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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(79)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

松江での元子(原日出子)は家事に看病にと懸命に働いた。そのせいか泰光(森塚敏)の病状は日一日と快方へ向かう。正道(鹿賀丈史)は仕事の様子を見に、いったん東京に戻ることにする。波津(原泉)は元子も一緒に一家そろって帰る方が良いと言うが、残って働くという元子の申し出がうれしい。大叔父の政久(下條正巳)の勧めで、正道の帰京の前日に出雲大社へ夫婦で参拝する。しかし大原家に戻ると、一通の電報が届いていた…。

松江・大原家

洗濯している元子。

邦世「あんらまあ、元子さん」

元子「あら、お洗濯物でしたらどんどん出してください」

邦世「だども…」

元子「いいえ、私は遊びに来たんじゃなくて働きに来たんですから、お義母(かあ)様もどうぞ」

邦世「そうだども、慣れん井戸では大変でしょうがね」

元子「いいえ、水道の水よりよっぽどあったかいですし、日本橋のうちでもお洗濯はよく井戸水でやるんですよ」

邦世「あ~、そうですかね。ほんなら頼んでもいいですかいね?」

元子「はい。さあ…」

邦世「ほんなら」

元子「はい。お洗濯は得意中の得意ですから」

 

干し場で洗濯物を干したり、廊下を拭き掃除したり、泰光の部屋に花を飾ったり…できる嫁っぷりを発揮する元子。

 

長男・正道の顔を見た上に元子の献身的な看病も加わったせいでしょうか、泰光の病状は日一日と快方に向かっておりました。

 

泰光の部屋

元子「いかがですか? ここでは少し遠いでしょうか」

泰光「いんや、ちょうどいいわや」布団から起き上がっている。

元子「はい」

泰光「大介は、どげしちょうかいの?」

元子「はい、ひいおばあちゃまのお供をして、お城を見に行ったようですわ」

泰光「そげかや。あ~、すまんのう」元子が背中をさする。

元子「いいえ。あれが大声で騒ぐと、お体に障るのではないかとハラハラしています」

泰光「そぎゃんことはないわや。男の子は元気が一番だけん」

元子「はい。お背中、痛むことはございませんか?」

泰光「だんだん。おかげで胸の重苦しいのもだいぶとれたような気がすうけんのう」

 

意外と「ゲゲゲの女房」では、オープニングソングが「ありがとう」だったせいか「だんだん」とは、あまり言ってなかった気がする。

 

元子「それはよろしゅうございましたねえ」

泰光「だども、正道もあんたもそげにいつまでも松江におっては大変だらがね」

元子「いいえ。ご病人は、そんなご心配なさらないことですわ」

泰光「そぎゃんこと言ってものう、正道には正道の仕事がああし」

元子「はい。ですから正道さん、今、ご本家の方にご相談にあがっていらっしゃいます」

泰光「おお、そげか…」

元子「はい」

 

桂木家茶の間

宗俊「(手紙を読んでいる)ええ、まあ、よかったよかった。年内に床上げは難しいにしてもな、これで松江のお父っつぁんもいい方向に向かうだろうさ。けどな、え、正道っつぁんらしいぜ。会社のことをえらく心配してやがる」

藤井「ええ、ご病人の様子が落ち着き次第、一度、東京へ帰るつもりとありますが」

トシ江「帰るのはいいけど、寝たっきりのご病人を置いてじゃ、お母様だって心配でしょうにね」

藤井「そりゃもう」

宗俊「で、おめえたちの会社の方はどうなんだい?」

巳代子「大丈夫よ、絶対に」

宗俊「おめえが何で引(し)き受けるんだ、え?」

巳代子「だって祐介さん、お義兄(にい)さんの留守に業績を落としたら大変だって、毎晩遅くまで、そりゃ頑張ってるんですもの」

藤井「ええ、ボーナスの厚みに関わってきますから、ここは一番頑張らないことには」

 

宗俊「けどな、お前、暮れが近(ちけ)えんだから、張り切りすぎてやけどするな」

藤井「お義父(とう)さんも苦労性ですねえ。やはりお年のせいでしょうか」

宗俊「バカ野郎、俺はお前、本気で心配してやってんだぞ」

藤井「ええ、会社のためでしたら、そんな急いで大原さんがお帰りになることはないということなんです」

宗俊「まあ、とは言ってもな、おやじさんの調子がよくなりゃ、それで会社のことがまた気になるって、これも人情だ。な」

 

