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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(14)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

元子(原日出子)はトモ子(菅原香織)を叔父の洋三のカフェ・モンパリに下宿させてもらう。アナウンサー修行も順調に進む中、ある日スタジオ見学で女優を見たトモ子がつい大声を出してしまう。一蓮托生といって5人まとめて沢野(森田順平)にきつく叱られる。それでも初めての給料をもらった元子たちは、嫌な事はきれいさっぱり忘れようと、銀座へとくり出す。元子は家族ひとりひとりにプレゼントを買って手渡した。

朝、吉宗前を走る子供たち。

巳代子「行ってきま~す!」

元子「行ってまいります!」

トシ江「行ってらっしゃい!」

 

巳代子「じゃあ、お姉ちゃんはモンパリへ寄るの?」

元子「うん。新しい下宿からの第1日目だもんね。いろいろ気ぃ付けてやることもあるだろうし…。あっ、いけない! 忘れ物しちゃった。(通行人にぶつかりそうになり)わっ! すいません!」

 

トシ江「はい、これでしょ?」小さな包みを渡す。

元子「どうもすいません。もう一度、行ってまいります!」

トシ江「行っといで」

 

モンパリ

元子「おはよう!」

トモ子・絹子「おはよう」

元子「どうだった? ゆうべは」

トモ子「おかげでぐっすり」

元子「何よ、心おきなくなまり直しの勉強ができるからって下宿変わったんじゃなかったの?」

トモ子「だから、そのお勉強(べんちょう)が終わってから、ぐっすりっつうこと」

元子「で、はんこは?」

トモ子「あっ、忘れた!」

元子「ほら、いい気になるからだわ」

トモ子「ごめん、今取ってくるから待っててね!」

 

絹子「もう、友達って似るのかしら?」

元子「やっぱりね、類は友を呼ぶって…え? 何のこと!?」

絹子「フフフッ」

 

研修室

日本ニュース鑑賞

画面には「北辺」という文字が出ている。

スクリーン「我が北辺の精鋭は敵上陸の企てを厳に警戒しつつ、思いのままの活躍を常に準備している」

真剣に見ている放送員の卵たち。

 

ふれちゃんの元気回復に合わせたように今日もニュースのアナウンス研究ほか研修生のスケジュールはびっしり組んでありました。

 

スクリーン「…北辺の戦地にも絶えず雪中演習は行われ、北の精鋭は既に雪を征服した」

昔のニュース映像はとにかく音楽が怖い。「新日本紀行」もたまにそんな回がある。

 

僅かな休み時間もこのとおり。

 

研修室に残って原稿を読む練習をする者たち、廊下には良男が本を読んでいた。「『の…のうしょうしょう…』のうしょうしょう?」

 

悦子「この竹垣に竹立て…竹立てたのは竹立て…竹立てかけたかった…。もう!」

 

トモ子「『大本営発表! 本6月7日未明、航空母艦3艘を基幹とする敵機動部隊本州遥か東方洋上に出現せるも我が方の反撃を恐れ、帝国本土に近接することなく退却せり』」歩きながら読んでいて、同じく歩きながら読んでいた光子とぶつかる。

 

元子「『かしこくも、かしこくも、天皇陛下にあらせられましては、昨日…』」

トモ子と光子が姿勢を正す。

 

これは当時の宮廷ニュース用語で一番舌をかむ率が多く、間違ったら退職ものという放送員泣かせのものでした。

 

元子「『趣にもれ…もれ承ります』」

 

朝から落ち着かなかったのも無理はなく、今日は元子たちにとってうれしいことが2つあったのです。その一つは放送スタジオの実地見学です。

 

沢野「じゃあ、ここで静かに待ってるように」

 

放送スタジオの中に入っていく沢野。

トモ子「全然、音が聞こえないのね」

のぼる「ワクワクしちゃう」

元子「ねえねえ、今日は徳川無声さんがいらしてないのかしら」

プラーグの大学生

プラーグの大学生

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恭子「あら、私も今そう思ってたとこなの」

トモ子「ねえ、このスタジオ何やってんのかしら」

 

