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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (52)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

田河の紹介状により、もらえる仕事には何でも食らいついていくマリ子(熊谷真実)たち。磯野家の現状を朝男(前田吟)に相談すると、自分の店の近くの空き家に引っ越すよう提案される。早速下見に行って気に入ったマリ子たちは、大家の姉妹にも会い、とある理由から破格の賃料で家を借りることに。すぐに引っ越しを始める磯野家の元に、大造(河原崎長一郎)たちがやってきて引きとめようとするが、マリ子がとっさにウソを言い…。

漫画界の大御所・田河水泡氏の紹介状は確かに神通力を発揮しました。しかし、雑誌の連載というものは一つの区切りというのがあって、現在担当している挿絵家と首をすげ替えてもらうというわけにはいきません。となれば、流動的なカットでも何でももらえる仕事は慣れないながら貪欲に食いついていかなければならないマリ子とマチ子でした。

 

部屋で作業していると、朝男が訪れた。このところ見合いだ婚礼だとめっぽう忙しかった。明日、福岡に行くときのトミ子さんへの祝いとお千代ねえやに持ってってもらいたいものがあるとお重を持って来たが、マリ子とマチ子は相談があると話を持ち掛けた。トミ子さんの結婚式なんてとっくに終わってるかと思ってたけど、まだそんなに日にちはたってなかったのね。

 

朝男「驚いたね」

マリ子「と思います」

朝男「そんなふうになってるたぁ夢にも思わなかったよ」

マチ子「私たちだってそうだったんですもん」

朝男「まるで火の車だ」

マリ子「本当に」

朝男「はあ…」とため息をついて、マリ子たちの父の写真を見る。

 

朝男「どうだい? この際ね思い切って引っ越してこないかい? 俺んちのそばへさ。どん底まで落ちた時は気分を一新して出直す。こいつが一番だよ」

マリ子やマチ子の仕事先でもある出版社から世田谷は遠いが、手頃な貸家が朝男の家のそばにある。ここより広くて家賃はただみたいなもの。しかし、難はある。

 

天海青年が気にするほどの一体どんな難点があったのかは知りませんが、マリ子とマチ子のきょうだいはただでもいいという家賃にひかれて世田谷・新町のその家を早速偵察に及んだのです。

 

2階からの見晴らしもよい、下だって広い、マチ子とマリ子はこの家に決めた。クモの巣に引っかかって「何だか本当に陰気なうちだな、ここは」と独り言を言う朝男。

 

朝男とともに訪れた大家宅は洋風。住んでいるのも上品そうな老婦人たち。マリ子は難点も聞いたうえで決めたと言った。

peachredrum.hateblo.jp

それこそこの映画の姉妹を思い出したよ。

 

マドカ「まあ、よかったわ、お姉さま」

ウララ「本当に。閉めきっておきますとうちが傷みますしね。いらしていただければ家賃はいらないからと天海さんにもお願いしてあったんざますけど変なうわさを立てる人もございまして」

マチ子「いえ、私どもはみんな現実主義ですのでそういううわさには一向平気です」

 

マチ子…というかおしんも現実主義だったなー…だからこそ佐賀で…。

 

朝男がマリ子とマチ子を紹介した。

ウララ「私は姉の前島ウララ。こちらが妹のマドカ。2人で暮らしておりますのよ」

マドカ「2人で暮らしておりますのよ」

 

家賃はただでもいいと言われるが、借りる以上ただと言うわけにはいかないと月5円を提案した朝男の案が採用された。朝男は手締めをしようとするが、他は女性ばかりで分からず、「シャンシャン、シャンと3つずつ3回打って1つ打って締める」と説明した。

 

前島家から出てくると、朝男の母・タマがお向かいの奥さんから聞いてびっくりしたと朝男のもとに来た。

タマ「お前、お嬢さん方をこのうちへ案内したんだって?」

マリ子「そうです。どうもありがとうございました」

タマ「ありがとうって、あなた、このうちは…」

マチ子「聞いてます。でも私たち気に入ったんです」

タマ「じゃあ首つりのこと…」

マリ子「はい、承知の上です」

 

そうです。安いはずです。首つりがあったのです。

 

マリ子「いいじゃありませんか。だって別に私たちがつらせたわけじゃないんだし」

タマ「そりゃそうだけど…朝男…」

朝男は豪快に笑い飛ばした。

 

