公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
純子(山口智子)たちが大阪へ来て1年半、寺内ぬひ(西岡慶子)の隣の家へ引っ越した。アメリカから大リーグの球団が来日し、甲子園で試合をするというが、チケットは争奪戦で手に入らない。北川から刑務所からの手紙が届くが、それを海外からの手紙に見せかけてつや(白川由美)へ転送する。ラジオから雄太(高岡俊広)の叔母からの尋ね人のはがきが読み上げられ、純子とあき(伊藤榮子)は雄太に、林千代を知ってるか聞くが…。
昭和24年10月。純子の一家が大阪へ出てきてから1年半が過ぎました。今日は純子たちの引っ越しの日であります。もっとも引っ越しの日といってもそれほど大げさなものではありません。寺内ぬひの家の隣がたまたま空いたのでそこへ引っ越すのであります。
正太夫も引越しの手伝いをしている。恭子も宝塚から来ているのに、昭と雄太は野球の試合の切符を買いに行っていた。今月の23日にサンフランシスコ・シールズの試合が甲子園で行われる。恭子は第1戦も日本がぼろ負けでどうせ今度も負けるだろうと言うが、純子は勝ち負けより本場のアメリカの野球が見られればいいと言う。
恭子は髪も下ろして大人っぽくなった。正太夫も張り切っている。帰ってきた昭と雄太は子役のままで何となくホッ。唐沢寿明さんを早く見たいなという気持ちもあるのになんだか昭と雄太はずっとこのまま見ていたい。
野球の切符は買えなかった。100円の切符を400円で売りつけようとしたダフ屋がいたが、さすがに断った。あきはラジオの実況放送を聞いたらいいと言う。諦めきれない昭と雄太に恭子は引っ越しの手伝いをさせる。
昭和24年の秋。戦後初めてアメリカから本場の野球チーム、サンフランシスコ・シールズの一行が来日しました。そして全11試合、観客動員数は50万人という熱狂的な人気で迎えられたのであります。
純子は400円の闇値でもいいから甲子園でシールズの試合を見せてやりたいと言う。400円なんてとんでもないと恭子は返す。
純子はサンフランシスコ・シールズになぜか親しみを覚えるのであります。カリフォルニアから来た球団というだけで同じカリフォルニアにいる速水秀平を嫌でも思い出してしまうのであります。
引っ越しも一段落。あきは現在、丸越デパートの下請けをしている。恭子は宝塚で”美山はるか”という芸名をもらった。しかし、今度の公演のセリフは「はい、さようでございます」のひと言だけ。
9月に阿倍野地区の中学の大会があり、昭たちの中学が優勝した。雄太がピッチャーで試合の半分を投げて、1点取られただけ。昭も2本ヒットを打った。2人そろって正選手になってもらいたいと言うあき。そんな話をしているうち、恭子は宝塚に帰る時間になり、外で素振りをしている昭と雄太に「頑張りや」といって帰っていった。
ぬひと小平治は家ががらんとして寂しそう。
小平治「女っ気はお前だけや」
ぬひ「どういう意味や?」
小平治「いや、恭子ちゃんやな純子ちゃんがいてる方が華やかでええちゅうこと言うてんのやがな」
ぬひ「嫌みやな。へえへえ、どうせわてはな年上の女房だす」
小平治「なにもそんなこと言うてへんがな」
純子宛の手紙がぬひの家に届いたが、郵便局員に今日隣に引っ越したと伝えた。純子宛の手紙は北川からで11月には出所できると書かれていた。
北川からの手紙
「負け惜しみではありませんが、慣れてみると刑務所の暮らしも悪くありません。規則正しい生活でむしろ健康にはもってこいの環境です。故あって思ったよりも永い逗留となりましたが、ようやく出所に備えて髪を伸ばす事を許されています。お目にかかれるのももうすぐです。
皆様どうかお体にご留意ください。
ジョージ北川。
追伸 同封の手紙、お手数ですが、興園寺つや様へ御転送下さい。」
あき「またや。堪忍してえな」
北川からの手紙には1枚1枚検印が押してあり、アメリカからの手紙とするため、あきが男の人の筆跡で全部描き直していた。北川はかなりの達筆。それが難儀だとあきは言っていた。この前はマイアミ、その前はカリブ海。今度はコロラド。
数日後、美山村の興園寺つやのところへ純子から一通の封書が届きました。
北川からの手紙
「奥様、永らくご無音にうち過ぎましたことお許しください。小生目下コロラドの友人の別荘で思索にふける毎日です。ここには有り余る時間があります。窓から見る四季の移り変わり。今は木の葉の色づきが僕を望郷の思いに駆り立てます。間もなく食事の時間です。召し使いが毎食僕の部屋まで食事を運んでくれるのです。」
「飯だ!」と看守から食事を渡される北川。召し使いって面白いなあ。ジョージ北川さんのナレーションで「はね駒」を思い出す。
「間もなく日本へ帰れる日が近づきつつあります。どうか奥様もお体お大切にお過ごしくださいますように。」
陽一郎に供えていたお菓子?を「1つお下がり」といってつまみ食いをする純子。朝の出勤前のひととき。あきに二十歳にもなってそんなことして!と軽くふざけた感じで注意された。
ラジオから「林雄太さん、または林雄太さんの消息を…」と聞こえてきたので、ラジオのボリュームを上げた。「満州におられた林雄太さん、または林雄太さんの消息をご存じの方にお尋ねします。おばさんの林千代さんが捜しています。最寄りの放送局へ…」
あきと純子はラジオを聞き、雄太のことだと確信する。林というと雄太のお父さんの方の親類の人やろかというあきに、千代という親戚はいなかったという純子。うちの子になったのに今更…と戸惑うあきだったが雄太に聞いてみようと言う。
雄太はピッチャー、昭はキャッチャーとして練習している。監督は今日も出ていた。
仕事中。ぬひは純子に店の半分を食べ物を出す店にしたらどうかと話しかけるが、純子は上の空。
昭と雄太は練習が終わって午後7時に帰宅。雄太に林千代という人を知っているか聞いた。今朝の尋ね人の時間に雄太のことを探している人がいるという話をした。雄太は知らないと言う。純子は放送局へ確かめると言う。
ぬひさんが何だか重要なことを言っていたようだが…!? 昭和22年から始まり、55回でようやく1年半か。でもこういうゆったりペースもいいよねえ。面白ければテンポがよくてもゆっくりでもどっちでもいい。