徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】思い橋 #20

TBS 1973年8月14日

 

あらすじ

北(藤岡弘)が、幸子(望月真理子)を妊娠させた正紀(山本聡)を連れて「二上」を訪れた。幸子は正紀を追い返すが、悲しい気持ちになる。一方、桂(松坂慶子)は東京で会って以来、北の男らしさに魅力を感じていた。

夢は流れて

夢は流れて

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2024.3.7 BS松竹東急録画。

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二上彩子(ふたがみ・さいこ):淡島千景…「二上」の女将。

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北晴彦:藤岡弘…トラベルチェーン開発課の社員。

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二上桂(かつら):松坂慶子二上家の次女。字幕緑。

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中西良男:仲雅美…鶴吉の息子。

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二上多美:上村香子…二上家の長女。字幕黄色。

大須賀伸(しん):荒谷公之…織庄の一人息子。

*

山下幸子:望月真理子…自殺未遂後、「二上」で働きだす。

高沢正紀:山本聡…幸子の元恋人。

竹子:大橋澄子…仲居。

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西鶴吉:花沢徳衛…「二上」の板前。

 

今回のパカパカ演出が気になったので監督の名前も記録しとこ。山田高道さんね。

 

夏の日差しとセミの声。夏だね~。

 

二上

彩子「本当にお車よろしいんですか?」

男性「ええ、歩いたほうが体のためにいいですから」

彩子「そうですか。ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」

 

スーツ姿で白髪の男性とその妻らしき女性がが真夏に1時間も歩くの? この夫婦、ノンクレジットなのね。

 

厨房

鶴吉が白菜を桶に入れて漬けようとしていて、桂は雑誌をめくっている。鶴吉に暇そうだと指摘された桂は、「こんなことなら夏休み取るんじゃなかったわ」とこぼす。桂の仕事は白菜の漬物のおもし代わりだと鶴吉が笑うと、獅子舞でも見に行くと出ていった。

 

鶴吉「なんでえ。俺の前でことさらに獅子舞の話、出すことはねえじゃねえか。ん~、失礼しちゃうな、まったく」

 

帳場

多美が伸と桂のことを彩子に話していた。あまりいい返事でなかったと多美に聞いた彩子は「やっぱりね。あれで大須賀の旦那、気位高いから」。桂はまだそのことを知らないのではないかという多美。「桂にだけは私の二の舞させたくないと思ったのに」

 

伸は桂との結婚の意志ありと多美に聞いた彩子は折を見て桂と話すと約束。彩子は幸子のことも聞き、幸子とも話したという。一生独りでいいから産んで育てたいという幸子を心配する彩子。

 

ボイラー室前

薪割りをしている良男のところに来た桂。

良男「汗を流すっていうのは気持ちのいいもんだぞ」

桂「じっとしてても汗流れてくるわよ」

良男「そりゃ、脂肪の付きすぎだ」←はぁ!?

桂「悪うございましたね。どうせ私はさっちゃんみたいにスマートじゃありませんよ」

 

鶴吉のおもし代わり発言もそうだけど、この時代の松坂慶子さんを食いしんぼでちょいポチャ扱いなの? はぁ~!? どこが?? すごくスタイルいいのに。

 

良男「そう。彼女はスマートだからな。ああいうのを理想的っていうのかな。俺ね、近頃のさっちゃん見てると神々しさを感じるんだ」

桂「仏様みたいね」

良男「そう。体内に新しい命が育ってる。そう思うとますます不思議なんだな。打たれるなあ」

桂「よっちゃんも変わってるわね。育ってんのは、よっちゃんの赤ん坊じゃないのよ」

良男「そんなこと分かってるよ。俺に覚えがねえもん。第一、自分の赤ん坊に神々しさ感じてたら、おかしなもんだ」

 

桂「フフッ、悔しくないの?」

良男「相手の男のことか? そりゃあのミルクセーキには腹が立つさ。でも、さっちゃん見てると、どうしても受胎告知としか思えねえんだ。『竹取物語』のかぐや姫みたいな赤ん坊が産まれてくるとしか思えねえんだよ」

 

かぐや姫さっちゃん←一瞬の妄想シーンで十二単着たのか。

 

桂「幸せね、よっちゃん」

良男「バカだって言いてえんだろ? なんとでも言うがいいさ」

桂「ううん。本当に愛するってそういうことだと思うわ」

 

白バックに白いポロシャツ、白いパンツ姿で腕組みする北がどんどんアップになる。

 

良男「いやに今日は素直じゃねえか。夕立でも来るんじゃねえのか? あんたにも早いとこ、そういう男が現れることを祈るよ」←伸ちゃんは?

