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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (88)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

秀平(髙嶋政宏)と婚約した純子(山口智子)は、雜賀(桂枝雀)にあいさつに行き、秀平はわらべ出版に仕事の取り次ぎをお願いする。食堂でもも(藤山直美)に話すと、ももは自分の思い出話で感極まってしまう。すると、秀平が静尾(押谷かおり)の写真を撮りに食堂に来る。夜、純子が西川(北京一)の家に秀平の洗濯物を届けに行くと、秀平が静尾と酒を飲んで帰ってきて、静尾のことをほめるので、純子はおもしろくなく…。

わらべ出版に報告に行った純子と秀平。

久助「そうか。婚約したんか」

純子・秀平「はい」

久助「いや~、それはよかった。おめでとう。いや~、この間ああしてな4時間も待ちぼうけ食らわされてどうなることかと思ったが、いや、よかったよかった。おめでとうさん」

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秀平「ありがとうございます」

久助「よろしゅうに。純子ちゃん、おめでとうさん」

純子「ありがとうございます」

事務の節子も祝福してくれた。

 

久助「で、まあまあこんなことは余計なお世話かも分からんけどな…。秀平君、まあ掛けなさい」

秀平「すいません」

久助「その、収入のことはどういうことになっとんねん。ワールド社とかいうとこの契約カメラマンちゅうことになると収入は?」

 

秀平「それは能力次第です。『ザ・ワールド』は世界中に2,000人以上の契約カメラマンを持っています。みんなが本社に写真を送って雑誌に掲載されればかなりの収入になります」

久助「ああ…されなければ?」

秀平「取材費だけです。まあ普通に言う基本給みたいなもんですね」

久助「はあはあ、それはどれくらい?」

秀平「僕の場合は月額7,200円ですが、一年に一枚も採用にならないとその時点で契約解除ということになりますね」

久助「へえ~、大変やなあ」

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昭和28(1953)年 大卒初任給(公務員)7.650円 高卒初任給(公務員)5.400円

 

それにしても「マー姉ちゃん」では昭和19年にマチ子の月給が75円とか言って、それでもずいぶん高給取りみたいな言い方だったのに、すごい物価の上昇率だね。

 

頑張りますと笑顔の秀平に大丈夫かな?という久助

純子「私も働いてますし、なんとかなると思てますねん」

純子は久助にお願いがあると言い、わらべ出版を秀平の連絡場所に使わせてもらえないかと頼んだ。これまではアメリカの通信社を連絡先に使っていたが気兼ねがあり、もっとこぢんまりした所へ変わりたいと思っていたという秀平。

 

久助「あ、こぢんまりね…。あ~、ここはまあまあこぢんまりっちゃ、これ以上こぢんまりでけんほどこぢんまりしてる。アハハハハ、そらまあええねんけどな」

秀平は無意識に失礼なんだよな~。久助は節子に電話番をお願いし、秀平も月々多少のお礼はさせてもらうと言った。

 

純ちゃん食堂で仕事をする純子。

もも「こいからしばらくが一番楽しい時やな、純子ちゃん」

純子「そやろか」

もも「そうやらよ。うちはな昭和10年の夏祭りの時に一緒にならんか言われて式挙げたん11月だったんやけどもな、その間の3か月間あいほど心が弾んだ時あったやろかな。ハハ…。

ほやけどな、たった3年間の夫婦やった。金太郎が生まれて間なしや。戦争に持っていかれてな、中国大陸から南方の方へず~っと。

あれは18年やったかな。南方へ移動する途中でな、下関に寄ったんや。うち、飛んで行ったよ。1日だけな面会する時間があるいうて手紙来てんらよう。3時間ぐらいやったけどな。痩せて色、真っ黒になって。

うち、泣いたらあかん思て『うちの方は大丈夫や。何の心配もいらんさか手柄立ててや』て。そがいに言うたんやけどな。心配さしたらあかん思てそがいに言うたんやけどな…」ももはだんだん涙声になっていた。

純子「ももさん」

 

もも「何でえ…何でえ、あの時、『行かんといて、寂しいさか』て言わなんだんやろな。あれ、最後の面会やってん。人目気にしてなきれいなことばっかり言うて、何でえ、あの人の胸で泣かなんだんやろな。

