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ドラマの感想など

【ネタバレ】けものみち 全3回

1982年1月9日~23日 NHK 

www2.nhk.or.jp

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あらすじ

【1】料亭・芳扇閣の仲居・成沢民子(名取裕子)は、半身不随になった元暴力団の夫・寛次(石橋蓮司)との生活に疲れ果てていた。民子は料亭の客でホテル支配人・小滝(山﨑努)と親密になり、彼の指図で自宅に放火し夫を殺害する。この事件を不審に思った久恒刑事(伊東四朗)は、聞き込みに奔走。民子は小滝に言われるままに久恒の追及を逃れ、政財界の黒幕として君臨する鬼頭浩太(西村晃)の世話係として、屋敷に住み込み始める。

【2】民子(名取裕子)は、政財界の黒幕・鬼頭(西村晃)の愛人として暮らし始める。鬼頭邸には執事の米子(加賀まりこ)や怪しげな男が住んでいた。民子は鬼頭に気に入られ、ただ従うだけでなく、妖しい魅力を放つしたたかな女に成長していく。久恒刑事(伊東四朗)の執ような捜査が続く一方、民子は小滝(山崎努)と逢瀬(おうせ)を重ね、彼への愛に目覚めていく。そんな中、小滝が支配人のホテルを中心に、相次いで殺人事件が起こる。

【3】民子(名取裕子)が住む鬼頭邸を内偵していた久恒刑事(伊東四朗)が突如警察を解雇される。激怒した久恒は調べた情報を新聞社に持ち込むが…。一方、民子は小滝(山崎努)と満足に会えず思いを募らせるが、鬼頭(西村晃)は外出を許可しない。ある日、鬼頭が食中毒で倒れる。誰かが毒を盛ったことは疑いなく、食事を用意した女執事の米子(加賀まりこ)に嫌疑がかかる。そのころ、民子の身にも危険が迫っていた…。

 

BSやCSの番組が録画できるようになって松本清張作品もいくつか録画して、エロいシーンが多くて、あまり好みじゃなかったけど、この作品はキャストの中に“高森和子”を見つけてみることにしました。

 

けものみち」は米倉涼子版を見た記憶あり。でもあらすじやキャストを確認すると忘れてることが多かったな。

 

昭和35年夏。ホステス?してた成沢民子の元に夫の寛次がお金をせびりにくるが、言い合いしているうちに寛次は背後からやってきた男に刺され、倒れた。

 

その後、民子は寝たきりの夫に人を雇って世話をしてもらいながら、住み込みの仲居をしていた。この料亭の女将が高森和子さん。わぁー標準語! そこがまず新鮮。美人で上品な女将さん。

 

客としてやってきた小滝と関係を持ち、彼に指示されるまま、自宅に火をつけた。小滝はその日も料亭にいた。

 

翌朝、火事の知らせを受けて家に向かうと全焼して寛次は亡くなっていた。民子の元に来た刑事が伊東四朗さん演じる久恒。ここにも「おしん」ファミリー。このときの演技が「おしん」につながったらしいです。高森さんもかな?

 

久恒刑事ともう1人の警官とで民子から話を聞くが、寛次の世話をしていたおせきさんという女性を頭の遅れた女だからと警官が言っていたのにムカついたなぁ。寝たきりの人を通いで世話してた人をそんな風に言うなんて。

 

しかし、布団に寝たきりの人を通いで世話して、夜のトイレとかどうするんだろう?なんてことが気になったりして。

 

民子は料亭に戻り、女将から小滝のホテルに行けと言われ、小滝が支配人をしているホテル・ニューロイヤルへ向かう。そこに久恒刑事が小滝に火事の日の民子のアリバイを聞きにきた。隣の部屋で話を聞く民子。

 

久恒が去り、弁護士の秦野という男を紹介され、その男と一緒にある屋敷に向かう。その屋敷の女執事の役名が山倉米子。微妙に米倉涼子さんを連想させる。演じるのは加賀まりこさん。

 

民子は米子から旦那様に会う前に風呂に入って欲しいと言われた。着物に着替え、その家の主人の鬼頭洪太と対面した。布団に寝たきりの老人で差し出した手を執拗に触られた。

 

脳軟化症で1年ほど寝たきりで、旦那様の相手をすれば一生困らないくらいのものがもらえる…小滝に惚れた弱みで、道具になりきって鬼頭の相手をする。オエ…NHKのわりにきわどいシーンが多いのね。

 

エンドロールが終わって、松本清張さんが山崎努さんと名取裕子さんに挟まれてしゃべってるぅー! 作品解説など。鬼頭邸は松本清張宅だそうで。すごいな。名取裕子さんは女優なら誰でもやりたい役だと言ってました。山崎努さんは以前も清張作品「ザ・商社」に出たということから英語で苦労した話など。ここまでが1話。 

鬼頭との面談から民子は富山の伏木出身の26歳と分かりました。

 

2話。昭和37年4月。久恒刑事が再び女将にアリバイを聞きに来た。しかし、みんな“ママ”と呼ぶのが違和感。料亭ならイメージは女将さん。

 

作造VSお清(「おしん」では実現しなかった対決!)

 

高級売春婦を斡旋していることも知ってるから風営法違反で調べることもできるけど~と脅すが、警察のお偉方もお客様にいるから、名誉毀損で訴えると笑い飛ばした。この勝負、お清の勝ち! 高森和子さんの演技がもっと見たいなぁ。

 

警察に戻った久恒は上司からも勝手なことをするなと咎められた。

 

高速路面公団の理事・岡橋が鬼頭や弁護士の秦野と面会し、そこに民子も同席していた。その後、岡橋は妻に遺書を残して投身自殺していたのが見つかる。

 

鬼頭から外出許可を得た民子は小滝に会いに行く。そこに偶然訪ねてきた秦野によると、民子の前に鬼頭の世話係の女は米子で世田谷に500坪の土地をもらった。その前の女は料亭を…芳扇閣の女将も?!

