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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(72)「おかあちゃん」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

町子(藤山直美)は、健次郎(國村隼)の亡き前妻、澄子の手料理の漬け物を子どもたちに食べさせようと、澄子が作ったぬか床を探しに、たこ芳のりん(イーデス・ハンソン)を訪ねる。りんが澄子に漬け物を教わっていた話を町子は聞き知ったのだ。しかし、澄子から分けてもらったぬか床は、今はもうなかった。一方、健次郎とイシ(岩本多代)は、ツネ(石井トミコ)が落としていた薬のことで、ツネの体のことを問いただすが…。

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昨日の振り返り

たこ芳 町子「開店前にすいません!」

りん「あら、どないしはりました?」

町子「つかぬことお伺いいたしますけども、ぬか床持ってはりますか?」

りん「え?」

町子「亡くなはった澄子さんのね、ぬか床探してるんです。はあ…こちらやったらあるんやないかなと思いましてね」

りん「ああ、確かにそうですわ。澄子さん、ぬか床くれはって漬け方も全部教えてくれはりました」

町子「そしたら…!」

りん「う~んと…去年の夏に…あ…カビさしてしもた」

町子「え…」

純子「あ~!」

町子「また去年の夏や~!」

純子「もう、去年の夏が目の前にいたらひっぱたいてやりたいです!」

りん「何でそんなもん探してはんの?」

町子「母親の手料理をね、食べさしてやりたいなと思いましてね、子供たちに。いや、それがね、手料理と言えるかどうか分からへんのんですけどもね」

振り返りここまで。途中、純子のセリフなどカットしてる部分アリ。

 

りん「母の味ね…。なるほどね」

町子「万策尽き果てました…」

りん「いや…そうでもあれしませんで」

町子「え?」

 

アムール前

和田「ほんまにこんなんで役に立つの?」ビニール袋に入った大根の漬物を渡す。

町子「うわ~。どうもありがとうございます!」

和田「おりんさんとこのお漬物あんまりおいしいんで頼んでぬか床分けてもろたんよ」

町子「けど、よう大事に使ててくれはりました!」

 

和田「私な、一旦、手にしたもんガッチリ離さへん主義。がめつさもたまには人の役に立つもんやね」

純子「ほんと、がめつさもね…」

町子「ちょっと!」

ちょっとにらむ和田。

町子「本当に…」

町子・純子「ありがとうございました!」

 

台所

大根の漬物を切る町子。

 

健次郎「おい! まだか?」

 

町子「あ…は~い!」

 

茶の間

町子「よいしょ。はい、お待ち遠さんでした!」

由利子「ぬか漬け?」

町子「漬けた人は違うんやけどね、そのぬか床はお母さんが大事に作らはったもんなん」

イシ「お母ちゃんの味やで」

清志「お母ちゃんの?」

 

健次郎「さあ、見てんと食べよか」

一同「いただきます!」

 

町子「どうぞどうぞ。どうぞどうぞ」

ツネ「ありがとうございます。はい。いただきます」

健次郎「うん。懐かしいな。こんな味やったわ」

町子「えっ、ちゃんと覚えてたの?」

健次郎「うん」

 

喜八郎「みんな、どないじゃ?」

登「おいしい!」

隆「大根の味やわ」

一同の笑い声

 

由利子が漬物を口に運ぶ。

イシ「由利子、どや?」

由利子「お母ちゃんの味…する!」

町子「そら、よかった~!」

ツネ「よかったわあ…」

 

茶の間前の廊下で晴子が会話を聞いている。

健次郎「しかし、意外なとこに残ってたもんやな」

町子「まさかね、アムールにあるとは思わへんかったね。ママさんにちゃんとお礼せなあきません」

健次郎「そやな」

イシ「町子さん」

町子「はい」

 

イシ「ありがとうね」

町子「いいえ」

由利子「ありがとう、おばちゃん!」

町子「ううん」

 

清志「コラ! お前、全部食べたらあかんで!」

隆「え~!」

由利子「そやで、晴子叔母ちゃんの分も残しといたげんと」

健次郎「ほかにもいっぱい食べるもんあるやろ」

町子「お芋さんも食べなさい、隆君」

 

晴子「ただいま」

町子「お帰りなさ~い!」

隆「帰ってきた!」

 

由利子「これこれ、何やと思う?」

晴子「う~ん、何?」

清志「お母ちゃんのお漬物!」

晴子「へえ~」

直接手で口に運ぶ晴子。「おいしい!」

 

隆「晴子叔母ちゃん、手、洗てきた?」

晴子「大丈夫、大丈夫!」またつまんで食べる。

隆「あっ、それ、僕の!」

清志「お前、食べ過ぎ!」

健次郎「隆、こっちにもたくさんあるから心配すんな」

 

夕食後、茶の間

家計簿を見ているツネ。

イシ「あ~、おおきに。これ見て、よう気ぃ付きはったね、町子さん」

町子「いや、うちの家もね、祖母や母がず~っと漬けてたもんですから」

 