トシ江「だったら元子が残ったらいいんですよ」

巳代子「どうして?」

トシ江「ご病人が長く寝込めばそれだけ家族の者が疲れるんですよ。大体、元子は大原の人間なんだもの。ちょいと病人のお顔を見て、それで帰ってきていいような立場の人間じゃないんですからね」

宗俊「うん、しかし、そうなると大介がかわいそうだな。まあ、そりゃまあ、こちとら、あの坊主の面倒を見る手は有り余ってるけどよ、しかし、何つってもあの年だ。な。元子の帰(けえ)りが遅くなりゃ、お前、『母ちゃん、母ちゃん』って夜泣きでもされりゃ、お前、これ、ふびんだ」

 

トシ江「何言ってんですよ。大介が帰ってきたところであの子に何の用があるっていうんです?」

宗俊「何だ? じゃあ、あの子はあっちに残すのか?」

トシ江「当たり前でしょ」

宗俊「お前…」

トシ江「あんたがかわいければ、あちらさんだって大介がかわいいんですよ」

宗俊「だからってだな…」

トシ江、無言でにらむ。

宗俊「とにかくな」

藤井「はい」

宗俊「会社のことは正道っつぁんにとっては一番気がかりなんだから、な、これこれこうとおめえさんからちょこちょこ様子を知らしてやれ」

藤井「ええ、それはもう」

 

トシ江「それで、調子どう?」

巳代子「うん、順調よ」

トシ江「まあね、元子が一生懸命あちらさんにお仕えして巳代子のお産に間に合ってくれれば一番なんですけどねえ」

宗俊「それはそうだとも。な」

藤井「いよいよ、お義父さんも来年は2人の孫のおじいちゃんっていうことになりますね」

宗俊「うん?」←このシーンでずっと手に持って食べてたのは干し芋かな?

笑い声。宗俊の照れ笑いかわいい。

 

松江・大原家

正道「そういうことでしたら、来る前にやりかけた仕事のことも気になりますので、自分だけでも一度、東京へ戻ってきたいと思いますが」

波津「そげだわねえ。何と言っても男には仕事が命だけん。幸い、お医者さんも当分は様子を見たいと言っちょられたけん、何かあったら知らせますだけんね、まあ、そうがいいと思うね」

正道「それでしたら、元子のこと、ひとつよろしくお願いします」

波津「何を言っちょうだや。元子さんも一緒に東京帰えだわや」

元子「おばあ様」

波津「元子さんにはもう十分にやってもらっただけんね。大介もおることだし、東京へは夫婦一緒に戻らんことには」

 

元子「いいえ、私はこちらに残らせていただきます」

波津「元子さん」

元子「東京からもそうするように言ってきていますし、もちろん私もそのつもりですわ。どうせと言っては何ですけれど、お正月は会社も休みでしょうし、正道さんにはその時に一度戻っていただいて一緒にお正月を迎えてから、お義父様のご様子次第で東京へは帰らせていただきます」

波津「だども…」

元子「いいえ、大原家の嫁でありながら、松江のお正月を一度も知らないのは変ですし、何と言ってもこれから寒さも深まってお義母様のお水仕事が大変になります。ですから、私のような者でも、もし、お役に立つんでしたら、どうぞもうしばらくこちらに置いてくださいまし。よろしくお願いいたします。ね、あなた」

正道「おばあさん、お願いします」

波津「そげかいね。だんだん。正道もいい嫁ごをもらってありがたいことですわ」

 

畑の中を走る電車。ツイッターで「一畑電車」と知りました。

www.izumo-kankou.gr.jp

そして、元子と正道は大原の大伯父の家を訪問しました。この松囲いは築地松といい、冬の寒気を防ぐため、屋敷の北西部を松で囲った、この地方独特な風景の一つです。

www.kankou-shimane.com

築地松の脇を歩く元子と正道。

 

