TBS 1972年8月29日
あらすじ
南(沢田雅美)は、ひそかに道夫(小倉一郎)と駆け落ちをする決心をしていた。だが、いざとなると道夫の決心が鈍り、南は煮え切らない道夫に不満を感じる。そしてヒッチハイクで熱海をめざすが…。
2024.6.17 BS松竹東急録画。
松田夏目:倍賞千恵子…昼はOL、夜は占い師の28歳独身。字幕黄色。
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松田南:沢田雅美…夏目の妹。19歳。
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新田道夫:小倉一郎…新田家の五男。20歳。
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新田麗子:木内みどり…精四郎の妻。
女主人:三島千枝
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秩父晴子
管理人:大久保敏男
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新田サク:小夜福子…新田家の母。
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監督:川頭義郎
アパート
トーストを食べ、瓶牛乳を飲んでいる夏目。やけにのんびりしている南は特別遅くていい日だと夏目に言う。夏目は51分の電車に間に合わないとトーストを食べるのをやめ、牛乳も半分に急いで出かけていった。ボーダーの袖なしの服の上の白い半そでジャケットはめくれたところに同じボーダーの柄がついてておしゃれ。
南はアイロン台を出してきて、部屋を見渡し、手紙を書き、紙を丸める。
喫茶店で見つめ合う道夫と南。道夫は家に電話をしたが、出たのは一郎で麗子か精四郎に変わってほしいと頼み、麗子が代わった。一郎も呼びかけるときは麗子”さん”とは言ってるんだな。前に英三が呼び捨てしてたのがちょっと気になってた。
道夫は麗子に公団のアパートに今日行けないから、代わりに行って欲しいと頼んだ。
喫茶店
南は大阪か神戸はどうかと言うが、道夫は、おかしいと否定。駆け落ちという言葉も大げさだと言う。温泉なら白浜温泉か四国の道後温泉と提案する南にもう少し近場いいと言う道夫。蔵王か飯坂も東北線だと言い、箱根や伊豆を推す。
お金をあまり持っていないから汽車賃をあまり使わない方がいい、その分余計に泊まれるという弱腰な道夫にバカだと言う南。「お金がなくなったら帰ってくる気だったの? そうなの?」
南は駆け落ちして向こうで働く気でいた。「やあね。働くこと考えてなかったの?」
道夫「考えてたよ。そんなに僕のこと考えなしだっていうのかい?」
南「だって、今、道夫君は…」
道夫「ハァ…これだから女はイヤなんだ。ババアみたいにブツブツ言うしな。働くよ、働きゃいいんでしょ? ああ、働くよ」
南は道夫がこれからやろうとしてることの重大さがよく分かってないみたいだと心配になっていた。「ヤケッパチでやるわけじゃないのよ、これは。ただ、お兄さんやお姉さんを心配させるだけが目的じゃないのよ。お兄さんや夏目姉さんが全力で私たちの結婚、食い止める気なら、もうこっちも必死でやらなきゃダメなのよ。今のまんまだったら、私たち絶対結婚できなくなっちゃうわ」
道夫「そうだよ。だから、2人でちょっとの間、姿消してデモるんだろう?」
南「それだけじゃないわ。私、もしかしたら、もう戻らないつもりなの」
南はお姉さんにもう会えないかもしれないという思いで今朝、見送った。しかし、道夫は近いところがいいと言い出し情けなくなった。
ヒッチハイクを始めた南と道夫。南は随分ミニだね。黄色い日本通運のトラックが止まり、乗り込んだ。
Kentucky Fried Chicken
本場の味 フライド・チキン
江の島店前を通り過ぎる。郊外型の大きな店。ケンタッキーは1970年の大阪万博で日本に上陸し、1号店は名古屋。
南「ねえ、あんなとこでお昼食べたいわね」
道夫「もったいないよ。倹約だよ」
南「厳しいなあ」
しかし、突然、南はアイロンを消したかどうか気になりだす。アイロンが燃えてるイメージシーンが差し込まれ、結局、南は「じゃ、熱海でね」とトラックを降りた。走ってアパートに戻った南だったが、なぜか部屋で夏目が寝ていた。
南がコップを取り出し、水を飲んでいる音に気付いて起きた夏目。おさげ髪! アイロンはちゃんと片づいていたと南に言う。
夏目は頭が痛く、貧血を起こして会社で倒れたため、早引けした。熱はないが、まだ頭はキリキリする。診療室で診てもらったところ、疲れだろうということだった。風の引きはじめかもしれないから気をつけるように言われた。
