徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】ザ・商社 全4話

1980/12/5~12/13 NHK

 

あらすじ

(1)「愛する時と死する時

初回放送日: 1980年12月5日

ニューヨークにある江坂アメリカの社長・上杉二郎(山﨑努)は日系二世でらつ腕の商社マン。江坂産業の弱点である石油取引で、ビッグビジネスに打って出ようとする。一方、人事を一手に握る社主の江坂要造(片岡仁左衛門)は上杉を嫌っていた。日本有数の美術コレクターで、若き芸術家のパトロンでもある江坂は、新しい愛人でピアニストの松山真紀(夏目雅子)をニューヨークへ留学させ、上杉の様子を探る。一方上杉は…。

(2)「江坂ファミリー」

初回放送日: 1980年12月6日

江坂アメリカ社長の上杉二郎(山﨑努)のもくろみは、敏腕ブローカーのアルバート・サッシン(ケン・フランケル)と手を握り石油ビジネスを成功させることだった。 しかし、江坂産業社主の江坂要造(片岡仁左衛門)は、側近たちと上杉の追放を狙っていた。サッシン側との交渉で、江坂産業社長・河合(山内明)を説得し、ギリギリの勝負に出る上杉。その頃ピアニストの松山真紀(夏目雅子)は演奏会で酷評され、失意のどん底に…。

(3)「セント・ジョーンズの神話」

初回放送日: 1980年12月12日

失意の松山真紀(夏目雅子)に上杉二郎(山﨑努)が優しさを見せ、真紀は挫折から立ち直る。上杉はサッシン(ケン・フランケル)との代理店契約で、契約書を二通作るという窮余の策で4200万ドルの無担保融資を決断。しかし、国営のはずのカナダの精油所は、いつのまにかサッシン個人のものになっていた。融資は不安定化。上杉は精油所のあるカナダのセント・ジョーンズに飛び、コンサートで返り咲いた松山真紀がその後を追う。

(4)「日本の中の異邦人」

初回放送日: 1980年12月13日

石油ショックと精製装置の不調で、NRCのプロジェクトは失敗。多額の貸し付けを回収できず、常務会で責任を追及された上杉(山﨑努)は、第三抵当権を取れば挽回できると豪語し、ロンドンのNRC債権者会議に飛ぶ。上杉の奮闘むなしく、イギリス銀行団は抵当権設定の拒否を宣告し、ついに江坂産業は崩壊。江坂要造(片岡仁左衛門)から自由になった真紀(夏目雅子)は上杉に、ニューヨークで出直そう、と声をかけるが…。

www2.nhk.or.jp

1968年6月 ニューヨーク・サードアベニュー

江坂産業の海外支店、江坂アメリカの社長・上杉二郎を追う矢代。上杉の親友の矢代は日本人観光客相手にたかり歩いていて、上杉にも金を貸してほしいと言ってくる。

 

松本清張ってのは成り上がりの気の強い女性が好きなのかね~。いや、ジジイが若い女性を見いだすのが好きなのか!? ま、最終的にその女性がジジイを裏切り、女性がひどい目に遭うまでがセット。松山真紀は夏目雅子さん。演技を見るのは初めてかもしれない。江坂要造に見いだされ、安アパートの荒れた生活からニューヨークへ。

 

上杉はハワイ生まれの日系2世。江坂アメリカの社長だが、江坂ファミリーではない。真紀は江坂要造と体の関係を持ち(?)ニューヨークで上杉と知り合う。要造の世話をするのは芸者上がりのムラ(中村玉緒さん)。中村玉緒さんて好きな顔なんだよな~。

 

上杉のもとを矢代かおる(水沢アキさん)という若い女性を訪ねてきた。矢代の娘だというかおるは、父と暮らすためにアメリカに来たという。モテモテ上杉だけど、妻子いるのか! しかし、矢代は遺体となって発見された。ここまで1話。

 

2話。ヨットでクルーズ中の要造と真紀。要造の娘婿の明太郎は西田健さん。要造に手を出される真紀。おえ~っ。それを知って荒れるムラ。ムラは酒を飲んでコップを手で割り、血だらけ。それを介抱したのが木村準一(森本レオさん)。ムラに誘惑されるが乗らなかった。

 

石油ジャーナルの記者であり、真紀と同棲してたのが関根修司(勝野洋さん)。編集長の三好は永井智雄さん。

 

日本に帰って来た真紀は関根と再会。関根は上杉にスパイとして近付くように言う。

 

浜島社長が追われ、新社長の河合は山内明さん。「はね駒」の頃よりぽっちゃりに感じるな。上杉が慕う大橋とは不仲で有名。

 

しかし、上杉とサッシンとの事業を河合社長が後押しする。

 

河合社長と会い、家族とは会わないと言っていた上杉だったが、新大阪駅で娘と偶然すれ違う。上杉は気付かずそのまま走っていった。妻の節子は加藤治子さん。娘が幼稚園の頃に出て行ってそれ以来顔も見せない。離婚はしてないっぽいが、仕送りとかもなしなのかな!?

