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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (18)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

大阪で就職の話があるという陽一郎(川津祐介)の代わりに、純子(山口智子)が雄太(高岡俊広)と一緒に伊那へ行く。速水(髙嶋政宏)は、和歌山の寺を訪ね歩いていて、雄太にあいさつ出来なかったのが心残り。純子は道中、自分が満州にいた時の思い出を話したりする。純子と雄太が雄太の叔母・絹子(宮田圭子)を訪ねると、雄太は引き取れない、と追い返される。和歌山へ帰るバス停では、ラジオから甲子園の中継が聞こえ…。

雄太は真新しい白シャツに半ズボン姿。純子も帽子をかぶって、陽一郎も白スーツ。似合う。無言の昭は別れ際に雄太に野球のボールを持たせた。

 

雄太は信州・伊那谷にいるというおばさんの所へ行くことになったのであります。本当は陽一郎が連れていくはずでしたが、折あしく大阪の友人から就職のことで来てほしいと言われ代わりに純子がついていくことになったのです。

 

陽一郎とは和歌山まで一緒。

陽一郎「つらいことがあったら大きな声で『ナイスゲーム!』と言うてみるんやで。勝っても負けても全力を尽くせばナイスゲームや」

 

小野家ではあきはミシン掛け、恭子はちゃぶ台で何か書いていて、昭は縁側からぼんやり庭を眺める。そこに現れたのは金太郎。餞別にトウモロコシを持って来た。しかし、10分くらい前に出ていったと言われ、今ならまだバス停にいるかもと言われ、走る。

 

しかし、バスは行った後。金太郎は家に帰ってトウモロコシを食べ、ももに「だいたいから生意気やらよ、あい。あがなやつ、ない方がせいせいすらあ」と強がりを言った。ひとりになると「何でないようになったんや、あいつ…」とつぶやく。

 

お寺の名前がたくさん書かれたノートに赤線を引く秀平。ごはんだと知らせに来た綾(正太夫、清彦の妹)に何をしてるか聞かれると訪ねたお寺を消していたと答えた。雄太が伊那谷に行った事を綾に聞くと、ゆうべ興園寺家に挨拶に来たという。会いたかったなあと言う秀平。

 

速水秀平にとっても雄太は自分のこと以上に気がかりな存在でした。

昭和22年ごろ、交通事情はまだ最悪でした。長野へ行くにも名古屋で1泊しなければならなかったのです。

 

ぎゅうぎゅうの汽車の床に座る純子と雄太。「おいど痛いな」という純子だったが雄太は平気だという。

雄太「陽さんと一緒にレンガの上で寝たこともあるし。冬なんかマータイ袋にくるまって寝るんだ」

純子「マータイ袋て?」

雄太「石炭なんか入れる麻の袋。もっと寒い時なんかシャツの下に新聞紙を着るんだ」

 

汽車を降り、山道を歩く純子と雄太。タバコ屋のおばさんは近くだと言っていたが、「田舎の近くは三里ある」と純子。今でも田舎あるあるだね。

 

満州のことを聞く純子。雄太は1日10時間歩いたこともあるし、貨物列車に隠れて乗ったこともある。日本に来てこんなに木がいっぱいあるなんてびっくりしたという。満州は見渡す限りの野原。脚本の方が満州育ちと知ると、実感としてそう思ったのかなと思ってしまう。

 

純子も生まれは大阪だが、小学校に入るまでは満州にいた。シンキョウで馬車に乗ってコウシュレイという羊のいる牧場に行ったことがある。純子は昭和22年に18歳なので昭和4年生まれで、昭和11年あたりまで満州にいたということでしょうか。昭が生まれて割とすぐ日本に戻ってきたのかな。

 

満州国の首都の新京(シンキョウ)。公主嶺(コウシュレイ)は農事試験場があったところみたいです。

 

純子にとっての満州は割と楽しい思い出なのかな。陽一郎も逃げる途中に何度も雄太に話して聞かせていた。

 

雄太の叔母の河北家に行く。家の前には布おむつが干してあり、ラジオから野球中継の音声が聞こえる。家の中はボロボロで赤ちゃんが寝かされていた。声をかけると、叔母の河北絹子が出てきた。純子は満州で亡くなった林やすゆきを知ってるか聞くと、兄だと言い、雄太のことを知ってるか聞くと、会ったことはないが知ってると答えた。雄太が帰ってきていると言うとパッと顔を輝かせた。

 

絹子の夫と子供たちも顔をのぞかせ、絹子の夫は雄太が母親と一緒だと思っていた。純子が母親とはぐれて一人だと言うと声のトーンが変わった。家の近くの橋の上でハーモニカを吹いている雄太の姿を見て、厳しい表情で顔を見合わせる夫婦。

 

引き取りたいのはやまやまだが、14を頭に6人も子供がいるという絹子の夫はとても引き取れないという。農地がなく、北海道の開拓に行こうとしていた。「なんせおらが三男坊だから」…「おしん」の竜三も自分の土地を持つ事にこだわっていたね。鬼みたいな事を言うようだけど…と絹子は涙を見せた。

 

純子は雄太に笑顔を見せ、「こことちゃうかってん」と歩き出した。バス停で「本当のこと言ってよ」と言う雄太。「断られたんだろ。そうだろ」。

 

ラジオの野球中継を聞いていた雄太は「陽さん、中学生の時、大阪大会で優勝したんだってね」と言ってまっすぐ前を向いた。「一緒に和歌山に帰ろう。なっ?」と呼びかける純子だった。

 

マー姉ちゃん」も「純ちゃんの応援歌」も今のところ、割とゆったりしたペースで物語が進んでいる。どっちも丁寧で好き。「純ちゃんの応援歌」も本当なら毎朝BSで見たかった気もするけど、同時に古い朝ドラが2本見られるのはそれはそれでうれしい。次の夕方の再放送はさすがにまたここ10年くらいの作品に戻すような気がする。でも2023年の「おしん」放送40周年には満を持して地上波でやるんじゃないかなあとちょっと思っている。

 

今日も1話で寂しくもある…が、今日は3週目の土曜日回なので、土曜日回と月曜日回が続けて放送されるよりいいかなという気もする。今週は明日2本で終わりか…こんなにハマるとは思わなかった。