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ドラマの感想など

【ネタバレ】帰って来た若旦那

1955年の白黒映画。1955年は昭和30年、今の「おしん」と同じ時代。

 
しかし、舞台が銀座のせいか白黒だけどオシャレ。年配の男女は着物、若い女性は着物も洋装もいる。
 
でも、奉公とか奉公人なんて言葉は普通にあったのね。
 
老舗洋菓子店(南蛮堂)の若旦那・修一はアメリカに留学して1年。近所の新興洋菓子店(サクラベーカリー)の娘・杏子と結婚を誓い合う仲。
 
修一には、南蛮堂の養女の春江という許嫁がいたが、春江は店の奉公人・五十嵐と付き合っていた。春江は父を亡くし、南蛮堂の養女になっていて、修一のことはきょうだいとしての愛情はあるが、それ以上は思えない。ただ、親の決めた相手なのでなかなか言い出せずにいる。
 
サクラベーカリーの女主人・桜子(清川虹子さん)は、大阪から出てきて店を成功させた。南蛮堂が借金に苦しんでいるのを知り、いずれ自分のものとし、南蛮堂の店舗にサクラベーカリーを移転し、サクラベーカリーは喫茶店にしようと考えていた。
 
南蛮堂の主人は自殺するほど悩んでいたが、修一が商業美術を学んでいたアメリカから帰って来ると知り思いとどまる。修一26歳。仁と同じ!
 
修一の実の妹・不二子が、父に春江と五十嵐のことを話すが、死んだ春江の父と誓ったと言って聞く耳を持たなかった。
 
若旦那・修一(鶴田浩二さん)が登場したのは物語の中盤過ぎ。不二子から春江との結婚話を聞かされて近所の芸者の置屋に身を隠す。当時の26歳からするとやっぱり仁、若いわぁ。仁も希望も髪型は80年代なんだね。
 
杏子には望月というしつこく言い寄る男がいて、実はサクラベーカリーの乗っ取りを考えていた。100万くらいの指輪をプレゼントできる金融ブローカーびっくり
 
芸者の置屋で幼なじみの夢千代から"フェミニスト"なんて言葉が出るとは思わなかった。修一はガキ大将だが、女の子はいじめなかったんだって。夢千代は望月からサクラベーカリーを経営させてやると口説かれていると修一に話す。
 
サクラベーカリーの女主人・桜子は周囲からマダムと呼ばれ、26歳の若旦那より17くらい年上と言ってたけど43! 43なのに自らおばあ、おばあってタラータラータラー 乙羽おしんより年上に見える。望月からもデブばあさんとか散々な言われよう。当時の女性の年齢ディスりはすごいわ。
 
翌日に結婚式を備え、修一は帰ってこない。探しに出た父は偶然、杏子に会い、修一は結婚すると話す。それを聞いた杏子は悔しくなって望月と結婚することを承諾するが、その後再会した二人は誤解が解ける。
 
望月がサクラベーカリーを喫茶店に改築するために呼んだ建築技師が修一だった。
 
杏子が望月の結婚を断ると、望月は今までに預かった改築費用は雑費として返さない、証文もあるから店も自分のものにすると捨て台詞を言って店を出る。桜子はショックで自殺するが助かる。
 
しかし、再び店を訪れた望月は書類に無理やり判を押させようとする。
 
颯爽と駆けつけた若旦那が大立ち回りで望月や仲間をやっつけて(結局暴力?!)、今度やったら警察に言うぞ!って見逃すの?!
 
春江が五十嵐と店で一緒に働き始め、若旦那と杏子は店番。それを微笑ましく見ている修一の父と杏子の母。
 
昭和30年のハッピーエンドのラブコメでした。
 
この映画を録画してたのは11月で今やっと見たけど「おしん」の再放送がちょうど昭和30年だったから身近に感じることができました。
 
怪しげなお金持ちといえば、金融ブローカーだったんだなぁとか、「おしん」で得た時代感が役に立ちました。43歳のマダムさえデブばあさんとか言われるんだから、55歳のおしんがばあさん呼ばわりされるのは仕方ないのか…ガーン