花も嵐も踏み越えて少々の難があろうとよしとなれば直ちに実行魔となるのがこの一家の特徴です。

 

大造とウメが慌ててやってきた。大造不在でウメに「今度引っ越すようになりましたから」とだけ言ったはる。どこが気に入らないのか教えてほしいというウメに住み心地がよすぎてご迷惑をおかけするばかりで…というが納得するはずもない。

 

大造もヨウ子が女学校に行き、マチ子のところに雑誌社の人が出入りするようになったから手狭になったと気にしてはいたと言われた。

 

「まあまあ…これにはねいろいろと事情がございまして…」とほっかむりして引っ越しを手伝っていた均に大造はつかみかかる。

 

マリ子はそれを止めるために、大家が気の毒な年寄りで、お年を召したおばあさんが2人で暮らしているが何かと不自由で、私たちが隣に住むことによってお慰めできればそれが一番いいことだととっさに言った。ふだんから「お年寄りは国の宝だ」と言ってる母の願いに従うのが親孝行と言い、分かってもらえないでしょうか?と大造たちに語り掛ける。

 

ウメ「世の中にここの奥さんほど年寄り大事に考える人はいないんだもの」

顔を見合わせるヨウ子と智正。今日の三郷さんはシャツのボタンが開いててよりカッコいい。

 

と、てんやわんやの一幕があって…

 

マリ子「あ~あ、このアトリエともお別れなんだな…」

せっかく造ってもらったのにね。

 

アトリエだけでなく油絵そのものとも別れなければならない。磯野家の現状でした。

 

智正「よろしいですか?」とマリ子に声をかけ、荷造りを手伝いに来た。

智正「ああ、この部屋は大事なものばかりなんですね」

マリ子「ええ」

智正「大丈夫ですよ。気をつけてやりますから安心してください」

マリ子「新しく入ってきた人、この部屋何に使うのかしら?」

智正「う~ん、そうですね~…。でも男の子がいたら遊ぶにはもってこいだな~。頑丈に出来ているし、床は板張りだし」

マリ子「そうですね」

智正「でも今度の世田谷のお宅はもっと広いんでしょう?」

マリ子「ええ」

智正「マリ子さん、大作にとりかかるにはちょうどよいのではないですか? さて、やりますか。それともこの部屋一番最後にしますか?」

マリ子「いえ、やってしまいます。お願いします」

 

夜になり、朝男も来て、大造と均がつかみ合いになった話を聞いて笑っていた。

均「いや~、マリ子さんが人を傷つけずに見事に切り抜けられた。僕はもう感心して見てるだけでしたよ」

マチ子「当たり前でしょう? うちが貧乏になったから安いお家賃のうちへ移るなんて言ったらあのおじさんのことだもん、ただでいいからここにいろって言うに決まってるもん」

 

写真屋さんにとっては貯金ゼロの事実は全く初耳でした。

 

普通に引っ越し作業を手伝って夕飯も食べていたけど、知らなかったんだね。はるはこの辺の皆さんはいい方たちばっかりだとしみじみ言う。智正にもどうぞお寄り下さいと笑顔で言う。

 

マリ子「ヨウ子は本当に三郷さんによくしていただいたものね」

ヨウ子「ええ」

智正「あの、それで一つお願いがあるんですが。あの蓄音機ですが、あれをお譲り願えませんか?」

はる「えっ?」

智正「いえいえ、あの手の品を欲しいと人に頼まれておりましてもしご無理なお願いでなければそれなりのお値段で引き取らせていただきたいんですが」

マリ子「三郷さん…」

朝男「そうだよ。いい値段で売ってもらいなよ。そうすりゃあさ半月ぐらいの軍資金にあるじゃねえか。ええ? マリちゃん!」

はる「いいえ、うちでさんざん使ったものですからそんなに必要という方が…」

といつもの感じの言葉をマリ子が阻止。

マリ子「いいえ! お願いします。どうぞお願いします」

智正「はい承知しました。できるだけの値段で買ってもらえるよう僕も一生懸命頑張ります!」

朝男「ハハハハハッ、よかった、よかった!」

 

もー、智正様の優しさに感動。あの大家の姉妹も気になる。