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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(20)「しゃべる、しゃべる」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

深夜、時間を忘れて町子(藤山直美)は自分の初恋の苦い思い出を健次郎(國村隼)に話す。10歳の町子(山崎奈々)が恋心を寄せる同級生・マサル(北方将太)。そのマサルが町子の妹・孝子(中山桃)の行方不明事件に巻き込まれ、町子の家の庭にたまたまいたとき、洗濯物を取り込んでいた町子の祖母のイト(宮田圭子)が、マサルに気づかずに町子にズロースを渡してしまい、ズロースをマサルに見られ、町子は赤っ恥をかく…。

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学校の階段マサルに無視される町子。

 

花岡家

文代が作ったハッシュドビーフライスを食べていたが…

文代「黙って食べてちょうだい! しょうもないことばっかり」

昌江「しょうもないて…」

常太郎「食べながらしょうもない言い合いをするんやない!」

 

常太郎「何や!?」

文代「お父ちゃんなんか知らん!」

常太郎「おい! おい! 何や? あいつ!」

文代が退室してしまい、亀田の顔をまじまじ見る子供町子までが振り返り。

 

幼い頃の初恋や叔母・文代にまつわる家族たちの思い出話を時間を忘れて健次郎に話している町子でした。

 

徳永家茶の間

健次郎「あんたの初恋の話はどこ行ったんだ?」

町子「もうええやん」

健次郎「ええことないがな」

町子「今、話、変わってんのやから」

健次郎「いやいや、私は聞きたい」

この部分も昨日のラストあたりの会話。

 

町子「何でず~っと…引っ張り出すの?」

健次郎「小学校何年生?」

町子「いや、もうええやん。私、忘れました」

 

昭和13年

孝子「『あ~っ!』『マサル殿。わらわはそなたを…』」

 

手前に鏡台の前にいる文代、少し奥に本を読んでいる昌江。奥に一段高くなって町子と孝子の部屋があるんだね。奥で町子のまねをして独り芝居をしている孝子。

 

孝子「『タカ姫様~!』はあ…アホらしい」

 

昌江は文代を見てため息をつく。

 

両親と祖父母が食事しているところを窓の外から見ている町子。

徳一「外出禁止は厳しすぎへんかな。子供やないねんから」

常太郎「子供やないから心配なんや。嫁入り前の娘が一晩中、外、歩いてたんやで。料理学校もしばらく休ませる」

徳一「なにもそこまで…」

和代「束脩(そくしゅう)も払てしもたのにもったいない」

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常太郎「わがままに育ってしもたな。あいつはちっちゃい時から、かわいらしいかわいらしいてチヤホヤされてそれを鼻にかけるとこがあった。自分が気に入らんことがあると周りにすぐイケズしよんねん。あの根性直さんとな」

イト「今はあんまりきつう言うても…」

常太郎「とにかく勝手は許さん!」

イト「あ…お茶は?」

常太郎「いらん! 日曜いうたかて、こっちは休みやあれへんねやから。おい、行くで」

徳一「ごちそうさん

 

イト「私にあたったかて知りませんがな…」

じろりと見られて、お茶を飲む和代。それを外で見ていた町子も「怖っ!」

 

「少女の友」の表紙を見ている町子。

町子が見ているのは赤のベレー帽におかっぱ頭に赤い洋服の少女。「はあ…。何でこんな顔に生まれてけえへんかったんやろ…」

この前、あいびきを目撃したのと同じ場所? 割と長い草が生えてて、でも町子が座るようなベンチもあり、人通りもある。

 

町子「あ…」

マサル「おう」

町子「どこ行くの?」

マサル「ちょっとな。何してんねん?」

町子「ちょっと」

 

マサルは町子が座っていたベンチの端に座る。「花岡、本、好きやなあ」

町子「えっ?」

マサル「いっつも何か書いてるやろ」

町子「あの~、今度よかったら、私の…私の書いたお話、いっぺん…」

マサル「あっ、行かな! これから塾やねん」

 

町子「塾!? お休みの日なのに塾、行ってんの?」

マサルはうなずいて去っていく。

町子「塾…」

 

花岡家台所

和代のアップ。「塾!? 塾に行きたい? あんたが!?」

笑顔でうなずく町子…ここかー、ミニ予告は。

和代「勉強の塾?」

町子「痛い!」

和代「夢ちゃうんやな…。勉強やる気になりましたんか?」

町子「4丁目にある上原塾がええね!」

和代「そうか~、そうか~! あんたがなあ! は~、うれしいことやわ~! 勉強の塾か」

 

文代たちの部屋

文代「あかん!」文代の本を読もうとする孝子を止める。

孝子「何で?」

文代「あんたにはまだまだ早いの。子供は子供らしゅう人形とでも遊んどき。はあ…。表出えへんかったら一日て長いわあ…」

孝子は頬を膨らます。

 