柱時計の時報

喜八郎「あっ、もうこんな時間じゃ。よいしょ…。ほんじゃ、ツネ、ワシ、先寝るさかいな」

ツネ「おやすみなさい」

町子「おやすみなさい」

喜八郎「おやすみ」

 

ツネ「あのね、イッちゃん」

イシ「はい?」

ツネ「私ね、明日、帰りますわ」

イシ「急にどないしたん? ねえ、あんたまさか、どっか体の具合…」

ツネ「え? 何で?」

 

イシ「あ…『何で』て…」

健次郎「あのな、おばちゃん、薬をな見つけてしもたんや、廊下で」

イシ「ねえ、どっか具合悪いねやったら診てもらい。なっ」

ツネ「ハハハハハハ…。やっぱりお医者さんじゃね、見られてしまったか~」

イシ「ツネちゃん…」

 

ツネ「『胃の中に何かできてるかも』と言われているの」

イシ「え?」

ツネ「今、検査してもらっとるんだけども、結果聞くのが怖くって逃げ出してきたんよ、私」

イシ「『逃げてきた』て…」

 

ツネ「悪いもんだったら手術だって…。どうせ死ぬんだったらパ~ッと行きたい所へ旅行して会いたい人には元気なうちにみんな会って、そんでパ~ッと明るく楽しんで死ねればいい…」

イシ「アホなこと言いなさんな!」

ツネ「アホだわね…。ほんと、アホだわ。でも怖かったんよ~」

 

健次郎「子供さんら心配してんの違うかな?」

ツネ「誰にも言うとらんの。でもね、そんな勝手なことしたら駄目だと思ったわけ。最後まで自分のことを何て言うのかな…うん…。せんば…しなければいけないことはせんば! うん!」

町子「『しなければいけないこと』?」

 

ツネ「まあ、終わるなら終わるでちゃんと整理ばして、で、伝えることはちゃんと伝えて…。そうせんばこの年まで生きてきた値打ちがないもんね。うん」家計簿をポンと叩く。「こん人に教えてもらったわけよ」

イシ「ツネちゃん…」

ツネ「うん…。うん」

 

家計簿のアップ

町子「『人間、死んだらおしまいや』てなことやっぱりあらへんねんね」

健次郎「うん。ほんまやな」

いつの間にか2人になってる。

町子「神様にね『返せ』と言われて、命返したとしても、利子はちゃんと置いていけるんやね、こっちの世界に」

健次郎「利子か…。うまいこと言うな」

 

町子「ねえ」

健次郎「うん?」

町子「ツネさん大丈夫かな?」

健次郎「そればっかりは、また神さんの気まぐれに任せなしょうがないからな」

 

翌朝

玄関前

イシ「お願いだから帰ったらちゃんと病院へ行かんばや」

ツネ「うん! イッちゃんも元気でね」

イシ「ツネちゃん…」

ツネ「うん」

 

健次郎「おばちゃん、ほんまに送っていかんで大丈夫か?」

ツネ「大丈夫、大丈夫! では皆さん、おさわがせいたしました! じゃあ!」

イシ「気ぃ付けらんば! あっ、あっ、ツネちゃん右、右!」

 

ツネは奄美大島に帰っていきました。

 

この日、町子は子供の頃から親しんだ家庭料理を作ることにしました。

 

台所

町子と純子がいる。

由利子「ただいま」

町子「あ~、お帰りなさい!」

純子「お帰りなさい!」

 

由利子「何作ってんの?」

町子「なんばさつま。サツマイモてね、普通焼いたりふかしたりして、おやつにして食べるでしょ? 大阪は昔からね、ちゃんとお料理にしてちゃんとおかずにして食べんのんよ」

由利子「へえ~」

純子「徳永家にはなかったんですね」

 

町子「お母さん、鹿児島ですからね。あのね、なんばさつまてね、お芋さんをこれぐらいに切って10分弱、お水に浸すの。で、あくをね取るのよ、こうやって。あく抜きしてね。ちょっとすいません。これ、お願いします。で、こうやってお鍋に入れます。はい、お鍋に入れて…。矢木沢さん、ごめんなさいね。ほんで、お水をこうやって浸すの。こうやってお水を浸します。で、だし汁というのはね、頭とはらわたを取ったね、煮干しを使います。いい? これ煮干しね。こうやって入れます。それからこうやって炊いたお芋さんがやわらかくなってきたところで…これ入れるね。はい。薄口のおしょうゆとお砂糖とそれからお酒を入れるの。で、一番大事なんがこれ。くちなしの実」

 

鹿児島だからこそサツマイモの料理はありそうな気もする(イメージ)。岩本多代さんは「マー姉ちゃん」では鹿児島に行って言葉が分からないと戸惑う東京の奥様役だったけど、「芋たこなんきん」では鹿児島出身の役ってのが面白い。