のぼる「(沢野のまねで)何をやっていたにしても君たちは番組制作全般と同時に放送員の実際を見学するんですからね」

元子「はいはい、分かっております」

笑い声

光子「似てる!」

恭子「似てる」

 

ドアが開き、沢野が出てくる。「このスタジオでは、今、放送劇のテスト中です。質問は後で教室に帰ってからすること。何度も言うようにテスト中といえども、みんな真剣なんだから絶対に無駄口はきかないこと。いいね?」

一同「はい」

沢野「じゃあ、入ります」

 

元子、トモ子、のぼる、光子、恭子が中へ。

 

楽器の生演奏から雨の擬音。こういうの「ラヂオの時間」でもあったね~。

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男「そして、翌朝のことでした。頼るべきは沢田しかない。佳代はそう決心したのです」

 

雷の擬音

元子「うわっ!」前にいた女学生の肩にすがりついてしまう。「すいませんでした…」

 

床に敷いた砂利を踏む下駄の音。戸の開閉の擬音。

女「ごめんくださいませ、佳代です」

 

トモ子「あっ、田中絹代がいる!」

喜代「静かに!」

トモ子「だってほら、田中絹代さんの本物…ハッ!」

 

喜代「沢野さん!」

トモ子「申し訳ございません!」←またでっかい声で…

元子「でした!」

 

まあ、いろいろとありますが、もう一つのいいことは20日までの給料・金32円なりが支給されたことでした。

 

研修室

立花「飯島トモ子さん」

トモ子「はい!」

立花「桂木元子さん」

元子「はい!」

封筒を受け取り、署名捺印。だからハンコがいるんだね。

 

立花「向井恭子さん」

恭子「はい」

 

立花「漏れた人はいませんね」

一同「はい」

立花「じゃあ、今日はこれで終わるが、これから名前を呼ばれた人は残ってください。向井恭子、立山のぼる、飯島トモ子、青山光子、桂木元子、以上5名。沢野放送員から注意がある。いいね」

元子「はい…」

 

立花「では、当番」

悦子「はい。起立! 礼!」

 

帰り支度を始める仲間たち。

喜美代「さようなら」

元子「さようなら」

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自己紹介によれば、喜美代は東京出身。

 

「しっかりね、ガンコ」

元子「うん」

 

悦子「頑張ってよ、ガンコ。じゃあね」

元子「さようなら」

 

良男「しっかりね、ふれちゃん」

トモ子「ありがとう。さようなら」

 

研修室に残った5人。

トモ子「ごめんね、本当に私ったら」

のぼる「しょうがないわよ。こういうのを一蓮托生っていうんだから」

元子「そうなのよ。ふれちゃんがドジやる前に私がつまずいて音さして、あのお方の癇(かん)は既にカッカッカッと来てたんだしさ」

恭子「間が悪かったのよ」

 

トモ子「いいのよ、慰めてくれなくても」

元子「ふれちゃん」

トモ子「ううん。私は自分があれほどまでにミーハーだったなんて自分で自分にショック感じてるんだ」

光子「確かにうちたちの態度、悪かったもんね」

のぼる「私もフワフワしてた」

 

元子「それに比べておんなじ女性なのに、あの先輩演出家のピーンと張り詰めた仕事ぶり。私は深く反省いたします」

トモ子「そうよね。絶対に見習わなければいけないのに申し訳ないことをいたしました」

恭子「そう思うと、勉強させてもらいながらお給料を頂くなんて少々具合が悪い感じ」

元子「本当。まだ働いてないんですもの」

光子「とはいえ、一度もらってしまったものだし」

のぼる「今から返すわけにいかないもの」

笑い声

 

沢野が部屋に入ってくる。

恭子が前列、元子、トモ子、のぼる、光子が後ろに並ぶ。

 