大伯父・政久の家

政久「うん、そげかや。まあ、正道がこのまま松江に落ち着けば、お前の家も一番安心だと思うがのう」

正道「はい。大伯父さんには、いつもお世話になるばかりで申し訳なく思っております」

政久「なになに、そりゃまあ、おばあさんの言いなさあとおり男はやっぱし事業だわや。な。まあ元子さんが残ってごすと言わっしゃあなら安心して東京へ行ったらいいわや」

正道「どうもありがとうございます」

政久「うん。男子一旦、志を立てた以上、くにへ帰え時は錦を飾あべきだわや。まあ、こぎゃん地方都市の台所事情など気にさんでいいけん」

正道「はい」

政久「うん。ほんなら元子さん」

正道「はい」

政久「まあ、正月まで離れ離れで寂しだろうが、旦那さんのためだけん頑張ってごしなはいや」

元子「はい。ふつつか者ですけれども、どうぞよろしくお願いいたします」

 

政久「ああ。あっ、そげだ。看病看病であんた、まだ出雲の大社さんには、お参りしちょらんだろうが」

元子「はい」

政久「だったら正道、一度、元子さんを連れていってあげえ」

正道「はあ、しかし…」

政久「いんやいんや、出雲の大社さんは縁結びの神様だわや。お前がこげないい嫁さんと巡り会(お)うたのも出雲の神さんのおかげだわや。ハハハハハハ…」

正道「ああ、そういえば確かにそうですねえ」

政久「そげだわや、え。島根県に生まれて、あげな元気な子供にも恵まれておおながら、出雲の神さんに元子さんを見せてあげんとはお前、ほとほと気が利かん男だのう、お前は、え。ハハハハハハハ…」

正道、頭ポリポリ。

 

外に見える庭は合成かな? 暮れの時期に窓を開け放って寒そう。

 

今の11月は陰暦で10月にあたり神無月と申します。それは日本中の神様が全部この出雲大社へご出張あそばして神様がお留守だから神無し月ともいうのですが、ここ、出雲だけは、その反対ですから11月を神在月(かみありづき)と呼ぶ習わしになっております。

izumooyashiro.or.jp

www.izumo-kankou.gr.jp

正道が「鶴」「亀」の祝い凧を持っている。

 

さて、ご本家の承諾も得て、いよいよ正道が東京へ戻るという前日、準備も万端整って、出雲の神様にご挨拶をして帰ってきたところ…。

 

大原家

正道「東京から電報?」

陽子「はい」

元子「それで、一体…」

陽子「はい。おばあさんにお渡ししてああますけんね」

正道「うん、分かった」

陽子「あっ、そうから」

正道「ん?」

陽子「病人に心配させてはいかんと言われえけん、お父さんには、このこと…」

正道「うん、分かった」

 

元子「大介はちゃんとしてましたでしょうか?」

陽子「はい」

元子「すいません、もうしばらく」

陽子「はい」

 

部屋

電報を見てショックを受ける正道。

元子「あなた…」

正道「出版社が倒産した」

元子「だけど、どうして…!」

正道「ちょっと郵便局へ行ってきます」

元子「あなた…」

正道「郵便局へ行って、とにかく電話してくる」

 

波津「正道。その前にまず一服していかっしゃい」

正道「は?」波津が抹茶を差し出す。

波津「潰れたもんは潰れたもん。あんまり慌ててもいい知恵は浮かばんもんだけん」

正道「はい」

 

日本橋人形町生まれでイキのいいのだけが取り柄の元子。大事にあって落ち着き払った波津の態度には目をみはりました。

 

邦世「ほんならすぐに東京行きの支度にかかあましょうか」

元子「あ…はい!」

 

別の部屋

かばんに着替えを入れる元子。「着替えは向こうの家にもありますから1組ずつしか入れてありませんよ」

正道「ああ」

元子「ワイシャツ類は上から2番目の引き出し、下着と靴下は、その次に入っていますけど、まごつくといけませんから紙に書いてこの中へ入れておきますからね」

正道「ありがとう」

元子「大介や私のこと、本当に心配いりませんからね」

正道「(ため息)藤井のやつも巳代ちゃんの出産控えてるし、気が気じゃなくてね」

元子「私もそれが心配で」

正道「君も飛んで帰りたいだろう」

元子「でも、父と母がついていてくれますから」

正道「しかし、お義父さんと長谷川のご隠居から借りた金を返したあとでよかった」

元子「ええ」

peachredrum.hateblo.jp

宗俊と長谷川のご隠居に3万円借りてました。いまだに草加のフォローがなかったこと、善吉のパワハラっぷりを言う人がいるけど、私は草加のような人間なのであんなクズのフォローなどいらないと思ってます。

