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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (129)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

陽子(村上沙織)がいなくなって、捜し回る一同。警察にも電話するが、風呂場で客の男と遊んでいたらしく、泣きながら連れられてくる。純子(山口智子)は、子育てのためにも一軒家を借りて旅館と離れたほうがいいのではないか、と言いだす。純子が陽子から目を離す間、ひもで柱と結びつけていると、秀平(高嶋政宏)は動物じゃないんだから、と止める。清原(浜村純)が陽子を散歩に連れ出すが、陽子は1人で帰ってきて…。

純子と秀平の一粒種、2歳になる陽子がほんのちょっと家族が目を離した隙にいなくなったのであります。

peachredrum.hateblo.jp

純ちゃんの応援歌」では珍しい前回の振り返り。

あき「陽子! 陽子ちゃん!」

秀平「どうしたんです?」

あき「陽子がおらへんのや」

秀平「えっ!?」

 

純子「表にもおらへんのや」

あき「どないしょ」

純子「おらへん?」

もも「純ちゃん、おらんで」

 

純子「お母ちゃん、目ぇ離すからや」

あき「そこにおったんやで」

 

秀平「誰も見てないのか?」

純子「そやかて…」

 

秀平「誘拐じゃないか?」

純子「まさか」

あき「えっ?」

秀平「まさかじゃないだろう! きっと誘拐か事故か何かあったんだよ」

振り返りここまで。途中いくつかセリフがカットされていました。

 

板場で作業しながら気もそぞろの純子。

 

いなくなってから、そろそろ30分。純子の不安は募るばかりであります。

 

純子「お母ちゃん、やっぱり、私、もう一遍見てくるわ」

あき「そやな」

板場に入ってきた秀平「いない。どこにもいないよ」

純子「どないしよ」

秀平「陽子が歩いてたら誰か一人ぐらい見た人いると思うんだ」

 

清原「やっぱりいないね」

純子「おじいちゃん、すんません」

清原「玄関から出ていったのなら僕が気が付くはずなんだ。僕はずっと玄関にいたんだから」

純子「やっぱりさらわれたのかもしれんな」

あき「そやろか」

 

純子「とにかく警察に知らせた方がええのかもしれんな」

秀平「そうしよう。早い方がいい」

純子「そうするわ」

 

電話のある部屋

純子「ええと警察…(後ろの黒板で番号確認?)」

もも「あ、純ちゃん。純ちゃん、駅も公園もな、もう一遍見やったけどな、おらなよう」

 

純子「もしもし甲子園警察ですか? あの、こちら浜風荘いう旅館の者なんですけど、あの、子供がおらんようになりましてん。はい。名前は速水陽子。2つになったとこの女の子です」

泣き声

秀平「あっ!」

廊下を浴衣姿の男性客が陽子を抱っこしていた。陽子を奪い返した秀平。

純子「陽子! 陽子、おいで。お母ちゃんとこおいで。どうしたんや。何してはったんですか?」

 

男性「いや、ちょっと泣かれちゃって」

秀平「さっきからこの子がいないんで大騒ぎになってたんですよ」

 

純子「よかった、陽子…」

 

男性「いや、あの、私、陽子ちゃんと一緒にちょっとお風呂で…」

あき「お風呂?」

男性「ええ」

秀平「何で人の子を勝手にお風呂に入れたりするんですか? 泣いてるじゃないですか!」

 

もも「こっちはな、誘拐や思て警察に連絡しやったんやで!」

純子「あ、警察」

あき「そやそや。もしもし、子供いてました! すんません、ほんまに」と電話を切る。

 

男性「あ、いや、あの…私がお風呂に入ってたら、この子が金魚のじょうろを持ってとことこ入ってきたんですよ。で、あんまりかわいいから、おじちゃんと一緒にお風呂に入るかいって言って、それで今まであの金魚屋さんごっこをして遊んで…。どうもすみません。すみませんでした」

 

あき「よかった、よかった。よしよし、もう泣かんでええよ」

純子「お風呂で遊んでたん? もう大丈夫やで」

 

男性「大丈夫ですよ。ちゃんと歌歌いながら温めましたから」

秀平「そんな問題じゃないでしょう!」

純子「秀平さん!」

あき「そうや、お客さんかてな、悪気あってしたことやないんやから」

 

秀平「どうもすみません」

男性「いや…こっちこそ。どうもすみませんでした」

 

秀平「陽子から目ぇ離すからこういうことになるんだよ」

純子「堪忍な、堪忍な。お母ちゃん、悪かった。もう大丈夫やで。お母ちゃんおるで、ここに」

 

表面的にめちゃくちゃ外面のいい人でいかにも子持ちパパ風に見せて、裏では「しゃべったらお前の家族を殺すぞ」とかいう男かもしれないじゃない。風呂場で人の子供を勝手に裸にして風呂に入れるなんて、子供好きにしてもおかしすぎる。なんで、お客さんをせめて女性客にしなかったのか?

