徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】芋たこなんきん(4)「ふたり」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

先輩作家の池内(板尾創路)に、町子(藤山直美)は自分の家族のことを語っている。11人家族に写真技師と女中衆という大家族の中で大人たちの愛情をたっぷり受けて過ごしてきた少女時代。持ち前の好奇心で周りの大人たちをよく観察し、そこで起きたおもしろおかしい出来事や感じたことを書き留めていくことが大好きな女の子だった。池内に話して以来ペンを休まずに動かす町子は、あふれる思い出を題材に初めての私小説を書く。

peachredrum.hateblo.jp

前日の振り返りから。夕方の再放送はこれくらい振り返りがある時代の作品の方が向いてる。だけど、このドラマが毎日休みなくBSで見られるのは幸せ。古い作品は絶対BS枠でやって欲しい。

 

町子「作家は男も女も命を削って書いてるんですよ!」

健次郎「自分の身、大事にせんような、そんなの作家だろうが何だろうが、そんなもんただのぼんくらや!」

町子「何で作家のこと、あんたが『ぼんくら』って言うんですか?」

小川「花岡さん!」

町子「あんた、関係ないでしょ!」

昨日のシーンと見比べると多少カットしてる部分があるんだね。

 

町子「3連敗…」とため息の場面。

 

池内幸三と川べりを歩いているところ。

町子「今、正直ね、何を書いたらええのか分からんようになってしもうてるんです。一つも面白うないしね」

 

池内「花岡さんて生まれどこですか?」

町子「福島区です。うち、写真館やったんです」

池内「へえ、写真館!」

町子「そうそう、ちょうどこれに沿うて、ちょっと行った北側。堂島大橋と福島西通りの真ん中辺りです。祖父が建てた写真館があった場所。家の2階がスタジオ。当時、写場(しゃじょう)言うてたんですけどもね。祖父も父も朝から晩までじ~っとカメラのぞいて忙しそうに働いてました。私が生まれ育った家、花岡写真館がそこにあったんです」

 

古い街並みまでが昨日のシーンで、花岡寫眞館の建物が大写しになる。「マー姉ちゃん」だと歌やってる時間にこういうシーンがあったら尺余りとか言われなかったんだろうね。

 

徳一「そうですか。お嬢さんのお誕生日ですか」

 

町子「あのころは今に比べて写真を撮るのが、まだまだ珍しいて写真館もそんなに多くはなかったんです。お見合い写真やお宮参り、入学、卒業。たくさんのお客さんが来てくれて父や祖父をはじめ、みんないつも忙しそうでした」

 

祖父の常太郎が岸部一徳さん、父の徳一が城島茂さんで、叔父の茂が西川忠志さん。技師の浦田、亀田。亀田役の山下徹大さん(現・加山徹)は加山雄三さんの息子で90年代の終わりにはよく見たな…と思ったけど、wiki見たら別に普通に今でもコンスタントにドラマに出てるね。それにしても広くて大きな写真館。

 

常太郎「レンズをまっすぐ見てくださいね。魚の目は何個? ニコッ」

 

町子「2人の叔母は私や妹とよう遊んでくれました。下の叔母は愛きょうがあったけど、上の叔母は愛想なしやったから私が『ツンツン』てあだ名を付けたんです」

 

叔母の昌江は尾野真千子さん! 文代役の増田未亜さんは「芋たこなんきん」以降目立った活動はない模様。

 

町子「とにかく家には人がたくさんいてたんで毎日の食事の支度はてんやわんや。けど、私はちいとも手伝わんで遊んでばっかり。母や祖母によう叱られました」

 

広い台所。母・和代(鈴木杏樹さん)と祖母・イト(宮田圭子さん)とお手伝いさんが忙しく働いている。

peachredrum.hateblo.jp

祖母役の宮田圭子さんは、「純ちゃんの応援歌」だと雄太の叔母・河北絹子として出演してたのね。あの時は、割と色黒メイクだった気がする。

 

町子「ひいおばあちゃんは何でかそう呼ばれるの嫌がったんで、私らは『バアバアばあちゃん』て呼んでたんです」

 

町子の曾祖母・ウメは淡島千景さん。

 

町子「そう、ほんまににぎやかな家やったんです。楽しかったな、あのころ…」

 

大きな食卓に曾祖母、祖父母、両親、叔父、叔母2人、技師たち、町子と孝子。

 

昭和13年 秋

孝子「お姉ちゃん、お姉ちゃん! お姉ちゃん、ちょっと来て! 早う来て!」

町子「何が?」

孝子「ええから来て!」

町子「待って」

 

