公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
岡山から戻ってきた光代(星由里子)は、淳之介(鎌田佳祐)の小学校の近くにあるバイオリン教室に突然通い始める。バイオリンより三味線がいい、と言っていた光代の心変わりを不審に思うあぐり。民子(笹峰愛)は燐太郎(野村宏伸)に会うので一緒に行ってほしい、とあぐり(田中美里)を訪ねるが、あぐりは新しい髪形の勉強会があるため断り、民子は一人で行く。心配になったあぐりは世津子(草笛光子)の店に民子を捜しに…。
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5月になって岡山から姑の光代が上京してきました。
光代は、健太郎から淳之介へ飛行機の模型、あぐりにはしおの漬物をお土産に持って来た。しおは里の父親が臥せっていたが亡くなって戻って来た。そうか、やっぱりしおさんはまだいるんだ。
光代は美佐のお見舞いに行ってくれて、美佐に預かったメンデルスゾーンのレコードも持って来た。光代はバイオリンより三味線が好き。美佐はガンの進行が遅れていて、今は心配ない。
淳之介が「ばぁば!」と光代の前に来ると喜んで「淳之介、これからはばぁばがずっと一緒ですよ」と東京で暮らす宣言。あぐりが「お義母様がいなくて岡山の方は大丈夫なんですか?」という問いに「私なんかいなくてもみんなうまくやりよるわ」と吐き捨てた。
「私なんかいなくても」ってどういう意味?…あぐりは不思議に思うが、店の辰子は岡山で何かあったと勘ぐり、沢子はあれしろこれしろとうるさい光代が苦手!? 口紅しながら話をするとめに「ちょっと! 磨くの顔じゃないでしょ。鏡でしょ! 床でしょ! ガラスでしょ! 腕でしょ!」怒ってもどこかユーモラスな辰子さん。
数日後
光代がバイオリンを買ってきた。淳之介の学校の近くにバイオリンのお教室があったという話に、淳之介のためのバイオリンだと思ったあぐりだったが、バイオリンを習うのは光代だった。店内にも響く光代のバイオリン。店では蓄音機をかけてごまかした。
そこに民子が訪ねてきた。今晩カフェ・セ・ラ・ヴィで燐太郎の本にサインをしてもらう約束をしていて、あぐりに一緒に行ってくれるよう頼んできた。しかし、あぐりは新しい髪型の勉強会があって断った。
今日は駄目ね、と笑顔で帰った民子だったが…。辰子たちは何かありそうとキャーキャー騒ぐ。あぐりは美顔マッサージをしながら、民子の先日の発言を思い出してぼんやり。
カフェ・セ・ラ・ヴィでは川原が小林が警察に検挙されたと駆け込んできた。川原甚八のモデルが小林多喜二かと思ったけど違うのね。文士が何人か検挙され、警察に雑誌も没収されていた。雑誌の中に川原の小説が掲載されていて、「婦人現代」も気を付けた方がいいという川原。
1930年5月23日 大阪で日本共産党へ資金援助の嫌疑で逮捕…とあるのが、今回のことかな?
世津子は「何も悪い事していないわ。逃げも隠れもしたくないの。お店はいつものように開けましょう」と堂々としたもの。
この年、小林多喜二や数名のプロレタリア文学の文士たちが官憲に検挙されるという事件が起き、次第に軍国主義、言論弾圧の時代へと傾き始めていたのでした。
あぐりは弟子たちとマネキンの女性の頭を使ってウェーブの練習。とめは店をのぞいてる人がいると言った。軍人だというので、あぐりが外に出ると民子の夫である五十嵐が外に立っていた。民子はあぐりの家に行くと書き置きをして出かけていったという。行き先の心当たりもないと答えると五十嵐は去っていった。
その後、あぐりは一人でカフェ・セ・ラ・ヴィへ。エイスケに「やあ。僕に何か用?」と声をかけられるが「用なんかありません」。光代が来ていることを伝え、燐太郎と話している民子のところに行こうとするが「おっと…人の恋路は邪魔しないこと。野暮なことはやめなさいって」とエイスケに止められた。
あぐり「何言ってるの。民ちゃん人妻なのよ」
エイスケ「人妻だって男を愛する事はあるさ」
あぐり「悪いけど今エイスケさんのへ理屈につき合ってる暇ないの!」
セリフはないけど、エイスケの「お~怖」みたいな表情がいい。あぐりは民子に声をかけ、民子の夫が訪ねてきたことを言った。燐太郎「どういうこと?」
「警察だ。『婦人現代』の編集長に会いたい」と警察官が踏み込んできた。刑事の一人が「来月の原稿を渡して欲しい」というと、燐太郎が「待てよ! 国家権力が何の権利があって言論を弾圧するんだ!?」と会話に入ってきた。邪魔すると逮捕するぞと言われても「やれるもんならやってみろよ!」と燐太郎さん強い。エイスケさんは止める方。
刑事の一人が「五十嵐さんの奥さんじゃありませんか!」と声をかけてきた。とっさにあぐりに身を隠す民子。あぐりは「人違いです」と否定した。民子はへなへなと座り込む。
民ちゃん…民ちゃんみたいな人の方が話が動かしやすいんだろうとは思う、思うけど、他にやりようなかったのかな?と思うほど、民子があぐりの親友という設定がどうもなー。