 

小滝のホテルから出て行こうとする民子が捜査に来ていた久恒刑事に見つかる。強引にタクシーに相乗りし、民子とすし屋に入る。ビールを飲んで民子に手を出そうとするが、民子に断られる。小滝のことを調べていた久恒は、小滝はホテルの社長の娘と近々結婚すると民子に教えた。

 

えー、小滝って結構民子より年上に見えるけど、今結婚?と調べたら、名取裕子さんと山崎努さんは実年齢20くらい離れてました。だよねぇ。

 

民子に鬼頭の家にいると告げられ、久恒が本当に訪ねて行ったせいで、米子や鬼頭の用心棒・黒谷に責められるが負けない民子。気ぃ強いな!

 

小滝と民子が芳扇閣で会っている時、小滝のホテルで28歳の宝石デザイナーの檜原映子が殺された。映子が宝石デザイナーではなく元祇園の芸者で高速路面公団の代表番号に電話を2度かけていたことを調べた久恒だが、高速路面公団の名前を聞いた途端、上司の顔は曇った。

 

捜査一課長役の勝部演之さんは、刑事などよく見る俳優さん。

peachredrum.hateblo.jp

このドラマでも検事だし、 堅い職業を演じてることが多いイメージ。

 

この事件があってすぐ高速路面公団の総裁・香川が健康上の理由で総裁を辞めた。檜原映子は香川の愛人だとピンときた久恒は民子に鬼頭の内部を探るように言うが、小滝や秦野の手により、諭旨免職されてしまった。解職の理由は民子をすし屋の2階に連れ込んでの婦女暴行未遂だった。他にも捜査のために見逃してきた小さな犯罪など。辞めさせられたのは民子のせいだと思う久恒。ここまでが2話。

 

昭和37年10月。民子が外出許可を願い出るが、警察を辞めせられた久恒がうろつき回っているからしばらく外に出るなと言う。

 

久恒は芳扇閣の女将や小滝に民子をだせ!とかなりイラついているが、もう刑事でないことを知っている2人ははぐらかすばかり。

 

中央新聞に鬼頭や民子のことを書いた書類を持ち込んだ久恒にデスク(塩見三省さん!)は乗り気だったが、秦野弁護士が社長とつながりがあって記事は出せないことになった。

 

久恒が他の新聞社に乗り込もうと編集部を出てエレベーターに乗ると一緒に乗り込んできた作業員姿の男2人に殺された。海から遺体が上がったため、久恒の妻は警察を辞めせられたことに絶望した自殺だと思った。この死体がグロテスク!

 

外出できない苛立ちを抱えた民子は小滝の働くニューロイヤルに電話すると、1週間前に支配人は辞めたと知らされた。

 

鬼頭によれば、小滝は赤坂で骨董屋を開いて、今までの顔を生かして政治家の家などに入り込んでいると言う。ある時、秦野が小滝を伴って訪ねてきた。850万の古い石仏を持ってきた。鬼頭は700と値切り、小滝の前で民子を褒めまくった。

 

鬼頭は目の前で民子とキスをするよう小滝に言った。ちょっとやる気になってる民子だが、小滝は、鬼頭が民子を骨董品になぞらえたことを引用して、骨董品の価値を下げるわけにはいけません、と丁重に断った。民子と庭に出されて、民子に誘われても頑なに拒んだ。

 

医者の往診であと20年は生きると言われている鬼頭に民子の表情は変わる。しかし、その夜、鬼頭は胸がムカムカすると言って、夕食を切り上げ横になった。

 

病院に運ばれ、医者から中毒症状だと知らされた。食事を作っていたのは米子で秦野は米子の身柄を確保しに鬼頭の家に向かった。しかし、秦野の手下の手により、米子は身の潔白を訴えながら衰弱死してしまった。

 

鬼頭の入院中、親分や公団やらたくさんの人が見舞いに来た。すごい権力者。

 

秦野は、小滝を事務所に呼び出して、民子を始末しろと命じた。秦野は小滝の出世欲を刺激することをいう。

 

ついに小滝は民子を呼び出し、芳扇閣へ向かった。鬼頭に毒を盛ったのは民子だと聞き出した小滝は力を込めて民子の首を締めたが殺せなかった。

 

殺されてもいいけど、最後にもう一度抱いてくださいとお願いした民子。2人で逃げようと車で走り出す。民子曰く鬼頭は全国の暴力団とつながっているらしい。

 

秦野と電話で話す鬼頭の元には既に新しい若い女

 

教会で結婚式をあげようと言い合う2人は後ろからも前からも車に取り囲まれて終わり。

 

女性の成り上がりはたいてい男が絡んでるという松本清張作品の女性は嫌だなと思うんだけど、話としての俳優さんの演技のぶつかり合いは面白い。オープニングのムソルグスキー「禿山の一夜」も印象深かった。

 

西村晃さんは私にとっては水戸黄門なんだけど(まともに見たことありませんが)、若い頃からことごとく悪役ばっかりやってたんだね。しかもねっとりしたエロじじい率が高い。水戸黄門は1983年から1992年まで演じていたそうで、このドラマはその前年1982年でした。当時は衝撃のキャスティングだったのでは?!

 

最近の「はね駒」のみどりさんもすごくライトで明るい民子みたい。あるいは芳扇閣のママかな?