 

正道「着いたら、すぐ様子は知らせるからね」

元子「はい、お願いします」

正道「おやじと大介のこと、よろしく頼むな」

元子「大丈夫、しっかりお待ちしていますから」

正道「うん」

 

こういう時にこそ夫婦は心を合わせなければいけないのだ。元子は心にそう思いました。

 

つづく

 

島根観光回。当時の資料映像、カモン。昔の映像を結構楽しみにしてるけど年明け回からまだ出てきてないよね。オープニングがスキャットからインストに変わったり、当時の視聴者の声でいろいろ変わってしまったこともあるのかなと思うと寂しい。

 

今日知ったこと

原 日出子 1959年11月10日

田中 美佐子 1959年11月11日

誕生日が一日違い。へえ~。

 

ツイッターで感想を追ってしまうんだけど「芋たこなんきん」「おしん」は絶賛が多かった。「芋たこなんきん」に限って言えば100%絶賛と言ってもいいくらい。16年前の作品ながら、ちょうど今の時代にも合ってたんだろうし、芋たこ激推しライターの方が何度も裏話を取材してくれたことも大きいのだろう。

 

澪つくし」は劇的な展開にハマる人が多かったのかこれも絶賛が多かった印象。何といっても沢口靖子さんが非の打ち所のない美人だしね。「はね駒」は、ドジっ子で失敗の多いりんに対して否、それをいさめる家族には賛、「あぐり」「マー姉ちゃん」に関して言えば、はっきり言って誹謗中傷的なものも多かった印象。

 

「本日も晴天なり」は「マー姉ちゃん」よりマシだけど、しょうもないツッコミも多いよなと思う。今日みたいに洗濯が得意と言った元子や、ちょっと前の書くことが好きだという元子にえ? 今までそんな描写あったっけ?みたいな。

 

小栗和代さんが掛け算と呼ばれてたことについては、今まで出てきてないし、大いに突っ込んでもいいと思うけど、元子は普段から家事する描写もあったし、家の中で書き物している描写もあったよね!? NHK時代だって作文も上手だったし、手紙も上手だった。面白い作品だと多少のツッコミどころはスルー、つまらない作品だとこき下ろす…何年も見てるんだからいい加減、私が学習しないと…。

 

私がスルーすればいいだけ、そういう感想を見なきゃいいだけ。でも長年見てると、「おしん」「芋たこなんきん」ではあんなに素敵なつぶやきをしてたのになあと思って、ついつい追ってしまう人もいるんだよね。きっと、おしんがや町子なら今日の元子の行動も大絶賛していたのだろう。ただ、今日みたいに私の知らない情報も見られるからツイッターは見ちゃうんだよな。

 

おしん」(昭和57年)

「はね駒」(昭和61年前)

澪つくし」(昭和60年前)

↑この3作品は80年代の視聴率トップ3

 

あぐり」(平成9年前)

マー姉ちゃん」(昭和54年前)

芋たこなんきん」(平成18年後)

「本日も晴天なり」(昭和56年後)

昭和3作品が続いたあとは平成→昭和と来てるので、春から始まるのは平成の作品かと勝手に予想しております。私は次こそ平成の現代モノならスルーかなと思ってます。「芋たこなんきん」の再放送時、このくらいの時代のドラマの方が見やすいという感想を結構見かけ、またそのくらいの時代の朝ドラが始まるものかと思ってました。

 

夕方は「純ちゃんの応援歌」はちょっと違うけど、「ひまわり」「ひらり」と古めの現代モノの再放送が続いたのでこの路線で行くのかな~。女優さんが今でも活躍しているor現代モノみたいな。

 

しかし、つくづく「純ちゃんの応援歌」は休止の多い夕方枠じゃなくて毎朝、見たかったな~。本当に見づらかった。「マー姉ちゃん」と同時に始まったのに終わったのは1か月違ったもんね。1日2話が1週間続いたと思ったら2週間休みとかだもん。あの枠で、もう朝ドラは見たくないです。時間枠を変える気もなさそうだし。NHKプラスで見られるのはすごくいいんだけど、だったら毎日やってほしい。

 

旧朝ドラもどれも違った面白さがあるのに、意外と共有できないのが悲しいんです。