 

このシーンは画像がないと分かりにくいか~。でも、作業しながらセリフもしゃべって…サラッとやってるけど結構大変そう。当時はホームページで詳しいレシピも紹介されてたんだろうと思います。先週の料理番組風でも面白かったのにな。

 

由利子「何でくちなしの実なん?」

町子「これ入れといたらね、黄色をものすごくきれいに出してくれるの。栗きんとんにもちゃんと使うのよ」

由利子「へえ~!」

町子「はい、火つけてください」

純子「は~い」

 

町子「で、これでいいですか? 炊けるのをちょっと待ちます。はい、火つけてください。で、待ってる間にこのおネギをね、4センチずつ切るの、こうやって。ちょっと待ってね。4センチずつにこうやって。あっ、やってみようやってみよう。お料理勉強やってみよう。ちょっと待って。これで手拭いて」

由利子「あ…」

町子「ちゃんと手拭いて」由利子の髪を後ろに流して押さえる。「そう。はい、手拭いて。はい、これ切ってみよう。はい、4センチずつに切って。そうそうそう。あ~っ! 3センチと2センチになってますよ。はい、4センチずつです。はい、どうぞ。はい、4センチ…。はい、4センチ。そうそうそう。上手にできるやん。はい、4センチ。はい、そうそうそう」

後ろで見ている純子さんが楽しそう。

 

茶の間

テーブルに置かれたなんばさつまのアップ。

町子「お待ち遠さんでした!」

登「これ、何?」

由利子「サツマイモ」

清志「え? 芋か?」

 

町子「おばちゃんがね、子供ん時から大好きやったおかずやの」

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登「甘いのん?」

イシ「ちゃんと食べて自分で確かめなさい」

一同「いただきます!」

 

子供たち「おいしい!」

町子「本当? よかった」

由利子「おいしい!」

イシ「うん、おいしい! ほくほくしてる!」

町子「あ…どうも。健次郎さん」

健次郎「うん?」

 

席を立ち、台所に行った喜八郎。

町子「お父さん、お口に合わへんのかな?」

健次郎「さあな。まあどっちにしても芋、たこ、なんきんは女のもんやからな」

清志「何? それ」

 

町子「あ~、大阪でね、昔から言われてんの。『女の好むものは芋、たこ、なんきん』て」

登「芋、たこ、なんき~ん!」

隆「『なんきん』て何?」

町子「カボチャのことよ」

 

喜八郎「ワシも芋は大好き」

健次郎「あっ!」

喜八郎「いや、芋食べる時はな、芋の焼酎が一番合うんじゃ。そら、なんばさつまとはな、そらもう最高の組み合わせやで!」

台所から芋焼酎の瓶とコップを手にした喜八郎が戻ってきた。

 

イシ「結局、何でも飲むんやないの。なあ」

町子「そうですよねえ!」

喜八郎「そういうこっちゃ! ハハハ…! あ~、おおきに、おおきに!」

さりげな~くお酌してくれる健次郎さん。

 

町子「おじいちゃん面白いね。ねえ、ちょっとみんな聞いて。このおネギ…。これ、由利子ちゃん切ったんよ。これ、由利子ちゃん。これ、由利子ちゃん切ったんよ、これ」

 

その数日後です。

 

徳永醫院受付

イシ「はい、徳永医院です。はい。あっ、ツネちゃん! 結果が…」

 

家の廊下を歩いてくる健次郎。

仕事部屋

健次郎「ちょっと!」

町子「あ…はい」

健次郎「あのな…。今、奄美のツネさんから電話あってな…」

町子「ああ」

 

健次郎「検査の結果、がんやなかったて」

町子「はあ~…」

健次郎「『皆さんによろしく』て」

町子「よかった~。お母さん喜んではるでしょ?」

健次郎「うん。ほな」

 

町子「あ、そっか」また原稿を書き始める。

 

戻ってくる健次郎。「あかんで!」

町子「え!?」

健次郎「あんたまで先逝ってしもたらあかんで。あまりむちゃしなや」

キャーッ! 健次郎さんたら。照れ笑いを浮かべる町子。

 

間もなく年の暮れが近づこうとしています。

 

来週は「年越し しんしんと…」

・茶の間

子供たちと喜八郎はとんがり帽子をかぶって歌う。

♪「明るい光の花になるよ」

 

・上半身裸の昭一

 

・茶の間でジャンケンしている町子と昭一

 

・商店街のあか電話で話している昭一

 

ミニ予告は寝ているサンタクロース!?

 

来週は年末年始週で、木曜日までが年末、金、土曜日回が年始。だけど、本放送は木曜日まで年末、年始は木曜日からなので、土曜日に2回分やるみたい。やった!

 

りんさんのところに澄子さんのキンピラゴボウのレシピがあって由利子と一緒に作るんだと思っていたのでいい意味で予想を裏切られました。