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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(48)「おおきに」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

徳永医院に先日診察を受けた作業員が担ぎ込まれる。酒ばかり飲んで食事をせず、意識がもうろうとしている。健次郎(國村隼)が手当をするが、病院に搬送することに。その様子を見て怖くなった隆(土井洋輝)はハンストに挫折する。そして、ヒーローのショーの招待を断り、友人の誕生日会に行く。その数日後、近所のスナック「アムール」でヒーローのサイン会が行われ、隆は仮面をつけたヒーローに出くわすのだが…。

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前回の振り返り

隆「あの人、死ぬのん?」

町子「大丈夫。お父ちゃんがちゃんと助けはるから」

再び診察室を見に行く隆。

振り返りここまで

 

健次郎「血圧が下がってしもて脳に酸素が行っとらん。餓死寸前やないか! 一体何日食べてないねん? 何でこんなんなるまでほっといたんや!」

立ちつくす耕助。

健次郎「酒しか飲んでなかったやろ? あんたもこうなりたいか? 今の生活続けとったら、いつこうなってもおかしないぞ。そうなりたいか!?」

健次郎の言葉にショックを受けた耕助は後ずさりして診察室のイスに座ってしまう。喜八郎が耕助を診察室から連れ出す。

 

鯛子「先生!」←鯛子さん、私服。今が出勤時間か。

健次郎「あっ、市立病院の救急科に連絡して。救急車で搬送してもらう」

鯛子「はい」

 

待合室に座っている町子と隆。

 

喜八郎が耕助を連れてくる。「さあ、さあ、ここ…ここに」

由利子「おばちゃん、電話かかってる」

町子「あっ、はい。あ~、すいません」町子は隆を一人にすることにちゅうちょするがその場を去る。

 

喜八郎は隆の隣へ。

隆「おっちゃん、病気やの?」

喜八郎「うん」

 

耕助「餓死やなんて…」

隆「『ガシ』? 『ガシ』って何?」

喜八郎「ごはん食べへんかったらな、ああなってしまうんじゃ」

 

病院の廊下を歩く健次郎。

町子「あっ、どうでした?」

健次郎「ああ。しばらく入院させて様子見るそうや。どっかに障害が残るかもしれんけど、まっ、命だけはな」

町子「あ~、それから隆君、今日、休ませました。何かフラフラするて」

健次郎「当たり前や!」

 

階段を下りてきた隆。町子はじっと顔を見る。

隆「おばちゃん」

町子「はい」

 

スパゲティ、ハンバーグ、卵焼き、ニンジン、インゲンのお子様ランチ風プレートのアップ。

 

茶の間

お子様ランチ+ごはん、みそ汁をおいしそうに食べている隆。「おっちゃん、どうなんねやろ?」

町子「大丈夫やて」

隆「ほんま?」

町子「お父ちゃんがおっちゃんの命を助けはったんやで。かっこええな~!」

隆「うん!」

町子「ウルトライダーみたいやな! 『見参!』や。ハハハ!」

 

隆「僕な、やっぱり守君の誕生日、行く。先に約束してたからな」

町子「そう」

隆「ライダーのにいちゃんに『ごめん』て言うといてな」

町子「言うとくね」

 

隆のハンストはこうして無事挫折しました。そして、守の誕生会も終わった翌日。

 

スーツ姿の男性が徳永医院に入っていく。

イシ「あ~、すみません。午前の受け付けは、もう…」

ニッコリ笑うスーツ姿の男性は耕助だった!

