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ドラマの感想など

【ネタバレ】秋刀魚の味 デジタル修復版

1962年 日本

 

あらすじ

今年生誕120年となる巨匠・小津安二郎監督の最後の作品。妻に先立たれた平山は、娘の路子に家事を任せていた。やがて路子は兄夫婦や弟、周囲の人々の気遣いや世話で嫁ぐ日を迎えるが…。平山を演じるのは小津作品に欠かせない笠智衆岩下志麻が路子を演じ、杉村春子をはじめ名優たちが共演。ユーモアを散りばめながらも、老いと孤独、人生の無常を描く傑作。本作公開の翌年、小津監督は60歳の誕生日にこの世を去った。

2023.12.26 NHK BS録画。これが2023年に録画した映画の最後。

 

昭和三十七年度

芸術祭参加作品

 

修復版はやっぱりキレイだな〜。

 

平山周平:笠智衆…字幕黄色

 

会社で書類を見ている周平。部下の女性に田口くんはどうした?と聞く。田口という女性は23~4で結婚退職するのだと言う。

 

周平の元を旧友の河合(中村伸郎)が訪れ、周平の娘・路子へ縁談を持って来た。周平は路子は24歳だが、色気がない、子供だと言うが、いいや、色気はあると言う河合。ちょっと気持ち悪い発言。せっかく横浜へ来たので、大洋阪神ダブルヘッダーの試合が見たい。

 

しかし、周平は堀江と会おうと誘う。

 

「若松」という料理屋のカウンターの上のテレビで野球中継が映る。大洋阪神戦。大洋の攻撃、四番サード桑田。ピッチャー・バッキーとキャッチャー・谷川。「若松」の女将の高橋とよさんは高橋豊子さんね。

 

周平と河合と堀江(北竜二)が会っていた。堀江は娘と3歳違いの若い妻をもらっていた。堀江はヒョータンに会った話をし、クラス会の話になる。しかし、若い妻が来るといそいそ帰って行った。河合はナイターをふいにしたのにとブツブツ言う。

 

周平が家に帰ると、路子が幸一が来ていたことを報告。兄の幸一は別に暮らしている。

 

平山路子:岩下志麻…字幕水色

 

周平の家は、長女の路子、次男の和夫(三上真一郎)がいる。

 

幸一はアパートで妻の秋子(岡田茉莉子)と暮らしている。

 

翌朝、路子は会社で河合から縁談の話を周平から聞いたか聞かれる。河合は路子の会社の上司なのね。路子は家族のこともあり、まだ結婚はいいと言う。

 

周平たちのクラス会。ヒョータンというのは佐久間先生(東野英治郎)のあだ名で同じような白髪頭の男が数人集まる。笠智衆さんと東野英治郎さんが生徒と先生か。ヒョータンは早くに妻を亡くしたため、娘と2人暮らしで娘は結婚しなかったと語る。この時代の旧制中学出身者だから周平はじめ社会的成功を収めたエリートばかり。

 

周平と河合が酔っ払ったヒョータンを自宅まで送ると娘の伴子(杉村春子)が出迎えた。

 

「若松」

周平と河合がヒョータンの娘はギスギスしていた、ああはなりたくないなどと話し合う。なんて失礼な! 女将に堀江が死んだのでその打ち合わせだと話す河合。しかし、後から堀江が来た。不謹慎な冗談。

 

伴子は「燕来軒」というラーメン屋を開いており、ヒョータンも手伝っていた。ヒョータンは教師を辞めて40年とか言っていたし、周平にも丁寧な口調で話す。その店で偶然、坂本芳太郎(加東大介)に会う。周平は海軍で駆逐艦の艦長をしており、坂本は部下だった。坂本は「燕来軒」の近所で自動車修理店をやっていて、飲みに誘う。

 

バー「かおる」

マダム(岸田今日子)に「軍艦マーチ」をかけさせ、周平に敬礼をする坂本。

軍艦マーチ

軍艦マーチ

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家に帰った周平は子供たちにマダムは27~8でお母さんの若い頃に似ていたと話した。幸一や和夫は見に行きたいと言うが、路子は見たくないと言う。

 

この間からちょいちょい来ていた幸一は冷蔵庫を買いたいので、5万円貸して欲しいと周平に言った。すぐにはないので路子に届けさせると言う。

 

秋子は隣の部屋の主婦にトマトを借りに行った。隣の家では掃除機を買ったと言う。トマト、借りるんだ!?

