徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】結婚期

1954年 日本

 

あらすじ

堅物の独身公務員と彼を取り巻く女性たちとの、波乱の顛末を追うラブコメディ。各社で多彩な娯楽作を撮り続けた井上梅次監督が、任侠ものとは一味違う鶴田浩二や豪華女優陣の魅力を存分に引き出す、見所豊かな恋愛劇。都庁公園緑地部係長の悠一(鶴田浩二)は、急病の課長に代わり「都市の緑地化」についてTVで解説することになり、担当女子アナの礼伊子(有馬稲子)が通勤時に見かける意中の女性と知り動転するが、彼女も実直な彼に好意を抱く。

2024.2.16 日本映画専門チャンネル録画。今は邦画の気分。

 

鶴田浩二さんは戦争や任侠など硬派なイメージだけど、たまにこういう女性にモテモテな男性を演じてる。カッコいい人がモテモテな役、いいと思う!

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1954年の都会派ラブコメディ。公園オタクで31歳独身だけど、美男。

結婚行進曲

結婚行進曲

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オープニングは結婚行進曲をアレンジしている。

 

外山家

早朝の電話。開業医の家なので急患と思いきや、悠一あての電話だった。

 

北山悠一:鶴田浩二…字幕黄色

 

マリ子(浜田百合子)が家出したというマリ子の夫からの電話で、そのうち、悠一の下宿する家へ帰ってきた。

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浜田百合子さんて「青い真珠」の気の強いリウだ!

 

外山家は開業医の家で田園調布に家がある。外山夫妻は悠一にとって叔父、叔母なのでマリ子はいとこか。叔父は十朱久雄さん。家出ついでに縁談を持ってきたというが、悠一にも気になる女性がいる。

 

時々、朝のバスで一緒になる礼伊子がバスに遅れそうなのを待ってあげたり、礼伊子のために席を開けたりしている。

 

青木礼伊子:有馬稲子…字幕水色

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「東京暮色」とは全然違うねえ。こっちの方が不良少女で幼い印象。

 

都庁公園緑地部係長の悠一は、公園を作る計画を進行中だが、計画地にバラックがあり、立ち退きが難航している。課長がテレビ出演してしゃべることになっていたが、脳貧血を起こしてしまい、悠一が急遽出演することになった。

 

突然、河辺公一とゴールデンチャリオテイャーズの歌。

 

テレビ局に着いた悠一は資料が届かず不安。礼伊子はテレビ局のアナウンサーで、偶然の出会い。

 

メイク室でメーキャップしてくださいと言われて驚く悠一。そのまま出ると顔が光る。テカリ押さえね。楽屋でさりげなく礼伊子の年齢を聞き出す悠一。申年22歳。叔母から申年の人が相性がいいと言われていた悠一の目尻が下がる。

 

申年は1932年の昭和7年生まれ、ということは、悠一は1923/大正12年生まれの亥年

 

礼伊子がインタビューする形式で簡単なテストから本番へ。資料が直前に届いたものの緊張でしどろもどろになる悠一。マリ子の夫・東畑(東郷秀雄)は浮気相手の八重奴(岡田茉莉子)と偶然、テレビを見ていた。岡田茉莉子さん小顔だな〜。

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秋刀魚の味」では佐田啓二の奥さん。

 

テレビ出演後、飲み屋で東畑や六本木(堺左千夫)にからかわれる悠一は東畑から頼み事をされた。

 

料亭

悠一は八重奴に会いに行き、東畑と別れて欲しいと言う。八重奴も申年と知り、悠一は複雑。隣の部屋に布団が敷いてあり、八重奴が着替えてくると言うので悠一は帰った。なぜそうなるのか仕組みがわからない。

 

外山家に帰った悠一は酔っ払っていて、住み込みの看護婦(木匠マユリ)が介抱してくれた。看護婦もまた申年だった。

 

悠一の働く都庁に八重奴が会いにきた。恥をかかされたから賠償請求すると言い、どこか遠出しようと誘う。困っている悠一に六本木が助け舟を出し、六本木が八重奴の相手をした。しかし、悠一あてに電話がかかってきて、六本木が悠一を呼びに行っている間に八重奴が出た。相手は礼伊子でテレビ出演の謝礼を取りに来て欲しいという内容だった。

 

ファイブスターズの演奏。テレビ局といえば、音楽!?

