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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(85)「奄美想いて」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

奄美大島に帰りたいというイシ(岩本多代)の突然の申し出に驚く町子(藤山直美)と健次郎(國村隼)たち。しかも一人で帰るという。困惑する健次郎と晴子(田畑智子)だが、お父さんと一緒に島で暮らすというイシの気持ちを町子は大事にしたいと考える。そんなとき昭一(火野正平)がイシと一緒に奄美へ帰るという。健次郎は気まぐれな昭一に疑いを持つが、「郷里を愛し、おやじの墓守をする」という昭一の言葉にイシを託す。

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昨日の振り返り

イシ「私…島に帰ろうと思うの」

町子「島に?」

振り返りここまで

 

喜八郎の告別式の翌日、イシが切り出した話に町子たちは驚きました。

 

茶の間

晴子「そやけど、お母ちゃん、奄美には、もう家あれへんのでしょ?」

イシ「いや~、村に空き家は、なんぼでもあるもの」

町子「お母さん…」

健次郎「けどな、今、僕ら、ここ離れるわけにはいかんのやで。そらまあ、村で診療所開けんこともないけども」

 

イシ「嫌やわ、何言うてんの。あんたら連れて帰ろやなんて言うてへんわ」

晴子「お母ちゃん?」

イシ「一人で帰ります」

昭一「その年でひとりで島帰るんか?」

 

イシ「お父さん言うてたの」

健次郎「何を?」

イシ「『もし、ワシが先に死んだら墓は島がええなあ』て」

晴子「そんな話、いつしたん?」

イシ「こないだ。つい、こないだ」

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回想

喜八郎がイシに紙を見せる無言のシーン。

回想ここまで

 

イシ「こない早うにそうなると思てへんかったやろけどね」

健次郎「おやじがそんなこと…」

町子「あの、お母さん…」

イシ「あっ、ねえ、勘違いせんといてね。ここが嫌になったいうことやあれへんの。それは違うの」

町子「あ…はい」

 

イシ「ただね、お父さんと知り合うた時のこと、いろいろず~っと思い出してたら、何や急に帰りとなって…。なっ、健次郎、どないやろ?」

健次郎「急な話やからな」

晴子「そやわ、一人やなんて、そんなんあかん」

 

町子「あの…お母さん」

イシ「はい?」

町子「1つだけ聞かせてもろてもよろしいでしょうか?」

イシ「はい」

 

町子「あの時…庭でお父さんと話をしてはったあの時、何か紙を見てはりましたでしょ?」

イシ「ああ…あれ? あれね…」白い紙に包まれたすっかり黄ばんだ半紙を取り出した。「これやの」

町子「うん?」

 

命名 正子

大正十五年一月十六日

 

大正15年は1926年生まれか。多分、健次郎とそんなに歳は離れてないはず。

 

イシ「正子が産まれた時の…。お父さん、ず~っとこれ持ってたの。『正子が島の先祖代々の墓地に眠ってるから、そこへ帰ってやるのもええなあ』て、お父さん…」

 

茶の間で向かい合う町子と健次郎。

町子「お父さん、忘れてはれへんかったんやね、ず~っと」

健次郎「フフッ…。おやじが言い残したいうのは分かんねんけどな…おふくろ一人で島、帰すのはなあ…」

町子「私…お母さんの気持ち、よう分かるわ」

健次郎「え?」

 

町子「最初にお父さんと一緒になった村でお母さん、お父さんといろんなこと話、しながら生きていきたいんやわ、きっと。島にいてたら、お父さんと最後まで夫婦でいてられる。そう思いはったんと違うやろか?」

健次郎「夫婦としてな…。けど、実際は一人や。病気したらどないする? もし、けがでもしたらて…」

町子「それはそやけど…」

 

階段を下りてきた晴子が玄関に座っている昭一を見つける。

晴子「お兄ちゃんも反対でしょ?」

昭一「うん?」

晴子「なんぼ親戚や知り合いがいてる村やいうても心配やわ。お兄ちゃんもちゃんとお母ちゃん止めてね」

昭一「うん」

 

晴子にしてもイシがいなくなったら、健次郎の代になって居づらいよな~(^-^; まあ、徳永家は甥っ子姪っ子もなついてるから別に大丈夫か。

 

たこ芳

りんに酌されながら一人のんでいる健次郎。

 

仕事部屋

原稿を書いていた町子だが、ふと外を見る。

 

昭一「あのな、カクニ、向こう行くやろ。黒い服着た人、ぎょうさんおる時は神妙な顔してなあかんぞ。それからな、寺が潰れたなんて話、聞いたことないから食いっぱぐれはないから心配すんな。それとな…」

 

町子「お兄さん。お兄さん」

 

昭一に抱かれたカクニがジタバタ。

 