沢野さん、かっこいいよ~。やっぱりニコニコの結城さんよりカンカンな沢野の方がいいわ~。端正な顔が引き立つ。

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恭子「今日はせっかくの見学の機会でしたのに、つい現場の雰囲気に圧倒され、お仕事をなさっている皆様に大きな迷惑をかけてしまいました。ここにおります全員、心の底から深く反省しております。本当に申し訳ございませんでした」

立派な反省の弁! 後ろの4人も頭を下げる。

 

沢野「全く情けないね。テストとはいえ現場の人たちはよりよい仕上がりを目指して真剣なんだ。ましておや、あれが放送中だった場合、一体どういうことになっていたかよく考えてみるんだね」

恭子「はい」

沢野「大体、調整の助手をやっていたあの勤労学徒はだ、君たちよりはずっと年下の女学生なんだよ。その前で放送員になろうともいう女子大出があんな醜態を演じるなど恥ずかしいと思ってくれなきゃ困る!」

恭子「はい、心の底から恥じております」

沢野「それから、今日の担当である近藤喜代演出家から君たち5人の態度については放送員室長に報告し、成績内容に必ず記入してほしいと特に申し入れがあった。これはどういうことか分かりますね」

恭子「はい」

沢野「以上」

 

なぜ、恭子が前面に出て怒られなきゃならんのだ。年上なのかな?

 

沢野が出ていくまで頭を下げ続ける元子たち。

元子「どうしよう」

のぼる「成績内容に記入って具体的にどういうことになるのかしら」

恭子「なるようになるわけよ」

 

のぼる「それにしても彼、随分さっそうと文句言ったわね」

恭子「本当」

のぼる「キザっていうか嫌みっていうか、あそこまでいくとやっぱり大したものよ」

光子「背は高いし、彫りが深くて、うちはちょっと憧れとったばってんね」

一同「へ~え」

光子「あ…ばってん、それは3分前までのことで、まあ、あれはいかん。まあ、あれはやめやめ。もう、あれはいかん」

のぼる「向こうでも初めっからやめてんじゃないの?」

光子「ひどか~! 何ば言いよっと、もう!」

 

恭子「だけどこっちが悪かったんだから、いくら叱られたってしかたないわよね」

元子「そうよ。過ぎたことだもん。いつまでクヨクヨしたって始まらないわ」

のぼる「よっ、江戸っ子、ガンコちゃん」

トモ子「でもさ…」

 

元子「いいの。これから気ぃ付けるより、ほかに方法ないじゃないの。嫌なことはきれいさっぱり忘れて繰り出しましょうよ」

恭子「繰り出すって?」

元子「銀座へですよ。皆さん、懐があったかいんじゃございませんでした?」

光子「あったかい、あったかい!」

元子「さあ、ついてらっしゃい。宵越しの金は持たねえってのが親の遺言なのよ」

トモ子「えっ、遺言って!? ガンコのご両親、お元気でなかったの?」

元子「こういう時はそう言うの深く考える女は行き遅れるってさ。さっ、繰り出せ、繰り出せ!」

 

血は争えないというべきか、こういう元子は、どうも宗俊そっくりの気がいたします。

 

昔の銀座の白黒写真とかぶさるように歩いている元子たち。

 

繰り出したところであり金をぱっと散らすほどには買いたい品物はないものの自分で手にした初めての給料ともなれば、やはりウキウキ。惨めな失敗もさっぱりと忘却のかなたへ飛んでいきます。

 

夜、吉宗前の路地

♪「とんとん とんからりと 隣組

格子を開ければ 顔なじみ

廻して頂戴 回覧板」

女の子が赤ちゃんをおぶって歌っている。私の世代はドリフ大爆笑を思い出すな~。

隣組

隣組

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茶の間

元子「これはお母さんに」

トシ江「あら、まあまあ。さあ、何でしょうかねぇ。あら」

 

…7時27分。ミサイル発射のニュースで中断。アナウンサーがミシャイルとかんでる。先輩放送員に注意されるのかな。BSでニュースで中断になるのは初めて。この続きは明日の朝にでもやってくれるんでしょうねえ?? 日曜日まで待たなきゃダメ?

