公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
もも（藤山直美）の様子がおかしく、気にする純子（山口智子）とあき（伊藤榮子）。そこへつや（白川由美）と北川（細川俊之）が、娘の綾（繁田知里）を連れて、ももを訪ねてくる。つやは、金太郎（高嶋政伸）は来てないか、と聞くが、ももは知らないと言う。つやが、綾は金太郎の子どもを妊娠している、と明かすと、風呂場に隠れていた金太郎が見つかって、皆で金太郎を問い詰める。金太郎は責任を取って綾と結婚する、と言い…。
電話のある部屋
陽子をおぶったあきが電話を切ったところ。「すんません」
陽子が持ってるお人形、「芋たこなんきん」で町子が子供の頃から持っている人形に似ている気がする。
あき「ももさん！ ももさん！ 楓の間のお客さんのたばこどないなってんのや？」
もも「は～い」
純子「ただいま」
あき「お帰り。家、どうやった？」
純子「あかん。やっぱり歩いて10分いうとこはないな。(陽子に)ただいま。不動産屋さんを3軒回ってみたんやけどな、やっぱり無理なんやろかな」
あき「別に無理に探さんかて、ここにおったかて、お母ちゃんと純子で陽子の面倒ぐらい見たらええやないか」
どうでもいいけど、いまだ町子がマチ子に変換され、陽子がヨウ子になってしまう。
純子「あかんて。ここにおったら陽子にかかりきりというわけにはいかへんやろ」
あき「そら、そうやけど」
う～ん、だから部屋借りてどうなるというの？
ぼんやりした様子のもも。
あき「さっき渡したやないの。ポケット入れてたで」
もも「あ…ああ。すんません」
純子「ももさん、どないしたん？」
あき「それがな、お昼前から急におかしなったんや」
純子「おかしなったって？」
あき「ボーッとしてため息ついたりな、菊の間へ持っていかんならんお料理、百合の間へ運んだり、お鍋ひっくり返したり、何聞いてもうわの空なんや」
純子「なんぞあったんやろか」
あき「お母ちゃんも聞いてみたんやけどな、何もない言うんや」
北川「ごめんください」
純子「はい！」
板場
純子「ももさん！ ももさん！」
石田「ももさん、女将さん呼んではるで」
純子「ももさん」
もも「あ、はいはい」
純子「興園寺の奥さんが来はったで。ももさんに用があるんやて。ヨシ子さん、ちょっとお願いします」
ヨシ子「はい」
もも「あの…奥さん一人か？」
純子「ううん、北川さんと綾ちゃんも一緒や」
もも「やっぱり…」
純子「どないしたん？」
もも「いや…何もちゃう」
純子「さあ、行こ。何やちょっと折り入って話があるて言うてるし」
部屋
つや「しばらくやね、ももさん」
もも「しばらくです」
北川「元気？」
もも「あ…元気です」
つや「ちょっと聞きたいんやけどな、金太郎君、ここへ帰ってるか？」
もも「！？」
北川「来てないの？」
もも「いや～、金太郎は来てないな」
北川「おかしいね」
もも「来てないな」
つや「農協の方にはな、休暇届が出てるんや。大阪のお母ちゃんとこ行く言うてな」
もも「いや～、金太郎は来てないな。えらい、すんませんでした」
つや「ももさん、ちょっと待って。聞きたいことがあるんや」
純子「私ら遠慮します」
もも「いや、純ちゃんも奥さんもここにおって」
つや「甚だ言いにくいことなんやけどな、まあ言わなあかんさかい言わいてもらうけれど、この子のおなかの中にな赤ちゃんがおるねん」
純子、あき驚く。
つや「3か月なんや。この子が言うにはな、その赤ちゃんの父親いうのは金太郎君やて言うんやけど」
もも「いや…知らん。うちは何も知らんな」
北川「ももさん、まだ聞いてないの。僕もびっくりして東京から飛んできたんだけどね。綾ちゃんはうそを言うような子じゃないからね」
雄太「こんにちは」
北川「やあ」
雄太「いらっしゃい。今、お二人で来てはると聞いたもんやから」
北川「雄太君、工業高校の先生になったんだって？」
雄太「はい。(純子が近づいてきて)何？ (純子が引っ張っていく)ほな、ごゆっくり」
雄太は鼻歌を歌いながら風呂場へ。こんにちはというから土曜日の午後なんだろうか？ 仕事から帰ってきてもきっとタダ働きの風呂掃除や洗濯、ヨシ子ちゃんも陽子の世話など本来やらなくていいことをさせてるなら、やっぱり人を入れた方がいいと思う。秀平は外で仕事だといって正太夫のとこでグチってるし。
雄太、お風呂のふたを少し開ける。「あ～、何や。まだお湯入ってないんか」
湯を入れると「うわ～！」と金太郎が飛び出してきた。
雄太「誰や？」
金太郎「雄太」
雄太「金太郎。お前、何してるのや」
雄太「赤ん坊？」
風呂場なので響いてる。
金太郎「うん」
雄太「それで、興園寺の奥さんが来てんのやな」
金太郎「やっぱり来てるんか」
雄太「そやけど金ちゃん、何でこんなことになったんや」
金太郎「いや、そいがな、雄太は信じられんかも分からんけど、1月の終わりぐらいやったかな、綾ちゃんがわいとこに煮しめ持ってきてくれてん。で、まあ、上がって上がってって。で、2人してこたつの中に入って話、しやってん。その…そのうち、こう、目が合うてきてしもて。そいで、わい、もう心臓が破れるぐらいドキドキッとして…」
雄太「うん」興味津々の顔
金太郎「で、綾ちゃんが黙って見やんのよ。で、わい…」
雄太「それで隠れたんか」