 

桂「よっちゃん、私にやらせて」

良男「チェッ、色気ねえな」

薪割りを始める桂。

 

帳場

予約を取ってくれたのが北だと話す多美。

彩子「北さんって不思議な人だったわね。トラベルチェーンの社員だっていうから乗っ取りに来たのかと思ったら、そうでもなさそうだし、居座るつもりかなと思ったら、サーッと引き揚げちゃうし。多美さんに気でもあんのかなと思ったら、そうでもなさそうだし」

多美「そんなことないわよ」

彩子「そんなことないって、どっち?」

多美「私のことなんか…」

 

ボイラー室前

桂をおだてて薪割りをさせる良男。ちょっとスマートになったじゃないか、じゃないよ。「どうした? なんだかつらいことでも忘れようとしてるみたいだからさ」

桂「あらそう? 退屈を紛らわせたいだけよ」

 

せせらぎの間

ボンヤリ座っている多美は、立ち聞きした課長の言葉を思い出していた。

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9話で出てきた話を15話でもう1回やってる。

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課長「君はうちの会社を辞めることはできない。よもやあのときの条件を忘れたわけじゃないだろ? 君が我が社の社員として残るという条件で専務はここの買収を諦められた。そして、君は今後我が社の社員として会社の命令に忠実に従うっていうことを誓ったはずだ。そして、約束を破ったら我が社としても容赦はしない。そういうことだったはずだ。なあ、もう一度思い直してみないかい? 君の男としての一生に関わる問題だよ、これは」

 

青いポロシャツ姿の北がタバコを吸いながら聞いている。課長は声だけの出演でノンクレジット。毎回微妙にニュアンスが違ってるので声だけ撮り直しじゃないかな。

 

多美のアップと車の運転をする北の顔がパカパカ交互に流れる。今回この演出が何度も繰り返されます。

 

二上に入って行く1台の車。白いポロシャツ、青いパンツ姿の北が訪ねた。掃除していた幸子が出迎える。北が連れてきたのは目の周りや頬が青あざで真っ黒な正紀。幸子は彩子を呼びに行く。

 

静子「あら、いらっしゃいませ」←あら? 今回ノンクレジットだったのに。

北「やあ、今日はお客じゃないんだよ」

 

静子はせせらぎの間にいた多美に北と正紀が来たことを報告。彩子からせせらぎの間を開けて用意しておくようにと言われたという。

 

ボイラー室前

桂「北さん来てるの?」パッと笑顔が輝く。

良男「えっ? ミルクセーキも一緒だって?」

静子「そうなの。ところが肝心のさっちゃんが見えなくなっちゃって」

 

桂はあと頼むわねと斧を渡して去っていった。静子も続く。

良男「ミルクセーキめ…」

 

今度は良男と正紀のアップでパカパカ。

 

帳場

北「それでとにかく話し合ってもらわなきゃいけないと思って連れてきました」

彩子「それはどうも」

正紀「あの…幸子は?」

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福松「バカ。結婚したわけでもないのに新子、新子って言うもんじゃありませんよ。親の身にもなってみなさい。面白くもない」←って怒られろ!

 

北「君には今日はなんの発言権もないんだ。幸子さんが会いたくないって言えば、それまでだし、何か要求があれば黙って聞いて帰るだけだ。そのことを忘れるなよ」

正紀「はい」

彩子「あの…目のとこどうなさいました?」

北をチラ見する正紀。

北「いや…僕の手がちょっと触ったもんですから」←ちょっと(笑)。

 

玄関に入ってきた桂が階段下にいた多美と目が合い、多美が去っていった。

 

今度は桂のアップと北のアップがパカパカ。しつこい。

 

