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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (124)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

雄太(唐沢寿明)が大量のシーツやユニフォームを洗濯しながら、純子(山口智子)に不平を漏らすと、小百合(野崎佳積)が手伝いを申し出て、金太郎(高嶋政伸)が雄太(唐沢寿明)に話があるとやってくる。金太郎の話は、昨夜ミナミの飲み屋で、秀平(髙嶋政宏)がわらべ出版の節子(布勢真穂)を口説いているのを見た、ということだった。話を聞いた雄太と清原(浜村純)が信じられないでいると、節子が浜風荘にやって来て…。

夜、雄太が1人で球児たちの洗濯をしている。

純子「はい、これもお願いや」

小百合「これも」

雄太「うわ~、まだあるんかいな」

小百合「これでおしまいや」

 

雄太「秀平さん、どないしてんのや。まだ帰らへんのか」

純子「そうや。撮った写真を今日中に現像する言うてな。今日も暗室に泊まり込みやねん」

雄太「かなんなあ。春のセンバツの時は秀平さんがおったから、だいぶ楽やったけど、今度は全然あかんねんもん」

純子「そんでも春は35人、今度は20人、だいぶ楽なんと違うか?」

雄太「何が楽や。いっこも変わらんわ」

 

小百合「私、手伝うてあげる」

雄太「いや、かめへんかめへん。力仕事やさかい小百合ちゃんには無理や」

小百合「ええやんか、手伝う。その方がちょっとでも早いやんか」

純子「大丈夫か?」

小百合「大丈夫や」

 

純子「ほんま。ほな、お願いします」

小百合「はい」

純子「雄太、しっかりな」

 

小百合「何したらええのん」

雄太「ほんならそっちのんすすいで」

小百合「はい」

雄太「ほんまにもう洗濯屋になれるで」

小百合「ほんまやね」

作業しながらも小百合を見てしまう雄太。

 

板場

もも「はい。ほな、次、こいや。さっさとして。はい」

 

小百合、あくびをしている。

純子「ほらほら、ゆうべ遅くまで起きてるからやで」

小百合「すいません」

綾「あっ、こい、おみそ汁、1つ足らん」

あき「ごめんごめん」

 

雄太「ほな、お母ちゃん、会社に行ってくるわ」

あき「そうか、行ってくるか。あんた、気ぃ付けてな。体、大丈夫か?」

雄太「大丈夫や」

純子「行ってらっしゃい」

雄太「行ってきます」

一同「行ってらっしゃい」

 

綾「小百合ちゃん、送らんでええん?」

小百合「何でや?」

綾「いや、別に何でもないけど」

出ていく雄太を笑顔で見送る小百合。

 

もも「はいはいはい、次、こい運ぶで」

純子「はい、気ぃ付けて」

もも「は~い」

 

恭子「お布団、片づいたで」

純子「ご苦労さん」

西川「しんどいな」

恭子「もう、意外と力がないねんわ、この人」

西川「いやいや、ほんまの布団はやっぱり重たいで。パントマイムやったら500キロのバーベルでも持ち上げるんやけどな。ちょっとこれ…(バーベルを持ち上げるパントマイム)あっ…やっぱり重たいな、これ」

 

ヨシ子「いや~、お上手ですねえ」

西川「そうでっか? おおきに」

恭子「何してんの。遊んでんとはよ帰らんの」

西川「分かってるがな」

純子「恭子、そないに言わんかて」

 

西川「いやいや、もうそろそろ帰らなあきまへんねんわ」

純子「そうですか。ほな、またどうぞ」

恭子「私、送ってくる」

綾「さいなら」

純子「気ぃ付けて」

 

綾「恭子ちゃんと西川さんて仲ええなあ」

どこか寂しそう?な純子の表情。

 

夕方、浜風荘玄関

清原先生は本を読んでいる。

 

生徒「うん、そうそう大丈夫だよ。うん、元気。うん、試合、明日10時」

道北学園の生徒達は電話のある部屋で電話している。

 

「こんにちは」

清原「よう。君たち春のセンバツで来た…」

木崎「こんにちは」

宮下「こんにちは」

キャー、木崎君と宮下君!