イシ「あ~っ!」

耕助はイシに頭を下げた。

 

待合室

健次郎「仕事見つけたんか?」

耕助「ええ、まあ…。ビラまきとサンドイッチマン。日雇いやけど」

ニコニコ聞いているイシ。

健次郎「何でまた働く気になったんや?」

 

耕助は自分が壊した時計に目をやる。「俺とこ、じいさんの代から時計屋してたんですわ。親父死んだあと俺が潰してしもたけど…」

健次郎「あんた、まだ若いんやから」

耕助「日当もろたら診察代と時計のおわびは必ず…」

イシはうれしそうにうなずく。健次郎も笑顔に。

 

茶の間前の廊下を歩いてくる喜八郎。「あっ!」

茶の間で新聞を読んでいた健次郎に話しかける。

喜八郎「今朝な、病院へ行ってきた」

健次郎「あ~、あの栄養失調の人?」

喜八郎「だいぶな、元気になっとった」

健次郎「あ~、そう」

 

喜八郎「鹿児島からな、嫁はんが来とってな。5年も連絡せんとほっといたのに、知らせ聞いて飛んで来たんじゃと。あっ、お前に『くれぐれもよろしゅうに』て」

健次郎「そうか。あ…あのな、お父ちゃん」

喜八郎「何や?」

 

健次郎「人の面倒見たり、お酒振る舞うのもええねんけどな、限度があるで」

喜八郎「いや…一番年かさのもんがごちそうするのが礼儀じゃろ。ワシは昔からそうしてきたぞ。それに困ってる人をほっとけんじゃろ。お金のない時、困ってる時、お互いに助け合う。奄美ではな、そんな時に知らん顔してるようなやつは一人もおらんぞ」

健次郎「いや、それも分かるよ。けどな、お父ちゃん、もう年なんやし、ここは奄美やないねんから。なっ。そこはちょっと考えな。もう金庫からお金持ってくのはやめて、小遣い要る時は言うて」

喜八郎、笑顔でうなずく。これはまあ、息子の健次郎にしか言えないなー。

 

たこ芳

健次郎「こんばんは。あっ、ごめん、遅なって」

町子「健次郎さん、これこれ」

健次郎「え? 『きたる日曜日 ウルトライダーあわらる!!』」

 

チラシ

きたる日曜日

ウルトライダーあわらる!!

スナック・アムールにてサイン会

★午後1:00~3:00先着50名様

このチラシをご持参の方ボトル2割引致します。

 

りん「はやりもん好きのアムールさんらしいわ」

純子「でも、スナックに子供集めてどうするんでしょう?」

健次郎「いや、これ、あながち間違いとも言えんかもしれませんで」

町子「え?」

 

健次郎「日曜日に子供連れで商店街ウロウロしてる父親、結構いまっせ」

町子「ああ! 『将を射んとすれば』や!」

純子「でもそんなにうまくいくんでしょうか?」

町子「うん…」

 

そして、数日後の日曜

 

アムールの扉に

ウルトライター

サイン会会場

という貼り紙。

 

晴美「あ…!」

”タ”に点々を書こうとするが、中からママが出てきた。

晴美「痛っ! 痛~い! ちょっと!」

和田「暑い、暑い…」

 

店の前にはテーブルと色紙。ウルトライダーのメットオフで登場。持参した紙で顔をパタパタ扇ぐ。

和田「ちょっと! それ来てくれた人に配るんやから、もう、丁寧に扱うてや!」

ウルトライダー中の人は耕助!

和田「何や? トンボようきらんの?」

晴美「え?」

トンボというのはトンボ返り(バク転)ということかな?

 

和田「できる人て頼んでたんやけどね」

耕助「すんまへん。若いの出払うてまして」

和田「その分、値引きしてもらわんとね」

耕助「まだ休んでてよろしいか?」

 

頭は外してウルトライダーの格好のまま、道端でジュースを飲む耕助。子供たちが集まっているのを見ているが、隆に気が付く。

和田「こっちおいで! おいで! なっ!」

先に来ていた子供たちに「うそつきは帰れ!」「帰れ! うそつき!」と言われ、しょんぼりして帰ろうとした隆の前に現れたのは、ウルトライダー。

 

隆「あっ!」

ウルトライダーは無言でポーズを決める。手には箱を持っている。ほかの子供たちも気付く。「あっ、ライダーや!」

 

ウルトライダーはひざまずいて、隆に持っていた箱を差し出す。

隆「え?」

耕助「お父ちゃんに渡してほしいんや」←しゃべった!