帳場

北「お二人から何かありましたら…」

鶴吉「やい、おめえの根性から聞こう。そういう関係にありながら、なんだってさっちゃんを捨てたんだい?」

正紀「僕、妊娠してるなんて知らなかったんです」

鶴吉「知らなかっただ? 知らなかったで済むんなら警察はいらねえやい!」

彩子「鶴さん、そんな大きな声出さないで、もっと冷静に…」

鶴吉「これが冷静でいられますかってんだい。こんな野郎がいるから日本にはPCBなんて物が出来てくるんだい!」

正紀「それは関係ないでしょ?」

pcb-soukishori.env.go.jp

PCB…Poly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、人工的に作られた、 主に油状の化学物質。

 

鶴吉「関係あるんだよ!」

彩子「鶴さん」

 

北「とにかく問題なのは幸子さんがどういう気持ちでいるかってことだと思うんです。そこんところ、女将さんに聞いてもらうか、あるいはここで一緒に話し合うかしたらどうでしょうか」

 

幸子が外の壁にもたれかかっている。流れるのは梶芽衣子「恨み節」。

梶芽衣子「恨み節」1972年12月1日発売

 

良男が走って幸子の元へ来た。「さっちゃん、何も恐れることないんだよ。俺がついてるから。北の野郎も野郎だ。今更連れてくることねえじゃねえか。それにしてもミルクセーキのヤツ、どんな顔して来たのかな」

 

帳場

正紀と向き合って座る幸子。手前には彩子。

 

襖の向こうでは静子が聞き耳を立てていた。ん? 今日は竹子いなくて静子だけ?

静子「うんと高い慰謝料取ってやんなきゃね」←そうだよ!

鶴吉「当たりめえだい。取った金はドブん中へ捨てるにしても、うんと取り上げて思い知らしてやんなくちゃいけねえ」

 

静子「板さん、どうして話に加わんないの?」

鶴吉「声がでかすぎるんだってよ。でけえ声は地声だい」

静子「つまりボイコットされたのね? ハハハハッ」

鶴吉「なんだか知らねえけど面白くねえよ」

 

せせらぎの間に待機中の北に麦茶を運んできた桂。「先日はどうも失礼しました」と頭を下げた。北は彩子に桂が北のアパートを訪れたことを話してしまい、変な顔をされた。桂から言うわけないでしょ。

 

桂「でも、いいわよ。そんなことどうだって」

北「よくないな。女将さん、まるで俺が誘惑魔か何かみたいな目でにらんでたよ。ハハッ」

桂「誘惑魔は私のほうね」

北「ハハッ。あの日は君もどうかしてたんだよ」

桂「そうかもね」

北「僕もいけなかったんだが…」

桂「じゃあ、あれから私ずっとどうかしてるんだわ」

北「ハハハッ、そんなふうには見えないよ」

 

桂「この部屋、懐かしいでしょ?」

北「うん。恐らく一生忘れないだろうね」

桂「私のことも忘れないでほしいわ」立ち上がって窓の外を見る。「今日も暑いわね。あの人今頃とっちめられてるでしょうね。フッ、気の毒に」

北「ハハッ。自分のまいた種だからしかたがないさ」

 

桂は北には直接関係のない正紀をどうして連れてきたのか聞く。「ひょっとしたら姉ちゃんの顔を見たくて連れてきたんじゃないかと思って」

桂は背を向けて北の表情は見られないけど、困り顔の北。

桂「東京のお部屋、また伺ってもいい?」

やっぱり困り顔の北。

 

静子が正紀をせせらぎの間へ案内してきた。桂は外へ。

北「どういう話になった?」

正紀「僕の言うことなんかちっとも聞いてくれないんですよ」

北「君の話を聞くんじゃないって言ったろう? 向こうの話を聞きに来たんだ」

 

今度は正紀と幸子の顔がパカパカ。

 

帳場

彩子「よく言うだけは言ったわ。あれでいいのよ。今までのことは悪い虫に刺されたと思って忘れちゃいなさい」

幸子「はい」

 

出たー! 昭和の定番…って”悪い虫に刺された”は初めて聞いたけど、犬にかまれた、交通事故に遭った等々…どれだって忘れられないよ!