金太郎「お母ちゃんに相談したら、とにかく人目についたらあかんて言われて」
雄太「そら、男らしないで。逃げ隠れしてどうなるもんでもないやろ。来い。これからどないするか考えなあかんやないか。なあ」
何か朝ドラでやるにしては生々しい話…。
もも「ほらほうかも分からんけど、うちは何も聞いてないで」
北川「いや、だからね、こっちも綾ちゃんの言い分だけじゃなく、金太郎君の言うことも聞いた方がいいわけでしょう」
純子「あの、ほんまに金太郎君は、ここへ来る言うて休みを取ってはるんですか？」
つや「そうなんや。そらな、男と女の間のことやから、なにも金ちゃんだけをどうのこうのて言うてるわけやないんよ」
雄太「さあ、はよ」金太郎を連れてきた。
もも「金太郎！」
雄太「風呂場で見つけたんや」
あき「金ちゃん、来てたんかいな」
もも「奥さん…すんません。うち、この子に相談されて、もう訳が分からんようになってしもて」
つや「金ちゃん、あんたはもう分かっとるやろうけれど、ほんまのことなんやな？」
北川「綾ちゃんのおなかの中の赤ん坊のことだけどね」
金太郎「ほんまや」
もも「お前はもう…。何ちゅうことしてくれたんや、お前は！ よりによって興園寺のお嬢さんに！」金太郎をバシバシたたく。
雄太「おばちゃん！」
もも「この考えなしのドアホ！」
純子「ももさん、やめてください！ ももさん！」
もも「奥さん、すんません。隠すつもりはなかったんです。すんません！」
つや「金ちゃん。あんた、どういうつもりでこういうことになったんや？ あんたな、していいことと悪いことがあることぐらい分かっとるやろ！」
北川「つやさん。そう頭ごなしに言っても金太郎君も答えられないよ」
つや「そやかて…」
北川「どうなんだい、金太郎君」
金太郎「わいも男や。弁解はせんわい！」
もも「お前は…威張ってる場合か」
雄太「いや、僕が聞いたとこでは、どっちが悪いいうもんでもないように思うけど」
あき「雄太、あんたいらんこと言うたらあかん」
つや「このままほっとくわけにもいかんしな」
金太郎「わい、責任取ります」
つや「どがいにして？」
金太郎「綾ちゃんを嫁にください。結婚します」
もも「何を言うんや、お前は！」
金太郎「母ちゃん、黙っとけ。わいも男や」
北川「ちょっと待ってよ。責任を取って結婚するっていうのはどういうことなんだい？ 綾ちゃんもそれでいいのかい？ 責任を取ってもらって好きでもない男と結婚して幸せになれるはずはないだろ」
北川さん、かっこいい～♪
純子「北川さん、何を言わはるんですか」
北川「結婚するのは好き合った男と女だけだよ。責任を取って結婚するなんて愚劣だよ。そんなことで一生愛し合っていけるわけがないじゃないか」
綾、泣き出す。子供のような｡･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･｡て感じ。
別の部屋
純子「さあ、ここやったらお母さんも北川さんもいてはらへんし、ほんまのこと言うてみ。ぐつ悪いことやったら私の胸に畳んどくさかい。好き合うてそうなったん？ それとも間違いでそうなったん？」
綾「うちは前から金ちゃんが…」
純子「好きやった？」
綾「(うなずく)村一番の悪うやけど気持ちのきれいな人やと思いやった」
純子「金ちゃんは？」
金太郎「わいは子供の頃から憧れてたんやけど、綾ちゃんちは金もあるし、格がちゃうやろ。で、諦めたってん。けど、好きやちゅうのは、ほんまのことや」
綾「けど、北川さんの言うとおりや。責任取って結婚してもろても、うちはうれしない」
金太郎「ほやから好きやて言やるろ」
純子「分かった」
つやたちがいる部屋
もも「すんません。ほんまにもう何て言うてええか…」
北川「いや、僕もにわか仕立ての父親ですから勝手が違ってしまって」
純子「失礼します」
純子のあとに金太郎、綾も入室。
純子「あの2人とも前から好きやったて言うてます。結婚したい言うて」
北川「そう。それなら、つやさん、何も問題ないんじゃないかな。どう？」
つや「そうやね」
もも「いや…あかん。何を言うんや！」振り向き、金太郎にビンタ！ そしてまた叩き続ける。
純子「ももさん！」
もも「お前は…」泣きながら金太郎にすがりつく。
金太郎が昔から綾に憧れていたというのは疑わしい。子供の頃、接点のあるシーンなんてないし、最近になって、浜風荘に手伝いに来ていた綾が金太郎を誘って甲子園を見に行ったりしたあたりで仲よくなったのかなと思ってた。
ももも知らなかったしょうゆ屋から農協への転職も綾だけは知ってたし。大体、小さい頃から金太郎、昭、雄太は小百合ちゃんだったじゃないか。
しつこいようですが、前回の陽子を男性客が勝手に風呂に入れていた件。いろいろ見ると、昭和30年代あたり女性一人で旅をするのが珍しい時代だったと知り、まあそうかと無理やり納得。おばちゃんの団体旅行というのもあんまりないか。
確かに今まで、浜風荘に来ていた客は100％男性だった。あ、老夫婦が来ていたこともあったけど、キクさんが心中じゃないかと警戒してたっけ。大体がビジネス関係か甲子園という感じだもんね。
しかし、このドラマが放送されていた時期、宮崎勤事件が起こっている最中(逮捕されたのはドラマ終了から数か月後)だっただけに敏感になる人も多かったんじゃないのかな？ とにかく気持ち悪すぎて…。
