。あっ、でも薩摩焼酎なんてもっとすごいのよ。『薩摩新報』っつう新聞の婦人部広報主任なんですって」

元子「本当! わぁ、みんなやってるのねえ」

 

ハヤカワ「さあ幹事さん、セレモニーを先にやってしまわないとプログラム進みませんよ」

のぼる「本当だわ。はい、皆さん、グラス取ってください」

絹子「はい…」

立花「あ~、どうもありがとう」

絹子「はい」

 

のぼる「じゃあ、乾杯の音頭は立花室長お願いします」

立花「えっ、私が? こりゃ光栄だな。それでは大原元子さんこと桂木ガンコさん、おめでとう」

一同「おめでとう!」

元子「どうもありがとう」

 

恭子「では、これは大事な急用が飛び込んだためにどうしても来られず、悔しくてひょっとしたら大切なお得意様をパーにしてるかもしれないガラこと…ガラこと茜島悦子夫人から」大きな花束を元子に渡す。本気でセリフに詰まってて、勝手に焦る。

元子「まあ、どうもありがとう」

拍手

元子「こんな大げさなことになってるなんて思わなかったわ」

 

のぼる「では、続きましてふれちゃんからおじ様とおば様へ」

絹子「えっ?」

洋三「うん?」

絹子「私たちに?」

トモ子「ええ。感謝を込めて、はい」花束を一つずつ渡す。

洋三「えっ、いや…だけど今日はガンコのお祝いとそれから16期生のその…同窓会じゃないの」

恭子「だから、なおのこと受け取ってください。私たち、あの時代、このモンパリでどんなに慰められたか分からないんですもの」

 

トモ子「室長、私のなまり、今でも直りませんけれども最後まで落後しないで頑張れたのは、ここに下宿させていただけたからなんです」

立花「あ~、そうそう、そうだったね」

良男「それから、おじさんの取っときのコーヒーも忘れられません。本当にありがとうございました」

絹子「まあ、あなたたちったら…」

拍手

洋三「ありがとう…」

 

のぼる「では、記念品贈呈に移ります」

元子「記念品!?」

のぼる「松江から長野、今は東京勤務の三井さんからお受け取りください」

良男「万年筆です。連絡の取れた我が同期生5名プラス僕たちがささやかなポケットマネー出し合ったものです。どうかこれからもいいものをどんどんと書いてください」

拍手

元子「どうもありがとう。夢のようだわ。みんなのおかげです。みんなと一緒に行き抜いた、そういう思いで、ただ、私、一生懸命、あの手記を…。本当にありがとう」

 

立花「私にも礼を言わせてくれないか。16期生は私にとっては忘れることのできない生徒だったが、いやぁ、みんな、それぞれに生き抜いてくれた」

元子「室長…」

立花「君たちのことを思い出す時、いつも頭によぎるのは、あの辞表をたたきつけられた時のことだ。あれはショックだった」

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のぼる「あれは室長」

立花「いや…まあ、ああいう状態の中で私は君たちのことを何とも不本意な別れ方をしたといつも気にしてたんだ。まあ、しかしこうやってみんなの顔を見ると、君たちはむしろそれをよりどころにして、それぞれがたくましく自分の道を探し出してくれた。老兵はただ消え去るのみというが、こういう会に出席できて私は本当にうれしい。どうもありがとう」

拍手

 

室長の老け方も自然だね。

 

洋三「それじゃあね、私からもちょっとプレゼントがあるんだけど。いや、私はね、二度と軍歌は口にすまいと思ってたんだ。だけどさ、今日やっぱりこうやって、みんなの顔を見たら本当に生きていてよかったと思う。だから、この平和の尊さと、それからガンコの新しい出発を祝ってね…」

 

洋三がアコーディオン、みんな肩を組んで「同期の桜」放送員バージョンの替え歌を歌う。

♪お前と俺とは同期の桜

同じ放送局の庭に咲く

咲いた花なら散るのは覚悟

見事散りましょ国のため

同期の桜

同期の桜

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つづく

 

明日も

 このつづきを

  どうぞ……

 

戦中に誰かが軍歌を歌うシーンは何度かあったけど、洋三叔父さんは伴奏はしても歌わなかったのに、今日は一緒になって歌ってたのに感動した。

出発の歌

出発の歌

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いい声♪

 

国井先生、服部先生のほか、カンカン(沢野)、伊東先生(正大)もいれば桜中学の職員室だね。放送局の芦田さんも先生じゃないけど、職員室によくいたね。

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立花室長も”生徒”と言ってるし、モンパリの同窓会は金八最終回の謝恩会を思い出す。誰かしらギターを持ってて歌い始めるしね~。

 

話には時々出ていたハヤカワや16期生のトモ子、光子だけじゃなく室長が出てきたのがうれしかったな~。