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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(25)「すれちがい」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

健次郎(國村隼)たちのかぜの看病で徳永家に泊まり込んでいた町子(藤山直美)は、家事をしながら予定通りの執筆の仕事ができたことから、徳永家に引っ越してくることになる。そして町子の仕事部屋として物置部屋を改装する。一方、町子の実家の花岡家では、町子の引っ越しの荷作りを母の和代(香川京子)と妹の孝子(メイサツキ)と弟の信夫(西興一朗)が手伝う。そして子ども時代の大掃除の楽しい思い出を回想する…。

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前回の振り返り

慌てて縁側から外を見る。

健次郎「朝やで」

町子「朝や…」

健次郎「夜通ししゃべっとったんや」

町子「ようしゃべったね。びっくりするわ!」

 

別居している夫・健次郎とその家族が風邪をひき、看病のために徳永家に泊まっていた町子。気が付くと、2人は夜通し話し込んでいました。

 

町子「お茶でもいれましょか?」

健次郎「うん」大あくび。

 

台所でやかんを火にかける町子。健次郎も台所にやって来た。

町子「ねえ」

健次郎「うん?」

町子「引っ越してきていい?」

健次郎「え?」

 

町子「私、ここに越してくるわ」

健次郎「あんたが?」

町子「うん。ここに座って、またしゃべりだしたら絶対帰られへんもん」

健次郎「ほんまやな」

町子「やっぱり一緒にいてなあかんね。引っ越しの準備しますね」

 

健次郎「うん。あっ、あんた仕事は? 『ここでは書かれへん』言うてたやろ?」

町子「それができてしもてん」

健次郎「え?」

町子「ちょっと見て。この2~3日ね、何か知らんけど、ちゃんと原稿上がってるのよ。人間やったらできるもんやね~」

 

健次郎「ちょっとこっち来て」町子の手を取り、引っ張っていく。

町子「何何何何? ちょっとちょっと何何何?」

健次郎「ちょっとちょっと。ええからええから」まだ暗い廊下を歩く。

町子「ちょっとちょっと…」

 

健次郎「ここ」

町子「は?」

健次郎「部屋、要るやろ? 仕事する部屋」

町子「ああ」

納戸の戸を開ける。

町子「うわっ! けど何かちょっとカビ臭いね」

健次郎「うん。まあ、3畳ほどしかないねんけど机は置けるやろ」

 

町子「この荷物どうするの?」

健次郎「え? こんなもん大概が要らんもんやから整理して捨ててしもうたらええねん。…と、これ。あっ、そうや、こっち」また町子の手を引っ張る。

テレビのある和室に連れていく。

健次郎「あの、ほれ、人が来て打ち合わせの人とか何とかするやろ?」

町子「うん」

健次郎「なっ。ここに椅子とテーブル置いてやな、応接間にしよ」

町子「ここ?」

健次郎「うん」

 

隆「お父ちゃん!」

 

健次郎「あっ、起きよった。ほな、そないするで」

健次郎は2階へ、町子は納戸を一人で見に行った。

町子「はあ…。けど、大丈夫かな、この部屋で…。ああ~っ!」

荷物が崩れて、町子が下敷きに。

 

健次郎「どないした!? どこや? おい」

町子のうなり声。

イシ「何がいてんのかしらね? イタチやろか?」

健次郎「町子やがな」

イシ「え?」

健次郎「登、ちょっと電気つけて」

 

由利子「どうしたん? 朝から」

健次郎「あっ! おい! ほら」

町子「あ…痛い、痛い! 痛い…痛い…」

健次郎「大丈夫か? 大丈夫か?」

町子「あ…おはようございます」

 

子供たちが笑う。

健次郎「なんちゅう頭や」

町子「ああ…」頭についたクモの巣を取る。「あっ! 火つけたままや! すいません…」慌てて台所へ。

 

こうして町子は、ついにこの徳永家に引っ越してくることになったのです。気持ちが決まれば動きは早い町子。早速引っ越しの準備を始めました。

 

花岡家で和代とともに片づけをしている町子。

孝子「ほんまにやってる…」

信夫「うそ言うてどないすんねん!」

和代「ちょうどええとこへ来た。孝子、信夫、どっちでもええから下から掃除機持ってきて」

 

孝子「診療所に住むん? ほな、ビルの部屋はどないすんの?」

和代「掃除機!」

孝子「せっかくええ部屋買うたのに…」

 

町子「あそこ、実はね、先輩作家の池内さんらが欲しいて言うてくれてはんねん」

信夫「何や、そうなんや」

町子「あれ、あんた、まさか…」

信夫「いえいえ、そんなん僕らの安月給ではね、無理やわ」

孝子「私んとこも無理やしなあ…」

和代「あんたらが気にすることやないの。ほら、いらん心配してんと掃除機!」

 

畳を拭いている町子。奥の孝子は鏡台を磨いてる?

