徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】森繁よ何処へ行く

1956年 日本

 

あらすじ

若くして妻(杉葉子)を失い、残された一人娘(香川京子)を育てることにのみ生き甲斐を感じている森 繁太郎(森繁久彌)。しかし、最愛の娘も大人になり、愛する人の許へ嫁いでゆく。一人残された繁太郎は、誰もいない遊園地のメリーゴーランドで一人思い出の曲“月の沙漠”を口ずさむのだった・・・。森繁久彌が出演したラジオの人気ドラマ「わが街に詩あり」を映画化したペーソスあふれる人情劇。

2024.11.13 日本映画専門チャンネル録画。蔵出し名画座なので川本三郎さんの解説付き。娘に子守歌がわりに「月の沙漠」を歌う。前年、昭和30年に開園した後楽園遊園地で撮影されている。森繁の家がある地は江の島の見える七里ヶ浜あたり。

 

東宝株式会社 配給

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東京映画作品

 

オープニングは森繁久彌さんの歌う「月の沙漠」

月の沙漠

月の沙漠

  • provided courtesy of iTunes

製作:山崎喜暉

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企画 :前川洋佑

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原作:キノトール

   小野田勇 

   文化放送新日本放送連続番組

   「わが街に詩(うた)あり」より

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 脚本:長瀬喜伴

       新井一

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音楽:小川寛興

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森繁太郎:森繁久彌…字幕黄色

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森めぐみ:香川京子…字幕水色

美智代:岡田茉莉子

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圭子:淡路恵子

節子:杉葉子

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若山明:宝田明

石田博士:斎藤達雄

芹沢:若原雅夫

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ボーイ:北澤彪

さか:髙松榮子(松竹)

案内嬢:津山路子

マダム:津路清子

長島丸子

町の男:有田稔

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弓子:恵ミチ子

女店員:光丘ひろみ

少女時代のめぐみ:雨宮隸子…字幕水色

渡絹代

青柳美子

香澄幸枝

沖啓二

坂内英二郎

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監督 瑞穂春海 

 

音楽の小川寛興さんの名前に見覚えあり。石井ふく子プロデュースドラマ「ほんとうに」「道」「心」のほか「ああ家族」なども担当していた。

 

白黒映画。

 

BAR DON(バー・ドン)

20年前は誰彼構わずよく絡んだ…という森のナレーション。バーで暴れまくり、病院へ行き、医師にタバコを勧める。女医の節子は石田医師に診察室でタバコを吸うことを注意し、森にも感じが悪いとはっきり言う。

 

レストラン

石田が藤井節子女医を森繁太郎を紹介した。森はトンネル工事の技師。石田は出なきゃならん会があると席を外し、二人きりにした。森は節子が来る前、勉強ばかりしていてカサカサの女、生意気な女と評しているくせに紹介されてまんざらでもないらしい。

 

BAR DONに節子を連れて行く。もっと飲みたいという節子を連れて、焼き鳥の屋台へ。森は泡盛、節子にはブドウ割り…ワイン? 節子は飲んで噴き出し、隣の女性に男言葉で絡まれた。怖っ! 路地で男言葉の女性の連れの男性と森が大立ち回り。

 

その後、森と節子が結婚してめぐみという娘が生まれた。

 

8年目の結婚記念日にレストランでお祝い。ボーイが北澤彪さんだ。しかし、まりをもらっためぐみがそのまままりを転がし、外へ出てしまい、節子は車に轢かれた。えっ! 唐突だなあ。

 

節子を亡くした森は、めぐみを連れて修善寺旅行に出た。バスに乗ったとき、バスの案内係もバスに乗り合わせた神保圭子も優しくしてくれた。圭子は森たちの旅行に同行し、ママの代わりになると言い出した。めぐみもすぐ懐く。んー、なんて都合のいい展開。

 

夕食の席、お酒を飲まない森は、めぐみが大人になるまで飲まないと決めていると話し、圭子を驚かせる。飲んだら暴れるなら飲まないほうがいいね。

 

森親子は団体旅行に参加してたのね。圭子はこんな団体旅行には不似合いな気がすると森が言うが、圭子は正体を明かさない。

 

森たちとはぐれためぐみは女性と「月の沙漠」を歌いながら歩いていた。めぐみに気づいた森も一緒に歌う。

 

旅館のロビーで圭子の膝に乗るめぐみ。圭子の前に知り合いらしい男が現れ、圭子は男と行ってしまう。部屋に入った芹沢という男が圭子をビンタ。あの人とは関係ない、一人で生きてみたいと芹沢に別れを切り出す圭子。最近、かわいがってやらなかったからな、と圭子に無理やりキスする芹沢。おえっ!

