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【ネタバレ】木下恵介アワー「おやじ太鼓」 #4

TBS  1968年2月6日

 

あらすじ

今日は節分、そして明日は亀次郎の誕生日。だが、愛子の所に、子どもたちが代わる代わるやって来ては、理由を付けて金の工面を頼んだり、欲しい物をねだったり自分たちのことばかり。それでも翌日には、亀次郎の誕生日を盛大に祝う鶴家の皆の姿があった。

2023.7.17 BS松竹東急録画。11話までモノクロ。

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鶴家

亀次郎:進藤英太郎…大亀建設株式会社を一代で立ち上げた。2月5日で61歳。

妻・愛子:風見章子…5月で56歳。

長男・武男:園井啓介…亀次郎の会社の社長秘書。3月3日で30歳。独身。

次男・洋二:西川宏…ピアノや歌が得意。空襲で足を悪くした。

長女・秋子:香山美子…神尾光という恋人がいる。26歳。出版社勤務。

三男・三郎:津坂匡章(現・秋野太作)…二浪して大学生。

次女・幸子:高梨木聖…女子大生。4月から3年生(20歳)。

四男・敬四郎:あおい輝彦…浪人中。

三女・かおる:沢田雅美…4月から高校生。

*

お手伝いさん

初子:新田勝江…2月10日で30歳。

お敏:菅井きん…愛子の4つ下。

 

台所で豆を煎っている初子。そこにお敏が起きてきた。すっかり朝寝坊しちゃってというお敏に初子は朝から旦那様に怒鳴られたのだと愚痴る。おみおつけに輪ゴムが入っていて、口の中で気づいた。想像すると気持ち悪いし、亀次郎が怒るのも分かる。

 

今日は節分。初子は豆をたくさん食べればいいとお敏に分け、お敏はタバコを吸い始める。呼び出しのベルが鳴るが、初子は手を離せず、お敏は朝から顔を合わせたくないと嫌がる。

 

今回の話は昭和43(1968)年2月4日(日)の出来事だと思います。

 

茶の間で朝食をとっていた亀次郎と愛子。ほうじ茶を変えてちょうだいと土瓶をお敏の方に置く。お敏をじろじろ見ていた亀次郎は、お敏が部屋を出ていくと愛子に「お前が一度はっきり言うといいんだよ」とお敏の朝寝坊をとがめる。

 

しかし、愛子は、お敏は朝寝坊が楽しみだと言い、私だって一度でいいからお昼までぐっすり寝てみたいと言う。日曜日ぐらいゆっくり寝ていたくても亀次郎が早起きで寝ていられない。30年も連れ添ったじゃないか、愛子さん怒らないでねと亀次郎が愛子の肩に手を置くと、そのタイミングでお敏が入ってきて「あら…」。

 

亀次郎はあしたっから春だからもっと早く起きなさいとお敏に言う。愛子はさっきと違う土瓶を持ってきたお敏にどうしたのか聞くと、ふたを落として割ってしまったのだと言う。愛子さんの言う”おどびん”上品だわ~。

 

物のありがたみを知らないと怒る亀次郎に明日から春だからニコニコしてくださいとたしなめる愛子。人は誰だって粗相をする、それをいちいち怒ってたら人なんか使えませんよ、笑う門には福来ると続ける。

 

翌日2月5日は立春であり、亀次郎61歳の誕生日。明治40(1907)年2月5日生まれ。食器を下げようとするお敏に早く豆を持って来いと急かす。もう9時になるので豆まきをしてみんなを起こそうという亀次郎に豆まきは夕方からで、今日の福が逃げてしまうと愛子は言う。

 

お風呂に入って寝たらいいという愛子に「寝るのはウサギ、亀は寝ないの。覚えておいてちょうだいね、ねえ、愛子さん」と肩に手をやるところをまたまたお敏に見られた。お敏「あら…」。今日はおとぎ話が裏テーマ?

 

CMで長女・秋子役の香山良子さんがおせんべいの宣伝してました。今もおきれい。年齢は出てなかったけど、当然、当時の亀次郎より年上なんだよね。

 

武男が起床して広間にいる愛子に声をかけた。愛子は部屋の掃除中。こんな広いうち、少しは手伝ってやらなきゃと掃除している愛子に肩をもんであげるという武男。朝寝をするくらいならもっと母さんを寝かしてあげればいいのにといたわる。一度意見しなくちゃだめだな、断固として言うと張り切る武男に鉄兜なんか用意しとかなきゃダメよと愛子。買ったばかりのがたくさんあるから明日会社から持ってくる…鉄兜=ヘルメット?