和代「ちょっと休憩しよか」

町子「えっ、もうそんな時間?」

孝子「おなかすいた~」

町子「ようそんなこと言うわ。あんた何にもしてへんやないの」

 

おしぼりを配る信夫。

孝子「ありがとう」

町子「こんなことしてたらね…ねえねえねえ」

孝子「うん?」

町子「町内大掃除思い出すね」

孝子「ほんまや。おそろいのワラジ買うてもろたな」

町子「赤い鼻緒のやつでしょ?」

孝子「うん」

 

そしてまた回想へ

町子「孝子、早う早う!」

袖なしワンピースの町子と孝子。

 

昭和13年・夏

 

町子の育った町内では年に1度一斉大清掃という行事がありました。

 

裏路地に畳を立てかけている中を町子と孝子が走り抜ける。

徳一「気ぃ付けや」

 

家の中はほとんどの畳がはがされていた。

茂「あっ、僕、これ運ぶから、そっちの畳上げて」

 

その日は一家総出で朝から大忙しです。

 

イト「和代さん、それ済んだら中、拭きなはれ」

和代「はい」

イト「雑巾は、こまめに洗て丁寧にな」

和代「はい」

 

イト「これ、終わったんやな?」

昌江「うん、終わった」

イト「あ~あ、浦田君、それ上げる前に印、ちゃんとつけて、どこの畳か分かるようにしといてや」

浦田「あっ、はい」

昭和13年ならまだ亀田君いるかと思ったけど、きょうは文代もいなかった。

 

常太郎「浦田君!」

浦田「はい」

常太郎「それ、印、薄うなってるやろ。それもう一回、上から描くんや。そうせんと畳を入れる時にどの部屋…」

イト「ちょっとどいてくれます?」

浦田「はい、はい、すいません」

 

お手伝いさんの掃き掃除を見ていた町子と孝子。

茂「おっと! 危ないな~。ほれ、外に出とき!」

ポンとお尻をたたくのって、今はアウトだろうな~。

 

町子「あっ! あった!」

はがれた畳の上から10円玉発見。

新聞記事は「國滅びて何の株ぞ」と書いてるように見えた。町子と孝子は笑顔になる。

 

イト「いや~! ちょっとどないかしなはれや!」

昌江「お母ちゃん!」

茂「何や、これ? ひもか? ひも…?」

浦田・昌江「ひもちゃうわ」

 

町子「うわ~」

茂「アオダイショウやな…。浦田、頼むで! 僕な、あの、写場の掃除急がんと」

浦田「ちょっとちょっと…」

アオダイショウといっても抜け殻だし、何をそんなに怖がることが…?と思ってしまう田舎者の私。本物の蛇は怖いけどね。

 

昌江「早う」

浦田「あ~!」

昌江「ちょっと昌江ちゃん、やって…。あかん…。嫌や、嫌や」

様子を見に来た徳一はそのまま逃走。

町子「あっ、お父ちゃん!」

 

現在の花岡家に戻る

町子「ハハハ! お父ちゃんも逃げたんやで」

孝子「そうそうそう」

町子「なあ」

和代「そんなことあったかいな」

町子「お母ちゃん、覚えてないの?」

 

信夫「でも蛇は家守ってくるから縁起はええねやろ?」

孝子「そやけど、気色悪いで。実際見たら」

町子「うん」

信夫「で、誰が放ったん?」

町子「それがね、だ~れも触らんうちに確かお昼になって…」

 

再び昭和13年

町子「大掃除の時はね、バアバアばあちゃんはご近所のご隠居さんたちと避難してはるの」

孝子「近くの神社にな」

 

神社の境内

常太郎「楽しそうですな」

ござを敷いて座っているバアバアばあちゃんと町子と孝子と近所のご隠居さんたち。お重を広げて何か食べている。

常太郎「ちょっとひとつ呼ばれまひょかな?」

ウメ「これ、この子は! お行儀の悪い! ちゃんと手、洗いましたんか? おなか痛うしまっせ」

常太郎「『子』はやめてくださいな、もう。ほな」

町子も孝子も口に手を当てて笑いをこらえている。

ウメ「あっ、通り渡る時は、ちゃんと右見て左見て渡りますのやで」

常太郎「もう、ええて」

たまらず孝子が大声で笑いだす。

 

常太郎「明日の天気、どやろ?」下駄を飛ばす。

ウメ「ほれ、ほれ」

常太郎「晴れや」と下駄を持って逃げるように去っていく。みんな、大笑い。息子を持つ母親ってどんな年になってもこんな感じ。

 

まだ蛇の抜け殻はそのまま。

イト「誰かもうどないかしなはれや! さっちゃん」

お手伝いさん「すんません…」

イト「昌江。昌江ちゃん」

 

町子「わっ、まだある!」

常太郎「何や何やどないした? え? あっ、蛇の抜け殻や。これ、縁起がいいらしいで」

イト「おじいちゃん、ちょっと…」

常太郎「え? アホ! ワシが片づけるのは造作もないこっちゃけどな、こういうことは若い者にさせな示しがつかへんやろ。誰かにやらし」

孝子「おじいちゃん、怖いねや」

町子「シッ!」

 