隆「え? ライダー、僕のお父ちゃん、知ってんの?」

耕助「友達なんだよ」

 

周りにいた子供たちも「友達やて!」と口々に言う。ママは耕助に早くこっちに来いというしぐさ。

 

耕助「そしたらまたな、徳永君」

隆「えっ?」

走り去っていくウルトライダー。

 

「隆の名前、知ってる!」

「友達て、ほんまやったんやな!」

隆は箱をうれしそうに見つめる。耕助がいきなり就職じゃなく日雇いでいろいろやってますって感じだから、こういうのも不自然じゃないというのがすごい。

 

ウルトライダー

正義は勝つ!!

ウルトライダーのサインを色紙に書く。こういうの本当は版権的にいけないんだけどね。

 

和田「帰ったらね、絶対、忘れんとお父さんに渡してよ。お父さん。ねっ」

色紙とチラシを子供に渡す。

「うん!」

晴美「お父さんに渡してや!」

 

耕助「ああ…」手首が限界。

和田「ちゃっちゃと書く!」

晴美「はよ…」

サイン会には子供たちが行列を作っていた。清志や登は来ないんだね。

和田「子供ばっかりやないの!」

 

目覚まし時計のアップ。

町子「ライダーのお礼か。びっくりしたやろね? 隆君」

 

茶の間

健次郎「ハンストやと、アホなことしてからに、もう」

町子「簡単に食べられる時代やからハンストも簡単にしてしまう。毎日ちゃんと三度三度ごはん食べることが自分の命にとって一番大事なことやていうの分かってない」

健次郎「うん、そやな。『今、食べとかな次はないかもしれん』て。戦争中、そんなことばっかり考えとったな」

町子「うん」

健次郎「せっかく空襲の中、生き残っても飢え死にする人、ようけおったもんな」

 

町子「よう生きてたね…」

健次郎「よう生きてたな」

町子「10代やった。思春期の真ん中。大事にしてた本もね、空襲でぎょうさん焼けてしもた。残った本は売って食べ物に換えた。食べるためにみんな売った。そやから私ね、本をよう捨てんのんよ。ついこないだみたいやけど、もう、20年たってしもたんや」

健次郎「うん。僅か20年やのにな」

 

町子「忘れたらあかんことまで…遠くなってしまう。あっ!」

健次郎「どないした?」

町子「私…」

健次郎「うん?」

町子「書かなあかん…」

 

仕事部屋で執筆している町子。

 

翌日から町子は、戦中戦後を過ごした自分たち家族の物語を書き始めたのでした。

 

28分で「つづく」になったのでちょっと早いと思っていたら、予告が長め。

 

来週は「最後の一人まで」

来週から2週にわたって「町子女学生編」が始まります。昭和18年、太平洋戦争が始まって1年以上の月日がたち、町子の家、花岡写真館には出征前に写真を撮ろうと大勢の人が訪れ、家族総出の忙しい日々が続いていました。そんな中、町子は15の春を迎えていました。

 

・青年「よし!」

 

・町子「中学生と女学生がこんなとこでしゃべってたら何、言われるか…」

「しゃべらんとどないして用事済ますねん」

 

・和代「お母さん!」

 

忍び寄る戦争の影。

 

・常太郎「アホなこと言いな」

 

出会いと別れ。そして、新たな希望。町子の青春時代を描く「町子女学生編」。来週から2週にわたってお送りします。

 

ミニ予告

町子「陛下、お心を安んじてください。大丈夫です」

 

2回も”2週にわたって”と言ってたけど、当時はあまりこういう形式が受け入れられなかったのかな。別に昔からある手法だけどね。来週からは徳永家は一旦お休みで花岡家が描かれるわけだね。戦前あれだけ大きな家だったのに、戦後の寂しさの理由が分かるのかな? 知るのが怖いような…しかし、今日の話もうまいこといってよかった!