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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(146)「ほな、また!」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

健次郎(國村隼)がかっ血して倒れ、病院に運ばれる。意識はあるがレントゲン撮影の結果、右の肺に大きなしゅようが出来ており、町子(藤山直美)と駆けつけた晴子(田畑智子)は、加藤医師(串田和美)から、腫瘍の細胞を採取して詳しく検査することを聞く。いったん、徳永家に帰った町子は、健次郎のことが気になりながらも朝方まで仕事を続け、翌日、秘書の純子(いしだあゆみ)といっしょに検査結果を聞きに病院へ向かう。

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前回の振り返り

救急車のサイレン

徳永家前にいる純子。

貞男「矢木沢さん! どないしたんですか?」

純子「ああ…」

貞男「誰が?」

純子「大先生が…」

貞男「え?」

 

病院の廊下をストレッチャーで運ばれている健次郎と横についている町子。

振り返りここまで

 

病院の待合室のベンチで座って待っている町子。

ドアが開く音

町子「あ…先生」

加藤「徳永健次郎さんのご家族の方ですか?」

町子「妻です」

加藤「ああ…。いや~、肺からの出血ですね。大量だったんで一時的に貧血状態になられましたが、今は意識もはっきりしてらっしゃいます」

町子「肺から?」

加藤「ええ」

町子「あの、5年ほど前にですね、脳出血で手術したことがあるんです」

加藤「存じてます。それとは関係ありません。今、レントゲンを撮りました」

 

ドアが開き、健次郎がストレッチャーで運び出されてきた。

町子「健次郎さん…」

健次郎「大丈夫。ちょっとクラッとしただけや。疲れやな」

加藤「もう一度詳しいレントゲンを撮ります。すいません、ちょっとこちらへ」

 

相談室だか面談室だか先生から説明を受ける部屋

加藤「右肺のこの部分に腫瘍があります」

町子「腫瘍…ですか?」

加藤「ええ。詳しい検査結果を待たないといけませんが…」

 

病室

点滴をしている健次郎。

ノックして町子が入ってきた。「ああ、顔色ようなってるわ。気分、どないですか?」

健次郎「マシになった」

町子「ああ…。お兄さんのことで気疲れしたんやね」

健次郎「フフッ。けどまあやっと兄貴も落ち着いてくれたし…」

町子「ど~っと疲れが出たんやわ」

健次郎「そういうことですな。いつ帰れるて?」

町子「うん…少し熱もあるしね、検査もしたいから『ちょっと入院してください』って」

健次郎「また入院か…。何ともないのに」

町子「お医者さんの言わはることは素直に聞かなあきませんね」

健次郎「はい」

町子「フフフ」

 

ノック

町子「はい。由利子ちゃん」

由利子「お父ちゃん…」

健次郎「ああ」

由利子「元気そうやんか。びっくりさせんといて」

健次郎「大したことないで」

由利子「宴会で飲み過ぎて歌い過ぎたんやろ。私たちが帰ってからも飲んでたんでしょ?」

町子「おじちゃんとずっと島唄歌うてた」

由利子「あ…もう…」

町子「あ…由利子ちゃん、ちょっとの間ええかな? 着替えや何やかや取りに帰りたいねんわ」

由利子「はい」

町子「そしたら…。お願いします」病室を出ていく。

 

病室を出た廊下

由利子「おばちゃん! どないやの?」

町子「うん…。肺の中に何かできてるって」

由利子「長いことかかりそう?」

町子「検査してみんことには分からへんけどって…。けど、あんな元気そやしね…うん、大したことはないと思てる」

由利子「そう…」

町子「とりあえず頼むわね」

由利子「分かった。また後で」

町子「うん」

 

茶の間

心配そうな和代にお茶を出す純子。「大丈夫ですよ。大先生、前に倒れられた時だって、ちゃんと元気になって帰ってこられたんですから。運動麻痺が残ってた手と足もリハビリで阿波踊り踊れるぐらいよくなられましたし…」

和代「そやね」

 

町子「あっ、ただいま」

純子「お帰りなさい」

和代「町子。健次郎さんは?」

町子「顔色もええしね、心配あらへんわ。出血でね、貧血起こしたみたいやの。しばらくは入院してくださいって。それでね…肺に何かできてるみたいって」

純子「肺に?」

町子「うん。とりあえず入院の支度して、私、病院に戻りますわ」

 

プッシュ式電話が鳴る。

純子「あ、もしもし? 花岡でございます。『週刊陽春』…」

町子、手を合わせてごめんのポーズ。

純子「申し訳ございません。もうしばらくお待ちいただけますでしょうか。あの、明日には…」

町子、うなずくジェスチャー

純子「はい、そうです。よろしくお願いいたします」

町子、ため息。

 

廊下

空になった鳥かごを見た町子。

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回想

健次郎「かわいそうにな。かわいがってもろてた家族と離れて、見も知らん家で最期を迎えたんやからな」

回想ここまで

 

町子「アホなこと考えたらあかん」

 

病室

花を飾る晴子。「そう。そしたら詳しいレントゲンと検査の結果は、まだ出てへんのやね?」

健次郎「うん」

晴子「痰、絡んだりしてたの?」

健次郎「ちょっと前からな」

晴子「医者のくせにはよ手当せえへんからや」

健次郎「病院嫌いやね」

晴子「もう…。そういうのをね、『医者の不養生や』ていうてね…」

健次郎「ああ、もう…見舞いに来て病人に説教すんなよ。そういうのが病気を悪くす

んのや」

 