 

彩子はおなかの赤ちゃんをどうしても産むつもりかと再確認。「でもね、産まれてくる赤ちゃんのことも考えてあげなくちゃいけないと思うのよ。初めから父親がいないってことは、その子がどんなに寂しい思いをするか…私がそうだったからよく分かんのよ。そのへんのことは」まあ、いいわと幸子に顔を直してくるように言う。「申し訳ありませんでした」と頭を下げる幸子。

 

ロビーに出てきた北は階段を下りてきた多美と顔を合わせた。

北「やあ、元気ですか?」

多美「ええ、北さんも?」

北「ええ、まあなんとなく」

多美「さっちゃんのこと、いろいろとご心配いただきまして」

北「やあ…」

多美「失礼します」

 

二上から外に出て歩いていた桂に伸が声をかけた。伸ちゃん、今日はピンクのTシャツ。伸は休暇で退屈してると思って陣中見舞いに来たという。さあ、行こうと桂の手を引っ張って二上に戻った。

 

北が来ていると聞き、団体と打ち合わせがしたい伸。しかし、桂から幸子の相手のことで来ているのだと聞かされた。

 

伸「お前さん、なんか顔が紅潮してるみたいだぞ。どうしたんだい?」

桂「あら、そう?」暑さのせいとごまかす。

 

休みはあと4日。忙しくてしょうがないとロビーでタバコを吸い始める伸に多美が「いらっしゃい」と声をかけた。桂が北が泊まるかどうか聞いたが、知らないわと去っていく多美。

 

伸「レッドアローで帰るんじゃ話してる時間はないな」←いやいや、北さんは愛車で来たのよ。

 

桂は織庄とうちで北さんを招待しようと提案する。「織庄だってそのぐらいのことしていいはずよ。私、ちゃんと帳簿知ってるんだから。いかに北さんに儲けさしてもらってるか」

伸「お前さんにあっちゃ、かなわないね」

桂「それにあやかって私たちも豪勢に宴会といきましょうよ」

伸は父に出資させるため、いったん帰宅。

 

桂も彩子に交渉。多美も出席させて確かめたい思いもあった。彩子は東京で北のアパートへ訪ねたことを問う。「でもやっぱり嫁入り前の娘が男一人の部屋に行くっていうのはどうかと思うわね」

 

何もなかったという桂だが、何もなくても世間じゃ変な目で見ると注意。

 

ボイラー室

火を焚いている良男。鶴吉は正紀の前に顔を見せない良男を腰抜けと罵る。

 

良男は産まれてくる子をかわいがるため、正紀の顔を忘れよう、おなかの子は俺の子だと信じようと努めていた。「ホントの勇気ってどんなのか分かってんのか?」

 

話し合いで幸子は「私には新しい恋人がいます」と言ったと鶴吉に聞かされた良男。「心配してもらうことはない。あんたの顔なんか二度と見たくない」とも言った。

 

幸子に事の真意を確かめようとボイラー室を出た良男。厨房で皿を洗う幸子に近づく。

良男「ああ、俺するよ」

幸子「いえ、いいんです」

良男「いや、ダメだったら。おなかの子に霜焼け出来たらどうするの、ねっ?」

 

ボイラー室

おれもついにおじいちゃんか…と勝手に名前を考え出す鶴吉。男なら鶴太郎、鶴次郎。女なら鶴子、鶴千代、鶴奴(つるやっこ)…(つづく)

 

昭和48年生まれで鶴奴はないよー!

 

木下恵介アワー”で検索してたら小野寺昭さん(本人だよね?)のツイッターを偶然見つけました。他にも古いドラマの話題がたくさん。

木下恵介アワーの「冬の雲」とありますが、「冬の雲」は人間の歌シリーズなのです。この写真自体は別の作品ですが。好青年の小野寺昭さん見たいな!

 

「冬の雲」は仲雅美さんが田村正和さんの弟役だったというドラマ。小野寺昭さんは田村正和さんや竹脇無我さんと同学年と思うと若く見える。「二人の世界」では竹脇無我さんが脱サラしたサラリーマンで小野寺昭さんはおとなしそうな学生だったし。

「兄弟」の信吾や「思い橋」の田代も演じた畑嶺明さんのことにも触れてた。それで、唐突に「毎度おさわがせします」のお父さん役だった!と思い出した。

これこれ。私の世代だとお父さん役の小野寺昭さんが印象にあるな。