町子は建物の前に座り込んで友達と写真を見ていた。

いずみ「うわ~、マコちゃん、この人きれいやな~」

町子「なあ、悩殺されるやろ?」

いずみ「え? 『のうさつ』て何?」

ヨシコ「何? 何?」

町子「分からへんかなあ」

 

ヨシコ「分かる?」

いずみ「分からへんな」

孝子「『のうさつ』って何?」

町子「きれいなこと」

 

孝子「なあ、お姉ちゃん、はよ来て! びっくりするから~!」

町子「うるさいなあ! あんたはいつも大層なんやから」

孝子「う~ん、もう!」

町子たちが持っていた写真を取り上げ走っていく。

町子「返しいや! 孝子!」

 

路地から浦田と亀田が出てくる。

浦田「亀田、ちょっとやめとけ! 考え直せ、なっ」

亀田「こんなきつい仕事やってられないですよ! 浦田さん、よく辛抱してますね。朝から晩までこき使われて」

浦田「落ち着け。なっ」

亀田「お世話になりました」

浦田「俺が話…。ちょっと待て。亀田、俺が話したるから。なっ」

亀田は今にも出ていこうとしている。

 

見入っている町子と孝子。

町子「びっくりするって、これ?」

孝子「ちゃう、ちゃう! こっち!」

裏口から孝子が町子を引っ張って家に入って、2階のスタジオへ。

 

常太郎「見てくれるか。硬いなあ、顔が…。なっ。もっとこう優しい感じ出さへん…。あ、そうそう、そうそう。それでええがな」

 

町子たちはこっそり覗いている。

町子「昌江姉ちゃんやん!」

孝子「シッ!」

 

常太郎「あっ、コラ、お前ら、また、のぞき見」

昌江「嫌やわ~。見たら嫌や。あっち行き!」

 

町子「お見合い写真?」

昌江「恥ずかしいやんか。お父ちゃん、早う撮ってえな」

和代「恥ずかしいことなんてあれへん。昌江ちゃん、きれいやわ。なあ」

町子「うん。ものすごう、きれいや」

孝子「ツンツンよりきれいや」

昌江「アホな。私が文代姉ちゃんよりきれいなことなんかあらへんわ」

 

町子「なあ、お父ちゃん、大きなったら私もお見合い写真撮ってな!」

徳一「ああ、撮ったるで。2人ともべっぴんさんになるやろな」

孝子「ほんま? 私『のうさつ』になる?」

徳一「何やて?」

和代「あんた、また孝子にいらんこと教えて!」

 

町子「私、急用がありますんで」

和代「もう~。何や最近大人の本まで読むようになりましてん」

徳一「本の好きな子は頭のええ子や。お父ちゃん、ボチボチかかろか?」

常太郎「はい。ボチボチ撮ろか? 昌江、きれいやで。はい!」

シャッター音とさかさまの昌江の顔。昌江は「カーネーション」の糸子と違っておしとやかな感じ。

 

部屋で小説を読んでいる町子。

妻のあひびき 吉田信子 大林秀夫畫

小説と挿絵の感じがマー姉ちゃんを思い出す。読んでるのは「婦人公論」ぽいやつ。

peachredrum.hateblo.jp

こちらは昭和12年くらいの話なので大体時代も同じ。マリ子と菊池寛のグラビアが載ったのは「婦人倶楽部」。

 

戸が開き、部屋に入ってきたのは、おめかしした文代。

町子「映画、面白かった?」

文代「まあまあやな。ああ、しんど」

町子「(文代の全身を見て、脚に注目)それ、絹?」

文代「そうや。昌江は?」

 

町子「孝子とお風呂。今日、お見合い写真撮ってんで。きれいやった~!」

文代「私とどっちがきれい?」

町子「そら、ツン…う~ん、文代姉ちゃん!」

文代「あの子はいつまでたってもおぼこやからな」

 

町子は大人の世界に何かと入りたがる、ちょっとおませで好奇心旺盛な女の子でした。

 

町子は文代が脱いだ帽子をかぶり、文代はマニキュアをつけていた。

 

深夜12時過ぎ。

徳一「あ~、ちょっと引っ張り過ぎ! 破れてしまうわ。そっと、そっと…」

常太郎「アホ! 茂、手ぇ動かせ。そこだけ黒うなるやろ」

 

大きな写真の焼き付けと引き伸ばしは食堂を臨時の作業場として行っていました。

 

常太郎「こんな時にあの亀田のアホはほんまに間の悪いやっちゃで」

茂「どっか行くあてあんのやろうかなぁ」

常太郎「知るか。手を動かせ!」

茂「あ~、はい」

常太郎「そこ、ちょっと浅いなあ」

徳一「うん、そやなあ」

 

