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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (77)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

雨は降り続け、呆然と泥だらけの秀平(髙嶋政宏)のカメラを見つめる純子(山口智子)。もも(藤山直美)は歩いてでも美山村へ行く、と大荷物を持って出ていく。あき(伊藤榮子)は久助桂枝雀)と連絡が取れていないかとわらべ出版へ行くが、社員の高木(門田裕)が雨で倉庫が雨漏りして在庫がだめになってしまったと頭を抱えていた。降りやまない雨を眺めて疲れ果てたつや(白川由美)が横になると、庭に泥だらけの秀平が…。

peachredrum.hateblo.jp

避難所となった学校では子供たちが♪めだかの学校は川のなかと歌い、劇団かもめ座の人たち?が伴奏した。うめも一緒になって踊る。

 

雨は7月18日の夜になってもやむ気配を見せませんでした。しかし、村の人たちは、こんな時でも明るさを失いません。いえ、つらい時ほど歌ったり踊ったりして元気を出そうとしているのかもしれません。

 

純子は笑顔で炊き出しのおにぎりを配る。

 

しかし、一人になると、ろうそくの明かりのもと、秀平のカメラをじっと見つめた。泣き出しそうになったが、つやが部屋に入ってきて慌てて涙をぬぐう。

つや「純ちゃん。さあ、これでも食べてな、少ししっかりせなあかんよ。なあ、まだ何も分かったわけやないんやから」

純子「そやけど金太郎君があれだけはっきり速水さんが車と一緒に川へ流されんのを見たて」

つや「それはそうやけど…」

純子「大丈夫です。私、しっかりしてます」

つや「そうか? そんならええけど」

純子「はい」

 

小野家。あきがアイロンがけしているところにももが大荷物をしょって訪ねてきた。

もも「うち、やっぱりちょっと美山村行ってくらよ」

あき「えっ、これから?」

もも「はい」

ぬひ「ちょっと、ちょっと奥さん、止めとくなはれな。わてがなんぼ言うても、ももさん聞きまへんねんわ」

もも「ここでな、ヤキモキしやるぐらいやったらな、とにかく行ってみんのが一番ええ思て」

 

あき「そやけど、汽車は和歌山までも通ってないんですよ」

もも「ほやったら歩きます。そのうち、道も修理されたあるやろうしな。米と餅と乾パンと缶詰と乾物持てるだけ持っていくさかな。あの純子ちゃんになんぞ言づけることありますか?」

あき「ほんまに行きはるんですか?」

もも「はい、行きます」

あき「ほな気ぃ付けて。純子にはこっちは大丈夫さかい言うといてください」

もも「はい」

 

ぬひ「あんた、ほんまに行きはりまんの?」

もも「行ってきます」

ぬひ「ちょちょちょっと、ももさんて! (あきに向かって)言いだしたらきかんお人や」

あき「途中で引き返してくるのがオチやと思うけどなあ」

あきさん、わりと冷静。言ってもどうにもなんない人だしね。

 

小学校では消防団が地図を見ながら「ここもやられてしもたな」などどバツ印をつけながら村人と話している。つやはやかんを持ってお茶をついで回る。奥様自ら率先して動くからみんなに信頼されてるんだろうな。

つや「村の方でもな、外と連絡が取れるように頑張っとるさかな」

うめ「すんませんな、奥さん」

つや「ちょっとでも、みんなのお役に立てればうれしいです」

 

清彦がつやを廊下に呼び出した。

清彦「今、切り出した材木調べたらな、7割方流れてしもうた」

つや「それがどないしたん」

清彦「どないしたて大ごとやんか」

つや「そら、大ごとかも分からんけれどもな、今、そんなこと心配してどないするねん。材木の勘定してる暇あったらな、道路の一つも直しといで」

清彦「そら、分かったあるけど…」

つやさん、素敵。

 

純子は赤ちゃんのために重湯を作ってきた。うめがつやに純子が赤ちゃんを抱っこしている様子を教えた。

 

わらべ出版では高木社長が「かわいそうなやぎ」を机に投げ出して頭を抱えていた。

高木「あ~、世は闇や。あかん」

そこに訪ねてきたのはあき。あきは久助と連絡が取れているか確認に来た。電話は昨日から不通になったまんまでいつ回復するか今のところ分からないという高木。久助の童話集もえらい目に遭ったという。

 

初版のほとんどを売り切り、再販を5000部刷り、3日前に倉庫に入れたが、倉庫が雨漏りしてほとんどダメになった。紙が水を含んで膨らんでしまった。印刷屋や製本所に払うものは払わないといけないので大損害。あきはお茶でも飲んでってくださいと言われつつも急いで帰って行った。

 

高木「ああ、死んでしまいたいわ~!」と廊下まで高木の大きな独り言が響いた。でもあきはそのまま帰った。高木社長、大丈夫だろうか。

 