南「お姉さんね、働きすぎなのよ。会社引けてから占いなんてね、やっぱり無理だもんね」
夏目は暑さ負けだと言い、南にバッグの中に入っているお水と頓服を取ってと頼んだ。会社に戻るように言う夏目だが、南は今日は心配だから会社を休むと言い、果物を買いに行くと出かけていった。
道夫はトラックのタイヤ交換を手伝い、熱海へ。
熱海駅では今でも小川さんがポーターをしてるのでしょうか。
アナウンス「熱海、熱海。ただいま到着の電車は17時22分発、豊橋行きでございます」
アパート
夕方、時計を気にしながらカマスを焼く南。夏目は一寝入りしたら頭痛が軽くなったと手伝おうとして立ち上がった。
夏目「しゃれた魚買ってきたじゃない、あなたにしては」
南「フフッ。実を言うとね、隣の奥さんのマネしたの」
時計を気にしていることを聞く夏目だったが、南はお日様が沈むのが早くなったからだとごまかす。
夏目「8月もそろそろ終わりだな。彦根から出てきて1年か」
南「私、半年だ」
管理人から南に電話だと部屋に来たので、南は部屋を出て、道夫からの電話に出た。道夫は熱海駅前にいるが、南から今晩、お姉さんが病気だから行けないと言われ、一人で宿を決めろと言われて驚く。
旅館
女主人「失礼いたします。あっ、クーラーを止めていたものですから蒸し暑くてすみません」スイッチを入れる。「あの、それからこれを」
道夫「はい」
女主人「お手数ですが、これにご住所とお名前を」
道夫「はあ。宿帳ね、はい」
「あっ、いけねえ」と割と大きな独り言を言いながら道夫は宿帳に”鈴木太郎”と書き込んだ。住所は横浜市…までしか見えなかった。
女主人からいつまで滞在するか聞かれ、よく分からないと答える。もう一人、来るが時間がはっきりしないのでこっちも困っていると言う道夫。
道夫は「おねえさん」と呼びかけていたが、女主人(と字幕に出ていた)は三島千枝さん。三島雅夫さんの娘さんで「太陽の涙」終盤で小川さんの滞在先の奥さん役だった。
新田家
サクは一郎に道夫のことをやりすぎだと言う。麗子とも話し合ったが道夫に元気がない。「お父さんがいないせいで、お前に負担がかかるのは分かるけれど、どうもだんだんお父さんに似てきたみたいだよ」少し道夫に厳しすぎる、一郎に遠慮しているみたいだと指摘する。結婚に反対されてからすねてるみたいだし、しょんぼりしている。
一郎「僕はあいつのためを思って言ってるのに、あいつがあんまり分からないからいけないんじゃないかなあ」タバコぷか~。
道夫が書いた英三あての手紙には伊藤博文の1000円札が3枚入っていた。
英兄さん
これを一郎兄さんに返しといてください。借金の残りです。お世話になりました。
道夫
この横顔から振り返る山口崇さんの顔が大谷翔平さんに似てるな~。かっこいい。このドラマは山口崇さんの顔を鑑賞するドラマだな。ボタンを留めないで羽織ってるシャツ姿もかっこいいよ。
一郎「これ、いつから置いてあったんだろう?」
サク「さあね。でも、お前、そんな手紙をよこす道夫をどう思う?」
一郎「うん。あいつ、団地にも行ってないし」
管理人から電話を受け取る夏目。パジャマの上?に来てるフワッとした袖の服、可愛いねえ。一郎から道夫の様子がおかしいと電話があった。
一郎「あの、それで…妹さん、いらっしゃいますか?」
夏目「それ、どういう意味ですか? 南がいたらどうだっていうんです?」
一郎「それはつまり…分かるでしょ。それぐらい。2人一緒だったら大変だってことですよ。それで今電話を」
夏目「バカバカしい。そんなこと考えてたんですか? それならどうぞご心配なく。南はちゃんと部屋にいますから。弟さんはパチンコかなんかじゃないんですか?」
一郎「ホントですか? じゃあ、僕の思い過ごしかな。変だなあ。でも、こんな遅くまでやってるパチンコ屋ってありますかね? あっ、いや…でもどうも僕の思い過ごしだったみたいですね」
アパート
桃をむいてる南。
旅館で一人寝ている道夫。
アパート
部屋に戻ってきた夏目は、一郎が南と道夫が駆け落ちしたと思っている、バカバカしい、あきれたわと文句タラタラ。夏目は桃を食べながら雑誌をめくる。南は何か言いかけたが、夏目の顔を見つめた。(つづく)
はぁ~、今まで見た回で一番くだらなかった。たまたま次の「岸壁の母」の動画をちょっとだけ見てしまって、かなり期待が高まってきた。市原悦子さん、やっぱりいい。
せっかくの五兄弟設定を生かしきれてないよね。
私は打ち切り説より9月末に終了させるため、最初から17話と決まってたから、忙しい倍賞千恵子さんや山口崇さんが引き受けたんじゃないかと思っています。
「おやじ太鼓」51話。ようやく再開。
これからは休止なしにお願いします。