ノック

町子「あっ、晴子さん…」

健次郎「なあ、町子」

町子「はい」

健次郎「このうるさいの追い出して」

晴子「もう! 分かりました。すぐ帰ります」

健次郎「フフフッ」

 

ノック

看護師「徳永さん、先生がお呼びです」

町子「あ、はい。そしたら…」

晴子「私も行きます」

町子「あっ、お願いします」

 

面談室

加藤「CTを撮ったんです。ここなんですけどね…」

町子「はい」

加藤「右肺下部に腫瘍ができてます」

町子「右肺?」

加藤「大きな腫瘍です。明日、細胞を採取して検査をします」

晴子「細胞採取…」

加藤「ええ。気管支鏡の検査です」

町子「そうですか…」

 

病室

昭一「びっくりしたで…。あのあと倒れたってな」

健次郎「ちょっと飲み過ぎたんやな」

昭一「お前も年を取ったっちゅうこっちゃね」

純子「お兄様、お元気ですものねえ」昭一にお茶を渡す。

昭一「はいな。あ~、おおきに」

 

健次郎「あ、そや。北野さん、結婚式決まったんやてな」

純子「はい。新婚旅行ニュージーランドなんですって」

健次郎「へえ~、ニュージーランド?」

純子「はい」

 

昭一「ええとこですよ」

健次郎「え? 行ったことあんの?」

昭一「あるある。あのな、ニュージーランドってね、人間より羊の数の方が多いねん。道路、羊で渋滞してんねん」

健次郎、純子、由利子笑う。

昭一「いや、ほんまに」

健次郎「ほんまかいな」

 

純子「あっ、私、あのちょっと家に戻ってます。お母様、お一人なんで…」

健次郎「どうもすんませんね」

昭一「お願いします」

純子「どうぞごゆっくり」

 

相談室を出た町子と晴子。

町子「晴子さん」

晴子「うん?」

町子「あの大きな腫瘍…悪いもんなんかな?」

晴子「大丈夫やて。とにかく結果待ちましょう」

町子「はい」

 

そしてその夜

 

茶の間

お茶を飲み、ため息をつく町子。「しんど~。長い一日やった~」

 

台所で片付けをしている純子。「お疲れさまでした」

 

町子「純子さんこそ今日はどうもありがとうございました。おうち帰って休んでください」

純子「これからお仕事なさるんですか?」

町子「ええ。頑張ってやります。で、明日の朝、病院のぞきましてね、うち帰ってきて、お仕事済ませまして、夕方には検査の結果が出るて聞いてますので、改めて、私、病院に行きます」

純子「晴子さん、ご一緒なんですか?」

町子「晴子さん、東京に出張なんですって」

純子「そうですか…」

町子「ほんとにどうぞおうち帰ってください」

純子「はい。じゃ、失礼します」

町子「ありがとうございました」

 

部屋を出ていこうとし、疲れた様子の町子を見る純子。

町子「ああ~あ…」

 

仕事部屋

原稿を書いている町子。

 

健次郎のことが気になりながらも町子は朝方まで仕事を続けました。

 

病室

ノック

健次郎「はい、どうぞ」

町子「気分、どないですか?」

健次郎「ちょっと腰が痛うてなあ」

町子「え? ベッド硬いの?」

健次郎「バスタオル1枚持ってきといてくれるか。ちょっと敷いてみるわ」

町子「分かりました。おなかすいてないの?」

健次郎「いや、これしてるから」

町子「あ、そうか。今、食べられへんのやね。よいしょ」布団を整える。

健次郎「結果は夕方か?」

町子「うん。そう言うてはりました」

健次郎「うん…そうか…」

 

町子「ねえ、寝てないの?」

健次郎「あんたもやろ。その顔は徹夜明けの顔やな。締め切り前か?」

町子「とんでもない。締め切りはとっくに過ぎてます」

健次郎「得意げに言うてどうすんねん」

 

茶の間

和代「そう。検査結果が出るんですか」

純子「一度、お仕事で戻られて、夕方、担当の先生からご説明聞かれるんです」

和代「晴子さんたちも一緒なんやろか?」

純子「今日はどなたもご都合が悪くて、町子先生、お一人で…」

和代「一人で…?」

 

戸が開く音

町子「ただいま」

 

仕事部屋

帰って仕事部屋に直行し、部屋の時計を見ている。

町子「えらいこっちゃ。急がなあかんわ。え~っと…」原稿を書き始める。

 

純子「失礼します」

 

町子「は~い!」

純子「ああ…先生、これ」サンドイッチと飲み物。

町子「あっ、ありがとうございます」

純子「はい」

 

そして、夕方になり…

 

茶の間

町子「あっ、そしたら、私、そろそろ行ってきます。それから、純子さん、あの、原稿は帰ってきてからちゃんと私、仕上げますのでね」

純子「はい」

和代「町子、待って」

町子「はい?」

和代「純子さんも一緒に行ったってくれはりませんか?」

純子「え?」

町子「お母ちゃん…」

和代「一人で大丈夫やから…」

町子「ええの?」

和代「うん」

町子「ほな純子さん、一緒にお願いできますか?」

純子「はい。すぐに戻ってまいりますから」

和代「お願いします」

純子「はい」

 

家を出た町子と純子。

町子「あ~、ええお天気やこと。行きましょか?」

純子「はい」

 

町子は検査結果を聞きに病院に向かいました。

 

ミニ予告

病院の廊下を歩く町子と純子の後ろ姿。

 

終盤に来て健次郎が病気がちなのホントに辛いね。今、田辺聖子さんの「残花亭日暦」を読んでると、本当にその通りではあるんだけど。

まだゆっくり読んでるけど、最終回前までには読み終えたいな。