それをふかし芋を食べながら見ている町子。

 

常太郎「そんなもんでええやろ」

 

町子はウメに首根っこをつかまれた。「夜中に起きてたら、カモカが出まっせ」

町子「バアバアばあちゃん」

ウメ「うん?」

町子「お父ちゃん、かっこええなあ」

ウメ「そうやなあ」

 

部屋に戻ろうとした町子だったが、玄関が少し開いているのに気付いて外を見た。

文代「何であかんのん? なあ、大丈夫やから。お願い、戻ってきて」

亀田「分かった」

抱き合う2人。

 

町子「きれい…」

ふと読んでいた小説を思い出す。

町子「あいびきや…」

昨日のミニ予告はこの部分。

 

翌朝、階段で何かを書いている町子。

和代「あれ? 何してますの? はよ学校行きなさい!」

町子「うん」

和代「『うん』言うたら、すぐ行きなさい!」

町子「書いとくねん。ゆうべのこと。夢みたいやったから。こっからのうなってしまわんうちに書いとくねん」

 

ノートに大きな文字で「夜明けの晩のツンとかめ あいびきの巻」と書き、本文も書いていた。

孝子「『あいびき』って何?」

町子「勝手に見たらあかん!」

孝子「なあ、何?」

町子「まあ、あんたにはまだこんなこと分からへんやろな」

町子はノートをランドセルに入れ、行ってしまい、孝子はお手伝いさんのもとへ。

 

孝子「『あいびき』って何?」

お手伝いさん「『あいびき』? お肉の?」

孝子「お肉? おいしいの?」

お手伝いさん「それはおいしいおまっせ」

納得の表情の孝子。

 

その日の夕方のことでした。

 

孝子「大変や、大変や! お姉ちゃん、えらいことや!」

町子「またやの?」

孝子「はよ、はよ! はよ!」

 

常太郎「今回だけは雨に流したる」

亀田「ありがとうございます!」

徳一「お父ちゃん、『水に流す』やろ?」

常太郎「分かってるがな。チャリやチャリ」

 

町子「亀田君…」

障子の陰から覗いていた町子と孝子をさえぎるように閉めるイト。「子供は見んかてよろし」

町子「亀田君、帰ってきたん?」

孝子「おいしいもん食べたいから帰ってきたん?」

イト「そうかもな。奉公人に毎日ええもん食べさしてんのうっとこぐらいのもんやからな」

 

町子「それだけかな…」

孝子「あいびき! あいびき、あいびき! 私もあいびき食べさして! あ~、あいびき食べたい!」

町子は孝子を止めようとして追いかけっこになる。

 

和代「何、騒いでますね? これこれこれ、何、騒いでますね? なあ、2人ともきれいなもん見せてあげよか?」

孝子「『のうさつ』?」

 

和代が窓を開ける。

町子「うわ、火事みたいや!」

孝子「火事や!」

2人「火事や、火事や!」

 

和代「きれいな夕焼けやこと」

町子「きれい?」

徳一「う~ん、きれいやなあ」

町子「きれい?」

 

和代「そやで。見てみ、あの色」

町子「きれい…」

孝子「きれいや~。『のうさつ』やなあ」笑い

夕焼けと街並みと。これ、CG?

孝子「『あいびき』食べたい」笑い

 

ウメの部屋。町子は再びノートに文章を書いていた。

 

きれいー

夕焼けと

なうさつと

あひびきの

 

ウメ「あんさん。今度のお話はどんなんだすねや?」

町子「きれいなこと書いてんねん」

ウメ「町子はむつかしいこと考えてんのやな。まあ、せえだいお気張り」

町子「バアバアばあちゃん。私、お話書く人になるねん」

 

川を眺める今の町子は夕陽を見て笑顔になった。

 

その日から町子は寝食忘れて…訂正。食だけは忘れませんでしたが、あふれてきた思い出から生まれたその作品は町子が書く初めての私小説でした。

 

おにぎりを頬張りながら原稿を書く町子。

 

卒業制作

「私の大阪万華鏡」

 

トミ子のうちは写真屋さん。…は、そのことを学校の友達に…いやでしょうがなかった。勉強…そのせいだとすら思っていた。うちの商売が写真屋だと友達にいわれることも…

 

所々読めなかったけどこんな感じ。

 

明日のミニ予告は踊りを踊る町子。町子とカモカのおっさんのやり取りが面白く感じていたところ、今日は大人町子さんの出番が少なく少々寂しい。