 

礼伊子に会いに来た八重奴。都庁では礼伊子が悠一の恋人扱いされてる、北山の謝礼を受け取りに来たと言う。八重奴が芸者と分かり、怒る礼伊子。

 

JTV(ジャパンテレビ)

開局1周年記念パーティー

 

11月15日

 

貿易会館

 

ビクター

多忠彦とオールスターズの演奏

 

まだテレビが開局したばかりの頃か。ジャズに乗せてダンスパーティー。なぜか招待されてる北山と六本木。ダンスしながら礼伊子に悠一の誤解を解く六本木。

 

パーティーでは雪村いづみが歌う。

 

音楽を聴きながら会場の植木をいじり、花をちぎる中年男性から鉢を遠ざけようと歩き回る悠一を追い回す男の姿に会場の者たちが笑う。たまらず礼伊子が鉢を持って会場外へ走る。植物を大事にするのはいいことと礼伊子は北山に言い、そのまま2人で帰った。

 

暗い夜道。悠一は都市を一つの大きな公園にしたいと理想を語る。道端で突然「踊りません?」と提案する礼伊子。悠一は歌いますと「故郷の空」をハミング。

故郷の空

故郷の空

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悠一は礼伊子にあなたみたいな独立した女性は結婚しないでしょうねと言うが、礼伊子は女性の幸福は母になることと言う。結婚候補者が数人いるという礼伊子にその一人として立候補したいと悠一が言うと、礼伊子は笑いが止まらなくなる。

 

情けない思いになった悠一だが、礼伊子はまだあなたのことを知らないと言い、付き合うことはOKした。

 

都庁でも「故郷の空」を口ずさむ悠一。公園の計画は通ったが、バラック住まいの人たちを立ち退かせるのは難しく、公園が必要だと言っても、難しいことは分からない、タダで公営住宅に住ませろと言われる。アパートを建てるならともかく公園なんてと理解されない。

 

日曜日。外山夫婦は出かけて行き、悠一が残された。看護婦がクネクネ迫るので出かけようとすると、マリ子が榊山潤子(杉葉子)という女性を連れてきた。お菓子がないと出かけたマリ子。潤子は悠一の見合い相手だった。

 

突然、八重奴がテレビ局の謝礼金を持ってきた。看護婦から悠一のお見合いと聞くと、八重奴は見合い相手の顔を見たがる。そのうち、マリ子が戻ってきて八重奴と鉢合わせ。悠一は、この人はお腹が痛いんですと嘘をつくと、マリ子は潤子に診てもらえばいいと言う。潤子は女医だった。

 

八重奴は潤子にお腹を触られて笑ってしまい、嘘がバレた。まだ帰らずにいた八重奴。礼伊子が訪れると、八重奴が悠一は見合い中だと伝え、礼伊子は帰ってしまった。

 

悠一は礼伊子が帰ったことを知り、礼伊子を追いかけて出て行った。フラれたことを悟った八重奴たち。看護婦は泣き出す。

 

礼伊子はテレビ局で働くおしづという女性がバラックから追い出されそうと知り、悠一と話をしに来たのだが、悠一に多くの人が公園を必要としていると言われ、エゴイスト、役人根性と悠一にいいケンカになった。台風が近づき、風が強い。落ち込む悠一。

 

おしづはバラックが飛びそうなので礼伊子の家に避難してきた。悠一を仕事熱心で悪い人ではないとフォロー。

 

台風の中、飲みに出かける悠一。たまたま飲み屋にいた六本木と酔っ払って、バラックの前に行き、ざまあみろ! 飛んじゃえ飛んじゃえと騒ぐ。ひでえ。

 

しかし、本当にマズイとバラックが飛ばないようにつっかい棒を持ってくる。バラックから逃げ出そうとしていた竹さんは危ないからよしなさいと止めるが、悠一たちを手伝う。

 

嵐が去った翌朝、礼伊子の家を六本木が訪ねた。悠一が大けがをして病院に運ばれたと伝えた。嵐で飛んだ梁が胸に当たった。たまたま潤子のいる病院に入院した悠一。お見舞いにきた礼伊子にお見合い相手が潤子ではっきり断ったと言う。

 

竹さんが悠一たちのことをバラックの住人たちに話し、お見舞いに来た。補償金ももらえることだし、今すぐは無理でも新しく住むところを探しますと態度が軟化した。

 

軽いラブコメっぽいのに、意外と社会派。

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「生きる」に通ずるものがある。

 

絶対安静の悠一が病院を抜け出し、礼伊子と歩き、改めて求婚した。(終)

 

いくら美男の鶴田浩二さんでも相手女性が10歳近く下ばかりってのはどうなのさ!? あの時代で20代後半は大体結婚してるんだろうけどさー! モテモテだけど、悠一は最初から礼伊子以外の女性は眼中になかった。

 

戦後9年、まだまだバラック暮らしの人もいたんだね。