ウメの部屋

ウメ「そら、あんたが悪おます」

イト「はい…」

ウメ「もっと母親が気ぃ付けんとどうもならんわな」

イト「ああ…」

ウメ「おなごを行儀よう育てんのが母親の一番大事な務めだす」

イト「えらい申し訳のないことで…」

 

ウメがせき込む。

イト「ああ…」背中をさする。

ウメ「だ…大体しつけいうもんはな…」

イト「はい…」

ウメ、せき込む。

イト、部屋から出たところで常太郎に声をかけられた。

 

常太郎「おい! 出かけるさかい新しいゲタや」

イト「ちゃんと出したりまっしゃろ!」

常太郎「何、怒ってんね?」

イト「これ以上どう気ぃ付け言いますねんな!」

常太郎「何やて?」

イト「何もあらしまへん!」

常太郎「あっ、行こ!」

 

徳一と孝子はポパイの散歩。孝子は大きな木に寄りかかって休んでいる。

徳一「帰りに千代紙買うたるわな」

孝子「いらん。もう子供やあらへん」

徳一「え?」

 

千代「やあ~」

徳一「あっ、こんにちは。マサルちゃん、こんにちは」

マサル「こんにちは」

徳一「お姉ちゃんのお友達やで。孝子、挨拶は?」

孝子「こんにちは」

 

千代「犬のお散歩? お名前は?」

孝子「ポパイ…」

千代「いや~、ポパイやて。かわいらしい!」

 

徳一「ご存じですか? ポパイの漫画」

千代「私、大好きなんです」

徳一「え~! そうですか! いや、この犬の名前、僕が付けましたんや。ハハハハハ!」

千代「いや~、私、この年になって恥ずかしいんですけど、時間あると、よう、ポパイの漫画読みますねん!」

徳一「え~!」

 

チンドン屋の演奏に興味を引かれた孝子。

 

徳一「ポパイよりも10年も前にオリーブがつくられてましてん」

千代「へえ~!」

徳一「オリーブはもともとは別の人の恋人やったんですが、人気者のポパイが登場したら乗り換えてしもたんですわ!」

千代「いや~! オリーブって嫌な女なんですねえ! ハハハハハ! ほんまに」

さっき、町子とマサルが話し込んでいたベンチで話し込む2人。

 

マサル「お母ちゃん」

千代「うん? やっ、まあ、申し訳ありません。お忙しいとこ、お引き止めして…」

徳一「ただの散歩ですから。あれ? 孝子?」

マサル「やあ、さっきまでいてやったのに…」

徳一「孝子? 孝子!?」

 

町子、裏門前で一人でまり付き。「♪肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊…」

徳一「孝子、帰ってるか?」

町子「帰ってへんで」

徳一「ポパイもか?」

和代「どうしはりましたん?」

 

徳一「孝子とはぐれたんや」

和代「はぐれたて、散歩、行ってはったんでしょ?」

徳一「そうなんやけどな…。実はその…」

徳一の背後から千代が顔をのぞかせる。

町子「あ~!」

 

徳一「町子と同じ組のマサル君のお母さんで…」

千代「すいません。ご主人と立ち話してましたら…」

徳一「うん。最近の学校の教育方針のことをな」

和代「孝子がいてへんようになったん、気ぃ付きはれへんかったんですか?」

徳一「その辺、捜してくるわ」

千代「私も…」

 

大人たちは出ていってしまい、残された町子とマサル。「どこ行ったんやろな?」

町子「もうしゃあないなあ、まだ、子供やねんから」

 

常太郎「徳一がついてて何をやってるんや? お前からちゃ~んと言い聞かせてやな…。あれ? 入ってないやん」湯飲みのお茶がなくなっていた。

イト「せや、洗濯もん、取りに行かな」

常太郎「あれ? 入ってないやん」急須にもお茶が入ってない。

 

おすましして縁側に座る町子。マサルは庭をうろうろ。

 

イト「何でもかんでも私のせいかかいな! ああ町子。これあんたの。破れてるとこ、お母ちゃんに繕うてもらい」

イトから渡された洗濯物はズロース。町子は穴から指を出しているところをマサルに見られてしまった。「あ…ああ~っ!」

 

夜、花岡寫眞館

犬小屋にはポパイがいる。

徳一「えらいすんませんでした。お騒がせしまして」

千代「何にものうて、ほんま、よかったですわ」

徳一「勝手にチンドン屋さんついてったらあかんやろ!」

孝子「お父ちゃんがおばちゃんと楽しそうにおしゃべりしてたからやんか!」

徳一「うん…。まあ何にしても勝手によそ行ったらあかん」

 

千代「ほな、私らこれで…」

和代「まあまあ、ほんまにどうもご迷惑をおかけしまして…」

千代「失礼します」

 

和代「孝子、手、洗といで。ごはんやで」

徳一が入る前に玄関の戸をピシャリと閉めた。

 