 

めぐみは圭子を気にしてなかなか寝付かず、森に歌をリクエスト。「月の沙漠」を歌った。

 

翌朝、圭子は着替えて身だしなみを整えていたが、まだ早いじゃないかよと寝起きの芹沢がキス。もういいって!

 

圭子は森たちの部屋に来て、めぐみの髪を整えた。

 

旅館を出た森親子はバスに乗り込んだが、圭子はバスに乗らずに見送った。

 

めぐみは20歳になった。明は、すでにめぐみを両親に会わせ、めぐみと結婚するつもりでいた。しかし、森はまだ結婚は早いと今日のところは帰した。さかという年輩女性は女中さんかな。森は散歩に出ると砂浜へ。ここでも「月の沙漠」が流れる。

 

夜、めぐみに明のことを問いただした。森は今までなんでも話してくれたのにと責め、弁解など聞きとうないと突き放した。めぐみは泣きながら自室へ。

 

森は、めぐみの部屋へ行き、明のことを認めた。「ありがとう、パパ」という言葉を嬉しがる。

 

翌日、森は結婚したときにめぐみに渡すためのアルバムを整理していた。11時20分に明が来る。森は、さかをばあやと呼んでいる。

 

フルーツ、瓶ビール、ジュースなどを用意しているさか。

 

明は試写会の切符をもらい、めぐみと行きたいと玄関先で軽く挨拶をして、めぐみを連れて出かけて行った。迎えるほうは、それなりに準備してるのにねえ。

 

忘れ物をして、家に戻っためぐみは寂しそうな父の姿を見て、忘れ物を取りにいかずに引き返し明と出かけた。宝田明さん、クセのないイケメンだね。

 

注文していたウナギも口をつけず、さかに先に食べるように言う。

 

隣の奥さんが、結婚のお祝い金を持ってきた。呉服屋も来て、めぐみ、友人の弓子、マリ子も反物を見る。席を外し、琴で「月の沙漠」を奏でる森。

 

夜、めぐみは明との話を見合わせてほしいと言い出す。これから先のお父さんのことを考えると、と泣き出す。おっさんドリームだねえ。お父さんには仕事がある、女の本当の幸せは結婚することと慰めた。

 

結婚式当日

落ち着かない森。近所の女性たちも台所に手伝いに来ている。自室で花嫁衣装に着替えためぐみ。隣の奥様がお母さん代わり? 森は酒を解禁し、さかや隣の奥さん、めぐみと軽く飲む。お父さんのことは何も心配しなくていいんだよと送り出した。

 

めぐみと明で写真を撮り、披露宴。2人はそのまま車に乗って新婚旅行へ。

 

片付けの始まったホールでボーイに酒をもらい、一人で飲みながら「月の沙漠」を歌う森。

 

モーニングのまま、街へ出た森は若い女性に声をかけられ、一緒に歩いた。男たちが追いかけてきて、その女はスリだと言うが、森がかばった。森は美智代と名乗った女性とレストランへ。ボーイには娘ができたと美智代を紹介した。美智代は、めぐみと同じ二十歳。美智代はパパの家に行きたいと言う。

 

森は美智代に2400円のイヤリングを買い、美智代と後楽園遊園地へ。森はメリーゴーランドに乗る。馬が小さい。美智代は、今度は、いい子になるとスっていた森の財布を返し、去って行った。

 

夜、森がメリーゴーランドを見ると、節子、圭子、めぐみ、美智代が乗っているように見えた。森が乗った遊園地の電車が動き出し、夢のトンネルをくぐる。(終)

 

あるサイトでキャスト名を参考にしていて、森節子、森圭子となっていたので、圭子は再婚相手?と思ったら、全然違った。男手一つと言っても、ばあやのさかがいるじゃない。人扱いじゃなく、家電扱いなんだよね。父と娘の話って、どうも感動できない。