 

純子「木崎君、宮下君!」

宮下「センバツの時はお世話になりました」

純子「いいえ。夏もあんたらが来るかもしれん思て楽しみにしてたんよ」

木崎「すみません、また来るって約束したのに」

宮下「予選の3回戦で今来てる道北に負けたんですよ」

純子「そう」

玄関にいる生徒たちも木崎たちを見ている。

 

清原「元気か」

木崎・宮下「はい」

純子「今日は? 応援?」

宮下「それで…部屋ありますか?」

純子「空いてます。今度は20人やさかい部屋は空いてます」

 

木崎「あの、部屋代、いくらですか?」

純子「ううん、あんたらやったら半額にしてあげるさかい。食事は選手の人たちと同じもんやけど」

木崎「それでええです」

純子「さあ、2人とも上がって。はい、どうぞ」

 

生徒「よう、宮下」

宮下「おう、試合、明日だな」

生徒「駄目だ、自信ないよ」

宮下「俺たちを負かして出てきたんだからな、1回戦ぐらい勝ってくれよ。応援してるから」

生徒「わざわざ来てくれたのか?」

木崎「そうだよ。北海道から高い汽車賃かけて出てきたんだ。ほんとに勝てよ」

生徒「相手は三重のせいなん高校だぜ」

ja.wikipedia.org

昭和30年 夏の甲子園

北海道代表は初出場の芦別高等学校。対戦相手は三重県四日市高等学校。で、この年の優勝校は四日市高等学校でした。初出場で初優勝!

 

純子「せいなん高校やろうとどこやろうとのんでかかったらよろしいやん。なあ。さあ、2人とも上で待ってて。後で案内するさかい」

木崎「はい」

道北の生徒達と話しながら歩いて行く木崎たち。

 

玄関には金太郎がやって来た。

清原「こんにちは」

純子「あ、金太郎君、こんにちは」

金太郎「こんにちは」

純子「どないしたん?」

金太郎「いや…別に」

 

純子「まだ大阪におったん?」

金太郎「うん、あの、ほら農協のお偉いさんのその視察のお供やら、その何やらの…。あの、雄太まだ帰らんのか?」

純子「うん、まだやねん。夏休みやさかい仕事終わったらまっすぐ帰ってくると思うんやけど…何?」

金太郎「いや、あの…ほな待たいてもらうわ」

純子「そう。ほな、さあ上がって」

 

もも「あら。金太郎、また来たんか」

金太郎「うん」

もも「何の用な?」

金太郎「いや、お母ちゃんには言えんことや」

もも「は? 何や? 金太郎君…」

金太郎「先生、ちょっと後で」

 

もも「金太郎君? 何の用やろな」

純子「変やなあ」

もも「うん」

 

板場

雄太「ただいま。ただいま」

一同「お帰りなさい」

純子「雄太。金ちゃんがな雄太に相談があるんやて。部屋で待ってるで」

雄太「金ちゃんが?」

もも「何や悩み事らしいんや。雄ちゃん、よう聞いたってら」

 

雄太「悩み事?」

もも「うん」

雄太「へえ~、金ちゃんにも悩みがあんのやろか」

 

金太郎は部屋の窓や襖を注意深く閉め始めた。

雄太「よう」

金太郎「おう」

雄太「暑いな~。相談て何や?」

 

金太郎は雄太が開けっ放しにしていた襖を閉める。

金太郎「そいがな、今、清原先生に話しやったんやけど…」

雄太「うん」

清原「どうも穏やかでない話でね」

雄太「何や?」

 

金太郎「ゆうべ、農協の人たちとミナミの飲み屋に行ってんらよ。ほいたらな、そこに秀平さんがおってな」

雄太「うん」

金太郎「まあ、ついたてあって、わいがいるちゅうことは気付いてないんやけども、なんと女の人と一緒やってんよ」

雄太「あ?」

金太郎「女の人やて。まあ、それはええんやけどな。けど、秀平さん、その女の人を口説いてるんやらよ」

雄太「ほんまか」

金太郎「ほんまや。この耳ではっきり聞いてんな」

 

清原先生と顔を見合わせる雄太。「何を聞いたんや?」

金太郎「ほいがな…」

 

秀平の向かいに女性が座っている。「だからね、節ちゃんの正直な気持ち聞きたいんだよ。好きか嫌いか」

 

雄太「節ちゃん?」

金太郎「そうや。ほかにもな…」

 

節子「そやけど、純子さんのことが…」

秀平「純子のことは、もう関係ないと思ってほしいんだ。純子に対する気持ちはもう吹っ切れてるんだから」

節子「そやけど…」

 

雄太「ほんまか?」

金太郎「ほんまや。この耳ではっきり聞いてんて」

清原「問題は相手の女性だね」

雄太「なあ、節ちゃんて言うた?」

金太郎「うん」

 