大きな食卓に文代、茂、浦田、亀田の姿なし。

常太郎「何や寂しいなあ」

徳一「うん…そやな」

常太郎「茂たちは?」

イト「夜も仕事やさかい、先、食べてもらいました」

常太郎「ああ」

ウメ「待ちくたびれましたわ」

 

常太郎「町子、どないした?」

昌江「あれ? さっきまで廊下にいてたのに」

和代「ご不浄ですやろか?」

常太郎「文代は?」

昌江「『おなかすいてへん。食べとない』って」

 

常太郎「まだすねとんのか。強情なやっちゃ。お前からちゃんと言うて諭して…。な」

イト「重々承知いたしております。ごちそうさまでした。何やこないだから機嫌悪いな…」

 

無言で食卓につく町子。

徳一「何ぞあったんか?」

和代「私にも分かりかねます。孝子を捜しておりましたよって」

徳一「あっ、そやな…」

和代「ごちそうさまでした」

 

常太郎「何や、そっちもけったいな具合やな」

 

孝子「お姉ちゃん、おしょうゆ取って」

町子「自分で取り」

孝子「お姉ちゃん!」

町子「やかまし! 大体あんたがチンドン屋さんなんかにひっついていくから悪いねんで!」

 

常太郎「町子。孝子、まだちっちゃいねんから、そない怒らんかてええやろ」

孝子「ちっちゃない!」

常太郎「え?」

孝子「みんなで『子供子供』て言わんといて!」泣きだす。

 

常太郎「何やねん。何にも言うてへんがな!」

徳一「孝子、泣かんでええやんか」

常太郎「何やってんねん、この家の女は!」

 

ウメ「おこうこ、取っとくなはれ」

常太郎「はい」

 

部屋で真っ赤なマニュキアを塗る文代。

 

町子「何で? 何でマサル君がズロース見てしまうの? あ~あ。もう、嫌や~!」

1人でジタバタ。 

 

祖父母の部屋

イト「♪ねんねころいち 天満の宿で」

孝子はイトの膝で眠っていた。

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孝子が自分の子供をあやすのに、この子守唄歌ってた~!

 

常太郎「おい、酒くれる?」

イト「♪大根そろえて」

 

食堂の大きなテーブルの端と端にいる和代と徳一。和代は繕い物、徳一は新聞を読んでいた。徳一は新聞越しに和代の様子をうかがう。和代が繕ってるのは町子のズロースかな。

 

部屋で仰向けになっている町子。「マサル君…」

 

健次郎の笑い声で現代へ。

町子「そんなに笑わんといて。私、目の前、真っ暗になったんやもん!」

健次郎「初恋やなあ…」

町子「ねえ、そっちはどやのん?」

 

健次郎「そらあったよ」

町子「いくつの時?」

健次郎「12の時。相手は音楽の先生や」

町子「おませさんやねえ。ねえ、きれいな人やった?」

健次郎「そら、もう、きれいな人やったよ! 鹿児島から赴任してきた人でな」

町子「サツマおこじょや」

 

健次郎「そうや。ウグイスみたいに澄んだ声でな」

町子「うん、うん」

健次郎「(裏声で)♪『ワラベは』て歌うんや」

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マリ子も好きな「野ばら」かな?

 

町子「ウグイスと違うやん! もうやめて。気持ち悪いから。ほんでほんでほんで?」

健次郎「そやから、もう生徒はみんな好きになってしまうわけや。ある日の帰りに僕、呼び止めて『徳永君、魚釣り教えてくれる?』」

町子「うそ!? で、どうしたん? どうしたん?」

 

健次郎「そらもう約束、次の日や。ドキドキドキドキしたがな」

町子「行った? 行った? 行った?」

健次郎「で、あんまりドキドキドキドキしすぎて、約束の日、熱出したん」

町子「行けへんかったん?」

健次郎「はい」

町子「情けないわ~!」

 

健次郎「まだ続きがあってな…」

町子「何、何?」

健次郎「やっぱりまた帰り際に『私に水泳教えてくれる?』て」

町子「先生が言わはったん?」

健次郎「別の子供にな」

町子「ハハハハハハ…!」

 

健次郎「びっくりしたなあ。おなごは怖いと…あの時。まっ、それで私の初恋は一瞬にして砕け散りましたとさ」

町子「そっちの初恋も相当悲惨なんや!」

健次郎「そうや」

町子「まあまあ、どうぞどうぞ」

健次郎「ほんで? あんたの初恋の続きは?」

 

町子「え? また話戻ってるやん」

健次郎「そりゃそうや」

町子「もう、私、ええって」

健次郎「そんなじらさんと」

町子「いやいや、そやからね…」

 

2人のおしゃべりはまだまだ尽きそうにありませんでした。

 

時計は午前12時34分くらい。

 

ミニ予告は文代の後ろにいる町子。

 

ギスギスの空気が「芋たこなんきん」にまで…! 健次郎、町子が和やかだからいいけど。今日の夕方の純ちゃんは穏やかでありますように。