 

1973年7月20日 アムステルダムでハイジャック。アラブゲリラ、ドバイに向かう。

 

サッシンは条件を飲まなければ江坂アメリカとの代理店契約を破棄すると言いだす。

 

3話。スランプの真紀からニューヨークを離れてヨーロッパに行くというハガキをもらった上杉。江坂産業大阪本社では河合社長が常務会でNRC(ニューファンドランド・リファイリング・カンパニー)の総代理店になることを説明していた。要造は上杉を日本に戻すよう言う。後任は安田茂(佐藤慶さん)。しかし、アメリカにいたい上杉、そして、河合社長もまだアメリカにいてほしいと思っている。

 

そうだ、佐藤慶さんは、「天城越え」で無学な男、こっちではインテリ。いや~、いい声。

peachredrum.hateblo.jp

日本では石油不足がうわさされ、トイレットペーパーを買いあさる人が増え始める。

 

ビジネスのあれこれはあんまり分かってない(^-^; 日本に戻った上杉は東京でホテル暮らし。妻子を呼ぶつもりはない。単身赴任の制度を作ったのは大橋。突然、娘の絵里加が訪ねてきた。いつも洗濯物を送ってきて、洗濯物を送り返す。東京の大学に入ろうと思っているという絵里加は母も呼んで東京で暮らせたらと言うが、上杉にその気はない。

 

上杉のいるカナダのセント・ジョーンズへ飛んだ真紀。そこには真紀の元恋人・関根もいた。NRCの雲行きが怪しいことは石油ジャーナルの記者である関根も知っていた。記事を差し止める代わりに上杉に金を要求する。

 

真紀は激情型の性格のせいかよく叫ぶのでちょっとウルサイ。「抱いて」と来たもんだ。NHKでトップレス…。

 

4話。日本に戻って来た上杉は関根に口止め料500万のうち、前金の50万を払った。石油ジャーナル社に戻って50万を編集長に渡す。4等分してボーナスになった。

 

NRCは官営の会社ではなく、サッシンの会社になったことを河合社長に告げた上杉。河合は大変なショックを受ける。

 

要造の援助を断った真紀。真紀は上杉にメロメロ。

 

常務会ではNRCは官営の会社だと言い切る上杉。河合は汗だく。安田はどこかおかしいと勘づいてる感じかな~。

 

ニューヨークで偶然出会ったかおると真紀。真紀は新しく暮らし始めたアパートにかおるを招待する。上杉用の書斎まで用意してあり、かおるはショックを受ける。やっぱりこの時代の女性の言葉遣いきれいで好きだな~。上品。でも、この時代、初期金八の女子生徒たちはもうあの独特のしゃべり方なんだよな~。

 

住倉銀行頭取の八田は佐分利信さん。「阿修羅のごとく」の大体同じ時期か。いよいよやべえ感じになってる!? 江坂産業のメインバンクである住倉銀行が江坂の負債をかぶることになるかもということで、河合社長と密談。八田はあくまで江坂アメリカの単独行動で知らなかったで通してほしいと河合に言う。

 

関根は上杉から金が送られてこないことから、いよいよ雑誌に記事を出すことにした。たかり屋と言われるのも気が滅入る。毎朝新聞社で嗅ぎまわっていることを知った関根は大学の友人である松村(塩見三省さん)に自分が書いた記事を託す。

 

八田は河合社長は混乱していて話にならない状態になっていて、江坂要造と話し合いの場を持った。日本経済に混乱を巻き起こすので絶対に江坂産業を潰せないという。銀行に任せてほしいと言われ、同意するしかない。深く頭を下げる要造。しかし、頭を上げた要造は薄ら笑いを浮かべていた。

 

大橋会長が責めると、会社が潰れようとどうでもいいと言い切る要造は部屋を出て行った。侯爵にかわいがられていた要造の美しい母は江坂産業を興した先代と結婚したが、結婚後も侯爵があれこれ世話を焼いたせいで、要造は先代の息子ではないという噂があった。会社を潰したのは先代への復讐ではないかとムラに話す大橋会長。

 

上杉の独断ということで会社を辞めさせられるだろうと真紀に話す。真紀は、あなただけを愛していると言うが、上杉はホテルでレイラという女性を待たせていると話す。上杉をビンタする真紀。ピアノを弾けよと言い残し、去っていった。部屋にいた”レイラ”はキジトラの猫だった。子猫でもないのに、首の後ろを持つんじゃないよ!

 

1976年夏

江坂産業、首脳陣退陣のニュースが出る。江坂産業は宇美幸商事と業務提携される。

 

江坂要造邸では大きな荷物が運び出され、木村が部屋の片づけをした。骨董品のコレクションは本社の収蔵庫へ。要造は青山に小さな家を借りたので、そこにムラも行くという。そこで結婚してくださいと告白する木村。ええ!! しかし、ムラは要造が生きがいだと言って、木村の告白を断った。

 

木村の妹・朋子と付き合っていた島村(大和田獏さん)は朋子とともに江坂産業を退職するという。そして結婚するという。

 

江坂アメリカにいた人々もそれぞれの道へ。かおるはニューヨークに残る。

 

新大阪駅。妻子が上杉を見送る。しばらく一緒に住んでたのかな。ホームには記者が群がったので節子や絵里加が上杉をかばう。

 

1977年 初夏

記者たちは上杉をバカにして笑う。それを怒ったのは関根。上杉はこの1年消息なし。何をしてるんだろうと松村は言う。

 

ピアノを弾き続けている真紀。

 

カンバイチャンスの製油所前に立つ上杉。従業員に「君は日本人か?」と問われた上杉は「NO!」と答えた。

 

当時の山崎努さんは44歳か~。すごい貫禄だ。ギラギラしてる~。

peachredrum.hateblo.jp

けものみち」は、その2年後。

 

CMなしの60分以上×4話。1話は本当に難しく、真紀の叫び声もギャンギャンうるさく、見るのやめようかと思ったけど、やっぱり脚本や役者に魅力があって見続けてしまった。難しかったけどね。

 

山田太一さん脚本、笠智衆さん主演三部作とか地上波でやってほしい。「阿修羅のごとく」もいいよ!