庭に出た町子。「さっきからカクニに何をそない真剣に説明してはるんですか? ねえ」

昭一「これ、居候心得ね」

町子「ペットて居候と違いますよ。番犬にもなるし」

昭一「そらそやな。第一、寺に泥棒入ったら犬どころかいろんなもんに追っかけ回されるもんな」

町子「ほんま。ハハハハハハ!」

 

昭一「あっ、町子さんちょっとな、つきおうてほしいことある」

町子「すいません。まだ仕事残ってるもんですから」

昭一「いや、そやけどちょっと一緒に来てほしいとこあんね。頼むわ。ねっ」

町子「ちょっとお兄さん…」

 

町子を無理やり連れていこうとする昭一と踏ん張る町子。

昭一「すぐ済むから」

町子「いや、ちょっと待ってください。いや、仕事も私残ってます」

昭一「頼むから来て! お願いやから!」

町子「寒いから、このままやったら、お兄さん」

 

昭一「来て言うてんのに!」

町子「このままやったらね」

昭一「そのままでかまへん!」

町子「ちょっとお兄さん待って! ちょっと待ってください! ちょっと寒いっちゅうてんのに!」

 

たこ芳

りん「はい、いらっしゃい!」

町子「ああ!」健次郎に気付く。上着も着てる。

 

りん「やあ、お迎え?」

健次郎「何やの? 2人で」

昭一「俺がつきおうてもろたんや。町子さん、そこ」

町子「あ…はい」健次郎の隣へ。

健次郎「何やねんな?」

 

昭一「いや、健とな、2人きりやったら話、はずまへんやろ」

健次郎「別に兄貴と話はずまんでもええがな」

町子「恥ずかしいんでしょ」

健次郎「おりんさん、お酒」

 

町子「そしたら、おりんさん、私、え~っとコンニャクとひら天下さい」

りん「はい」

昭一「あっ、俺はね、コロとスジと」

りん「はい」

 

昭一「あのな、健」

健次郎「うん?」

昭一「お母ちゃんの話やけど、俺な…」

健次郎「うん」

 

昭一「奄美、一緒に帰るわ」

町子「え…?」

健次郎「え?」

昭一「ほんで、お母ちゃんと一緒に暮らして、おやじの墓守もしようと思う」

 

健次郎「何を言うてんねや。僕らに気ぃ遣て気まぐれでそんなこと言うてんねやろ? 第一、兄貴がそんな一つ所に落ち着けるわけないがな」

昭一「気ぃ遣て言うてるわけやないよ。俺な…」

健次郎「遣てる」

昭一「違うて」

健次郎「遣てるて!」

 

町子「健次郎さん。お兄さんの話、最後まで聞かせてもらいましょ」

昭一「おおきに。ついてきてもろてよかった。俺ね、あっちこっち旅して暮らしてきたやろ。外国にも行ったし、いろんな土地でいろんな人に関わり合ってきた」

健次郎「ほれ見い。どこにも落ち着いてへんがな」

町子「シ~ッ」

 

昭一「いや、そらまあ、健の言うとおりや。健が正しい。そん中でね、俺、生まれた奄美のことをよう知らんなあて気が付いたんや」

町子「え? よう知らんて?」

昭一「医者にもなれへんかったからね、二十歳前で島出たでしょ。日本の片田舎で一生終わんの嫌やなと思たから。そんであっちこっち回ったけど…奄美ほどええとこほかになかなかないぞ。まだまだ俺の知らんこといっぱいあんねやろなあと思たら島が恋しなってきた。俺みたいなもんでも何かできることあんねやないかて。今まであっちこっち回って見たり聞いたりしたことが何かの役に立つんやないか思てさ。おやじらのことでもな、今までずっと健一人に世話になりっぱなしやったし」

 

町子「健次郎さん…」

健次郎「兄貴、本気なんか?」

昭一「おお」

健次郎「ほんまにお母ちゃん頼んでええんか?」

昭一「うん」

 

話し終えた昭一は箸を持っておでんを食べようとする。

町子も食べ始める。「いただきま~す」

 

徳永醫院

 

そして喜八郎の初七日が過ぎた休日です。

 

台所

まな板に大きな鯛が置かれている。

 

町子「わあ、大きなお鯛さん!」

 

健次郎「おい、始めるぞ!」

子供たち「はい!」

隆「おいしそう!」

登「うわっ、大きい!」

清志「すごい!」

 

健次郎「今日は男の料理だから、あんたは見てるだけ。ええか」

町子「はいはい」

 

健次郎「よし! ではまずこの魚というのはうろこを取ります。こうやってな」うろこが飛び散る。

一同「うわ~!」

健次郎「ハハハハハハ!」

町子「ついてる!」隆を引き寄せる。

 