 

純子たちの部屋

布団で眠っている陽子。

秀平「終わった?」

純子「うん。やっと終わった」

秀平「全く…お客さんと風呂入ってるとはねえ」

 

純子「ほんまや。客商売やさかいな、どないしても目ぇ届かんし。正太夫さんとこの節子さんはな、何もせんと一日中、美佳子ちゃんを見てますて言うてはったけど、ほんま羨ましいわ」

おいおい、節子さんの謙遜を真に受けるな! 何もせんとってほんとに何もしてないわけないだろー! 正太夫の世話もあるのにさ。

 

秀平「ないものねだりしてもしかたないじゃないか。この旅館は君がいなくちゃやっていけないんだし」

純子「そない言うてもなあ。いつもいつも背中に背負ってるわけにもいかへんし。お母ちゃんもな、腰が痛い腰が痛いて言うてるし。この子もこのごろ重たなってきたさかいな。うちとこがサラリーマンやったらな。一日中、陽子の面倒見ててやれるのやけど」

秀平「できもしないこと言うんじゃないよ」

秀平も秀平で具体策の一つも出しゃしねえ。こういう場合、サラリーマンより自営業者の方が時間を作ることができるもんだけどね。秀平はこういう時だけ仕事熱心。

 

純子「家、一軒借りよかな」

秀平「家?」

純子「アパートでもええねんけど」

秀平「家借りてどうするの?」

 

純子「陽子を育てるための家や」

秀平「しかし、子供のそばにベッタリくっついてればいいってもんでもないんじゃないの?」

純子「ううん、えらい違うと思うんや。節子さんとこは陽子より半年も遅いのに口の方はだいぶ早いねんで。おしっこもうんちもちゃんと教えるし。陽子が遅いのんは、やっぱりほったらかしにしてるからやと思うねん」

秀平「いちいち節子さんとこと比べることないよ。子供だもの、個人差はあるさ。少しくらい口が遅くてもすぐ追いつくよ」

 

純子「ひと事みたいに言うて」

秀平「そんなことないさ」

純子「秀平さんは外に出てるさかい、陽子を育てるのがどれだけ大変か分かってないねん。一日中、陽子に振り回されて…。私だけやないねん。お母ちゃんかてももさんかてそうや」

秀平「そりゃ分かるよ」

 

純子「理屈で分かってるだけやんか」

秀平「じゃあ、どうしろって言うんだ? 僕は外に出るのが仕事なんだから、陽子につきっきりってわけにはいかないよ」

純子「そんなことは言うてへん」

秀平「家借りたって同じだよ。君が一日中、陽子といるわけにはいかないんだから。大変なのは分かってるけどね」

 

純子「今、陽子には一番母親が必要な時なんや」

秀平「そんなこと分かってるよ」

純子「分かってないやないの」

秀平「僕だってね、陽子が赤ん坊の頃は夜中にミルクやったり、おしめ替えたり…。全然協力してないってことはないよ」

 

子供を巡って夫婦の意見が合わなくなるということは、どこの家庭でもあることではありますが…。より一層切ないのは、やはり母親の方なんでしょうねえ。

 

純子「私、先にお風呂に入ってくる」

 

翌日

浜風荘前をヨシ子が掃除している。

 

室内では長い紐につながれた陽子を秀平が見つけた。

秀平「陽子! どうしたんだ? お母ちゃんがしたのか? (紐をほどいて陽子を抱きあげる)君か、陽子を縛りつけたのは」

純子「そうや。目ぇ離したらどこ行くか分からんさかい。忙しい時だけ…」

 

秀平「冗談じゃないよ。犬や馬じゃあるまいし。こういうことやめた方がいいんじゃないか?」

純子「一日中くくってるわけやあらへん」

秀平「僕は反対だ」

純子「ほな、どないしたらええのん」

秀平「どうしろって言われても、僕も困るけど…。とにかく、見てて愉快じゃないよ」

おい! 愉快じゃないなら具体案を出せ!