 

武男は本題へ。洋服屋で合服2着、コート1着を買わされた。とても僕じゃ払いきれない。大亀建設の社長秘書としてみっともないものを着ていたら名誉にかかわると熱心にプレゼンすると、愛子が会社に払ってもらえばいいと言う。武男は愛子のその言葉を待っていたとばかりに喜ぶ。経費にしてもらおうってわけね。

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次に広間に来たのは三郎。掃除を手伝う三郎は愛子に3000円を借りようとする。自分のお金は大学生で妻子のいる友人に貸してしまった、3000円で亀次郎にプレゼントを買うとしつこい三郎に「たった3000円」と了承する。

 

次は秋子。仕事関係で知り合ったテレビ局の人に結婚を申し込まれ、2人とも割合贅沢に育ってしまったため、2人の給料では快適な生活はできないので3DKくらいのマンションが欲しい。お父さんに1軒建ててもらうか3DKのマンション…セレブだな~。愛子は結婚には賛成みたいだけど、お父さんとお母さんが家を持てたのは子供を5人も持ってからだと話す。

 

次は敬四郎。友達に高校時代のお別れに記念にくれとせがまれ、腕時計をあげてしまった。敬四郎は今浪人生なんだよね? 高3じゃないよね? 国産だっていい時計があるとお願いする。

 

かおるが愛子の持っていたバケツの水を捨てようとすると、愛子がもう動けないとソファに座り、かおるが「あらどうしたの? まさか血の道じゃないんでしょ」と聞いた。

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更年期みたいな?

 

かおるのお願いは透き通ったネグリジェが欲しい。寝ている間は桃色の夢が見たい。起きてきた幸子が「意味知ってるの?」とからかうと「この頃の子供は早熟だ」と言い返した。起きてきた洋二に愚痴るが、やっぱり軽くあしらわれる。母に要求しなかったのは次男の洋二と次女の幸子のみ。

 

夕方、亀次郎が「鬼は外! 福は内」と家中に豆をまく。鬼は外!で大きな声で豪快に豆をまき、福は内でテンション低い言い方が面白い。亀次郎は、お敏と初子に豆を拾うように命ずる。

 

「私の誕生日、あの人と同じなのよ」と初子。え!

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初回に誕生日は来月の10日と言ってたように聞こえたのは勘違いだったのか?

 

初子は武男と同じで30歳になるから、昭和13(1938)年2月5日生まれということかな。

 

茶の間でくつろぐ亀次郎と愛子。

愛子「そんなガミガミしてたら春は来ませんよ」

亀次郎「運動になるんだ、大きな声は」

愛子「はた迷惑な運動ですね」

 

子供たちは全員外でご飯を食べている。もったいないという亀次郎に明日の誕生日の贈り物を買うために出かけているんだと話す。そして年の数だけしみじみ豆を食べる。

 

会議室

役員たちを前に社長あいさつ。長そう。

 

台所

初子は生まれは大地主のお嬢さんでお蚕様にくるまって育ったのだとお敏に話している。

 

会議室

なおも続く亀次郎のあいさつ。「求めよ、しからば与えられん」であります。

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台所

この年になってまだ人に気兼ねして寝たいときだけ寝てるわけにはいかないと愚痴るお敏。初子とグラス磨きをしている。

お敏「大体正直者が馬鹿を見る世の中よね。それが証拠に闇屋をやってた人はみんな大金持ちになっちまったじゃないの」

初子「黒い霧よね」

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闇屋やって金持ちになる話はそこらじゅうにあったんだね。

不正や犯罪などが隠されているものを表現した言葉。

 

会議室

なおも続くあいさつ。しかし、原稿は便所に持って行ってしまった。

 

翌日、かおるが銅鑼を鳴らすと、赤いちゃんちゃんこ姿(白黒だけど)を着た亀次郎と愛子が広間へ向かう。

 

♪誰が捨てたか 大太鼓

 

広間から聞こえる洋二の作曲した歌を気に入る亀次郎。

 

♪ドンドン ドドンド ドン ドドン ドドン

ドンドン ドドンド ドン ドドン ドドン

 

洋二がピアノ、子供たちは拍手で亀次郎と愛子を迎える。

 

♪小鳥はピーヒョロ驚いた

小鹿はびっくり大慌て

虫が起きるぞ 大太鼓

みんなブルブル おお寒い

朝から夜まで 鳴りどおし

今ではみんなもこわくない

 

歌詞カードを見ながら歌っていた亀次郎が同じく主賓席に座る初子にウインク。初子はぎょっとする。

 

♪ドンドン ドドンド ドン ドドン ドドン

 

みんな歌が上手。亀次郎の笑顔でつづく。

 

昔の人は老けて見えるものだけど、亀次郎は60歳と言われても、今でもこんな感じの人いそうだし、進藤英太郎さんは当時、実年齢は70近くだとすると若いとすら思う。やっぱり髪の毛のせいかな?

 

そういえば、黒髪の好青年・三郎だけど、私には秋野太作さんの若い頃といえば「男はつらいよ」の最初の映画で虎次郎の舎弟役で見たのが最初で茶髪の似合うチャラい青年役だったので、「兄弟」の静男役とか最初はびっくりだったな。