茶の間

純子「大先生がお料理なさるなんて!」

晴子「料理やいうてもお刺身でしょ?」

イシ「あんたは、お魚ちゃんとさばかれへんでしょ?」

晴子「やったらできるよ」

イシ「お母ちゃん、それだけが心残り」

淋しそうな晴子の顔。

 

町子「は~い! 鯛のおつくりの完成です!」皿を運んでくる。

純子「うわ~、きれい! さすが大先生ですね!」

町子「あの、かぶと煮もすぐ出来上がりますから」

純子「はい。きれいね~。早く食べたいでしょ」

 

台所

晴子「アチチッ! アチッ!」熱かんを鍋から取り出す。

 

茶の間

純子「これも大先生が?」

健次郎「はい。これね、大事なのはね、お酒をかけてまず魚の生臭みをね、取っとくことなんです」

晴子「はいはい! 講釈は後、後! はい、大人はこれですよ。はい」熱かんを手渡す。

健次郎「ありがとう」

純子・町子「ありがとうございます」

 

健次郎「さあ、ほな食べよか。はい、いただきます」

一同「いただきます!」

町子「ありがとうございます。お先、すいません」

健次郎「はい、どうぞ」

純子「すいません」

健次郎が、町子や純子にお酒を注いでくれる。

 

町子「いただきます」

イシ「このかぶと煮、身がふっくらしてる。ゆっくりでええからあんたも1つずつ覚えていきなさいや。そんな難しいことやあれへん。みんなしてることやさかいな」

 

席を立つ晴子。

健次郎「どないした?」

晴子「骨、喉に…」

健次郎「あっ、それな、ごはん粒…」

町子「健次郎さん」

 

流しで泣きそうになっている晴子。イシも何となく察する。

イシ「亜紀」と亜紀に刺身を取り分けてみたり、涙を拭いたり…。

 

夜、2人だけの茶の間。

町子「寂しなるね…。私ね、ついこないだ大勢でにぎやかなおうちに来させてもろたんやなと思てたんやけども、いずれ子供たちも一人一人、この家、出ていって…。ねえ、健次郎さん」

健次郎「うん?」

 

町子「春になったら奄美行きましょ、みんなで!」

健次郎「そやな」

町子「私、ふるさとが増えたみたいでものすごいうれしいの。連れてって」

健次郎「はい」

町子「ほんまに?」

健次郎「はい」

 

町子「そしたら、指切りましょう」

健次郎「え?」

町子「ねえ、指切り。奄美へ行くための指切り」

健次郎「恥ずかしい、そんなん」

町子「何で? 指切りしよう」

 

健次郎「子供やあるまいし」

町子「誰も見てへん」

健次郎「何で指切り?」

 

イシ、亜紀、由利子、晴子は布団を並べて笑顔で話をしている。男の子たちは夢の中。

 

そしてまだ語り続ける町子と健次郎。

 

来週は「禁じられても…」

・子供たちが大きくなった。

 

・健次郎「まだ話、終わってないやろ」

 

・登「由利子姉ちゃん、ちょっとけったいやな」

 

・部屋でギターを弾き語りする由利子「♪ウィ シャル オーバー」

 

・ギターを弾く少女を囲む集会? 歌ってるのは、林明日香さんかな?

 

・晴子「どないする? ヘルメットかぶって暴れたりしたら」

 

・「誰かがやらないと」

 

・「やっと思い出してくれたんかいな!」平田満さん!

 

ミニ予告

変装?している町子と純子。

 

ああっ、ついにこの時が…。子役たち総とっかえ。イシさんも実質退場みたいなもんなのかな?

 

澪つくし」「あぐり」「マー姉ちゃん」「芋たこなんきん」と再放送朝ドラに欠かせない岩本多代さんの見せ場ともいえる週でした。今までは和服のいい所の奥様みたいな役ばっかりだけど、庶民的なおばあちゃんも似合ってた。

 

だからやっぱり次も岩本さんが出演されていた朝ドラの再放送がいいなあ。

・1973年「北の家族

映像が残ってない。この作品だと「マー姉ちゃん」の村田さんと夫婦役らしい。

 

・1977年「いちばん星」

視聴者が残していたビデオテープで全話揃った。「澪つくし」で岩本さんと夫婦役だった津川雅彦さんが中山晋平役で出演。発掘プロジェクトみたいなのをせっかくやったんだから、それを披露する場があってもいいのにと思う。

 

・1980年「虹を織る」

ヒロイン・紺野美沙子さんの母役。夫は高松英郎さん。あ、この方も「マー姉ちゃん」でマリ子の女学校の校長先生だった。宝塚の話だからストーリーにも興味ある。

 

・2004年「天花

…これはあまり興味が持てない…というか「芋たこなんきん」の再放送をきっかけに、この前後あたりのドラマが見たいという風向きになってる気がするけど、ここは古い作品をじゃんじゃんやってほしいなあ…。80年代の作品は残らず見てみたい。