 

演出家の近藤喜代さん役の仙北谷和子さんは、のぼる役の有安多佳子さんと同じ劇団民藝の所属なんですね。写真でしか見たことないけど、向田邦子さんにちょっと似た感じに見えた。

www.gekidanmingei.co.jp

トシ江へのプレゼントが気になるな~。

 

10/5 追記

昨日放送分を改めて今日放送、そこから1話ずつズレ、土曜日に2話分やることになったそうですが…今日2話やってほしかった。

 

茶の間

トシ江「まあ、帯留めじゃないの」

宗俊「これは象牙だぜ、おい」

 

元子「はい、これは巳代子へ」

巳代子「えっ! わぁ、きれいなリボン! まだこんなの売ってるところがあったの?」

元子「探したのよ、足を棒にして」

巳代子「すご~い」

 

元子「え~っと…はい、順平」

順平「わぁ、けん玉だ!」

元子「お正月が来るもんね。それから彦さん」

彦造「わしまでなんて、そんな、ハハハ…。どれ、へへへ…おっ」

宗俊「たばこ入れか?」

彦造「本物の革ですよ」

宗俊「まあ、入れるたばこがろくにねえのが気に入らねえがな、もらっとけ、もらっとけ」

 

元子「お待たせしました。これは、おキンさんへ」

キン「あらまあ、どうしよう、まあ…」

トシ江「さあさあ、おキンさん」

元子「開けてみてよ。写真立てなのよ、それ。善吉さんの写真入れて飾っときなさいよ」

キン「まあ…まあ、ありがとう存じました、まあ。大事に大事に使わせていただきますわ。けどまあ、お嬢からこんなまあ結構なものを買っていただくなんてね、夢にも私は…」

 

元子「それからっと。はい」

宗俊「何だ、これ」

元子「開けてみたらいかがですか」

宗俊「お~、こりゃ萩焼だ」

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萩焼っつーと、北川さんが則子にうんちくかたってたな…と思ってたのに、読み返したら、焼き物の話は少ししてたけど、則子が萩焼の写真集を家で眺めていただけだった。

 

元子「あと、これは使った残りが入ってますから、よろしくお願いいたします」

宗俊「何をよろしく頼まれなきゃなんねえんだい? え? 俺は娘の給料を当てにするような、な? そんな嫌~な、おやじじゃねえやな」←おしんの父なら懐に入れる。

トシ江「いいじゃありませんか。とにかく預かっといてやってくださいよ」

宗俊「だから預かってどうするんだよ」

トシ江「だって、いずれ嫁に出す子でしょ。それまで貯金しておいてやるなり何なりね」

宗俊「チッ、こんなものをもらう物好きが、おめえ、果たしてこの世の中にいるのかねぇ」

 

というより、男はみんな兵隊兵隊で元子に結婚相手が残っているだろうかと宗俊は言うべきだったのでしょう。

 

つづく

 

明日も

 このつづきを

  どうぞ……

 

小山内脚本は登場人物のセリフや行動に茶々入れるタイプのナレーションだけど、時々サラッと怖いこと言うよね~。そこが面白いところでもあるんだけど。

 

この数分くらい待ってJアラートやってもよかったのに~。今日は今日の話が見たかったんだよ~。

 

ふれちゃんの描写、「東北人じゃないけど、こういう東北人の描き方おかしい!」っていう感想を見かけて私は嬉しい。ふれちゃんみたいな子、私は別に不快感はないです。周りの先生も友達も優しいし。あとなまりが上手。

 

東日本大震災があって、東北人を田舎者いじり、方言いじりを表立ってしにくくなり、「あまちゃん」があって、たまにかわいい方言なんて言われてる方がこそばゆい。あれは、あまちゃんがかわいいのだと分かってますが。

 

普通にふれちゃん頑張れと思って見られてます。