再び今の花岡家

町子「ハハハ、おじいちゃんも怖かってん」

孝子「おじいちゃんも…」

和代「そんなことありましたかいなあ」

信夫「ほんで、結局誰が片づけたん?」

 

回想

夕方

ウメ「ああ、ただいま」

徳一・茂「お帰りなさい」

台所へ向かったウメ

和代「お帰りなさい」

ウメ「ただいま」

イト・昌江「お帰りなさい」

和代が台所を出ていったウメに視線を送る。

 

徳一と茂がタンスを運んでいた。

徳一「よっしゃ。これで最後やな」

 

ウメの悲鳴

ウメの部屋に蛇の抜け殻!

常太郎「何や?」

徳一「うわっ! 何でこんなとこに?」

常太郎「誰や、こんな悪さするのは?」

ウメ「はよ、誰か…」

徳一「茂、好きやろ?」

茂「兄ちゃん!」

徳一「お父ちゃん、お父ちゃん! (押し出されて抜け殻の目の前へ)いや~…」なんとか抜け殻を目をつぶってつかむ。「うわ~っ! うえ~! ああ! あっ、あっ、あ~、ああ~!」常太郎に手渡す。

常太郎「ああ~!」

家じゅう大騒ぎ。町子や孝子は笑う。

 

現代に戻っても笑っている町子と孝子。

町子「あの…あの時のおじいちゃんとお父ちゃんの顔な」

孝子「すごかった!」

信夫「けど、誰がバアバアばあちゃんの部屋まで運んだん?」

孝子「誰やろ? 誰もよう触らんかったのに」

町子「お母ちゃん、見てた?」

和代「いや…覚えてへんのやわあ」

 

孝子「誰やろ?」

町子「ま…まあまあまあ、ええやん。ねっ。謎は謎のまま置いときましょ。ねっ」

なぜか視線が上を向く町子。表情が面白い。

 

夕方

和代「ご苦労さん」

町子「ああ~。よいしょ」座る。

信夫「よいしょ」

和代「健次郎さん来はったら、ごはん食べる?」

町子「ううん。はよ荷物運び込んで明日からはあっちの部屋の改築の支度」

信夫「何やゆっくりでけへんのかいな。4人そろう機会なんかあんまあらへんのにな」

 

和代を見た町子。「そや、健次郎さん何時になるか分からへんから、おすしでもとろうか?」

 

お寿司を食べている4人。

信夫「うまいわ」

和代「おいしいね」

町子「あかんて! 私のハマチやねんから取ったらあかん」

孝子「1個ぐらいええやん」

 

町子「いやらしいな、この子。私が好きなん知ってて、すぐそんなこと言う…」

孝子「分かった分かった。私、エビな」

町子「お母ちゃん。お母ちゃん、好きなの食べて」

和代「うん、ありがとう。じゃ、これ」

町子「それ。お母ちゃん、ほんまに好きなの食べて。なっ」

信夫「ハマチいったったらええねん」

町子「またそんなこと言う。いらんこと言いなさんな」

 

花岡家の前に車。

健次郎「今日はほんまにお世話になりました。ありがとうございました」

和代「どうぞよろしゅうお願いいたします」

健次郎「はい」

孝子、信夫も頭を下げる。

 

健次郎「ほな、行こか?」

町子「はい」

 

孝子「お姉ちゃん」

町子「何?」

孝子「何でもない。ちょっと呼んでみたかってん」

町子「アホやなあ」

 

和代を見る町子。「ほな…」

和代「ああ。ほな」

信夫は黙って手を顔の横へ。信夫や孝子に笑顔を見せて町子は出ていく。外に出てもじっと家を外から見ている町子。

 

車に乗り込む2人。

健次郎「行こか」

町子「はい」

 

終戦前後のつらい時代から今日まで家族とともに暮らした家に町子は別れを告げたのでした。

 

蛇の抜け殻を持っていた和代。

 

孝子「お母ちゃん、何してんの?」

和代「うん。ウフフフ…」

そっと懐にしまっていた。犯人はお母ちゃん!? 

 

ミニ予告

町子「金もうけ!」

 

日常の何でもないような暮らしを描くドラマって私は大好きなんだけどな~。これまでの傾向で言うと、ツイッターでは「おしん」や「澪つくし」みたいな劇的な展開の方が好まれるのかと思ってたけど、「芋たこなんきん」も同様に好評な感想が多く、ツイッター基準分からん。

 

私は、再放送の朝ドラは「おしん」以降、どれも楽しく見ているので、こっちは面白い、こっちはボロクソ悪口みたいなのが分からない。単純にそんなにつまらなく感じるなら見ないという選択肢はないのか? 人の自由とはいえ、悪口が目に入って不快になった人の気持ちは!?←それこそ人の勝手だろ。