まだ降り続ける雨。つやと純子は外を見ていた。少し横になった方がいいとつやは言う。「ちょっとでもな、体休める時に休めておかんとな」とつやが横になると、庭先に泥だらけの秀平が現れた! ゆっくり振り向く純子。

秀平「よう」

つやもびっくりして起き上がる。

純子「秀平さん…」

秀平「死んだと思っただろ」

 

つや「いや~、速水さん車と一緒に川へ…」

秀平「そうなんですよ」

純子「どうぞ、上がって」

走り寄って行ったからハグでもするかと思ったら、そんなことしないところがいいんだよー。

 

秀平「いや、泥だらけだから」

つや「金ちゃんがな、もう速水さんあかんようになったちゅうて」

秀平「そう…金太郎君、大丈夫だった?」

純子黙ってうなずく。

秀平「車と一緒に流されましてね。しかし、車のドアが開いてたおかげで外へ放り出されたんですよ。あとは激流に身を任せるしかなくて流木につかまって」

純子「よかった。そやけど何で危ない目に遭うてまでここへ来はったんですか。もしものことがあったらどないするんですか」

 

秀平「ごめん」

純子「私、九分九厘駄目やと思てたんです」

秀平「僕もそう思った。もう駄目だと思った。流れはすごいし、途中で何度も岩にぶち当たるし。そのうちに別の流木が頭に当たってね、一瞬目の前が真っ暗になったんだ」

つや「それで?」

秀平「そこから先は覚えてないんですよ。気が付いたら川岸の木の枝に引っ掛かってました」

 

純子「木の枝に?」

秀平「そうなんだ。畳とかこいのぼりとかそんなのと一緒に引っ掛かってたんだ」

つや「そらもう運がよかったんやわ」

純子「それで、歩いてここまで?」

秀平「うん。だいぶ気を失ってたと思うんだよね。それで、あ、これはみんな僕が死んでるに違いないと思ってるから何としてでも元気な顔を見せないといけないと思って」

 

純子「夢見てるみたいや。あ、秀平さん、カメラ」

秀平「えっ?」

純子「車から放り出されたのを金太郎君が届けてくれはったんや」

秀平「本当? よかった~。これ、高かったんだよ。僕の貯金全部下ろして買ったんだ。大丈夫かな。あっ、泥が入ってるなあ」

 

純子「秀平さん。カメラと命とどっちが大切なんですか?」

秀平「もちろんカメラさ」

純子「もう!」

秀平「ハハハハ」

 

秀平はお風呂に向かった。こんなことってあるんですね、とつやに言う純子。炊き出しに向かう興園寺家の女中さんたち。風呂上がりの秀平は頭に包帯を巻いていたが、あちこちにかすり傷がある程度だという。

 

外ではまた半鐘が鳴り、清彦が駆け込んできて、清原先生の裏山が崩れ出したという。先生は?と言った秀平をまじまじ見つめてしまう清彦。つやに促されて続きを言う。雨が降り、ずっと山が滑っている。清原先生には何度も逃げてくださいと頼んだが、奥さんを残していくわけにはいかんと言われた。

 

清原家。清原は布団で横になっている澄の手を握った。

清彦「先生、はよう! 山が崩れます! 奥さんと一緒に逃げてください!」

澄「あなた、お逃げになってください!」

清原「あなたを置いては行けないよ。いいじゃないか。2人ともここまで生きてきたんだ。一緒に死ねると思えば幸せじゃないか」

澄「そんなことおっしゃって」字幕は「あんなこと」だったけど、あなた、そんなことと聞こえる気もする。

清原「一人で逃げるより、ここに僕はあなたと一緒にいたいんだよ」

 

清彦「先生!」

清原「清彦君、逃げてください!」

清彦「応援を連れてきます!」

 

興園寺家。

清彦「いくら言うても聞いてくれんのや!」

秀平「そんな…よし、僕、行きます!」

出ていこうとした秀平と入れ違いに副団長が入ってきた。清原の所は土砂が流れ出して、二次遭難の恐れもあるから救出は無理だという。

 

秀平「見殺しにするんですか?」

助けに行ったら、こっちもやられる。崩れ出したら一瞬だから命令に従ってくれ!という副団長。清彦は悔しそうに絶叫する。純子も秀平もどうすることもできない!?

 

秀平さん、よかった~。いや、事前番組見てたしな。そういえば、最近になってようやく字幕の色を気にするようになった。朝ドラだと黄色=ヒロイン、水色=相手役みたいな。その他は白。

 

純ちゃんの応援歌」だと黄色が純子、水色が秀平、ナレーションが緑。だから初登場から相手役が分かってしまうという。「マー姉ちゃん」は黄色がマリ子、水色がマチ子、緑は今のところ見たことないような。ナレーションも他の人と同じ白だし。「あぐり」もあぐりが黄色だったけど、エイスケさんは白だったんだよねえ。