雄太「あの、秀平さんが暗室を使わせてもろてる、わらべ出版の事務員さんで節子さんいう人がいてるんです」

清原「あ、純子ちゃんの結婚式の時に正太夫君と司会をした人だね」

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金太郎「はあ~、わい、ほんまどないしよ思てな、もう…」

清原「まさかとは思うけども、しかし、金太郎君が聞いたのが事実だとすれば…」

雄太「そやけど、お姉ちゃんの耳には入れん方がええのと違いますか?」

清原「それはそうだ。もちろんそうだ」

 

純子「雄太、何やの、暑いのに閉めきって。どないしたんですか?」

清原「ああ、いや…」

純子「はい、これどうぞ。金ちゃん、相談やったら、私も話に乗ろうか?」

金太郎「とんでもない…いやいや、あのそんな大したことちゃうねん」

純子「そうか。何やの、ここも暑いのに…開けとくで。ほな、ごゆっくり」

何となく様子をうかがいながら部屋を出ていく純子と悩む男たち。

 

雄太「秀平さん、ここんとこずっとわらべ出版で現像してるよって、それで仲ようなってしもたんやろか」

清原「う~む…」

 

浜風荘ロビー

純子「そう。ほな宮下君は大学へ?」

宮下「はい。東京へ夏期講習受けに来たんですけど、どうしても甲子園にもう一度来てみたくなって」

あき「そう」

 

木崎「僕は九州で就職します」

純子「九州で?」

あき「あら、木崎君、就職するの?」

木崎「はい。2年前に親父が九州の大牟田に転勤になって。おふくろが札幌のラーメン屋で働いてたもんで、僕はおふくろと暮らしてたんですけど、6月に亡くなったんです」

あき「あら…」

純子「ご病気やったん?」

 

木崎「いえ、自転車で出前に行くところをトラックにはねられて」

純子「いや…」

あき「お気の毒になあ」

木崎「で、1学期で学校をやめました」

純子「そやったん」

 

木崎「これから大牟田に行くんです。おやじが働いてる炭鉱で使ってもらえることになったもんですから。そしたらどうしても宮下に会いたくなって東京で降りたんです。それで、2人でもう一度甲子園に行ってみようって話がまとまって」

あき「仲よしやったのにな、離れ離れになってしもて」

木崎「ええ、でも一度は甲子園に来たんですから。あとは僕の代わりに宮下が大学で野球をやってくれますよ」

宮下「明日は木崎の卒業式なんです」

 

純子「明日、卒業式?」

宮下「ええ、こいつ中退しちゃったから卒業式はないんですよ。だから明日は甲子園のアルプススタンドで2人でこいつの卒業式をやるんです」

純子「そう。それやったら卒業おめでとう言わしてもろてもええのやろか」

木崎「ありがとうございます」

アドリブ? 宮下と木崎の話に笑う純子とあき。

 

それを電話のある部屋から見ている雄太と金太郎。

「こんばんは」

純子「はい。あっ、節子さん、どうも」

節子「あの秀平さんに頼まれて来たんですけど、着替えをお願いします。秀平さん、あと2~3日わらべ出版に泊まりはるそうで」

純子「あ…あの、それで節子さんに?」

節子「はい、私、あの、ほなもろてきてあげます言うて」

純子「あ…そうですか。いや、何やすんません。ほんまに厚かましいことお願いしまして」

節子「いいえ、秀平さんはいいて言わはったんですけど」

 

金太郎「あの人や。間違いないわ」

雄太「やっぱり」

 

節子「いるもん、ここに書いてあります」

 

ロビーのソファで見ていたあき。「わざわざ来てもろて。どうぞお上がりください」

宮下木崎は、声を出さずエキストラ演技をしてるのが面白い。

 

節子「私はここで」

純子「電話してくれはったら私が持っていったんですけどすんません。何してんのや?」

 

覗いていた雄太と金太郎に気付いた純子。

雄太「いや、何でもないよ」

 

まあ、金太郎の持ってきた話は、節子と正太夫のことだろうと思うからこっちはどうでもよし。宮下木崎が再登場したのがうれしかったな~。

 

しかし、木崎君の人生よ…(涙)。高校くらい卒業出来たらまた違う仕事が…とか思ってしまうけど、金太郎みたいに中卒でもがんばれば、まだ大丈夫な時代かな。

 

美山村から始まった物語で今の舞台は美山村じゃないのに美山村メンバーが集まっているのが面白い。前回書き損ねたけど、美山村に帰るつもりがないももさんの気持ち、切ないねえ。

 

peachredrum.hateblo.jp

木崎君が行くのは福岡県大牟田市の炭鉱。雄太のお母さんが住んでいるのは福岡県飯塚市の炭鉱。

同じ福岡でも遠いね。