 

純子「分かった。ほな、私がおんぶする。おいで」

清原先生が様子を見に来る。

純子「2つにもなったら、おんぶされるのかわいそうやと思てしてるのやないの」

清原「陽子ちゃん、おいで。おじいちゃんとオンモに行こう。ね? お母ちゃん、忙しいからね。さ、カッコはいてオンモ行きましょうかね。さ、行きましょう」

 

残された純子と秀平はなんとなく気まずい。秀平だってこうして暇さえあれば清原先生みたいにすればいいのに。

 

太夫倶楽部

太夫「そら、大変やなあ」

秀平「何だかしなくていいけんかをしてるみたいでね」

太夫「まあ、そやけど、子供がおったらしゃあないわいな」

秀平「とにかく純子なんか目ぇつり上がっちゃってね」

太夫「純子ちゃんでもそうか」

秀平「そうだよ」

 

太夫「親いうもんはそういうもんかもしれんな。僕なんかも随分お母ちゃんにはかわいがってもろたさかいな。そのおかげでこの年になってボーッとしてんのやろな」

秀平「陽子も少しずつ知恵がつき始めてるから純子も焦ってるんだろうけど」

太夫「そやけど秀平君、目ぇつり上げるぐらいの方がええで。でもな、子供ってかわいいなあ。美佳子なんか毎朝な起きてくだちゃい言うて、僕を起こしてくれるのや。美山村へ申し込んどいた。つながった。あ、もしもし」

 

太夫は美山村から大阪まで通い? 正太夫親子は大阪で暮らしてるんだと思ってた。だったら節子さんだって、興園寺家の嫁としてあれこれ指導されてるはずで何もしてないわけない。

 

秀平「こっちはね、僕の方までイライラしちゃってさ」

 

太夫「もしもし、あ、節子か。俺や。うん。どないや、そっち。美佳子は? あっ、もちもち。美佳子ちゃんでちゅか~。お父ちゃんでちゅよ。何してまちゅか。何してまちゅか。フフ」

 

浜風荘

電話のある部屋で伝票整理をする純子。

あき「陽子、まだ帰らへんのか?」

純子「うん、まだやねん」

あき「おじいちゃん、どこまで連れていってくれはったんやろ」

純子「おやつには帰ってくると思うんやけど」

あき「ちょっと見てこうか」

純子「ううん、私が行ってくる」

 

陽子、三輪車で帰宅。

純子「陽子、お帰り。おじいちゃんは?」

あき「帰ったんか?」

純子「どないしたんやろな。今度は陽子一人で帰ってきて」

あき「陽子ちゃん、おじいちゃんは?」

 

純子「どないしたんや? おじいちゃん。あっち? どないしたんやろな。今度はおじいちゃんがおらんようになってしもて」

あき「ちょっと見てくるわ」

門を出たところで足を引きずりながら帰ってきた清原先生を発見。

 

あき「あら、おじいちゃん。いや、どないしはったんですか?」

清原「いや~、参った。この先でよ~いどんで走ったら僕の方が転んでしまって」

あき「大丈夫ですか?」

清原「ちょっとひざを痛めたらしい」

純子「気ぃ付けてもらわんと」

 

あき「陽子ちゃん、おじいちゃん置いてきたらあかんやないの」

清原「いや、それにしても陽子ちゃん、随分、足が達者になった。ハハハ」

あき「大丈夫かしら」

 

板場で陽子をおんぶしながら漬物つけてる?純子。樽に手を入れてるからぬか床をいじってるのかなー? 戸が開く音がして振り向く。

純子「お帰りなさい」

秀平「ただいま」

 

純子「どないしたん?」

秀平「こいつ持って歩いてたら足引っ掛けてドブに落ちた」

純子「いや、大丈夫?」

秀平「ああ、けがはないんだけどさ、せっかくの歩行器が台なしだ」

純子「何でまたこんなん」

秀平「この中に陽子入れておけばと思ってさ。陽子をひもでつなぐんじゃなくて歩行器をつないでればいいと思ってさ」

純子「私、やっぱり一軒家を探す。このままではあかんわ」

秀平「純子」

純子「探す」

 

う~ん、純ちゃん史上、今までで一番モヤモヤした日。純ちゃんも部屋を借りてどうしようというのか。保育園に入れたくないのなら、純子と秀平、どちらかが仕事をセーブしながらやるしかないんじゃないの? 

 

この時代的なら人を雇うのが一番だけどね。マー姉ちゃんの家だって、大人の女所帯の家にお手伝いさん2人いたんだから、別にいたっておかしくないよ。そのお金がないのなら、やっぱり保育園を探した方がいい気がする。

 

秀平も正太夫倶楽部でグチってる場合じゃねーだろ。走り回ってるような子供に歩行器とか余計危ないように感じる。純ちゃんの世界ならよき方向に向かうんだろうけど、ひもでくくりつけることより、男性客と風呂の方がよほどショックでした。

 

おしんの庄治あんちゃんは、あきさんこと伊藤榮子さんと今は同じ事務所。

www.jprime.jp

anemoienta.co.jp

このエピソードは和んだ。猫好きなのもよき。