 

幸一は周平に余計に金を借りたのでゴルフクラブを同僚・三浦(吉田輝雄)から借りてきた。しかし、秋子の反対で返すことにした。しかし、三浦と打ちっぱなしで名残惜しそうに使う。奥さん、ちゃんとした人でよかった〜。この家、共働きなんだよね。

 

休日。秋子ははたきをかけて掃除をし、幸一は不貞腐れたように寝転がっている。秋子は好きなものを買える身分になりなさいとハッパをかける。路子がお金を届けにきた。

 

三浦が家までゴルフクラブを持ってきて月賦でいいからとしつこく勧める。2000円×10回と言われて、秋子が後でうるさいからと折れて、2000円を払った。お金を受け取った三浦は帰るといい、路子も一緒に帰った。

 

ゴルフクラブを見ている幸一に、秋子はその代わり白い革のハンドバッグを買うと脅す。

 

結婚退職する田口が周平の会社に挨拶に来た。24歳で娘と同じ歳だと笑顔になる周平。

 

ヒョータンが周平の会社を訪れ、周平がこの間置いて行った志のお礼を言いに来た。周平は方向が一緒なので帰りましょうと誘い、河合と「若松」へ行く。旧制中学で若い先生ならそう歳は変わらないのかな? 酔っ払ったヒョータンは寂しいと言い、娘を便利に使ってしまって失敗したとしきりに言い、寝てしまった。河合はヒョータンみたいになったら困るぞと周平に言う。ちょいちょい失礼なんだよな〜。

 

家に帰った周平は路子にお嫁にいくように言う。もう24。路子は父や弟のことが心配だから、このままでいいと怒って、部屋を出て行ってしまった。

 

和夫が帰ってきて、路子に飯を食わせてくれと茶の間に座る。周平は路子に好きな人はいるのか?と和夫に聞く。和夫は自分にも好きな人はいるから、姉さんにもいるだろうと言う。和夫の好きな人はバスの車掌で清水富子という名前で小さくて太っていてかわいいと語る。路子にご飯の催促をする和夫に自分のことは自分でしろと言う周平。

 

秋子が勤めから帰ると、幸一がハム玉を作っていた。秋子もハンバーグを買ってきた。なんだ、一緒に家事するのかと思ったら、幸一はエプロンを外して座り、秋子がエプロンをしてる。でも少しでもやるだけすごいか。

 

昼に路子が秋子の元を訪れ、毎日のように周平から結婚のことを言われているという相談だった。河合から紹介された相手のことは悪くはないがはっきりしない。

 

周平が牛肉の佃煮を持って、幸一のアパートを訪れた。幸一にどこか外へ行こうと誘い、「かおる」へ行った。せっかく夕飯作ってたのにねえ。幸一はマダムを見て似てないと言う。周平は、和夫から路子の好きな人は三浦と聞き、幸一から三浦に話をして欲しいと言う。幸一も三浦はいいやつだと言う。

 

早速、三浦を飲みに誘った幸一。嫁をもらわないか?と言う幸一だったが、三浦は庶務課の井上美代子と約束したのだと言う。会社で伊香保に行ったときからの仲で手ぐらい握ったと言う。しかし、三浦は幸一の勧める相手が誰か聞きたがり、妹だと答えると、前にそれとなく幸一に聞いたことがあったが、嫁に行かないと言っていたと聞き、諦めたのだと言い、早く言ってくれたらよかったのにと言う。

 

周平と幸一が路子に話した。路子は周平の勧める人と会ってみると言う。周平と幸一の前では平気な顔をしていた路子も陰では泣いていたと和夫が言う。

 

河合の家を訪れた周平。河合の妻ののぶ子(三宅邦子)が出迎えた。河合の家には堀江も来ていて、河合と囲碁をしていた。河合が紹介した男は急いでいたので、堀江の助手の妹にも紹介していて、そちらに決まってしまっていた…って嘘か!

 

結婚式の当日。秋子を時々手伝いに寄越すと言う幸一。周平は秋子さんはお勤めもあるからと言う。そうだよ! 何言ってんだ、幸一! 幸一は今子供が出来たら困ると出来ないようにしていると言うが、周平は50過ぎて子供が中学生だと大変だと言う。幸一は周平26歳の時の子。

 

花嫁衣装の路子が周平に挨拶をして嫁いでいった。

 

河合の家で堀江と3人で飲む周平。いずれ幸一たちと住むつもりだが、今は和夫もいるからこのままだと言う周平。女の子はつまらんと言う。

 

周吉は先に帰って行った。

 

「かおる」へ行き、水割りを頼んだ。礼服を着た周平に「お葬式ですか?」と聞くマダム。うなずいた周吉にマダムは「軍艦マーチ」をかけた。カウンターの客は即座にラジオの大本営発表のマネをして「負けました」と言い合い笑う。

 

幸一と秋子と和夫が周平の帰りを待っていた。路子の今後を話し合い、康一と秋子は帰って行った。

 

和夫は酒を飲みすぎるなよと注意して、早く寝ろと言う。周平は軍艦マーチを口ずさむ。

 

台所に行き、コップに水を注いで飲み、そのまま椅子に掛けた。(終)

 

全体的にはいいけど、ヒョータン親子の描き方はちょっと気になった。自分のことは自分でしよう。できないなら家政婦雇えばいいよ。

 


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