あの人きっとうちに泣いてほしかったと思うわ。ほんまの気持ち伝えへんまま、それっきりになってしもてな。そいだけが心残りや。そいだけが心残りやなあ。

(笑顔に戻って)アホやな。こがなこと言うて。純ちゃんのおめでたい時にな。死んだ人のこと言うてな、アホやな。すまんな」

純子「ううん」

特に言葉を挟まない純子がいいね。ももさんは時々デリカシーのない発言をするけど、でも裏のないストレートな人なんだろうな。

 

しかしちょっと気になったのは、昭も雄太も金太郎も昭和10年生まれで今18歳じゃないのかな?ということ。

 

店には静尾と秀平が一緒に来店した。秀平は日本の働く女性をテーマに写真を撮ることにし、モデルは静尾にして「ザ・ワールド」に送る。神社の巫女、バスの車掌さん、電話の交換手などいろんな人を撮る予定。手始めにラジオ局のディレクターはどうだろうと思って静尾にお願いした。身近に目の前に働く女性はいるのにね。

 

純ちゃん食堂でお昼を食べているという設定で写真を撮るという秀平。自然に背景にうつると言われたももは口紅をつけると言って慌てた。

 

夜、西川の家に秀平のシャツを届けた純子。

西川「ええなあ。羨ましいなあ」

純子「よかったら西川さんも出してください。ついでやから洗うてあげます」

西川「いや、あかん。僕はやっぱり自分でシャツを洗うのがよう似合う男やさかい」

今もそこで洗濯していたと隙あらばパントマイム。

 

元気いっぱい帰ってきた秀平は静尾と一杯やっていたという。静尾のことを日本人には珍しい考えが新しい女性だと褒める。

秀平「美山村で役場で働いていた頃はどうってことない人だと思ってたけど随分成長してるよ。うん」

どうってことない人ってのも…。そやろねと返事をした純子はお母ちゃんの仕事を手伝うといってさっさと帰ってしまった。

 

西川「速水君」

秀平「はい?」

西川「婚約してる男がほかの女性とお酒なんか飲んだらあかんのちゃうか?」

仕事のつきあいだという秀平だが、純子が気にしていたか聞いた。

西川「気にしてると思うけどな」

気にしてないと思うけどなという秀平に西川は洗濯物を手渡す。西川さんの好感度が上がっていくな。

 

家に帰ってムスッとしてる純子。あきに聞かれても「別に」。2階でハーモニカを吹いていた雄太を注意した。純子は美山村から出て6年たったけど、ちょっとは変わったかとあきに聞いた。

 

あき「ちょっとも変わってへんよ。年こそいったけど昔のまんまや」

あきは変わってない、明るくて素直でよく働き弱音は吐かないといい意味で言っているのに、純子は全然進歩してないということだと感じた。そのままの純子がいいと言ってくれるお母ちゃん、素敵。

 

秀平とケンカしたと指摘したあき。「口がとんがってるさかい」と言われ、えろうすんませんと謝った純子はあきの肩をもみ、「ヤキモチやいたことある?」と聞いた。ヤキモチをやいたことはないというあき。

 

純子「お父ちゃんがほかの女の人を褒めたら面白うないんと違う?」

あき「そんなことない。褒めるぐらいかまへんやろ。くさす方が嫌やわ」

う~ん、確かに陽一郎さんが女性の悪口いうの聞きたくない。陽一郎と秀平じゃキャラが違い過ぎる。

 

静尾がまた来店。取材してもらったお礼だと言って秀平にウイスキーを買って持って来た。純子にはラジオのディレクターとして結婚にどんな夢を持っているか聞いた。

静尾「いや、今の若い子はな大抵こんなふうに思てるんや。結婚してパーゴラとテラスのある家に住んで芝生のお庭があって洋風の部屋にはシャンデリアがあって揺りかごには赤ちゃんがいて奥さんは編み物しながら旦那さんの帰りを待つ」

なんかこういうの聞いたことあるなーと思ったら、「おしん」!

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もちろんおしんが言ったんではなく、嫁の道子の理想の主婦像は、旦那様を送りだしたら暖炉の前でレースを編む生活だと言っていた。仁は多分、純子と同じ歳くらい(昭和4年生まれ)で道子はその少し下だから、戦後の若い女性の理想ってこと?

 

純子は笑って否定し、秀平さんさえいてくれたらそれでいいと答えた。静尾は女が仕事を持つことを許してくれる人じゃないと嫌。女だからと家事に専念しないといけないというような男は絶対御免。忙しい時はご飯くらい作ってくれるような人。

 

自分は古い女なのかもしれない。そう思うと目の前にいる静尾が急にまばゆく見えてくる純子でありました。

 

静尾は今は秀平のことはどうでもいいのかな?